アフィリエイト広告を利用しています

広告

この広告は30日以上更新がないブログに表示されております。
新規記事の投稿を行うことで、非表示にすることが可能です。
posted by fanblog

2017年01月23日

【地球防衛企業 ダイ・ガード】アニメ 感想&あらすじ 社会と企業の現実を描きながら熱さを損なわない異色のロボットアニメ


地球防衛企業 ダイ・ガード
1999年10月放送
全26話
監督:水島精二
原作:XEBEC
脚本:志茂文彦、稲荷昭彦、石川学、他
赤木駿介の声:伊藤健太郎
桃井いぶきの声:平松晶子
青山圭一郎の声:三木眞一郎

あらすじ

西暦2018年、太平洋から謎の大怪獣「ヘテロダイン」が出現。軍は多大な被害を払うも何とか撃退に成功し、事態は一応の収束を果たす。

国連安全保障軍はこの惨劇を防ぐため、対ヘテロダイン用兵器として巨大ロボット「ダイ・ガード」を開発し、ヘテロダインが再び襲来する日へ向け備えを整えてきた。
しかし、最初に撃退したヘテロダイン以降、その後12年もの間敵が出現することはなかった為、ダイ・ガードが本来の役割で運用される機会は1度もなく、現在では民営会社の広報用マスコットロボットとしての扱いを受けていた。

2030年、人類がその脅威を忘れて平和に甘んじていた矢先、沈黙を破ったヘテロダインが突如として熱海に出現した。パイロットの赤木たちは市民を守るため、避難命令に背き、襲い来るヘテロダインへ立ち向かう。

『サラリーマンだって、平和を守れるんだ!!』

登場人物

・赤木 駿介
主人公。25歳。21世紀警備保障企画開発部広報2課に勤務するサラリーマンであると同時に、ダイ・ガード1号機のメインパイロット。正義感に溢れる思い立ったら一直線な熱血漢であり、面倒見が良く意外と気も利く青年。防衛大時代は座学は苦手でも実技は非常に優れ、教官からも一目置かれていました。直情的過ぎるきらいはあるが、人々の平和と幸せを守りたいという純粋な思いの持ち主。

・桃井 いぶき
ヒロイン。20歳。21世紀警備保障広報2課に勤務するOLであり、ダイ・ガード1号機の搭乗ナビゲーターでもあります。高卒で入社しているため、会社では年上の赤木よりも先輩。赤木同様正義感が強く、男勝りなしっかり者で明るい性格。実の父はヘテロダイン災害で亡くしており、現在は母が再婚しているものの、その家庭環境に思い悩んでいます。

・青山 圭一郎
ダイ・ガードの動力機関のコントロールを担当している搭乗エンジニア。赤木とは同期入社。25歳。熱血な赤木とふぶきに対し、比較的冷静。爽やかなイケメンで話術も巧み、女性の扱いも慣れてるうえに残業は一切せず退社するため、プレイボーイと勘違いされることもあります。実際は真面目な性格で入院している母親を毎日看病する好青年です。

・城田 志郎
安全保障軍幕僚本部から戦術アドバイザーとして派遣された監査官。常に冷静沈着で落ち着きがあり、合理的な思考をしているため、正反対の赤木とはしばしば衝突することもあります。ですが、本気でぶつかりあってきたことで徐々に感化され、突っ走り気味な彼等のサポート役にまわることになっていきます。

・大河内 伝次郎
21世紀警備保障社長。最初のヘテロダイン出現の際は安保軍の少佐として作戦に関わり、その戦いで右眼を失っています。当時の軍のやり方に疑問を持ち、軍を離れて21世紀警備保障を立ち上げ、ダイ・ガードの運用を始めます。赤木たちの行動に理解を示す頼れる存在。


感想・見所

突如現れ人類の脅威となった大怪獣に対抗するため巨大ロボットが開発され、それを運用する民間警備会社で普段はサラリーマンやOLとして従事している人たちが、家族や親しい人のため、人々の平和と幸せのために戦う姿を描いた物語。
90年代後半に製作された少し風変わりなロボットアニメ。後に『鋼の錬金術師』や『機動戦士ガンダム00』を手がけている水島精二さんが監督を務めています。漫画版と小説版も刊行されています。

もう15年以上前の作品ということもあり、アニメ好きでも観たことある人はそれほど多くはないと思われるマイナー作品です。私もたまに利用している動画配信サービスのリストを漁ってるときに偶然見つけ、大した期待も抱かずなんとなく試しに観たら意外と面白かったというのが経緯です。
たまたま当たりを引いた喜びのせいで大袈裟になってるのかもしれませんが、個人的には隠れた名作なんじゃないかと思ってます。

リアルロボットアニメと言えば『ガンダムシリーズ』や『マクロスシリーズ』、あと『ボトムズ』当たりを思い浮かべますが、このダイ・ガードはそのどれと比べても一風変わっており、違う方向性でリアルを追求した設定を敷いています。私が知るなかで近い作品を挙げるなら『機動警察パトレイバー』、最近では『アクティヴレイド』が多少それらしさのある作品だと思います。
迫力ある戦闘描写を観たいのなら、はっきり言って上述で上げている別のロボットアニメの方が断然楽しめると思いますが、ロボットを運用している人たちの作業風景や人間模様に関してなら、ある意味随一と言っていいレベルの濃さを見せていますね。

