2017年05月22日

漫画『残念女幹部ブラックジェネラルさん』1巻の感想とあらすじ

『残念女幹部ブラックジェネラルさん』1巻の感想。


残念女幹部ブラックジェネラルさん
著者:jin
掲載:月刊ドラゴンエイジ
1巻発売日:2016年2月9日

あらすじ・概要

ヒーローと悪の秘密結社が戦いを繰り広げる光景が現実となった世界。平和な町にある小さな公園に現れた軍服姿の女性は、黒い全身タイツのいかにもな戦闘員たちを引き連れ、この町から世界制服を始めようとしていた。彼女の名はブラックジェネラル――世界制服を目論む秘密結社「RX団」の女幹部。
そんな彼女たちの前に、街を守る正義のヒーロー・ブレイブマンが立ち塞がったのだが、彼の情報は全てブラックジェネラルの手中にあった。それもそのはず、彼女は悪の組織の幹部でありながら、なんと敵であるブレイブマンのファン・・・否、熱烈な大ファン。
毎回ブラックジェネラルの悪事を察知して颯爽と駆けつけるブレイブマン。しかし、失敗してもめげない女幹部・ブラックジェネラルの残念で勘違いな猛烈アプローチに晒され、世界の平和は守れても、心の平穏を失っていくヒーローだった。

世界制服を企んでいながら正義のヒーローの大ファンになってしまった残念女幹部と、彼女の熱烈アプローチに翻弄されて迷惑を被っているヒーローの、平和でドタバタな日常を描いた物語。
悪の組織に属する幹部と正義のヒーローが繰り広げるドタバタコメディ漫画。作者の「jin」さんはweb漫画で活動していた方で、ドラゴンエイジに何作か読み切り作品を出したところ、この作品が好評を受けたことで晴れて商業誌デビューと相成ったそうです。

感想

昨今『ワンパンマン』や『僕らのヒーローアカデミア』を筆頭に、特撮やアメコミ的なヒーロー漫画が人気を博しています。もちろん大概の作品はヒーロー側にスポットを当てたモノばかりなんですが、敵側にいる女性幹部が妙に魅惑的に描かれていることも多く、そちらにばかり目を奪われてしまう人も少なくないと思います。
さらにこれまた流行りなのか、『手品先輩』や『じけんじゃけん』、そして『アホガール』のように「残念系女子」を主人公にした漫画も最近ちょくちょく見かけるようになりまりましたね
今回紹介させていただく漫画『残念女幹部ブラックジェネラルさん』は、上記であげた2つの要素を合わせたような作品。正義のヒーロー側ではなく悪の組織側に属する女幹部を主人公にし、その女幹部の残念ぶりと彼女に翻弄されるヒーローの姿を描いたコメディになってます。

世界制服を企み暗躍(?)している悪の秘密組織“RX団"。その組織の女幹部として仲間たちと悪事を働こうとしているのが、この作品の主人公・ブラックジェネラルです。そして、悪を決して赦さない街を守る正義のヒーロー・ブレイブマン。この2人を中心に物語は繰り広げられていくことになります。
さて、本来は相容れるこのない敵対関係にある両者のはずなんですが、悪の女幹部・ブラックジェネラルがまさかのヒーローであるブイレブマンの大ファン。それもファンの域を超えて籍まで入れたいぐらいのラブです。
そんなブラックジェネラルが仲間や部下、周囲の人たちを巻き込み、世界制服と称してあの手この手でブレイブマンにアプローチをしかけ、なんか騒動を起こすというとっても平和なドタバタコメディが描かれています。

最たる特徴はタイトルの通り、悪の組織“RX団"の圧倒的に残念な女幹部・ブラックジェネラル。軍服と眼帯を身に付けた美人でグラマーな女幹部で、一見優秀そうに見えなくもありませんが、作品全体から彼女の残念さがにじみ出ています。
ヒーローの大ファンで世界制服という悪巧みを利用してブレイブマンとお近づきになろうとする人です。自分から熱烈なアプローチを仕掛けてるのに、相手から攻められると顔を真っ赤にしてパニックに陥り、企てた作戦も毎回ドジで失敗する有様。他にも、警察官に舐められてプルプルしながら涙目になったり、隠し事をしようにも顔に出てしまうのでモロばれするなど、とにかく残念なブラックジェネラル。
でも、どんなに失敗を繰り返しても彼女はうざいほど挫けません。健気に、そして執拗に、今日もブレイブマンを求めて世界制服に励んでいきます。

