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2018年03月30日

漫画『ぜっしゃか! 私立四ツ輪女子学院絶滅危惧車学科』1巻の感想とあらすじ 

『ぜっしゃか! 私立四ツ輪女子学院絶滅危惧車学科』1巻の感想。



タイトル:ぜっしゃか! 私立四ツ輪女子学院絶滅危惧車学科
著者:せきはん
掲載:コミックNewtype
1巻発売日:2018年2月10日

あらすじ・概要

本州から20キロ沖、四つ輪島につくられた私立四ツ輪女子学院。本校があるその島と、橋で繋がるかもめ島には、ガラパゴスと呼ばれる絶滅危惧車学科、通称「絶車科」がある。
現代では絶滅危惧となった昭和の旧車をレストア(再生)する絶車科。ここに通う1年生の百瀬莉子(ももせ りこ)は、同級生の柚(ゆず)、やよい、乃ノ香(ののか)たちと一緒に、学園生活を楽しく送りながら、旧車のメンテナンス技術を学んでいた。
ちいさな島にある懐かしき昭和。ここは、古い車たちの楽園。莉子たち絶車科の生徒は、古いクルマをレストアすると共に、クルマに込まられたユーザーの思い出も再生していく。


懐かしき昭和の香りが残る島に作られた学校で、旧車のレストアを学ぶ女子高生たちの、青春をわかちあうまったりライフを描いた物語。
JKが旧車をレストアする青春カーグラフィティコメディ。帯での謳い文句「女子高生が「旧車」を直して、乗って、遊んじゃう!!」。KDOKAWAのWEBコミック配信サイト「コミックNewtype」で2017年5月26日から連載開始。
作者は『グッバイエバーグリーン』「恋ヶ窪ワークス」『のーどうでいず』で知られる漫画家・せきはん先生。

紹介・感想

「JK×〇〇」的な、特定のテーマと女子高生を組み合わせた作品というのは、昔から高い人気を誇っていますね。可愛かったり、楽しかったり、色んな物語が紡がれ、同時に知識を深めることが出来る作品も多いです。
例えば、少女たちがボードゲームで遊ぶ姿を描いた『放課後さいころ倶楽部』がまさにそれ。他にも、自転車、釣り、麻雀、サバイバルゲームなど、扱われているテーマはいろいろ。
専門書並みに内容の濃いガチ作品も個人的には好きですけど、こういった作品の方が手に取りやすいですから、馴染みない人に楽しさを知ってもらうためにはうってつけではないかと。

さて、本日紹介させていただく漫画は『ぜっしゃか! 私立四ツ輪女子学院絶滅危惧車学科』。昭和の懐かしき旧車がズラリと出てくる作品です。

ざっくり説明すると、絶滅しかけている車種をサルベージして、それを復活させるためにレストアを学ぶ女子高生たちの、楽しく車をいじったり、直したクルマでドライブするなど、そんなゆる〜い日常の姿を描いたお話。

「JK」×「旧車」のゆるふわな日常系青春ストーリー。注意して欲しいのは、作中で登場する「車種」や「レストア(再生)」について、専門書的な詳しい説明を書いてる作品というわけではありませんので、その辺りを期待するとがっかりしてしまうかも。あくまでこの作品は、レストアを学ぶ女子高生たちのゆるい日常を楽しむ作品です。

舞台は、本州沖20キロ地点に浮かぶ四つ輪島にある私立四ツ輪女子学院。2輪、4輪問わず様々なクルマ関連の学科が集まっている学園。さらに、四つ輪島のすぐ隣には一回り小さいかもめ島が浮かび、橋によって繋がれたその島には「絶車科」と呼ばれる、絶版となった古い車を再生する学科があります。本校は近代的なのに対し、絶車科は昔の木造校舎を利用した昭和の名残を感じる建物です。

メインとなる登場人物は絶車科に通う4人の1年生。それぞれ個性がしっかり立ってる面白い子たちばかり。女学院なので当然みんな女の子です。
明るく元気なお調子者の百瀬莉子(ももせ りこ)、少年ぽいオレっ娘の小暮柚葉(こぐれ ゆずは)、知識豊富なデコメガネの小手指やよい(こてゆび)、おっとり系の美間乃ノ香(みま ののか)
主に彼女たち4人を中心に、他の絶車科をはじめとした四ツ輪女子の生徒たちや、旧車に関わる人たちを交え、物語は展開されていきます。