簡単に言ってしまえば、これは人類の存続を脅かす脅威から世界を守るアニメ。そのあたりの設定はヒーローもの、ロボットものでは特に珍しくもない方向性ではありますが、特徴としては主人公たちダイ・ガードを運用している人たちが属しているのは軍ではなく、無用の長物となっていたロボットを買い取った民間の会社だというところですね。なので、赤木たちパイロットの3人もサラリーマン、OLとして普段は勤務しています。
もちろん軍は存在しますし、そちらはそちらでヘテロダインへ対抗するため様々な手段を講じ、この緊急時にダイ・ガードを民間に持たせていいものかという当然の展開もあることにありますが、メインはあくまで会社に勤めるサラリーマンたちの戦いです。

普通のロボットアニメの場合、なんといっても迫力ある戦闘シーンが最大の見所となるはずなんですが、この作品そこに至るまでが非常に面倒くさい。出撃までに時間が掛かり 出撃できても本格的に戦うまでにまた時間が掛かってしまいます。
軍なら緊急時の特例なんかでそれなりにスムーズに出撃できるところ、民間の会社ということもり、会議を開いてお偉方の各種手続きを整えなければいけないというなんとも言えないグダグダ感。民間なのでその運用予算については確かに深刻な問題であり、下手なことして会社の印象を悪化させるのも死活問題という、その辺妙に生々しいやりとりを繰り広げていましたね。それが顕著に現れるのは序盤くらいですが、実際に民間会社が巨大ロボットを運用していたらこうなるかもしれないというリアリティは感じられます。
出撃できたとしても市民の避難誘導にそれなりの時間を割き、完了してようやっと戦闘。戦闘終了後には破損についての大量の始末書という新たな敵も立ちはだかります。
普通なら省くかあっさりした描写で流すところに力を入れた作風は面白いですね。シビアな問題に頭を悩ませるリアル感は見事だと思います。

さて、いかに戦闘までに面倒くさいあれこれがあるとはいえ、ヒーローロボットアニメの完成度を高めるためにも戦闘シーンは当然重要なファクターとなります。ですが、序盤のダイ・ガードは弱すぎるため、あれを目の当たりにしていたらとてもじゃないけど命を預ける気にはなりません。
長年マスコット扱いされていたため装甲はハリボテ、武装はなく、組み立てはクレーン、はっきり言ってしょぼい。戦闘後はボッコボコに凹んでましたね。ロケットパンチというのは強力なジェット推進力で腕を撃ち出すものだと思うんですが、そんな武装は当然なく、赤木はダイ・ガードの腕をもいで振りかぶって投擲という滅茶苦茶のロケットパンチを生み出しています。
しかし、物語が進むにつれ段々と武装は強化され、クレーンでの作業もなくなり、かっこよく立ち回れるまでにダイ・ガードは成長を遂げていきます。まさか人の成長よりもロボットの成長に感慨深い思いをさせられるとは予想してませんでした。ただ、正直言いまして、最初のグダグダで泥臭い感じも嫌いではないというか、むしろあれこそがダイ・ガードなのではとさえ思ってしまっています。

事務作業や各種手続き、保障など、ジビアな現実を描いてはいても、やはり熱いロボットアニメでした。ダイ・ガードの成長もさることながら、ぶつかり合っていた者同士が互いを認め合い共に敵へ立ち向かったり、戦う理由に思い悩みながらも家族への想いを胸に再び乗ることを選んだりと、登場人物たちの人間ドラマもこの作品を熱くさる大きな役割を果たしていたと思います。
また、OPとEDも素晴らしく、特にEDテーマの『走れ、走れ』は哀愁ある曲調と遠藤響子さんの歌声がほんと素晴らしかったですね。
パイロットだけが戦っているわけではなく、動かすだけでも様々な人たちが関わっており、敵を倒した後にもまた別の形で奮闘している人たちもいる。ロボットだけでも、パイロットだけでも、整備する人たちだけでもロボットを動かすことはできず、どれか1つだけではなく様々なパーツが揃って初めて真の力は発揮されるということに改めて気づかせてもらえました。
他にはない魅力があるロボットアニメ、面白いのでよければ観てください。




にほんブログ村 漫画ブログ おすすめ漫画へ
posted by ハネ吉 at 18:56 | Comment(0) | TrackBack(0) | アニメ

2017年01月16日

【有頂天家族】アニメ 感想&あらすじ 京都を舞台にタヌキと天狗と人の暮らしを描いたハートフルコメディ


有頂天家族
2013年7月放送
全13話
監督:吉原正行
原作:森見登美彦
脚本:大川久男、梅野かおる
下鴨矢三郎の声:櫻井孝宏、能登麻美子
下鴨矢一郎の声:諏訪部順一

あらすじ

京都には人間だけでなく、その社会に紛れるように狸や天狗が人に化けて暮らしている。

下鴨神社・糺ノ森に住む狸界の有名一家、下鴨家。皆の尊敬を集める偉大なタヌキ、父・総一郎が金曜倶楽部で狸鍋にされ、母と4匹の息子たちを遺しこの世を去ってしまった。

偉大な「阿呆の血を継ぐ」四兄弟の三男・矢三郎は、女の子の姿に化けるなどして、今では空を飛ぶこともできなくなった師匠でもある大天狗・赤玉先生の世話をしたり、父を狸鍋にした金曜倶楽部のメンバーであり同じ弟子でもある弁天に振り回されながらも、父の残した「面白きことは良きことなり」を信条に家族と愉快に暮らしていた。

