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2017年08月04日

漫画『終電ちゃん』1巻の感想とあらすじ

『終電ちゃん』1巻の感想。


終電ちゃん
著者:藤本正二
掲載:週刊モーニング
1巻発売日:2016年3月23日

あらすじ・概要

残業をがんばって疲れきってる人、眠そうにしてる人、ぐでんぐでんに酔い潰れた人たちが、乗り遅れまいと最終電車を待つ深夜の駅。そんな人たちのもとへ、今夜も電車と癒しを引き連れて、小さな「終電ちゃん」がやって来た。
彼女がホームへ入ってくると、「ようこそ」と歓迎のアナウンスが流れ、沈んだ顔をしていた乗客たちも歓声をあげる。到着するなりさっそく声を張り上げ、ちょっと乱暴な口調で乗客たちの尻を叩き、潰れた酔っ払いを引きずって車内へ運ぶなど、なるべく乗り遅れる人のないよう熱心に手を尽くす終電ちゃん。
疲れてウトウトしてしまう深夜でも、厳しくも優しい世話焼きな終電ちゃんに出会えると、なんだか嬉しくなってくる。深夜に走る終電――ここには様々な人間ドラマがある。

中央線、山手線、小田急線など、首都圏の各路線を走る深夜の最終電車。その終電が人の形を成した見た目小さな女の子たちが、乗客たちを無事に家まで送り届けるなかで起こる、様々な人情味溢れるドラマを描いた話。
人情系ストーリーの「最終電車」擬人化作品。帯での謳い文句は「お前たち、明日はもっと早い電車で帰るって約束しな!」。「週刊モーニング」2015年40号から連載されている作品。第67回「ちばてつや賞」一般部門にて入選を受賞。
作者はこの作品が初の連載作品となる漫画家・藤本正二(ふじもと しょうじ)先生。

感想

「擬人化」作品って最近こそ少し勢いが落ちついてきたものの、ほんの数年前に『艦隊これくしょん』で火が付いてからは、アレもコレもと異常なほど乱発されていましたね。もちろん面白い作品もあったのですが、なかには正直意味不明だったり、「そんなものまで・・・」と呆れてしまうような作品も決して少なくはなかったです。
その中では、細胞を擬人化した『はたらく細胞』や、動物を擬人化した『BEASTARS』、あと意外にも現実では嫌われ者代表格であるゴキブリを擬人化した『ごきチャ』辺りは結構好きな作品。他にパっと思い浮かぶのは、「国」や「47都道府県」、それに「政党」や「ウルトラマンの怪獣」なんてものもありました。ホントなんでもありですね。
今回紹介させていただく漫画『終電ちゃん』は、電車や鉄道ではなくまさかの「終電」の擬人化という面白い設定。読んでみたら「こう来たか〜・・・」とちょっと感心してしまいました。

友人に薦められたときは、「終電の擬人化?なんだそれ?」と思ってしまったのですが、物は試しと読んでみたらめちゃくちゃいい話でした。
電車の先頭車両の屋根に乗って深夜の駅にやってくる「終電ちゃん」は、最終電車を待っていた人たちにキツめの言葉で叱咤激励しながら、なるべく取り残される人がいないように電車へ乗せていきます。これは、「終電」に乗る様々な人たちと終電ちゃんとの、悲喜こもごもなヒューマンドラマを描いた話。
表紙を見た限りでは単純な「電車×萌え」漫画だろうと予想していたのですが、良い意味で裏切られました。キャラ萌え要素も十二分に提供しながらの、人情味溢れるエピソードを1話完結構成で展開される作品。

何と言っても気になるのは「終電ちゃん」という不思議な存在。終電と言っても「電車」の擬人化ではなく、終電の「概念」の擬人化とでも言えましょうか。あるいは終電に宿った世話焼き精霊や妖精さんみたいな存在として捉えてもいいかも。
見た目のデザインは、三頭身にデフォルメされた女の子が駅員服を着ているキュートなマスコットキャラクター。年をとることなくいつまでも変わらず同じ姿です。我々と同じ人間ではなくても、普通に会話してふれ合うこともでき、乗客たちもここにいる確かな存在として認識しています。
終電ちゃんの役目は、乗り遅れる人がなるべく出ないように誘導し、乗客たちを無事目的地まで送り届けること。

「終電ちゃん」というのは1人を指しているのではなく、実は各路線ごとに異なる見た目と性格の終電ちゃんがいたりします。
まず、1巻の表紙イラストにもなっている主人公各である、駅員服を着たショートカットの勾配標を背負った「中央線の終電ちゃん」。東京を東西に横断しているJR東日本の主要路線。乗客1人1人の名前とこれまで見て来た彼等の人生まで全部覚えている凄い子で、荒い言葉を使って叱咤激励する厳しくも優しい肝っ玉母ちゃんみたいな終電ちゃん。嫌われ役も厭わない彼女ですが、バリバリ乗客のために働く彼女はみんなから慕われています。

それから、普通転轍機をズルズル引き摺るツインテールのゴスロリファッションに身を包んだツンツン娘「山手線の終電ちゃん」。都心部では代表的な環状運転している沿線。横柄に見えますけど根は素直な終電ちゃん。じゃじゃ馬呼ばわりしてくる中央線とはよくケンカをするのですが、乗客たちはそんな光景も楽しんでいるようです。

あと、腕木式信号機用カンテラを持ち歩く着物を纏ったおだんご頭のおっとり癒し系「小田急線の終電ちゃん」。新宿駅から小田原駅・片瀬江ノ島駅・唐木田駅を結ぶ路線。上のキツイ口調が目立つ2人とは違って、口調は柔らかで、なんかホワホワした感じの終電ちゃん。

1巻ではこの3人。みんな見た目も性格も異なり、それぞれ何かしらの鉄道系アイテムを持っているのが特徴です。ちなみに、屋根の上で布団を敷いて寝てました。

終電というトラブルが起こりがちでなかなか時間通りにことが運びずらい大変な時間帯に、このような終電ちゃんたちが乗車してくる人たちの人生にちょっとだけ関わっていく話。
男にフラれて行く場所がないと終電ちゃんに泣き付いてくる女性の話や、酔った先輩を連れて初めて終電に乗った新生活に不安を抱える新入社員の話、たくさんの人を乗せようとする終電ちゃんと時間を守ろうとする運転士の話など。終電の時間だからこそ起こりうる様々なドラマを、人情味ある演出で魅せる内容です。
みんなから慕われている終電ちゃんたちですが、ときには罵られることも、物を投げつけられることもあります。それでも、乗客たちのことを第一に考えて、頑固に優しく仕事を続ける彼女たちは頼もしく、そして愛しい存在ですね。

ということで、「終電」を可愛い女の子に擬人化した漫画『終電ちゃん』1巻の紹介でした。基本的にイイ話ばかりの人情エピソードで展開され、感動させにきてる感は多少あるものの、それを差し引いても出会えて良かったと思えた素晴らしい作品。終電ちゃんたちのファンになってしまいました。
絵に関してはお世辞にも上手い言えるレベルではありません。ただ、気になってしまうほど酷くはないですし、意外と電車や駅の描写は細かくて味わいもあったと思います。
実際の終電はあまりお世話になりたくないのですが、こんな子たちがもし仮にいたなら終電にも関わらず賑わってしまうかもしれませんね。
2巻以降にもおそらく新キャラの終電ちゃんが登場すると思われるので、それも楽しみに続きを読んでみようと思います。心に沁みる良い漫画でした。

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