旧車オートバイ漫画『ジャジャ(Jyajya)』のようなメカチュンやマニアックな語りはほぼ無く、描かれているのは、直したクルマでドライブしたり、お弁当持って島を探検するなど、莉子たちのゆるい学園生活の風景です。それに加え、思い出が詰まった旧車とドライバーとの素敵な人情話。
まだ始まったばかりということもあって、内容は学校やキャラクターや絶車科の紹介が主ですね。なので、肝心の車いじりは2巻以降からになります。

この1巻には、「スズキフロンテクーペ」 「マツダT1500 オート三輪」 「スバルサンバーバン」 「ニッサンスカイライン」・・・などなど、主に昭和の日本車が続々登場。ただ、日本車オンリーというわけでもなく、「バンデンプラ プリンセス」といったイギリスの外車も登場しています。
クルマのことを全然分からない人にも優しく、エピソードの合間には、可愛いイラスト付きで旧車を簡単に紹介している「絶車ファイル」が挟まれています。思い出話や人情話を読んだ後に、その車の分かりやすい説明を入れてくれるので、より興味が深まりますね。


締めにだらっと

というわけで、旧車のレストアを学ぶ女子高生たちの楽しい日常と、クルマとドライバーの素敵な繋がりを描いた漫画『ぜっしゃか! 私立四ツ輪女子学院絶滅危惧車学科』1巻の紹介でした。

好き嫌いが分かれそうですけど、個人的にはこの心地よいゆるふわな空気感は好みです。人情味あるほっこり話が多いので読みやく、それほどクルマに詳しくなくても楽しめる内容だったのは良かったポイント。

個性派揃いのキャラクターも可愛いく、メインの4人以外にも魅力的な子は多数登場しています。彼女たちの日常系的なやりとりも、この作品における見所のひとつでしょう。

旧車に対する掘り下げは抑え目ながらも、読者の間口は広く取られている内容ですので、より多くの人に旧車への関心を持ってもらうためならば、このぐらいが調度良いのではないかと。何を求めるかによって物足りなく感じる人もいると思いますが、だからといって玄人が楽しめないというわけではありません。詳しい人だからこそ分かるニヤリな魅力と面白さも詰まってますから。

ほどよくデフォルメされた可愛い絵が意外と旧車にマッチしていて、懐かしさがより強調されていたように感じました。細部までしっかり描き込まれていたところも好感を持てます。

1巻ではレストア的なことはほとんど描かれていませんでしたが、2巻からはいよいよサルベージ実習が開始。どんなクルマと出会い、そしてレストアするなかで、どのような想いを蘇らせるのか、楽しみです。


【eBookJapan】 ぜっしゃか!‐私立四ツ輪女子学院絶滅危惧車学科‐
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2018年03月28日

漫画『ぶっきんぐ!!』1巻の感想とあらすじ 元書店員の作者が描く、小さな本屋さんを立て直す奮闘お仕事漫画

『ぶっきんぐ!!』1巻の感想。



タイトル:ぶっきんぐ!!
著者:美代マチ子
掲載:マンガワン/裏サンデー
1巻発売日:2018年1月19日

あらすじ・概要


さかのぼること12年前。書店業界を取り巻く環境は年々厳しさを増し、躍進を見せるネット通販の影響も受け、町の書店は3日に1軒閉店するほど減り続けていた。

美大を卒業してからも、絵で有名になることを夢見て路上でライブペインティングをする大國かの子(おおくに かのこ)。しかし、絵描きとしては一向に芽は出ず、当然絵で食べていけてるわけもなく、人生を迷走するプー太郎状態になっていた。
そんなある日、シャープペンの芯を買うため、とある小さな書店「光林堂」に立ち寄ったかの子は、そこで万引きの現場を目撃する。「時代遅れ」と言われた今の自分の姿を書店に重ね、無性に腹が立ったかの子は反射的に犯人を追いかけると、見事捕獲に成功。
しかし、万引き犯を突き出すも、当の店長にやる気はなく、それどころか潰れるのを待つだけの有様。その様子にいてもたってもいられなくなったかの子は、「この店を一年後には町一番の本屋さんにしてみせます!」と豪語し、光林堂の店員として働きはじめるのだった。


美大を卒業してからくすぶっていたプー太郎の女性が、ひょんなことから町の小さな本屋で書店員を始めることになり、元気と熱意で書店を盛り上げるために奮闘する物語。
元美大生が書店員として奮闘する痛快お仕事ドラマ。帯での謳い文句は「元書店員が描く笑って泣ける小さな本屋さんの現実。書店の力、信じてる。」。コミックアプリ「マンガワン/裏サンデー」の2017年8月11日から連載開始。
作者は「第69回ちばてつや賞」において、作品『旧友』で準大賞を受賞(当時のペンネームは「みよまちこ」)した漫画家・美代マチ子(みよ まちこ)先生。

