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2017年08月09日

【憂国のモリアーティ】マンガ 感想&あらすじ ホームズの宿敵・モリアーティ教授が犯罪をもって悪を断罪するクライムミステリー

ジャンプスクエア。2016年9月号から連載中。既刊3巻
原案:コナン・ドイル
構成:竹内良輔
漫画:三好 輝



あらすじ

19世紀末――。

世界の4分の1を支配していた大英帝国は、古くから根付く完全階級制度により、全人口の3%にしか満たない上流階級の人間たちによって統治されていた。
生まれによって一生涯の身分は決まり、必然的に差別を生み出してしまう社会制度。

そんな中、人の運命を縛る“身分”という呪いを、それを強いるこの国を憎み、貴族に、階級制度に、そして巨大な大英帝国に喧嘩を売ろうとする青年がいた。

その名は、ウィリアム・ジェームズ・モリアーティ。
彼の目的は、悪を排除し美しい国を作ること。

ウィリアムは弟のルイスと兄のアルバート、その想いに賛同する仲間たちと共に、理想の国を実現させるため、壮大な計画に乗り出していく。

これはジェームズ・モリアーティの、或いはシャーロックホームズの敵の話――。

登場人物

ネタバレも含まれているので注意

・ウィリアム・ジェームズ・モリアーティ
主人公。孤児院で暮らす最下層(アンダークラス)身分の少年でしたが、孤児では珍しく字の読み書きができ、博識で非常に知能が高い。アルバートと同じ志を持っていたことで彼に見出され、弟のルイスと一緒にモリアーティ伯爵家へ養子として引き取られました。身分で人生を決められてしまう階級制度と、腐った貴族を憎んでいますが、人間そのものには希望を持っている模様。
アルバートとルイスと共に悪を取り除き理想の国を作るため、伯爵家の人間と使用人を火事に見せ掛けて屋敷もろとも殺害。その際、本物のウィリアムの遺体を用いて自分も火事に巻き込まれて死んだと偽装し、ウィリアムに成り代わることに成功。
その後は、16歳で大学に入り21歳で大学教授。現在はダラム大学で数学教授として勤め、その傍らで「市立相談役(コンサルタント)」として問題解決に協力しながら、「犯罪相談役(クライムコンサルタント)」として腐敗した貴族を粛正しています。人々の目を覚まさせるため、「死こそが人の心を動かす」とし、ロンドンを犯罪都市に仕立てようと暗躍。

・アルバート・ジェームズ・モリアーティ
モリアーティ伯爵家の長男。ノブリス・オブ・リージュの一環で行っていた孤児院への慈善活動の際、そこで字の読み書きが出来るウィリアムに興味を持ち、孤児たちに正しく悪の道を説く彼の志に共感したことで伯爵家の養子として迎え入れました。
身分ばかりに拘る人々や階級制度を嫌い、その権化のような実の家族を「汚くて気持ち悪い」と軽蔑し憎んでいます。ウィリアムと理想の世界を作るため、両親と“本物”のウィリアムに加え、9人の使用人を屋敷ごと不始末で起こった火事に見せ掛けて殺害し、モリアーティ家の伯爵位と財産を手に入れました。
現在はダラム市に屋敷を移し、普段は陸軍中佐としてロンドン勤務。公には陸軍を退役したことになっていますが、実際は莫大な資金確保の功績によって大佐へ昇進し、軍情報部が設立した公には存在しない特務機関「MI6」の指揮官“M”になりました。ユニバーサル貿易という会社を経営。

・ルイス・ジェームズ・モリアーティ
ウィリアムの実弟。孤児だった時は病を患っていましたが、モリアーティ家に引き取られた際に手術を受けさせてもらい完治。火事の際には、ウィリアムの計画をより確かなものにするため、自ら右頬に火傷を作りました。
現在は兄2人に代わって領地の管理と屋敷の執務を担当。右側だけ伸ばした前髪を垂らして火傷跡を隠し、メガネを掛けています。
ウィリアムのことを何よりも大切に想い、兄としても慕っています。

・セバスチャン・モラン
普段はモリアーティ家の使用人を勤めている大柄の男性。屋敷ではルイスの手伝いが主な仕事。酒とカードを好み、腕っ節が強くて狙撃の名手。「消音銃」という音の出ないライフルを使用しています。荒っぽい性格ですが、忠誠を誓っているウィリアムのためなら命も捧げる覚悟です。アフガン戦争に従軍して死んだことになっているようです。

・フレッド・ポーロック
普段はモリアーティ家の使用人を勤めている無表情で細身の男性。屋敷での仕事は庭の手入れ。密偵活動を主に担い、変装術にも長けています。犯罪ネットワークに通じるイギリス随一の情報屋で、ウィリアムへの窓口。