矢三郎の兄・矢一郎が次期「偽右衛門」選挙に挑むことになり、宿敵である夷川家と争う中で様々な騒動が巻き起こり、同時に父の死の真相も明らかになっていく。

主要登場人物

・下鴨矢三郎
主人公。下鴨家三男の狸。四兄弟の中で偉大な父の「阿呆の血」を最も色濃く受け継いでいます。自由奔放な性格をしており、周囲を困らせることもしばしば。変化の能力に秀でており、普段の大学生男子の姿に始まり、女子高生、達磨、傘など様々なものに化けることができます。

・下鴨矢一郎
下鴨家長男の狸。偉大な父の跡を継ぐため、次期「偽右衛門」選挙に立候補しています。奔放な矢三郎とは対照的に生真面目な性格だが、融通の利かないところもあります。あと急なトラブルには慌ててしまうなど、土壇場に弱い。

・下鴨矢二郎
下鴨家次男の狸。暢気な性格をしたやる気のない怠け者。ある理由から現在はカエルの姿に化けて井戸の底に引きこもっています。井戸の底で訪れて来る様々な人や狸や天狗の悩みを耳にしているようです。

・下鴨矢四郎
下鴨家末子の狸。素直で純粋な心根をした子ですが、気が弱く、臆病なところもあります。びっくり驚くようなことが起こると変化を維持できず解けてしまうなど、まだまだ未熟な弟です。

・母
家族を深く愛する下鴨家の母。宝塚に心酔しており、宝塚風の衣装に身を包んでビリヤード場に良く出没しています。雷が鳴り響くと変化が解け、動けなくなってしまうほど苦手。

・下鴨総一郎
下鴨家の今は亡き父。狸界の頭領「偽右衛門」として尊敬を集めていた偉大なる狸。変化の術に長けており、その人柄と相まって、天狗からも一目置かれていた存在。ある者の罠に嵌り、「金曜倶楽部」によって狸鍋にされこの世を去りました。

・弁天
人間の女性。「金曜倶楽部」のメンバー。天狗である赤玉先生に術を教え込まれて神通力を身に付けています。天狗以上に怖い妖艶な美女。下鴨家にとっては父の仇ではあるが、矢三郎のことを結構気に入ってる様子。

感想

人間の社会に紛れ込み、人の姿や様々なものに化けて京都で暮らす狸と天狗たちの暮らしと、人との関わりを描いた奇想天外な物語。
狸+天狗+人+京都=ドタバタ。様々な登場人物による群像劇の様相をした、家族愛溢れるハートフルコメディドラマです。原作は幻冬舎から刊行されている著者・森見登美彦さんの和風ファンタジー小説。2013年にアニメ化され、2017年4月から小説2巻目の『二代目の帰朝』がアニメ2期として放送開始されます。

本作は京都の市内を主な舞台としており、主人公たちがねぐらにしている下鴨神社をはじめ、鴨川に架かる出町橋、金曜倶楽部の集まりに使われているすき焼き屋の三嶋亭など、実在する建築物や街並みを再現しているのも特徴ですね。
どこか懐かしさを感じられる和の特徴強い京都の街からは、人ではない怪異の存在を匂わせる不思議な雰囲気もあり、人と人ならざるモノ、和と洋など、様々なモノが入り混じったとても魅力的な世界を築いていますね。化け狸や天狗といったファンタジーな存在も違和感なく溶け込んでおり、京都ならではの独特な雰囲気が許容している部分もあるのだと思います。

「人間は街に暮し、狸は地を這い、天狗は天空を飛行する。平安遷都この方続く人間とタヌキと天狗の三つ巴。それがこの街の大きな車輪をぐるぐる回している。」
この口上通り、本作は人間だけの物語ではありません。むしろメインになっているのは人間社会に紛れ込んでいるタヌキたちの暮らし。主人公の矢三郎はタヌキであり、天狗の赤松先生やヒロインのような人間の弁天は深く関わってくるものの、物語を盛り立てている多くはタヌキです。しかも本作のタヌキは古くから各地に伝わる民話や伝承に出てくる化け狸。
タヌキからしたら人間は自分たちの存在を脅かす恐れの対象であり、捕まれば殺処分、この作中では狸鍋にされ食べられてしまうというのに、それでも人間社会から離れることはしないあたり、暢気なのかただの阿呆なのかと呆れもしますが、彼等の楽しく珍しい物事への好奇心はそれほど強いということでしょう。
人間、それに人間の上位にいる天狗に比べたらとても弱い生き物、でも時にはそれらすらも化かして面白おかしくしてしまうという愉快なタヌキたちはこの作品の魅力ですね。

有頂天家族の中で一番に上げられるテーマ、それは間違いなく「家族愛」でしょう。多くの作品に用いられている普遍的なテーマであり、だからこそ扱い方を間違えれば途端に駄作になりえる危険性も秘めている思います。
この作品は全然奇をてらった見せ方はしていませんね。もちろんタヌキの一家という特殊な形はしていますが、純粋にこうありたいと思える温かい家族の姿を描いていました。
偉大な父・夫への心からの強い尊敬、なにがあっても子を信じる母の深く優しい愛、性格はバラバラでも何かあれば一丸となって支えあう兄弟愛。普段それぞれが自由にお気楽に過ごしていても、家族のことになると忙しなく真面目になるなど、深い家族愛を伺える描写が随所に散りばめられています。