紹介・感想

最近、本屋に行きましたか?私は大学生の頃に比べるとだいぶ減りましたけど、それでも週に最低でも1回は行ってます。
ただ近頃思うのは、本屋さんが少ないということ。ここ数年でほんと減りましたね。2000年と比べて全国の書店は4割も減少してるうえに、書店がゼロの自治体も増加中とか。
特に「街の本屋さん」を全然見掛けなくなりました。私が通ってるのも大手書店チェーンですし。子供の頃は商店街に一軒くらいはあったものですけど、いまはなかなか巡り合えません。なので、見つけるとちょっと嬉しくなります。ちなみに、正月に実家へ帰ったとき、昔使ってた本屋へ行こうとしたら、整骨院になってました。ちょっと寂しい・・・。

ということで本日は、そんな街の小さな本屋さんを舞台にした『ぶっきんぐ!!』という漫画を紹介させていただきます。

ざっくりとした内容を説明します。アマゾンが台頭してきた2006年頃、美大を卒業してから人生を迷走していたプーたろうな女性が、本屋さんで万引き犯を捕らえたことをきっかけに、その店で書店員として働き始め、街一番の本屋さんにすべく、元気と熱い想いを武器に奮闘するお話。

小さな本屋さんの立て直しを目的としたお仕事漫画。出版・書店業界が抱えているリアルな問題を取り上げ、「本を売る」ためのアイデアを真剣に考えてる作品です。作者先生が書店員として働いていたことがあるようで、その経験を活かした物語となっております。

主人公は元美大生の女性・大國かの子(おおくに かのこ)。美大卒業後も就職はせず、油絵作家として成功する夢を追い続けていましたが、大成する兆しすら見ええず、かつて夢を語り合った友人からは「痛々しい」「やり方が古い」とまで言われる始末。今の自分の姿に自信が持てず、思い悩んでいました。

もう一人主人公的な存在がいまして、人生迷走真っ只中にいたかの子が立ち寄った街の本屋さん「光林堂書店」の店長さん。かの子が万引き犯を苦労して捕まえるも、「遅かれ早かれここ潰れるし・・・」と、やる気の欠片もない様子。
書店と自分の現状を重ねていたかの子は、それがなんか悔しくて、そして変わりたくて、思わず「私が変えてみせます!」と言い放ち、続けて「この店を一年後には町一番の本屋さんにしてみせます!」と豪語。こうして、かの子の書店員としての奮闘が始まりました。

本が特別好きというわけでもなく、本屋に愛着があるわけでもなかった主人公のかの子。街の本屋さんが置かれてる状況も、仕入やなんやらのしくみについても、当然何一つ分かっていません。多くの読者も似たような立場でしょうから、かの子と共に出版・書店業界事情やしくみを知ることがきます
それも、作者先生が元書店員だけのことはあり、描かれているのはリアルの姿。例えば、小さな本屋さんの品揃えの悪さや、書店にお取り寄せを頼むと何故こんなに日数が掛かるのかなど、色々疑問を持ったことある人もいるかと思われますが、その辺りを大型書店・チェーン店と小さな本屋さんとの違いなんと併せて、詳しく語られています。

今の時代、本を売ることが厳しいのは分かってましたけど、仕入れの段階からこんな大変だったとは、ちょっと驚き。この作品にも出版業界が抱える重たい空気がのしかかってくるかのようですが、黒船に我が身ひとつで戦いを挑むかのように、果敢に時代のうねりに立ち向かっていくかの子。
当初はやる気を見せなかった店長も、そんなかの子の姿に触発され始め、書店経営に対する意識に変化が現れだしました。

正直言うと、かの子の「町一番の本屋さんにする」という目標が成功するエンドは想像し辛いですが、この本屋さんがこれからも長くその場所にあって欲しい…そう強く思ってます。

締めにだらっと

といった感じで、時代の流れと共に、消えて無くなろうとしている街の本屋さんで働き始めた元美大生の奮闘を描いた漫画、『ぶっきんぐ!!』1巻の紹介でした。

出版・書店業界について詳しく知ることが出来る漫画。とても分かり易く説明されていますので、楽しみながら知識を増やせるのが良いところ。

本作は作者先生が以前働いていた「光進堂書店」をモデルにしているとのことです。残念ながら既に閉店されていますが、光進堂店長さんのブログによると、店の感じはよく再現されているようですし、思い入れの深さと愛情が作品から伺えますね。