・シャーロック・ホームズ
自称、世界で唯一の「諮問探偵(コンサルティングディテクティブ)」。ノアティック号での事件の折にウィリアムと出会い、裏で何者かが暗躍していたことにただ1人気づきました。鋭い観察眼と抜群の推理力だけではなく、格闘術といった身体能力にも長け、化学にも精通しています。オックスビリッジ出身者ですが、母方の出自に誇りを持ち労働者階級の訛った話し方をしています。
裏でウィリアムが仕掛けていた犯罪を解決するが、実はそれもウィリアムの計画の内であり、ホームズに探偵役として事件を解決させることで、世間に貴族の腐敗を知らしめる主人公(ヒーロー)としての役割を本人の与り知らぬところで担わせています。

・ジョン・H・ワトソン
ホームズの相棒。アフガン戦争で負傷して本国へ送還された元軍医。家賃を払えないホームズとルームシェアをすることになりました。
ホームズが犯人扱いされた事件を彼本人で解決したにも関わらず、功績がヤード(警察)のものになったことを不満に思い、その事件を基に「コナン・ドイル」のペンネームで『緋色の研究』を執筆し発行。それによってホームズの名がロンドンに知れ渡るという、。

・ハドソン
ホームズとワトソンが借りているベーカー街の221Bの家主。家賃を払ってくれないホームズには手を焼いていますが、危なっかしい彼を心配もしています。


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感想・見所

みなさんはコナン・ドイルの『シャーロック・ホームズ』シリーズは読んだことありますか?作品を愛するシャーロキアンたちからは「正典」もしくは「聖典」とまで呼ばれている世界的に知名度が高い推理小説です。
私は小学生低学年だったかな?そのぐらいの頃に図書館で『緋色の研究』に出会ったと記憶してます。ちょっとあやふやな記憶ですけど、それでだいぶハマっていましたね。
日本でも知らぬ者はいないほど有名な作品なので、色々なマンガ・アニメでもその名前を目にすることはよくあります。特に、擬人化させた犬を原案のキャラクターに置き換えた子供向けアニメ『名探偵ホームズ』は、何度も再放送されてるので観たことある人は結構いるのではないかと。あと、『名探偵コナン』でも主人公がホームズの大ファンということからその名前がよく取り上げられています。

今回紹介させていただく『憂国のモリアーティ』は、コナン・ドイルの『シャーロック・ホームズ』を原案にしたパスティーシュ漫画。あのモリアーティ教授をまさかの主人公に抜擢した珍しい作品になってます。

かの有名なシャーロック・ホームズの宿敵であるモリアーティ教授が、貴族の支配する腐敗した階級社会に対し、知恵と知識、勇気と志を共にする仲間の力を用い、華麗なる犯罪計画によって世界を正そうとする物語。
ダークヒーローによるクライムサスペンス。帯での謳い文句は「シャーロック・ホームズ最大の宿敵・モリアーティ教授の語られざる物語――。」「謎を生み出す者と暴く者――訪れる宿命の出会い!!」など。
原案は医師でもあった作家・コナン・ドイル氏。構成は第60回「手塚賞」において『47th dreaming』で佳作を受賞した漫画家・漫画原作者の竹内良輔(たけうち りょうすけ)先生。漫画担当は『監視官 常守朱』で知られる漫画家・三好輝(みよし ひかる)先生。

謎多きモリアーティ教授と仲間たちの、未だ語られることのなかった物語

舞台は19世紀末の大英帝国。イギリスにとっては世界の4分の1を支配した最盛期の時代と言えますが、同時に階級制度によって身分差別が激しかった社会でもあります。人口僅か数%の上流階級に属する貴族様の為に、平民階級の人たちは奴隷のように酷使され、不当に搾取される日々を送っていました。
そんな呪われた社会を正すため、腐敗した階級制度に、穢れた貴族に対し、闘いを挑むため動き出した青年が――。

はい、その青年こそがこの作品の主人公・ウィリアム・ジェームズ・モリアーティ。
世界中に多くのファンを持つ探偵「シャーロック・ホームズ」の仇敵「モリアーティ教授」その人です。ホームズの前に立ちはだかる悪党一味のボス。

原作では結構いい年したおじいちゃんだったはずが、表紙イラストの通りこの作品内ではイケメン。それもモリアーティ教授だけではなく、あのモラン大佐を含んだ登場人物たちも軒並みイケメンとして描かれています。
商業目的という点で仕方ないところはあるのでしょうけど最初はちょっと違和感半端なかったです。まあ、すぐに慣れますし、なんだかんだでカッコイイ。

有名作品の悪党キャラ・敵キャラにスポットを当て、「実は・・・だったかも」という作品は別段珍しいわけではないのですが、それをモリアーティ教授でやるのは意外過ぎて面白い。
誰もが知るホームズのライバルでありながら、実は原作での登場はそれほど多くない人物。なので、謎とされてる部分が非常に多く、彼の過去はもちろんのこと、兄と弟についても少し触れられてる程度でした。まあ、謎だらけだからこそ、このような漫画も作ることができ、想像する楽しみも増えるというもの。

物語は知られざる教授の子ども時代から始まります――。

“犯罪”をもって“正義”を成す!教授がまさかのダークヒーロー!?

