ハネ吉のマンガ生活〜おすすめマンガ感想紹介〜

「味噌汁でカンパイ！」「疫病神とバカ女神」1巻の短文感想。


味噌汁でカンパイ！
著者：笹乃さい
掲載：ゲッサン少年サンデーコミックス
発売日：2016年1月12日

父親と2人暮らしをしている男子中学生の善一郎。朝はいつも１人のため、コビニのおにぎりとインスタントの味噌汁で適当に済ませる毎日。そんな善一郎を見かねた幼馴染の少女・八重は、彼のために朝ごはんを作ってくれたのですが、シジミの味噌汁に口をつけると「ざり」という食感が・・・。
最初は失敗してしまったものの、愛情の込もったごはんを善一郎に食べてもらいたい八重は、『お母さん』として・・・朝ごはんを作るために不慣れな料理に挑戦していく。

味噌汁に特化したグルメマンガです。幼馴染が毎朝味噌汁を作りに来てくれるというのは、男からすると夢のようなシチュエーションですね。とは言え、八重は別に料理が得意というわけではなく、出汁のことすらよく分かってないレベル。ただ、善一郎にアドバイスをもらいながら、少しずつでも頑張って腕を上げていく姿は微笑ましくて可愛い。
味噌汁の説明もされていまして、解説時はさらに愛らしくデフォルメされたキャラになって説明してくれます。子供の頃に交わした「お母さんにだってなってあげる」、という約束を守るために母のように振舞おうとはしているものの、八重の善一郎に対する感情はどう見ても・・・。味噌汁だけでなく、善一郎と八重の関係がこれからどう進展するのかも注目。
書店で前情報なくなにげなく手に取った作品だったのですが、見事に当たりを引きましたね。味噌汁特化作品なのでどこまでネタが続くのかは気になりますが、これは次巻も楽しみです。

味噌汁でカンパイ！（1）【電子書籍】[ 笹乃さい ]




疫病神とバカ女神
著者：森拓也
掲載：ゼノンコミックス
発売日：2016年5月20日

世界中で起こっている国や宗教の様々な戦争を終わらせてきた「幸運の女神」は、運が良いだけの「バカ」だった。おつむの出来は残念極まりない彼女だが、この世から戦争をなくしたいという強い信念を持ち、全人類を幸せにするため疲れきった体に鞭を打って平和活動に励んでいた。
しかし、そんな彼女のもとに、これまでの努力が無駄になるかもしれないとんでもない報せが入ってくる。――「月が地球に落ちてくる。それも今日中に」。
その原因になっているのはたった1人の少年。彼は幸運の女神とは真逆の性質を持つ、不運をバラまいてしまう疫病神で・・・。

なんともスケールの大きい話です。巻き起こるトラブルも、主人公が持つ目標も、運の良さも、そして頭の悪さも何もかもが規格外。ですが、世界を救う人間がいるとしたらこういう子なのかなとも思ってしまいました。深く考えすぎると逆に動きづらくなってしまうこともありますから、ならばいっそ何も考えない方が良い結果に結びつくかもしれません。
主人公の少女はとにかく運が良く、「全ての人を幸せにする」なんてことを堂々と叫んでいます。そのようなセリフを口に出す人はいるかもしれませんが、それを本当に実行しようなんて思う人はそうそういるものじゃありません。私なら「無理でしょ」と笑ってしまいそう。ですが、この作品の主人公は実際にその目的のために行動を起こしてます。たとえ銃口を誰かに向けてる人でも、大問題の原因になってる人であっても、幸せにするべき1人に変わりないので見捨てるなんてことはしません。
新人ながら画力もけっこう高いですね。ハチャメチャな出来事ばかりで面白かったです。

疫病神とバカ女神 1巻【電子書籍】[ 森拓也 ]