魅力は何と言っても、周りがあきらむムードの中でも、諦めないかの子の奮闘。本屋さんの厳しいリアルが描かれているのだけど、バイタリティ溢れるかの子があの手この手と次々アイデアを思いつき、実行していく姿を見てると、本屋もまだ終わってなんかいない、まだまだ未来は明るいとさえ思えてきますね。そして、そんな彼女から力を貰えた気分にもなりました。

これからの展開と結末が非常に気になります。本屋の行く末、そしてかの子の行く末はどうなるのか、出来ればハッピーなエンドであって欲しいです。


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2018年03月23日

漫画『赤ずきんの狼弟子』1巻の感想とあらすじ 言葉と種族を超えてケモノ少女と狩人の青年が絆を紡ぐ異人種ファンタジー

『赤ずきんの狼弟子』1巻の感想。



タイトル:赤ずきんの狼弟子
著者:茂木 清香
掲載:別冊少年マガジン
1巻発売日:2018年2月9日

あらすじ・概要

世に三種の異なる人≠ェある。数は多くも脆弱な「人間」、人間を襲って捕食する獣の姿をした「獣人」、見た目は人間と同じでも圧倒的な力で獣人を狩り続ける「狩人」。ここは、皆等しく人でありながら、異なる3つの種族が住まう、狩り狩られる残酷な世界。

狩人の中でも最強と称され、「赤ずきん」の異名で呼ばれる赤髪の青年・ウル。ただ只管害を成す獣人を狩り続け、人間をも寄せ付けぬ冷たい振る舞いによって、獣人からはもちろん、人間からも畏怖される存在となっていた。
ある日、賞金首の狩りを終え、住みかに帰ろうとした途中、ウルは幼い人狼の少女・マニと出会う。狩人と獣人は言葉を通わすこと叶わぬ関係にあったが、人狼と浅からぬ縁を持っていたウルは、鈍くさいマニが一人でも生きていけるように、獣人である彼女を弟子として迎え入れ、不思議な共同生活を始めるのだった。
これは、決して交わるはずのなかった「狩人」の師匠と、「獣人」の弟子、2人が絆を紡ぐ物語。――そして、訪れる別れの物語。


異なる三種族が住まう世界で、本来は決して交わることのない狩人の青年と人狼の少女が、ひょんなことから師匠と弟子の関係になり、共同生活を送る中で心を通わせていく物語。
種を超え、言葉を超え、絆を紡ぐ異人種ファンタジー。帯での謳い文句は「最強の狩人×獣人の幼女。異なる種族。通じぬ言葉。世界が許さぬ二人が紡ぐ。新生代“異人種”ファンタジー!!!」。月刊少年漫画雑誌「別冊少年マガジン」の2017年10月号から連載開始。
作者は代表作にアニメ化もされた『pupa(ピューパ)』を持つ漫画家・茂木 清香 (もぎ さやか)先生。

紹介・感想

原作は意外と子供に読ませ辛い猟奇的な話も多かったりするグリム童話。その中でも『赤ずきん』をモチーフにした作品って結構ありますよね。
だいぶ古くなりますけど、『赤ずきんチャチャ』辺りがアニメ化もされたので特に有名かな。これは子供にも安心な作品ですが、他にも痛快なエログロが特徴の『東京赤ずきん 』みたいな、赤ずきんの女の子が異様に強い作品もちょくちょく見掛けます。

本日は、冷酷な男の赤ずきんと幼女なオオカミが織り成す、『赤ずきんと狼弟子』という漫画を紹介させていただきます。

どんな内容かを簡単に説明しますと、人間に害なす獣人を狩る狩人の青年と、幼い人狼の少女が出会い、本来は狩る側・狩られる側の立場にある異なる種族でありながら、言葉が通じない2人が師弟関係となって心を通わせていくお話。

言葉が通じない異人種の交流を描いたファンタジー作品。種族間の関係は血みどろな恐ろしい設定になっていますが、思ったよりも微笑ましいふれ合いが描かれていますし、何よりも人狼の少女・マニが可愛すぎ。