タヌキたちを阿呆とは言いましたが、実は阿呆らしい行動は意外と少ない。特に主人公は人と天狗とタヌキの間を冷静にうまく立ち回っており、金閣銀閣という阿呆タヌキや早雲という極悪タヌキもいるにはいますが、他の兄弟や母も結構常識ある良心的なタヌキたちでした。むしろ破天荒な人や天狗のダメさが目立ってるようにも思えましたね。まあ弁天は例外中の例外でしょうけど。

また、映像美も素晴らしい。あの幻想的で美しい映像を生み出した『凪のあすから』も手がけた制作会社「P.A.WORKS Co.,Ltd.」だけあり、見せ方はさすがとしか言いようがない出来栄え。
古都京都の街並み、夜のライトアップされた紅葉の中を歩く弁天、静かに酒を酌み交わす描写あたりが特に印象深いですね。キャラデザ、背景、色彩、どれも申し分なく、全体的にも最後まで安定していたと思います。

なんとも不思議で独特な味わいを楽しめる面白い作品でした。シリアスとギャグ、人と天狗とタヌキ、背景と人物、絶妙とも珍妙とも言える不思議なバランスで描かれており、作品世界へ引き込まれる忘れられない1作になっています。
もちろん何もかも絶賛というわけではなく、最後まで腑に落ちない点、引っかかりが取れなかった疑問も残されていましたが、それでも素晴らしいと言える世界観と家族愛を見せてもらえたので結構満足しています。
2期も放送されることなので、1期では分からなかったことも明らかになってくるかもしれないので、今から楽しみで仕方ないですね。製作会社も監督も変更はないようなので、より期待が持てます。
1つ1つの言葉が深く心に残る家族愛溢れる作品、とても面白いのでよければ観てください。おすすめさせていただきます。




にほんブログ村 漫画ブログ おすすめ漫画へ
posted by ハネ吉 at 18:41 | Comment(0) | TrackBack(0) | アニメ

2017年01月09日

【家なき子レミ】アニメ 感想&あらすじ 辛いことに直面しても前へ進むことの大切さを教えてもらえる作品


家なき子レミ
1996年9月放送
全26話
監督:楠葉宏三
原作:島田満、小山眞弓
脚本:大川久男、梅野かおる
レミ・バルブランの声:堀江美都子 
ヴィタリスの声:山野史人

あらすじ

フランスの片田舎にあるシャバノン村で、母親アンヌと妹ナナと3人で幸せに暮らしていた少女レミ。しかし、パリへ出稼ぎに出ていた父親が大怪我を負ったことにより、その治療費として一家の食事を支えていた雌牛のルーセットを連れていかれてしまった。それでも明るく振舞っていたレミだったが、帰ってきた父親の口から自分は拾われ子だという真実を聞かされる。さらに、アンヌには秘密で父親に人買いへ売られてしまうのだが、事情を知った旅芸人のヴィタリスによって救われ、レミはこれ以上母親に迷惑をかけないために村を離れて旅芸人として生きることを決意した。

主要登場人物

・レミ・バルブラン
主人公。明るく前向きな10歳の少女。パリの街でアンヌの夫ジェロームに拾われた捨て子。生活苦から人買いへ売られてしまうが、ヴィタリスに拾われ旅芸人一座の一員として旅に出ます。捨てられていたときに持っていたネックレスを頼りに、旅をしながら生んでくれた母親を探すことを決めました。歌とアコーディオンが特技。

・ヴィタリス
旅芸人ヴィタリス一座の座長を務めている老人。様々な楽器の演奏に精通しており、3匹の犬と1匹の猿と共に芸で稼ぎながらフランス各地を巡っていました。レミに文字の読み書きだけでなく、厳しくとも前を向いて生きてくことの大切さなど、旅芸人としてだけでなく、人生にとっても大きな影響を与えていくことになります。

・アンヌ・バルブラン
レミの育ての母親。貧しくとも家を支え、娘2人に愛情を注いで育てた逞しく優しい女性。血の繋がりのないレミを、ナナと同様に実の娘同然に愛しています。レミが村を出た後もずっと気にかけ想い続けていました。

・ミリガン
イギリス名門貴族の婦人。穏やかで心優しい女性。息子アーサーの療養の為に訪れていたトゥールーズの町でレミと出会います。アーサーの姉にあたる娘を赤ん坊の頃に攫われており、現在もその行方を捜しています。

・ガスパール
ヴィタリスの知人だった人物の甥。パリで孤児を集め、その子供たちにノルマを課して奴隷のように働かせている親方。ノルマに達しなかった子供には用者なく罰を与える悪人です。ミリガン夫人からレミを使って身代金を巻き上げようと画策。

・マチア
ガスパールのところに売り飛ばされた少年。子供たちの中では最年長者であるため、皆のリーダー的存在。盗みやすりに手を染めて稼いでいるが、本当はガスパールに強要され仕方なく行っていることであり、レミに感化されてからは真っ当に稼ぐようになります。父親の影響でヴァイオリンが得意。


感想・見所

愛する育ての母や妹と暮らしていた村を泣く泣く離れることになった少女が、老人と動物たちだけの旅芸人一座に入り、フランスの各地を巡りながら産んでくれた母を探す物語。
名作児童文学をアニメ化した『世界名作劇場』シリースの23作目。著者・エクトール・アンリ・マロの『家なき子』を原作としており、アニメ化に伴い主人公を少年から少女へ変更されています。この作品放送終了から10年後に『レ・ミゼラブル 少女コゼット』が放送されていますが、地上波では世界名作劇場ラストになった作品ですね。テレビ放送では3話分未放送だったようです。

