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2017年10月19日

【フラウ・ファウスト】マンガ 感想&あらすじ 不死の少女と悪魔をめぐる禁忌と再会のダークファンタジー

ITAN。2014年10月発売22号から連載中。既刊4巻
著者:ヤマザキコレ



あらすじ

昔々、あるところにファウストという男がおりました
ファウストはある日、悪魔と出会いこう言われました
「おまえの魂をくれるなら、おまえが死ぬと定められた時まで言うことをきいてやろう」
ファウストは甘い言葉に飛びついて契約をしました

そんな物語を馬車の中で幼い子供に聞かせる謎めいた少女ヨハンナ・ファウストは、立ち寄ったとある街で本泥棒として捕まりそうになっていた少年・マリオンを助ける。

勉強して知識をたくさん身に付けたいと望むも、貧乏なために学校へ通うことが出来ないマリオン。本以上に豊富な知識を持つヨハンナにしばらく教師役を務めてもらう変わりとして、彼女がこの街へ立ち寄った目的を手伝うことになった。

その目的は、フラっといなくなった“あるモノ”を捜し出すこと。そしてマリオンが頼まれたのは、“新月の夜に教会の扉を開けてヨハンナを招き入れる”、ただそれだけ。

新月の夜、ヨハンナを招き入れたマリオンが目にしたモノは、遠い昔に彼女が契約を交わした悪魔「メフィスト・フェレス」の封印された腕だった。

少女は少年を引き連れて旅をする。バラバラになった悪魔の欠片を捜し、封印から解放し、再会するために。

主要登場人物

ネタバレも若干含まれているので注意

・ヨハンナ・ファウスト
悪魔と契約を交わした女性。小柄な体型とメガネが特徴。語学・歴史・天文・数学・錬金術・医術など、幅広い学問に深く精通しているうえ、魔術まで扱います。知識欲と好奇心が強い。百を生かすためなら一を切る非常さを持つも、根っこには深い情愛と優しさ、そして強い信念を持つ。ただ、それを上手く伝えられない不器用な性格でもあります。
五体をバラバラに封印された契約悪魔・メフィストの身体を、100年もの長い間捜し続けています。不死の呪いを受けているため、教会などの神聖な場所へは誰かの招きを受けなければ入ることは出来ません。世間では100年前に死んだとされており、男として描かれているおとぎ話にもなって広く知られています。科学の分野から蹴り出された異端の者たちからはカリスマ的な人気者。
今はヨハンナと名乗っていますが、メフィストと契約を交わした頃に使っていた名前は「ファウスト」。幼い頃から貪欲に知識を求めるも、メフィストとの契約によって一瞬で知識を得ることは拒んでいます。それは、この世界の知りうる限りのことを、実感の伴う“自分の感覚”として知りたいから。そのため、メフィストとの契約で望んだモノは、自身の手足とあるメフィストそのもの。
不老不死ではあっても呪いであることに変わりなく、傷を負うごとに自らの身体を削いで修復されているため、その度に身体は小さく若返っていきます。残ってる物資で体を持たせてるだけであることから、なくなれば死ぬとヨハンナは考えています。

・マリオン
ヨハンナの旅に同行している少年。純粋で優しく、とても知りたがりな性格。本泥棒として捕まりそうになっていたところをヨハンナに助けられました。父親が商売に失敗したことで財産はあらかた借金取りに持っていかれ、現在は貧しくなったことで学校にも通うことができない状況。
学ぶことに積極的な知識バカで、ヨハンナの捜し物を手伝うかわりとして、街にいる間だけ教師役となって学問を教えてもらう約束を交わしました。ヨハンナが実はファウスト博士であり、不死の化物だと知っても尚、彼女のそばで学んでいたいと望み、強引に旅へ同行することになりました。
力もなく手先も器用でない何もできない自分にとって、ヨハンナという知識の塊のような存在に出会えたことはチャンスだと思い、彼女から学ぶことに賭けています。一度はヨハンナについての記憶に鍵を掛けられて置いて行かれるも、強い思いが暗示を解き、ニコと一緒に彼女を追いかけました。