そんなブラックジェネラルが幹部を務めてるぐらいですので、RX団自体がまともな悪の組織ではありません。最初はブラックジェネラル、ボス、秘書さん、そして戦闘員が3名しかいなかった小さな組織で、資金不足に喘いでボスがバイトするという目も当てられない状況でした。
そこにお馴染みのマッドなサイエンティストや改造された怪人が加わり、悪の組織としての形を成していくわけですが、どっからどう見ても喜劇団として大きくなっているようにしか見えませんね。
強いのに人が良すぎる組織のボス、プリン食べられてボスを消し炭にするクールな秘書さん、天才だけど頭のネジもぶっとんでる科学者、ポンコツ怪人など、彼らが作品をどんどん賑やかに盛り上げてくれます。
悪の秘密結社のはずなんですが、いったいいつになったら世界征服へ乗り出すのか・・・。そもそも何で世界征服しようなんて思ったの?出来る算段はあったの?なんて思ってしまいますね。彼等のコントを見てると分かる。この世界はとても平和だと。

悪の組織の女幹部・ブラックジェネラルを筆頭に、残念な面々が送るコメディ漫画『残念女幹部ブラックジェネラルさん』でした。シリアス皆無のコメディに全振りした内容になっていて、1話完結でテンポ良く展開されるので読みやすく、頭をからっぽにして気楽に読める作品です。
ブラックジェネラルが巻き起こす残念な出来事の数々は面白く、ときにドン引きさせられたりうざいと思うこともありますが、その残念からくる強烈な可愛らしさもあって憎めない魅力があるのも確か。
今後もブラックジェネラルがその残念ぶりを遺憾なく発揮してくれることを期待しています。まあ、その代わりブレイブマンの心労も同様に耐えないのでしょうけども。


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2017年05月21日

【紹介した作品の新刊発売情報】ボクラノキセキ 第16巻 他2作品

2017年5月22日〜5月28日発売予定の新刊。
このブログで紹介した作品や関連作品の新刊情報と、試し読みした作品の感想。



ボクラノキセキ 第16巻 2017年5月25日発売

ボクラノキセキの過去記事はこちら



試し読みをして気になった作品もふたつ紹介します。

まどからマドカちゃん(1) (モーニング KC)

まどからマドカちゃん 第01巻
著者:福田 泰宏
掲載:モーニング/モーニング・ツー
2017年5月23日発売


その窓の向こうには、不思議な女の娘がいた――。
突然の雨に傘も持参していなかったことで、仕方なくアパートの軒先で雨宿りをしていたメガネのサラリーマン・小田君。すると、「スパーン!!」と勢いよく開いた窓から女性が歯磨きをしながら現れ、挨拶をする小田君を一目見るなり彼女は窓もカーテンも閉めて部屋の中へ引っ込んでしまった。
通報されるかもと不安になった小田君だったが、「しばらくお待ちください。マドカより」という張り紙が窓に貼られ、出てきた彼女はなぜか寿司屋の姿でキリリと現れ、戸惑う彼を尻目に本格的過ぎる寿司を握り始めてしまった。
こうしてマドカちゃんと出会った小田君は、様々な格好で現れるなんでもアリな彼女に戸惑いながらも、窓際コミュニケーションを始めるのだった。

アパートの窓から様々な格好で現れる不思議な女性と、メガネサラリーマンの「僕」とのめくるめく窓際コミュニケーション漫画。
窓越しで遊ぶ(?)シュールコメディ。第5回「モーニング・ツー×ITAN即日新人賞」の優秀賞受賞作だそうです。作者は『最強少女さゆり』の福田泰宏(ふくだ やすひろ)さん。

なんともシュールな作品ですね。
舞台はアパートの窓際。今後もアパートに限定するのかは不明ですけど窓際であることは確か。
いたって普通のアパートに住むマドカさんという女性が、様々な格好に扮して窓から現れ、そこに通りかかったメガネサラリーマンの小田君が戸惑いながら彼女とふれあう話。
1話では回転寿司のレベルを軽く超える腕前を持った「寿司屋のマドカさん」として登場したので、また風変わりなグルマ漫画が出てきたなと思いかけたところ、2話では寿司全く関係ない「博打のマドカさん」になって登場。
扮装に関しては特に一貫性はなく、彼女が何のためにこんなことをしているのかは不明。料金取ってたから仕事なのか・・・?