前作同様に低視聴率だったことでこの作品以降シリーズは長期中断されていたことを事前に知っていたため、それほど期待せずに視聴したんですが、予想に反してとても良かったですね。
他のシリーズ作品よりもだいぶ少ない全26話ということから多少物足りなさは感じるものの、内容自体は悪くないどころか素直に感動しました。

物語は世界名作劇場らしい内容ですね。不幸な境遇に突き落とされてしまった主人公は辛い生活の中でも前向きに生き、その姿に周囲の人たちも次第に感化され味方も増え、最後には檻を突き破り明るい未来へ歩き出す。まさにシリーズの王道といった感じです。
全体の構成はヴィタリス旅芸人一座編の第1部、ガスパールの元で働くパリ編の第2部の前後半に分けられます。第1部では、実は自分が拾われてきた子供だったことを聞かされ、人買いに売られになったことで育ったシャバノン村を飛び出すところから始まります。そこから、救ってくれたヴィタリスと共に旅芸人として生き、ミリガン夫人とも出会い、様々なことを教えてもらいながら厳しくとも温かな日々を送るのだが、一座に不幸が襲ったことでヴィスタルと別れるまでを描いています。
2部ではパリに舞台を移し、ガスパールという悪漢の下で働きながら共に暮らすマチアたちという新たな仲間ができます。辛い仕打ちを受ける生活であっても前向きに生き、仲間たちと絆を深め心を通わせていく姿を描き、そしてクライマックスも伏せる必要もないと思うのでネタバレしますが、産んでくれた母との感動の再会を果たします。

レミの姿を通して人生の厳しさを説いており、これがなかなか劇的な展開を見せ、時には目を背けたくなる描写もありました。
母と妹と幸せに暮らしていた冒頭から、いきなり拾われ子という真実を聞かされ、早く会いたいと思っていた父だと思っていた男に売られてしまいます。さらに、とある事件の犯人扱いされ、乗っていた馬車は焼失、一緒に旅をしていた仲間が雪山で命を落とし、心の拠り所になっていたヴィスタルとの悲しい永久の別れも訪れてしまいました。まだ続き、次に身を寄せた場所では辛い生活を強いられ、悪漢により実の母への身代金目的のための取引材料として捕まってしまうこともあります。
辛い展開が次々起こったため多少同情してしまいましたが、26話の中でこれだけ厳しい現実をしっかり描き、それでも挫けない少女の姿を見せる運びは、現在の作品ではなかなか難しいと思うので悪くなかったと思います。

ヴィタリスさんの言葉「前へ進め」、これが強く印象に残ってますね。レミの原動力にもなっていたと思います。辛く困難な状況に陥っても、その言葉を口に出して歩みを進め、逞しく成長していきます。
確かに辛すぎる事件が次々と襲ってきますが、明るくひたむきにがんばるレミの姿は人を惹きつける魅力があり、彼女が手を差し伸べた優しさはそのまま彼女自身にも帰ってくる温かさも見せてくれました。

あくまで原作を読んだことのない私個人の感想でしたが、観て良かったと思える良質な作品でした。もちろん、原作内容を少し調べてみると、知ってる人にとってはいろいろ改変されていたこもあり批判が出ても当然の内容だとは思います。それと、大人の事情で話数が少なかったのは、原作どうのとは関係なく私としても不満点です。しかし、テーマはしっかりしており、伝えたいメッセージも理解しやすく、26話の中でそれを描ききったことは素直に良かったと思っています。なので、低視聴率だったことが残念でなりませんね。
元気と励みを貰えるレミの明るく前向きな姿、優しさを強く感じるヴィスタルとミリガン夫人、頼りになるかっこいいマチアなどキャラクターの魅力は高く、物語最終話の展開はすっきり爽快、そして涙誘う感動も待ってます。さだまさしさんの「愛について」というオープニングテーマ曲も良かったです。
批判も多かった作品ではりますが、私は名作劇場の中でも好きな作品の1つに数えているので、おすすめさせていただきます。





にほんブログ村 漫画ブログ おすすめ漫画へ
posted by ハネ吉 at 18:46 | Comment(0) | TrackBack(0) | アニメ

2016年12月26日

【ふしぎの海のナディア】アニメ 感想&あらすじ 壮大な世界と戦いに身を置く少年少女の成長を描いた物語。



ふしぎの海のナディア
1990年4月放送
全39話
監督:庵野秀明
原作:ジュール・ヴェルヌ
脚本:大川久男、梅野かおる
ナディアの声:鷹森淑乃
ジャンの声:日高のり子

あらすじ

西暦1889年、万国博覧会の開催により賑わいを見せるフランスの都パリ。
叔父と共に飛行コンテストに参加するためパリを訪れていた発明好きの少年・ジャン。機体の整備中に褐色の肌を持つ謎の少女ナディアと出会い、ジャンは彼女に一目惚れしてしまった。仲良くなろうと後を追って話し掛けたジャンだったが、そこでナディアの持つ宝石「ブルーウォーター」を狙うグランディス一味が現れる。度重なる襲撃から逃れるため、ジャンはナディアを開発した飛行機に乗せ飛立ち、そのまま故郷のアフリカの地を目指し冒険の旅に出るのだが・・・。