・メフィスト・フェレス
ファウストと契約を交わした伝説の悪魔。鳥のような面を付け、黒いコートを纏っている見た目は男性の悪魔。理由なく人に不死を与えた罪によって、身体をバラバラにされて封印されたことになっているが、それは表向きの理由である可能性が高い。身体の全ては揃っていない現状でも普通に動くことができ、ファウストの危機には助けに現れます。
契約中に「おまえが己を捕らえたならおまえの勝ち。おまえが立ち止まったら己の勝ちだ。」とゲームを持ち掛け、ハンデとしてファウストを不老不死の身体にした後、彼女の前から居なくなってしまいました。
簡単には堕ちない強い意志を持つファウストに惹かれているようです。ファウストが一度死んでいるため、既に契約は切れているにも関わらず、彼女を様々な脅威から守っています。

・ロレンツォ・カランドラ
異端査問官の男性。ヴェールで顔上半分が隠れているため、素顔は不明。寡黙で真面目な性格。冷静沈着な思考と高い戦闘能力を持つ優秀な人物ではあるものの、協調性は欠けているため、1人でフラフラどこかへ行ってしまうことも度々あります。
悪魔やそれに通じる者を抹殺することに躊躇がなく、メフィスト復活を阻むためにファウストを執拗に付け狙ってきます。悪魔を匂いで嗅ぎつけることが可能。
腹違いの義妹がいますが、親を亡くした2人を引き取った叔母と名乗る大主教・オルガに引き離され、会うことを禁じられていました。異端審問官でいるのは妹を守るため。
どうやらファウストの娘であるニコのことを気に入ってる様子。あと、絵が壊滅的に下手なことから、彼の似顔絵によって人物を特定することはまず不可能。

・ニコ・バーンスタイン
ヨハンナを「お母さま」と呼び慕い、彼女の娘を名乗る若い女性。端整な顔立ちと抜群のスタイルを持つ黒髪ロングストレートの美女。ヨハンナの隠れ家でもある薬屋を兼ねた孤児院で暮らし、そこで彼女が通り掛かりに拾ってきた孤児たちの面倒を見ています。
普段は柔らかい丁寧口調で話し、子供たちにも好かれている優しい先生ですが、メフィストのことは激しく嫌っています。
実は普段の姿は自動人形の身体であり、本体は体内に内臓されているホムンクルス。現状はフラスコの中でしか生きられない手の平サイズの小人。そのため、定期的に点検と整備が必要。
ヨハンナによる生命を人の手で作る研究から偶然生まれるも、異端審問官の襲撃を受けたことで雲隠れし、人の目を欺くためにヨハンナの友人である人形師のサラによって外見が組み上げられました。

・アナスタシア
大主教。ロレンツォの腹違いの妹。
兄とは会うことを禁じられていますが、ロレンツォは月に一度だけ誰にも悟られないように姿だけを見せに来てくれるようです。いつも守ってくれている兄には、自分から離れて自由になって欲しいと思っています。
メフィスト復活を阻もうとする教会の異端審問局局長で大主教の叔母・オルガによって、半強制的に悪魔・イーノーと契約を結ばされてしまいました。しかし、囚われたヨハンナと会話を交わしたことによって、自身の行いに疑問を持ち始めています。

・イーノー
女悪魔。大きな尻尾が生えていて、手足には足ヒレと水かきが備わっている悪魔。ある教会の主教の娘を悪魔の末席に加えようとするも、ヨハンネの介入により契約は不履行となり失敗。その後、大主教・オルガの手引きによって、アナスタシアと契約を交わしました。
通常、悪魔や魔獣は流れる水を嫌うものですが、イーノーは水から生まれた悪魔であるため弱点にはなりえません。転んで足掻いて血反吐を吐きながら歩む人間が好き。

・オルガ
老齢の大主教。異端審問局局長。アナスタシアの叔母。謎が多いメフィスト・フェレス封印の真実を知っていると思われる存在。
悪魔を穢らわしい存在と忌み嫌い、人の理から外れた者をおぞましいと蔑んでいながら、目的のためなら悪魔の力も利用する人。