マドカさんは美人でスタイルも良い女性ですが、口では全くしゃべらない人。そもそもキャラクターデザインに口が描かれていません。その代わりに豊かな表情と仕草で多くを語っていて、尚且つそこから読み取った小田君が全て代弁してくれるのでわかり易いキャラとも言えるかと。
意図が意味不明でも不思議な魅力で惹きつけてきますね。もしかしたら深く考えるだけ無駄で、気にした時点で負けなのかもしれませんが、それでも気になってしまうのがマドカさんというキャラクター。

舞台は窓際という一転集中でありながら、そこから飛び出してくるのは色とりどりのマドカさん。次はどんな彼女が見られるのかは楽しみで、そこで繰り広げられる小田君とのシュールなやりとりは良い感じにクスっとできて面白い。
もちろんワンパターン過ぎると飽きられてしまうのは明白なので、今後どのような工夫をこらした演出を見せてくれるのかも楽しみなところ。
じわりじわりとハマりそうな作品でした。

試し読みはモーニングさんの公式サイトで1話と2話を配信しています。(こちら



ACCA13区監察課 P.S. 第01巻
著者:オノ・ナツメ
掲載:月刊ビッグガンガン
2017年5月25日発売


以前1巻の感想も書かせていただいた『ACCA13区監察課』の番外編が登場です。
(ACCA13区監察課の1巻感想記事はこちら)

内容は、警察、消防、医療などを傘下に置く巨大統一組織「ACCA(アッカ)」に携わる人々を描いた作品で、本編にも増して群像劇としての色合いが濃くなっています。
1話ではACCA5長官の1人、渋カッコイイ雰囲気あるスペード長官の昔日の姿を描いた内容。その他の5長官についても2話以降で語られているようで、ファンにとってはたまらない作品になるでしょう。

独特な世界観とオシャレな雰囲気も最高でしたが、強烈な個性を放つサブキャラクターもこの作品の魅力でしたので、各キャラを掘り下げてもらえるのは嬉しいですね。

番外編1巻、とても楽しみです。

試し読みはSQUARE ENIX | ビッグガンガンさんの公式サイトに期間限定で配信しています。(こちら

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posted by ハネ吉 at 15:51 | Comment(0) | TrackBack(0) | 新刊情報

2017年05月19日

漫画『RYOKO』1巻の感想とあらすじ

『RYOKO』1巻の感想。


RYOKO
著者:三ツ橋 快人
掲載:週刊少年サンデー
1巻発売日:2017年2月17日

低下する日本の食料自給率をなんとかするため、政府はある薬物をあらゆる食材へ投与して回復を計った。ところが、その目論見は思わぬ副作用を生み出したことで失敗に終わり、それによって国から人の姿はほとんど消えてしまうことに・・・。秘薬の投与によって食材は肥大化するも、同時に自我を持ったことで怪物のような姿になり、奴等は人間を襲い出した。被害を恐れた人たちは次々と国を捨て、今では僅かな人たちを残すのみ。
崩壊した国に今なお残るセーラー服を着た少女・料子は、片足を失ったパパと幼い弟との温かな食卓を守るため、日本刀を振るい怪物になった食材たちと戦って野菜や肉などの食料を得ていた。
これは、亡き母との想いを胸に、家族を守るために食材を狩り続けるひとりの少女―料子の話。

食材が薬物投与によって化物になった壊れた世界で、家族との美味しいご飯が並ぶ温かな食卓を守るため、セーラー服を着た少女が日本刀片手に襲い来る食材を狩り続ける姿を描いた物語。
終末の食卓バトルアクション漫画。コミックを読んだきっかけは以前試し読みしたときに、1話ながら面白い設定と世界観に興味を引かれたからですね。
「新世代サンデー賞(SSS賞)」史上初の大賞を受賞したルーキー漫画家・三ツ橋快人さんの連載作品。新人賞の受賞作を本誌で即連載開始されたのは、河合克敏さんの『帯をギュッとね!』、藤田和日郎さんの『うしおととら』以来の快挙だそうです。

「グルメバトル漫画」といえば、代表的なところでは『ミスター味っ子』、『中華一番!』、『食戟のソーマ』など、今も昔も高い人気を誇ってきたことから数多くの名作が生まれ続けていますね。
さらに、グルメバトルではあっても料理対決をするわけではなく、『トリコ』のようなグルメをテーマにしたモンスターとのバトルアクションを描いた作品まで生まれてきました。この作品があまりにも有名になったので、同類の作品もそれなりに存在すると私は思っていたのですが、グルメとアクションを合わせた作品は意外とないものです。
そんな中で登場したのが食卓バトルアクション漫画『RYOKO』。食材になるモンスターを狩って料理する辺りはトリコと似ていますが、違うと言えば全く違う内容で、一味違った面白さでグルメバトルを描いた作品になっています。