まず何より、独特なセンスを感じられるファンタジーな世界観が好きです。世界には「獣人」「狩人」「人間」の三種族が生きています。この異なる三つの種族は皆等しく「人」ではあっても、良好とは言えない血みどろな関係にあります。
獣の姿をした「獣人」は殺した人間を喰らい、「狩人」は人間に害なす獣人を狩猟し、「人間」は狩人に守られていながら多くは彼らを畏怖しています。また、人間は獣人と狩人の両者と意思疎通ができ、獣人も狩人の言葉を理解できるのに、狩人は獣人の言葉を本能的に遮断しているので聞き取れません。設定にも捻りがあって面白いファンタジー世界を構築してますね。

主人公は「赤ずきん」の通り名で呼ばれる赤髪の狩人・ウル。そして、彼が住処にしている森に迷い込んで来た人狼の幼女・マニ
圧倒的な戦闘力で数多の獣人を葬ってきた最強と称される狩人のウル。しかし、基本的に無愛想なうえに、極度の人間嫌いなこともあり、獣人だけではなく、守っている人間からも恐れられています。
マニは滅びたと思われていた人狼の孤児であり、獣人にしてはちょっと鈍くさいのですが、コロコロ表情を変える感情豊かな愛くるしい女の子です。

本来、狩る狩られる以外では、決して交わることのない狩人と獣人。にも関わらず、人狼と何かしらの縁がある様子のウルは、マニを「弟子」に迎えます
物語で主に描かれているのは、ウルが師匠として弟子のマニを育てていく姿と、そんな2人の奇妙な共同生活。言葉が通じない中でも、一緒にご飯を食べ、修行に励み、同じベットで仲良く寝て、町にお出掛けしたりと、傍目には師弟というよりも、むしろ親子のような微笑ましい関係に見えます。

最初、ウルは冷酷なマシーンのようなハンターかと思いきや、意外と情に厚く、面倒見の良い男だったりします。それは、マニを世話する姿から滲み出てますね。
気を失ったマニを住処に連れ帰ると、お風呂に入れてご飯を食べさせ、これから一人でも生きていけるように教育も始めました。さらに、絵本を読み聞かせたり、マニが弓の練習で初めて的に当てられたときは、普段のクールな表情が剥がれ落ち、喜び全開でマニをギュッと抱擁。実はかなりデレデレなのでは・・・。完全に親バカなウルです。

ただ、冒頭一話に描かれていたラストを思わせるシーンからすと、2人の絆が深まれば深まるほど、切ない結末を迎えそうな予感が・・・
これからどのような展開を見せ、あの問題となる冒頭のシーンに繋がっていくのか、非常に気になります。それに、なんかラストにはすんごい格好した変態も登場したのだけど、いろんな意味でヤヴァ気な雰囲気。

締めにだらっと

ということで今回は、言葉が通じない狩人の青年と人狼の幼女が、師弟となって絆を紡ぐファンタジー漫画『赤ずきんの狼弟子』1巻の紹介でした。

試し読み1話を読んだときには、もっと血生臭い内容を想像してたのですが、思ったよりもほっこりする擬似家族的なやり取りが多かったです。それでも、随所にちょくちょく暗い影が見え隠れしているので、ストーリーとしての面白さもしっかりしてます。アクションシーンも結構見応えがあり、狩人の強さ、ウルの最強と称される強さもよく表現されていましたね。

ファンタジーで何より重要となる世界観はよく出来ていたと思います。「言葉が通じない」という個性的な設定も面白い流れを作っていましたね。コミュニケーションはちぐはぐなやり取りながら、そこからは話を面白くするトラブルと笑いも生じ、さらに優しさと愛情をより強く感じる演出効果にもなっていたかと。

そして何より、マニが可愛い、そしてウルがカッコイイ。主人公2人のキャラがとても良かった。ウルの後をちょこちょこついてくるマニの可愛さは反則。表情をコロコロ変えるところや、感情に合わせたケモノ耳の動きとかも好きです。
ウルの狩人としての圧倒的な強さに加え、彼の覚悟やポリシーもカッコイイのですが、それよりも親バカになってしまうギャップが最高にグッドでした。まあでも、マニは庇護欲をそそる子ですから、そうなってしまうのも分からんでもないです。

今後は、2人の微笑ましい親子のようなやりとりが楽しみなのはもちろんのこと、贖罪的な何かを感じるまだ明かされていないウルの過去も気になるところ。
そして、冒頭のシーンまでにはどのような経過を辿っていくのか、結末には何が待っているのか、これからの展開が非常にに楽しなファンタジーでした。あ、でも、やっぱり最後に登場したヘンタイが一番気になってるかも・・・。