主要登場人物

・ナディア・ラ・アルウォール
主人公。謎の宝石「ブルーウォーター」を持つ少女。褐色の肌、碧の瞳、ショートボブが特徴の14歳です。サーカス団で育ったことから身体能力は高い。勝気で非常にわがままな性格をしていますが、優しい心の持ち主でもあります。動物の言葉を理解できる不思議な力を持ち、それが原因であるトラウマを抱えてしまい、肉を食べられないベジタリアンになりました。あと、とても嫉妬深い。

・ジャン・ロック・ラルティーグ
もう1人の主人公。発明好きの少年。14歳のフランス人。茶色の髪と青い瞳、常に身に着けているメガネと蝶ネクタイが特徴。明るく前向き、温厚な性格をしており、正義感が強く、行動力もあります。世界中を飛びまわれる飛行機を発明し、行方不明の父を捜しに行きたいという目標を持っています。一目惚れしたナディアに積極的にアプローチをするが、女心には疎く、彼女を怒らせることは日常茶飯事。

・マリー・エン・カールスバーグ
4歳の少女。ネオアトランティスに侵略された島に住んでいたが、反抗した両親は殺されてしまい、1人になっていたところでナディアたちと出会いました。天真爛漫な明るい子供らしいところもある一方、大人っぽく振舞うおませなところもあります。キングとは大の仲良し。

・グランディス一味
ナディアの「ブルーウォーター」を狙っていた3人組の一味。序盤では執拗にナディアたちを付け狙う適役という位置づけだったが、中盤以降は仲間として良好な関係を築き、共にガーゴイルへ立ち向かいます。
ナディアにとって姉的な存在となる赤い髪が印象的な姉御肌のグランディス。グランディスの子分で怪力と高い射撃能力を持つ戦闘を担当する優男、サンソン。同じく子分の機械工学の天才であるメカ開発・整備を担当するハンソン。
グランディス一味はタイムボカンシリーズに登場する3人組悪党のオマージュ。

・ネモ
ノーチラス号の船長。本名はエルシス・ラ・アルウォール。寡黙であり常に冷静沈着に振る舞い、感情をあまり表に出さない男性。ガーゴイルに対して強い復讐心を持ち、ネオアトランティス共々打ち倒すことに心血を注いでいます。ラテン語で「ネモ=誰でもない」という意味。

・ガーゴイル
世界征服を目論むネオアトランティスの総帥。本名はネメシス・ラ・アルゴール。冷徹非常、傲岸不遜、目的のためなら手段を厭わない卑劣さを持ちます。かつて滅亡した王国「タルテソス」の宰相だった男。ナディアが持つ「ブルーウォーター」を狙っています。

感想

謎の宝石を持つ褐色肌の少女と発明好きの少年が出会い、旅立った先で様々な人たちと交流し成長していく中で、世界征服を企む組織とそれを阻もうとする反抗組織との戦いに巻き込まれていく物語。
少年少女たちのロマンと冒険あふれるSF海洋冒険活劇。著者・ジュール・ヴェルヌの『海底二万里』と『神秘の島』をアレンジして製作された作品です。総監督は『エヴァンゲリオン』や『シン・ゴジラ』など、数多くの有名作品を手がけている庵野秀明さん。

19世紀のヨーロッパやアフリカなどを舞台とし、時代を思わせる建築・服装や生活様式を描いていながら、SFファンタジー的な要素も取り入れている世界観ですね。
日常・コメディパートでは比較的現実的な世界観を描き出し、主に戦闘描写ではSFファンタジー色が強く現れています。時代背景は現代よりも100年以上も前を設定しているにも関わらず、当時ではまず存在しえない、考えられないオーパーツのような空想科学メカ・兵器が多く登場し、現代兵器も真っ青な戦闘を繰り広げていました。

物語の開始1話、謎の光る宝石を持つ少女がそれを付け狙う悪党に追われ、その最中に出会った少年と共に逃げる、というシーンはジブリ作品『ラピュタ』に類似した展開を見せてくれました。
物語の序盤はまず、ナディアやジャン、グランディス一味、マリーやネモなどのメインとなる登場人物たちの出会いを描き、さらに作品を通しての敵となる組織「ネオアトランティス」の存在を印象付ける話ですね。「出会い編」とでも言うのかな?ここで視聴者の興味を引くための大まかな物語紹介と伏線貼りをしています。
2編目となるのが「ノーチラス号編」。いろいろあって協力関係になったナディア達とグランディス一味は「ノーチラス号」に救助され、2人旅から集団生活へとシフト。船での生活と交流によって大きな影響を受けるジャンとナディアの姿、グランディスがネモに一目惚れするなどの一味のドタバタ劇、ある船員との悲しい別れ、そしてノーチラス号とネオアトランティスの決戦などを描いています。この章はいくつもの要素がてんこ盛りなので特に楽しめましたね。
そしていろいろと話題を呼んだ無人島に漂着した一行の島での暮らしを描いた「島編」に突入。ある国へ丸投げしたせいで崩壊した作画によってかなり不評を買ってしまいましたね。作画に関しては私も不満しかありませんが、同様に不評だったストーリーについてはむしろ結構好きだったりします。長すぎた感はありましたけどジャンとナディアの成長と変化を見ることができ、キングやグランディス一味を交えたドタバタ劇も面白く、あとマリーの存在が目立つ部分もありましたね。作画崩れを起こさず話数をもう少しだけ減らしていたら最高だったと思います。
そして様々な伏線を回収して真実が明らかになる「最終章」へ進み、物語のその後を描いたエピローグをもって幕を閉じます。