原作での教授はホームズ曰く、ロンドンの半分の悪事、ほぼ全ての迷宮入り事件は教授によるものとされ、「犯罪のナポレオン」や「暗黒街の支配者」と呼ばれる、まさに悪の権化。モラン大佐やボーロックなどの有能な犯罪者を部下にしていた超危険人物です。

彼が「犯罪コンサルタント」であることは変わりないのですが、この作品における教授の目的は、階級制度という呪いを廃して腐敗した社会を正すため、平等に生きる権利があるのに不当に苦しめられてる人を救うため。
その「正義」を成そうと用いた手段が「犯罪」であり、自分は光になることより闇の中から法では裁けない貴族を葬る道を選びました。

彼のしてることを善とするか悪と捉えるかは個人それぞれ異なるでしょうね。ただ、志を共にする仲間たちを率い、その天才的な知略を駆使して罠を仕掛け、悪徳貴族を次々と断罪していく様は痛快。

正直言いますと最初は、モリアーティというビッグネームを使ってるわりにやってることは小悪党を成敗していく世直しダークヒーローという様相だったので、ちょっとだけ物足りなさを感じていました。ですが、ストーリーが進むにつれ面白味は増し、当初は個人、そして個人から集団へ、さらにこの先は集団から社会そのもや制度へとスケールが大きく膨らみそうなので、今後の展開が気になって仕方ありません。

モリアーティ vs ホームズ

モリアーティと言えば、当然対と成すホームズという存在を忘れてはいけません。まだ現時点での直接対決はないのですが、実は1巻の冒頭1ページ目はあの有名な滝のシーンから始まることから、本作でも2人の対決が避けては通れぬことは示唆されていました。

ホームズはやはり一癖もふた癖もあるやっかいそうな人物でありましたね。頭はキレッキレに冴え渡り、格闘術にも長け、捉えどころがない性格。ふざけてるようでいて実はよく観察してる油断のなさは侮れません。
並外れた推理力・観察力・行動力で事件を見事解決に導き、さらに事件の裏に潜んでいる何者(ウィリアム)かの存在に気づくあたりはさすがの名探偵。

ただ、本作で面白いのは、ホームズというヒーローが、ウィリアムによって意図的に作られたヒーローであるかもしれないというところ。
社会の汚れを拭き取るには、まずウィリアムたちが行っている犯罪を、そして悪徳貴族について民衆に知ってもらわなければいけません。そのために必要であるとしたモノが、民衆がその境遇に賛同出来る“犯人”と、貴族の腐敗を世間に喧伝する“探偵”

犯罪を犯す者にとって邪魔者でしかない探偵(ヒーロー)という存在をあえて生み出し、ホームズに自分たちが裏で糸を引いている事件を解決させ、闇を照らす主人公に仕立て上げて社会の腐敗を世に喧伝させようとしています。
探偵漫画では主人公が死神かのように事件と遭遇していますが、実はそれを裏で糸を引いてる人がいるかも・・・という展開は面白かったですね。

最後に

こんなかんじで、ホームズの宿敵・モリアーティ教授の知られざる物語を描いた漫画『憂国のモリアーティ』の紹介でした。「これはこれで面白い」、そんな感じで楽しめば良い作品かと。

絵がとても綺麗なので見やすく、メインにイケメンしかいないのはちょっと考え物ですが、カッコイイのは認めるところであります。

ちなみに、作中には『007』でお馴染みの「MI6」が登場。原作ではなかった(・・・はず・・・たぶん・・・)設定なので、これからどうウィリアムの計画に関わってくるのか非常に楽しみ。

ホームズ好き、モリアーティ好き、ミステリー好き、あと主人公意外のキャラに感情移入してしまう人なら特に楽しめる作品だと思いますので、よければ読んでみてください。自信を持っておすすめさせていただきます。

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ハネ吉
とにかく漫画が大好きです。愛してるといっても過言ではありません。どんなジャンルにも手を出しますね。正直、文章力にはあまり自信はありませんが、なるべくうまく伝えられるようにがんばります。ちょっとだけでも読んでもらえたらうれしいです。 ちなみに、甘い物とネコも大好きです。
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