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2018年03月16日

漫画『元カレが腐男子になっておりまして。』1巻の感想とあらすじ 社会人の腐男女たちが熱くBLを語るオタコメディ

『元カレが腐男子になっておりまして。』1巻の感想。



タイトル:元カレが腐男子になっておりまして。
著者:麦芋
掲載:ガンガンpixiv
1巻発売日:2018年1月22日

あらすじ・概要

24歳の社会人である赤土 桃(あかど もも)は、純粋にBL作品を楽しむだけではなく、自ら同人誌づくりにも勤しむ年季の入った腐女子。
ある日、イベントで買い逃した本を入手するため、給料日にウキウキして書店のBLコーナーを訪れた桃は、そこでBL本を物色していた腐男子を見つける。初めて遭遇した腐男子のことが気になって仕方ない桃は、好奇心に駆られてどんな人かと顔を覗いてみると、その彼はまさかの昔付き合っていた“元カレ”片倉錫也だった。
付き合っていた当時、隠れオタクだった自分が彼の部屋に置き忘れたBL本が原因で、BL好きになったらしい元カレ。この一時を昔より楽しい時間だったと思いながらも、かつての罪悪感が邪魔して「これからはオタ友だね」とは言えずに別れる。もう会うことはないだろうと思っていた桃だったが、翌日会社に出社すると・・・。


根っからのBL好きである社会人腐女子と、その趣味が原因で腐男子になっていた高校時代の元カレとの、再会から始まるオタ友交流を描いた物語。
元カレ元カノな腐男女オタコメディー。帯での謳い文句は「男子、三日会わざれば腐ることもある。」。スクウェア・エニックス×pixivがコラボしたWEBコミック雑誌「ガンガンpixiv」で2018年1月から連載開始。
作者はPixivにこの作品を投稿したところ話題が爆発し、単行本発売にまで至った麦芋(むぎいも)先生。

紹介・感想

ここ数年ますます腐っていく女性たちが増え、書店のBLコーナーが拡大していたりと、BL市場は大盛況中でありますが、なにやら男子の中にもBL好きがじわじわと増加中とのこと。
そのせいか、腐女子ならぬ「腐男子」をテーマにした漫画もよく見かけるにようになり、それがブームの兆しをみせているという驚きの状況だったりします。『腐男子高校生活』や『うちの相方が腐なもんで。』とか。
女性からも「あるある」と共感されるようですし、内容はこじらせたオタの日常コメディであることが多いので、男性が読んでも楽しめるのが特徴ですね。

そんなわけで本日は、腐女子と腐男子のオタライフを描いた漫画『元カレが腐男子になっておりまして。』を紹介させていただきます。

内容は、BLをこよなく愛する年季の入った腐女子が、自分のせいでBL沼にハマり腐男子となっていた元カレと再会し、同じ趣味を持つ同志になったことで、他の腐仲間を交えて仲良くオタ道を駆けるお話。
腐男女たちがBLについて熱く語り合うオタコメディ。なんかWebマンガ総選挙のインディーズ部門で第3位にランクインしたそうです。

主人公は24歳の社会人腐女子・赤土 桃(あかど もも)。自身も同人活動している生粋の腐女子である桃は、給料日にお決まりとなっているアニメイトのBLコーナーへ直行。すると、そこでスーツを着た成人男性を発見したことでテンションは上昇。しかし、BL本を物色していた男性はまさかの元カレ・片倉錫也(かたくら すずや)でした。

BL趣味を隠してなんとなく付き合っていた高校時代、BL本を錫也の部屋に置き忘れるというボンミスをしてしまい、顔も合わせることができなくなって結局自然消滅。
しかし、別れる原因となったあの本が、錫也を腐男子にするきっかけにもなっていたのです。なんて罪な本・・・。BLに興味ない私でもその中身が気になります。

どっぷり腐っていた商社勤めの元カレとBLコーナーで再会して意気投合だけでもありえないのに、後日会社が入っている同じビルのエレベーターで奇跡の再再会。桃の友人で同僚で腐仲間でもある春日幸音(かすが ゆきね)を交え、3人は腐談義に華を咲かせます。特に、同じ趣味を持つヲタ友が出来たことを泣くほど喜ぶ錫也です。
個人サークルで同人活動をしている桃と幸音ですが、自分たちの性癖がバレるのはさすがにアカンと、そのことは隠すことに。しかし、錫也が現在最も推しているサークル「行き止まり」の作家は桃ちゃん当人というミラクル。「行き止まりの」の素晴らしさを当人の前で熱く語る錫也と、気恥ずかしさから心の内で悲痛な叫びをあげる桃。傍目から見るぶんにはなんとも面白過ぎる構図ですね。