壮大な物語ではありますが、あくまでこれは少年少女の成長と出発、夢やロマンを追う人たちの姿を描いた作品だと思います。まだまだ人生経験の浅い子たちが様々な経験を経て、目にしていた前面だけでなく見えずらい側面を目の当たりにし、その上で自分が何をすべきかをしっかりと見据え、決断し、行動していくという姿をしっかり描いてしました。

気まぐれでワガママ娘だけどそれでもナディアが好きになってしまいました。見た目は文句なしで可愛い少女ではあるものの、キツくてめんどくさい性格から好き嫌いがはっきり分かれたであろうヒロインですね。監督である庵野秀明さんの女性観が強く反映されているらしいです。
特にジャンに対しては辛らつすぎる当たりの強さを見せ、意地っ張りで素直になれず、ついついキツイ言動をとってしまう子。偏食キャラ、ワガママお嬢様キャラなど、めんどくさい性格をしたキャラを1つに合わせたようなキャラですね。
そんなワガママ娘もジャンの素直な心にふれ、優しさを感じたことで閉ざしていた心を開き、少しずつ惹かれていく様子は可愛いかったです。何より彼女が見せる純粋な笑顔は素晴らしい。ナディアの成長はなによりジャンという存在が大きく影響しており、彼の言動、行動、姿に強く心を揺り動かされ、それが成長や変化を促すきっかけになっていたと思います。

笑いあり、涙あり、感動あり、強烈なワガママ娘ありの海洋冒険ストーリー、とても面白かったです。大人になった今でも、むしろ今だからこそ、この作品を観ると夢やロマンに胸踊り、まだ未熟な少年少女たちからは愛、友情、命などの大切なことを教えてもらえた気もします。
また、音楽も素晴らしい。オープニングテーマ曲の『ブルーウォーター』、エンディングテーマ曲の『Yes! I will...』をはじめ、耳に強く残る楽曲が多く、アニメ内容の壮大さに引けを取らない秀逸な出来に仕上げていますね。
1990年の作品でありながら今尚色褪せることのない名作だと思っています。今更私がおすすめするまでもなく有名な作品ではありますけど、まだ観たことのない方がいましたら是非観て欲しいと思う作品です。

ふしぎの海のナディア Blu-ray BOX【完全生産限定版】
by カエレバ


にほんブログ村 漫画ブログ おすすめ漫画へ
posted by ハネ吉 at 19:04 | Comment(0) | TrackBack(0) | アニメ

2016年12月19日

【たまゆら】アニメ 感想&あらすじ 流れていく日常の中で成長する少女たちの姿を描いた作品


たまゆら
1期:2011年10月放送
2期:2013年7月放送
監督:佐藤順一
原作:佐藤順一
脚本:佐藤順一、吉田玲子、山田由香、他
沢渡 楓の声:竹達彩奈
塙 かおるの声:阿澄佳奈

あらすじ

高校進学を機に、瀬戸内海に面した広島県竹原市へ引っ越してきた高校1年生の沢渡楓。海と山に囲まれた穏やかなその町は、5年前に亡くなった父が子供の頃に過ごしていた故郷。
父が生きていた頃、よく連れてきてもらったときに遊んでいた塙かおると再会し、その縁から岡崎のりえ、桜田麻音とも友達になることができた楓。
父の形見であるカメラを持ち、大好きになったこの町を、そして出会うことができた素敵な親友たちとの大切な一時を、シャッターを押し写真におさめていく。その写真の中には、楓がふわふわ温かい気持ちで撮ったときにだけ現れる、白く光る不思議な玉が写り込むことも・・・。

主要登場人物

・沢渡 楓
主人公。竹原南高校1年生。あだ名は「ぽって」、「ふうにゃん」。口癖は「〜なので」。横須賀の汐入から広島県の竹原に引っ越してきました。小柄で写真を撮ることが大好きな少女。愛用しているカメラは父の形見である「Rollei 35S」。ほんわか穏やかな性格をし、少しのんびりしたところもあります。

・塙 かおる
楓の幼馴染み。竹原南高校1年生。あだ名は「かおたん」ですが、本人はそう呼ばれることに否定的。ポニーテールが特徴の少女。少し危なっかしい楓を心配しながら見守っています。ポプリ作りを趣味に持っており、少し変わった匂いのするポプリに挑戦しています。

・岡崎 のりえ
竹原南高校1年生。ツインテールがトレードークの常にハイテンションな少女。元々はかおると麻音の友人で、かおるを通して楓と友達になります。スイーツ作りを趣味に持ち、将来はパティシエになるという目標から料理の専門学校に行く予定。楓の弟である香のことが大好き。

・桜田 麻音
竹原南高校1年生。長い黒髪をした大人しく優しい少女。のりえとかおるの友達。楓とは日の丸写真館に飾られていた楓の写真をきっかけに友達になりました。口下手なため、口笛で気持ちを伝えようとしています。自作した朗読劇を披露しています。実家は旅館を経営。

・三谷 かなえ
竹原南高校に通う楓たちの1コ上の先輩。2期『もあぐれっしぶ』から登場。写真コンテストをきっかけに楓のことを知ります。勝手に撮影した楓の写真を応募してしまったことで話しかけ辛くなっていたが、謝罪して打ち解けたことで写真部に入部を決めます。考えすぎて動けなくなるタイプ。愛用のカメラはPENTAX「Q」。

・三次 ちひろ
中学まで一緒に過ごした楓の親友。横須賀汐入在住。今はメールや電話でのやりとりをしています。嬉しくても悲しくても泣いてしまう涙もろい少女です。趣味はオリジナルのぬいぐるみを作ること。「ぷゆすけ」というぬいぐるみがお気に入り。