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感想・見どころ

どんな作品においても世界観と設定って大事ですよね。私はその辺りを凝ってる作品にはほんと弱いもので、物語の世界に没入して読みながら、自分の頭の中でも色々と想像膨らませて楽しんでおります。
逆にそこをおざなりにされてしまいますと、いくらストーリーやキャラクターが良くても、ちょっと読み続けるのが辛くなってしまうこともしばしば。それが例えファンタジーであったとしても、世界観によって臨場感を出せているかいないかではだいぶ評価も変わってしまいます。
個人的に良いなと思う作品を一部あげるなら、『ハクメイとミコチ』と『Landreaall(ランドリオール)』。あと、最近では『映像研には手を出すな!』にもハマっていす。これらはしっかりした土台があるので、キャラクターもイキイキ動いてますね。

今回紹介させていただく漫画はヤマザキコレ先生の『フラウ・ファウスト』。不思議な香り漂う独特な雰囲気を纏わせている作品です。

死ねない呪いを受けて100年以上も生きている少女の姿をした女性が、教会によって施されているかつて契約を交わした悪魔の封印を解く為、旅の途中で出会った少年と共にバラバラになった欠片を捜して駆け巡る物語。
悪魔と不死の少女をめぐる禁忌と再会のダークファンタジー。帯での謳い文句は「死ねない少女と不完全な悪魔、100年の年を超えた再会までの物語――」(1巻)、「100年以上まえ、博士と悪魔、ふたりだけの旅の記憶」(4巻特装版)など。
作者はアニメ化もされた現代魔法ファンタジー『魔法使いの嫁』で広く知られる漫画家・ヤマザキコレ先生。

錬金術師「ファウスト博士」を下敷きにして描かれる新たな伝説

“ヨハン・ゲオルク・ファウスト”という人物をご存知ですか?
16世紀ドイツに実在されたと考えられている錬金術師。本人に関するはっきりとした資料はあまり残されていないのですが、錬金術や占星術を扱う魔術師であったなど、色々と妙ちきりんな風聞がささやかれていたことから、彼をモデルにしたファウストと悪魔・メフィストの物語は多く存在します。

代表的なのは、ドイツの小説家であるトーマス・マンによる『ファウスト博士』。そして、ドイツの文豪・ゲーテよって生み出された長編戯曲『ファウスト』ですね。

ゲーテ作品では、神と悪魔のメフィストが賭けをします。貪欲に知識を渇望するファウストを誘惑し、闇へと堕ちたらメフィストの勝ちで、それでも向上心を持って光の道を歩めたらメフィストの負けという賭け。
そして、「結局何もわからない」と自殺しようとしていたファウストの前に現れたメフィストは、肉体を若返らせる変わりとして、有名な言葉「時よ止まれ!お前は美しい」と彼が発したら魂を貰うという契約をします。つまりファウストが満足しちゃったら魂はメフィストのもの。
美女と恋したり、国の窮状を救ったり、領土を持ったり、なかなか歩みを止めないファウストでしたが、とある失敗によって失明してしまいます。ベッド上でメフィストが彼の墓を掘る音を聞き、それを領民が開拓に勤しむ音だと勘違いしてしまったことで、幸福感に包まれたことからついに・・・「時よ止まれ!お前は美しい」と言ってしまいます。
賭けはメフィストが勝ったことで魂を連れていかれそうになるも、天から現れたかつての恋人によって救われ、ファウストは天国へ引き上げられていきました。


かいつまんで説明するとこんな感じだと思います。間違ってたらすみません・・・。

本作はこの辺りの伝説を下敷きに、オリジナルの新たなファウスト博士を描いた物語になってます。魔術や剣などアクションバトル要素もそれなりに加味されているダークファンタジー作品。
系譜に連なるその他の作品では、ファウスト博士はモデルの人物そのままに男性として描かれることが多いのですが、このヤマザキコレ作品では女性。タイトル『フラウ・ファウスト』の「フラウ」というのは、ドイツ語で「ミセス」という意味です。

禁忌と再会の物語

内容をおおまかに説明してしまうと、主人公のヨハンナ・ファウストが五体バラバラにされて封印中の悪魔メフィストを捜す話。ヨハンナ(ファウスト)曰く、見つけてシメるらしいです。
物語の主軸は、バラバラにされて各地の教会に封印されているメフィストを、ヨハンナと仲間たちが妨害してくる敵とぶつかりながら、ひとつひとつ回収していくという流れ。