幸音も旅行先のイタリアで外人のイケメンオタク・シルヴィオと知り合い、留学して来た彼と夏コミ会場で再会。恋人いない暦イコール年齢であるため、テンション高い彼のコミュ力にたじたじ。
新たなオタ仲間も加わり、さらにヒートアップしていく彼女たちの腐ったオタ道。桃と錫也の関係は交際当時よりも深まっていくが、果たして2人の間にラブは芽生えるのかどうか・・・。

締めにだらっと

ということで、腐女子と腐男子、元カノと元カレがBLについて熱く、そして仲良く盛り上がる漫画『元カレが腐男子になっておりまして。』1巻の紹介でした。

予想以上に面白かったです。最初は、桃と錫也が同じ趣味を通して距離を詰め、元鞘になっていく様を全面に押し出していくラブなストーリーなのかと思っていたのですが、どちらかというとオタコメディの面がより濃い内容でした。まあ、おそらくラブな展開も見せるんでしょうけど。普通にくっつけばいいのにとも思いましたしね。

BLに興味ない人だとタイトル見ただけで嫌厭しそうですが、男同士の絡みなどのディープなBL描写はなく、描かれているのは、好きなことについて熱く盛り上がるオタトーク。私自身BL関連はさっぱりですけど普通に楽しめました。『ヲタクに恋は難しい』のラブを薄くしてオタネタを濃くした感じかな。

受けた印象は、「楽しそう」っていうのが一番強いですね。大好きなことについて真剣に向き合い、その楽しさを語り合える相手もいるというのは、素直に羨ましいく思います。

かつて本来の自分を隠してなんとなくな交際をした挙句、たいした思い出も作れず自然消滅した相手と、再会してからは趣味を通して以前よりも仲を深め、楽しいを共有できるようになったのも良い関係だなと。

恋か、友情か、2人の関係がこれからどうなっていくのか、とても気になります。桃の正体が推しの作家だと知ったとき、錫也がどんな反応を見せるのかも楽しみです。


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2018年03月14日

漫画『熱帯魚は雪に焦がれる』1巻の感想とあらすじ 

『熱帯魚は雪に焦がれる』1巻の感想。



熱帯魚は雪に焦がれる
著者:萩埜 まこと
掲載:電撃マオウ
1巻発売日:2017年12月26日

あらすじ・概要

父の海外転勤が決まったことから、叔母の家に預けられることになり、東京から海辺の田舎町に引っ越してきた女子高生の天野小夏(あまの こなつ)。
これから通う七浜高校の前を通りかかると、休日にも関わらずなにやら賑やかな様子。なんとなく覗いてみると、校内では月に一度だけの水族館が開かれていた。半ば強引に入館させられた小夏は、見慣れないものばかりのこの場所で、水族館部に所属する先輩女子部員の帆波小雪(ほなみ こゆき)と出会う。
なかなか新しい生活に馴染めず、寂しさを感じていた小夏。そして、小雪もまた周囲から高嶺の花として特別視されることに、息苦しさと空虚感を抱えていた。
お互いの孤独な心に触れ、惹かれ合っていく小夏と小雪。小夏がひとり部員だった水族館部への入部を決め、小雪と同じ時間を共有するようになったことで、距離を縮めていくふたりは――。


海辺の高校で出会った孤独を抱える2人の女子高生が、水族館部での活動や学校生活を一緒に送るなかで、徐々にひかれ合っていく姿を描いた物語。
ガールズシップ・ストーリー。帯での謳い文句は「傍にいてほしいのは、誰ですか。その人を、なんと呼びますか。」月刊誌「電撃マオウ」の2017年8月号から連載開始。
作者は「第23回 電撃コミック大賞」において金賞を受賞した漫画家・萩埜 まこと(はぎの まこと)先生。

紹介・感想

みなさん百合を楽しんでますか?もちろん花のことではなく、女の子と女の子の恋愛の方です。私はオタとまではいかなくとも、このブログでもちょくちょく紹介してきた通り、百合は好きなジャンル。
特に最近好んで読んでいるのは、恋愛とも友情ともとれそうな百合モノ。まあ、ガッツリ恋愛してないと百合とは認めない人も多くいると思いますけど、私の場合その辺りの境界線は緩いので。むしろ、そういった関係を描いた作品の方が、妄想を膨らませる楽しみは大きいと思ってます
ストレートに恋愛感情を表現することなく、それ恋愛なの?友情なの?憧れなの?と、そのどれにも解釈できそうな曖昧さによって、なんとも言えない甘酸っぱい空気に浸ることができ、めっちゃ萌えます。