感想

将来もまだおぼろげな高校に通う少女たちが、なにげない日常の中にある温かな幸せを感じながら、自分の夢、目標を見出し未来へ歩み出す物語。
ほのぼのした少女たちの日常を描いた青春アニメです。2010年冬にOVA全2巻、2011年10からTVアニメ1期『たまゆら〜hitotose〜』、2013年10月には第2期『〜もあぐれっしぶ〜』、そして2015年春から完結編4部作の『たまゆら〜卒業写真〜』が劇場で上映されました。
『ARIA』や『カレイドスター』など、数多くの有名作品に関わってきた佐藤順一さんが監督を務めています。

物語の舞台となるのは瀬戸内海に面した町、広島県竹原市です。実在する地名を使い、風景や町並みも忠実に再現されています。美しい海や山に囲まれ、古く趣きのある建物が軒をつらねているなど、作品の内容にマッチする穏やかな雰囲気ある舞台になってますね。
今でこそ実際に存在する地名を使い、町並みも再現してしまう作品というのは珍しくないと思いますが、最初のOVAが出た頃はまだそれほどこのような作風の作品は多くなかったように思えます。私の記憶違いでしたらすみません。
町並みが再現されていることから実際に訪れると作品の世界観に浸れるため、聖地巡礼をしながらの観光も盛況でしたね。舞台となった竹原市の自治体や商店街も積極的に協力してくれたこともあり、様々なイベントを開くなどして、より広く知られる作品になりました。

基本ストーリーは女子高生たちの日常と成長。全体的に「喜び」「楽しみ」を前面に押し出し、「哀しみ」の要素は含まれつつも、「怒り」はほぼ省いた内容になってますね。穏やかな人たちが暮らすゆったりした時間が流れる町、その中でぽってと友人の少女たちが他愛もない会話を楽しみ、たまに「クスッ」と笑わせてくれるやりとりを繰り広げています。
とても優しげな雰囲気があり、舞台設定により登場人物たちを身近に感じさせつつも、どこか手の届かない夢や理想を見させられている気分にもなりますね。

それらを物足りないと感じる人には退屈になってしまう作品ではありますが、決していつも笑顔で楽しいだけのアニメではありません。登場する女子高生たちはまだ何者でもなく、将来どうなりたいのかもおぼろげな等身大の女の子たちの姿を描いています。
OVAと『hitotose』では高校1年生、『もあぐれっしぶ』では高校2年生、そして『卒業写真』では高校3年生へと、作品ごとに成長する彼女たちは当然これからの進路についても思い悩み、考え、迷います。そこで『私たち展』などを開き、それぞれが持ちうる特技、趣味としていたものなどを展示・発表し、自分自身と向き合い、今の自分たちを見てもらうなかで将来への夢を芽生えさせていきます。
今の時間は決して永遠に続くものではなく、少しずつ変わっていく日常に寂しさや儚さを感じてしんみりつつも、成長し旅立とうとする彼女たちの姿にほっこりと胸が温かくなりますね。

あと、この作品のもう1つのテーマ『写真』。主人公である楓は大好きだった父が亡くなってしまったことでカメラからも離れてしまったんですが、まだ引きずりながらも家族の想いから再び手に取ることになりました。そのカメラと撮影した写真を通して新たな友達とも出会い、様々なことを経験しながら1枚1枚大切な思い出として写真に残していきます。そして大好きだった父の写真、思い出の場所から新たな父を知り、もういないことは悲しいことだけど、その大切な時間を胸に前へと歩み出します。

シリーズ通してほっこりさせてくれる優しさに包ままれた作品だったと思います。OVAから始まり、TVアニメ1期2期へと続き、劇場4部作で見事に締めくくってくれました。派手さはなくとも心地良い雰囲気に浸れる魅力があり、その場所に触れてみたいと思わせてくれましたね。
映像・音楽も素晴らしく、背景の丁寧な描写、やさしさ溢れる音楽はこの世界の温かさを反映しており、尚且つこの作品の魅力をより引き立てる出来栄え。
記憶に、思い出に残る作品になりました。特にちょっと疲れ気味の癒されたい人におすすめします。

たまゆら(OVA) 全巻セット(第1巻、第2巻) [Blu-ray]
by カエレバ

たまゆら~hitotose~ 全巻セット(第1巻~第7巻) [Blu-ray]

たまゆら~もあぐれっしぶ~全巻セット [Blu-ray]



にほんブログ村 漫画ブログ おすすめ漫画へ
posted by ハネ吉 at 18:50 | Comment(0) | TrackBack(0) | アニメ
プロフィール
ハネ吉さんの画像
ハネ吉
とにかく漫画が大好きです。愛してるといっても過言ではありません。どんなジャンルにも手を出しますね。正直、文章力にはあまり自信はありませんが、なるべくうまく伝えられるようにがんばります。ちょっとだけでも読んでもらえたらうれしいです。 ちなみに、甘い物とネコも大好きです。
プロフィール
<< 2018年04月 >>
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30          
検索
最新記事
リンク集

400,000冊以上の電子書籍を販売していて、マンガの保有は世界最大級。パソコン、タブレット、iPhone/iPod touch、Androidなど幅広い機種に対応。
無料立読もできます。
カテゴリーアーカイブ
ファン
×

この広告は30日以上新しい記事の更新がないブログに表示されております。