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2017年01月14日

漫画『アリスと蔵六』1巻の感想とあらすじ

『アリスと蔵六』1巻の感想。


アリスと蔵六
著者:今井 哲也
掲載:リュウコミックス
1巻発売日:2013年3月30日

想像したものを現実にすることができる能力を持つ子供たち――“アリスの夢”。その中でも“赤のクイーン”と呼ばれ、アリスの夢の中でも更に超越した能力を持つ少女、紗名。
紗名は閉じ込められていた研究所から逃げ出したことで他の能力者から追われていた。外の世界に初めて出てきたばかりで何も分からない紗名は、戸惑い、子供1人では食べ物を手に入れることすらできないことから途方に暮れていた。能力はうまく使えず、お腹もすかせ、困り果てていた紗名が出会ったのは、曲がったことが大嫌いな頑固爺さん、蔵六だった。
見ず知らずの紗名にも正面から叱ってくれる蔵六と暮らすことになった紗名。この出会いによって、小さな体には重過ぎる紗名の過酷な運命は、大きく変化していくことになる。

大きすぎる能力を持つが故に閉じ込められていた少女が、飛び出した外の世界で1人の頑固爺さんと出会い、共に暮らす中で様々なことを学びながら成長していく物語。
不思議な力を持つ少女たちと花屋の頑固爺さんを中心に繰り広げられるSFファンタジー。幼女×爺さん×超能力を組み合わせた珍しい作品ですね。著者の今井哲也さんは2013年に文化庁メディア芸術祭マンガ部門新人賞を受賞しています。アニメ化されるということなので、試しに1巻読んでみました。

日本の歌舞伎町を舞台に、コンビニに訪れた蔵六がお弁当を眺めていた紗名と出会うところから物語は始まります。そこから蔵六は紗名の持つ不思議な能力に触れ、彼女の置かれている状況を知り、彼女の運命にも深く関わっていくという流れ。
普通(?)の日常から始まったかと思ったら、突如非日常へと物語は舵を切りました。その要因となったのが“アリスの夢”と呼ばれる超能力を持つ少女たちの存在。鏡の門(ルッキングラス)」という円環状のヴィジョンを媒介にし、空飛ぶ羽や弓など、想像したものをなんでも1つだけ現実にしてしまうというとんでもない能力です。1巻だけだと能力の一端ぐらいしか解りませんが、これだけの超越した能力ゆえにエネルギー消費も激しいらしく、使用後は極度の空腹に襲われるようです。切れると能力も極端に弱まるため、大量のエネルギー摂取(食事)が必要になり、小柄な体に入りそうにもないほどの量を食べ続けていましたね。

本作の主人公の1人でもある紗名は、超越した能力を持つアリスの夢の中でも更にでたらめな力を持つ特異能力者。相手の心を読み、瞬間移動し、大量のブタを召喚、さらに空間を書き換え生態系すら存在するひとつの世界を構築してしまうなど、明らかに1巻に登場した他の能力者たちとは次元が違う力を発現させていました。
しかし、その内面は完全に幼い子供。しかも外の世界に出たことは1度もなかったため、一般的な常識もなければ倫理や道理も多少欠如しています。
悪意ある人間が強大な力を持つというのも恐ろしいことですが、無邪気な子供が世界にすら干渉を及ぼすほどの力を持つというのはある意味悪人より質悪いかもしれませんね。

そんな彼女たちの戦いに巻き込まれ、同時に彼女たちのストッパー的な役割を担っているのが、特別な能力なんて何もない一般人の蔵六です。曲がったことが大嫌いな既に初老を超えている頑固爺。普通なら重要キャラといっても脇役として主人公たちに関わってくるようなキャラですが、本作では紗名と並んで主人公。
子供であろうと大人であろうと、身内であろうと赤の他人であろうと、間違ったことをしたら正面から叱りつけるなど、現在では滅多にお目にかかれないような頑固一徹な人物。昭和臭漂う古臭さ、でも今ではむしろ新鮮味を感じるキャラクターですね。
手に負えない能力者の少女たちを、ゲンコツと凄みある眼光と言葉だけで大人しくさせて、説教を始めるパワフルな爺さんです。ぶっきらぼうで厳しいところはありますが、蔵六の行動と言葉の裏に隠された優しさを知ると、実はただのツンデレ爺さんなのではと思ってしまいました。

表紙からは想像しにくいかなり壮大で複雑な世界観でしたね。ただ、そんな世界観に自我の形成・認識、主体的な自己の発現などの深いテーマも添えられてはいますが、あくまでこれは紗名という幼い少女の成長を描いた物語になるんだと思います。何でも思いのままにできてしまう少女に、やって良いこと悪いことなどの道理を頑固爺さんが教え導いていく話。そして、紗名の家族の話でもありますね。
あと、この物語は実は成長した紗名の回想なのかもしれないと思われる節があり、しかも未来から現代に干渉までしているような描写も見受けられ、より今後の展開への興味を深めさせてくれました。
ここまで読み応えのある作品だとは思っていなかったので、良い意味で予想を裏切ってくれましたね。とても面白かったです。


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とにかく漫画が大好きです。愛してるといっても過言ではありません。どんなジャンルにも手を出しますね。正直、文章力にはあまり自信はありませんが、なるべくうまく伝えられるようにがんばります。ちょっとだけでも読んでもらえたらうれしいです。 ちなみに、甘い物とネコも大好きです。
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