そういったことで本日は、孤独だった2人の女子高生が徐々に惹かれ合っていく様子を描く、『熱帯魚は雪に焦がれる』という漫画を紹介させていただきます。

まずは簡単に内容を説明。東京から田舎に引っ越してきたばかりでまだ学校に馴染めずにいた女の子と、高嶺の花として扱われることに寂しさを感じていた女の子が、水族館部という珍しい部活動での付き合いを通して、お互いのことを知り、少しずつ惹かれ合っていくお話。

「マジメな不器用少女」×「心配性な強がり少女」の交流を綴った百合風味のガールミーツガールです。コミック本や公式の紹介文とかを見ると、ガッツリ百合してる作品のように思えますけど、1巻はまだ百合未満といった感じでのゆったりスタート。
それと、高校の「水族館部」という斬新な設定を軸にした作品なのですが、実はこれ愛媛県大洲市に実在している長浜高校水族館部をモデルにしているそうです。

舞台は愛媛県の海辺の田舎町にある七浜高校。父親の海外赴任のため、叔母の家にひとり預けられることになった1年生の天野小夏(あまの こなつ)が、転校先の学校で「水族館部」に所属する先輩・帆波小雪(ほなみ こゆき)と出会ったところから物語は始まります。

主人公のひとりである小夏は、父親を心配させまいと強がって元気にふるまってはいても、転校して来たばかりでまだクラスには馴染めず、友達もいない環境に少し寂しさを感じています。

小夏のひとつうえの先輩である小雪は、学校では優等生・高嶺の花と思われてる人気者でありながらも、そのイメージ通りに振る舞うことには息苦しさもあり、同級生と距離のあることに寂しさを感じていました。

そんな2人の出会いは、心に積もった雪が溶けていくかのような変化をもたらすことに。小夏は父親譲りの心配性なこともあって、相手の反応をよく観察しています。心の機微にも敏感なので、小雪のふとした様子から、彼女は人気者でありながら実は孤立していることにも気がつきます。

それゆえ、ありのままの自分を見てくれる小夏の言葉は、小雪の心を大きく奮わせることになり、小雪の中で小夏の存在がどんどん大きくなっていくんですね。
ひとりしかいなかった水族館部に小夏が入部してくれたときには、喜びのあまり心が浮き足だち、「また明日ね」が会心の一撃となったようで、押し隠せない嬉しい感情が溢れて見事なニンマリ顔に。ずっと孤独だった反動もあってか、自分でも「どうしちゃったんだろう」と悩むぐらい、頭の中は彼女のことでいっぱいの様子です。

同じ部活になったことによって時間を共有することが増えた小夏と小雪。相手のいろいろな面を知っていくにつれ、2人の距離は縮まり、互いに惹かれ合っていきます。果たしてこの2人の関係はどうなっていくのか・・・。

締めにだらっと

今回は、学校に馴染めずにいた転校生の後輩と、高嶺の花と思われて孤立気味だった先輩の、2人の女の子が部活動を通して関係を深めていく、『熱帯魚は雪に焦がれる』1巻の紹介でした。

田舎のまったりした空気感の中で紡がれていく小夏と小雪の関係は、水槽の中にいるような息苦しさも少しありながら、2人から可愛らしいピュアな反応を見ることができ、雰囲気はとても爽やかです。

特に、あまりスキンシップに慣れていない小雪の反応がいちいち可愛いため、見ている私も恥ずかしくなってきます。小夏のことで一喜一憂する彼女の姿に顔のニヤニヤも止まりません。

タイトルから察するに、最初は「熱帯魚=小夏」が「雪=小雪」に焦がれると思っていたのですけど、むしろ逆?何の感情なのかは今の段階だと曖昧とはいえ、小雪の方が小夏への想いを募らせていってるように見えました。まあ何にせよ、熱帯魚と雪のように、正反対の2人が惹かれ合っていくというのは良いものです。激しく萌えますね。

小雪のラストに見せた行動の意図など、これからどうなっていくのか非常に気になります。さらに友情を築いていくのか、それとも恋に発展することになるのか、深まっていく2人の関係から目が放せません。


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ハネ吉
とにかく漫画が大好きです。愛してるといっても過言ではありません。どんなジャンルにも手を出しますね。正直、文章力にはあまり自信はありませんが、なるべくうまく伝えられるようにがんばります。ちょっとだけでも読んでもらえたらうれしいです。 ちなみに、甘い物とネコも大好きです。
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