なによりもまず強く興味を引かれたのは、食材に滅ぼされかけている日本という『RYOKO』の特殊で独特な世界観。
日本は現実問題として低下する食料自給率の向上という課題を抱えているわけですが、この作品内では日本政府がある思い切った計画を実行に移すも・・・・あえなく失敗。自給率向上のために政府が開発した秘薬をあらゆる食材へ投与すると、肥大化したうえに自我まで芽生えた凶暴な化物と化し、人を襲い始めてしまいました。その結果、国民は次第に減っていき、化物が闊歩する街には主人公たちを残して人間は誰もいなくなってしまいました。
現実とは違って政府が積極的に問題解決に動いたものの、何かしたらしたで取り返しのつかない事態を招き、国民はおろか政府機関まで国を捨てて国外へ逃亡するハメになってしまいましたとさ。
ただ、化物と言っても“にんじん”や“もやし”といった食材であることには変わりなく、狩ることが出来さえすれば食べられます。基本自我はあっても知能は低いのですが、中には高度の知能を有する固体も存在し、とりわけ手強い。
野菜ひとつ手に入れるためにも命懸けの危険が伴い、下手すれば狩るどころか食材の餌食になってしまう恐れを孕んでいるのが、『RYOKO』の世界です。

人がいなくなったことで機能を失い、出歩くことすらままならない危険な世界で、足が不自由な父と幼い弟と一緒に故郷の街に残っているのが、この作品の主人公・料子です。
セーラー服がトレードマークの可愛い少女ですが、片手には中学生とは不釣合いな日本刀。危険だらけの街へ出掛けるのは当然学校へ行くわけではなく、本日の食卓に並べる料理の食材(化物)を“狩る”ため。「師匠」と呼ばれる料子たち家族にとっては唯一のご近所さんの男性から戦い方を学び、化物たちと渡り合っていけてるようです。
崩壊した危険な世界で料子は勇ましく戦う姿を見せますが、家族のもとへ帰れば料理上手な可愛い少女。料子が化物たちと戦ってでもこの街に家族と留まっているのは、警察官だった亡き母と交わした最期の約束を守るため。

良い意味で少年漫画らしさが強い作品なので、読んでると胸が熱くなりますね。絵はクセが若干強いですけど躍動感溢れるバトルシーンは見応えあり、戦う料子はポージングも含めてなかなかカッコイイ。
胸熱シーンは他にも多くありますが、やはりなかでも亡き母との約束を胸に抱きながら戦い、家族と過ごす「日常」の食卓を守ろうとする料子の想いですね。こんな世界になっても温かい食卓を守ろうとした母の遺志を継ぎ、料子の意を汲み取ってくれている家族を守り、食卓を守り、未来へ希望を繋げてる姿は応援したくなります。
あと、料子の戦う姿と家庭での姿の対比が、何気ない日常の有り難味を改めて教えてくれてるようにも思えました。

その日の糧を得るために戦い続ける少女の日常が描かれているバトルマンガ、いかがでしたでしょうか。王道なバトルマンガらしさの中に、サンデーらしさもしっかり組み込んだ作品になってます。
絵はデビューしたばかりなのでまだまだ未完成といった感じで、これからの成長に期待できそう。改善の余地があるとはいっても、現時点でもバトルシーンは迫力ある動きで見応えあり、なによりキャラクターの表情が見事なので、心情描写が少なくてもその表情によって感情が強く伝わってきました。
これからの展開は楽しみですね。正直1話の内容が普通なら中盤・終盤に持ってくるような展開だったので、この先どうなることかと心配だったのですが、むしろ2話以降が面白かった。そして、新たな出会いと新たな敵の襲来によって、料子たちの日常にも変化が現れ、2巻へと続いていきます。
まだ荒さは目立ちますが、今後に大きな期待を持てる作品内容と作者さんだったので、今後も追っていこうと思います。


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ハネ吉
とにかく漫画が大好きです。愛してるといっても過言ではありません。どんなジャンルにも手を出しますね。正直、文章力にはあまり自信はありませんが、なるべくうまく伝えられるようにがんばります。ちょっとだけでも読んでもらえたらうれしいです。 ちなみに、甘い物とネコも大好きです。
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