現在封印されてはいますが、元々は契約している最中にメフィストが持ちかけてきたとゲームが始まりです。

「おまえが己を捕らえたならおまえの勝ち。おまえが立ち止まったら己の勝ちだ。」というもの。

そうして勝手にゲームを始めてフラッとどこかへ消えてしまうのですが、このままではメフィストが勝つことは明白なことから、とあるハンディを与えられます。
1巻冒頭で少年・マリオンと出会ったときは、彼とほとんど年の頃は変わらない少女と言っても差し支えない姿。しかし、メフィストが封印されたのも、ファウストが死んだとされたのも、いまから100年以上前のこと。生きていることすらありえないのに、当時既に大人だったファウストは明らかに若返っており、身体に大きな傷を負っても自然に完治。
つまり時間の制限が無くなった不老不死の身体になったのですが、そうなるに至った謎のヴェールに包まれている過去についても、この作品の大きな見どころのひとつになってます。

そして何より強い輝きを放っているのがヨハンナ・ファウストというキャラクター。聡明であっても知識の探求欲が過ぎることから、その所業は大多数の人たちには理解されず、強欲な狂人として知れ渡っています。しかし、人の評価も、望みを叶えてくれる悪魔との契約すらも、彼女が元々抱いていた根本的な欲望に変化を与えることはありませんでした。
欲する知識を一瞬でくれてやるというメフィストに対し、「実感のない知識なんていらない。私は、私の力でつかめるだけの知識を手に入れる。」
この異質の欲望と信念の強さは凡人には理解し難いもの。しかし、その危うさを孕んだ彼女の情熱は、メフィストがそうであったように、魅力にもなって強く惹かれてしまう輝きを放っていたと思います。

謎、謎、謎の先の読めない展開、そして結末

細々としたところまで理解するとなると、なかなか骨が折れる作品ではあります。ただ、下敷きがあるとは言え独自のストーリーであることから、先の展開やどういう結末に至るかは読みづらいため、続きが気になって仕方なくさせる面白さを持っています。

肝心のメフィストフェレスに関しては、傍にいるとはいえ頭部がまだ封印されているため、語ってくれる口がない状態。なので、その行動の意図や想いはヨハンネの回想の中でうっすらと触れることしかできず、元々ピエロみたいな読み辛い悪魔だったことからも、何をどうしたいのか、何で封印されているのかなど、既に佳境に入っているにも関わらず分からないことが多々あります。

何かの目的なのためなのか、ただ楽しんでいるだけなのか、はたまた愛ゆえなのか、原作とはだいぶ異なる姿をみせているだけに、ある意味物語の展開以上に読めない困った悪魔です。

ヨハンネの旅にむりやり同行しているマリオンもなかなか興味深い。知識を貪欲に欲っする彼は、かつてのファウストそのものとも言えなくもない少年。彼女から知識を得ていくマリオンは、果たして同じような道を歩むことになるのか、それとも別の道や可能性を見出していくことになるのか、その動向も気になるところです。

結局のところ、全てはメフィストのゲームによるところだったりするのかも?
そうだとしたら、果たして勝者の栄冠は何処へ・・・。

最後に

こんな感じでいかがだったでしょうか?女版ファウスト博士と悪魔メフィストフェレスの新たな物語を描いた漫画『フラウ・ファウスト』の紹介でした。

濃密な世界観、伏線が少しずつ紐解かれていく謎多きストーリー、個性半端なく強烈なキャラクター陣、どの要素も素晴らしい出来栄え。謎解きモノとしてだけではなく、アクションありの冒険モノとしても楽しめる作品です。

ゲーテ作品を読んでいなくても何ら問題なく読める作品ではありますけど、もちろん下敷きになっている作品ですので、読んでたらその分想像が膨らむのも確かです。

5巻で完結とのことなので、残された謎がどう解かれてどのような真実を目にすることになるのか、そしてヨハンネ・ファウストはどのような結末を迎えることになるのか、楽しみで仕方ないですね。

作者の『魔法使いの嫁』とはまた違った魅力を持つファンタジー作品ですので、よければ読んでみてください。自信を持って強くおすすめさせていただきます。

フラウ・ファウスト(1) (KCx)

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ハネ吉
とにかく漫画が大好きです。愛してるといっても過言ではありません。どんなジャンルにも手を出しますね。正直、文章力にはあまり自信はありませんが、なるべくうまく伝えられるようにがんばります。ちょっとだけでも読んでもらえたらうれしいです。 ちなみに、甘い物とネコも大好きです。
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