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2008年10月31日
4年ぶりに一本化 大田は巨人が交渉権獲得
 プロ野球の08年度新人選手選択(ドラフト)会議が30日、東京都港区の品川プリンスホテルで開かれた。昨年3月に発覚した西武の裏金問題を契機とするドラフト制度改革により、04年以来4年ぶりに高校生と大学生・社会人を一本化して、実施された。

 高校通算65本塁打の大田泰示(たいし)内野手(神奈川・東海大相模)ら3選手が1位指名で競合し、6球団が単独指名となった。大田はソフトバンクと巨人による抽選の結果、巨人が交渉権を獲得。松本啓二朗外野手(早大)は阪神と横浜が重複指名し、横浜が交渉権を得た。楽天と中日が争った野本圭外野手(日本通運)は、中日に決まった。

 裏金問題で1年間の謹慎処分を受けた左腕・木村雄太投手(東京ガス)はロッテが1位で単独指名。ロッテは2位で、巨人入りを希望している長野(ちょうの)久義外野手(Honda=ホンダ)を指名した。米大リーグ挑戦を表明している田沢純一投手(新日本石油ENEOS)を指名した球団はなかった。

 計68選手が指名され、最多は日本ハム、中日、ソフトバンクの7人。最少は阪神、広島の4人だった。昨年度の73人(高校生、大学生・社会人の各ドラフトの合計)より5人減った。一方で支配下選手枠以外の選手を獲得する育成選手選択では、8球団が計26選手を指名し、前年度の15人から11人増となった。 

2008年10月31日
フィリーズ、28年ぶりワールドシリーズ制覇 田口は日本人初2度目
 米大リーグのフィリーズ(ナショナルリーグ優勝)とレイズ(アメリカンリーグ優勝)で対戦するワールドシリーズ第5戦(7回戦制、4勝先行)の降雨サスペンデッドゲームが30日(日本時間)、フィリーズの本拠地シチズンズバンク・パークで行われ、フィリーズが4−3で接戦を制した。フィリーズは4勝1敗の対戦成績で、28年ぶり2度目のワールドシリーズ制覇。田口壮の今ワールドシリーズ出場機会はなかったが、日本人メジャーリーガーとして初の2度目のチャンピオンリングを獲得した。

 レイズの岩村明憲は28日に「1番・セカンド」で先発出場、3打数1安打だった。第1打席はレフトフライ。第2打席にセンター前ヒット。第3打席は見逃し三振。降雨で試合中止となり、一日挟んでのこの日も「1番・セカンド」で出場、7回2死二塁の第4打席にセカンド内野安打。二走がホームに突っ込むもタッチアウトとなり、打点は付かなかった。第5戦の打席結果は4打数2安打。守備では7回、8番ルイスのセンターへ抜けそうな鋭い打球を横っ飛びで好捕した。

 試合は28日、レイズが6回表にペーニャのタイムリーヒットで2−2の同点に追い付いたところで、降雨のため一時中断。翌29日も雨天中止となり、迎えた30日は6回裏のフィリーズの攻撃から再開した。その6回裏から両チームは1点ずつ奪い合い、追いつ追われつの展開。決勝点となったのは、7回裏にフェリスが放ったセンター前タイムリーヒットだった。この1点で優位に立ったフィリーズが、ロメロから守護神リッジの継投策でリードを死守。リッジが最後の打者ヒンスキーを空振り三振に切って取った瞬間、地元ファンは白いタオルを手で振り回しながら狂喜乱舞、フィリーズが30球団の頂点に立った。

2008年10月30日
王特別顧問、イチローを“主将指名”
 王貞治コミッショナー特別顧問(68)が29日、都内のホテルで来年3月開催の第2回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に、マリナーズのイチロー外野手(35)が出場することを明かした。イチロー本人から電話で参戦の意向を受けていたことを公表。今季、日米通算3000安打を達成した天才打者を“主将”に指名した。

 「前回も出ているし、今回も当然出るつもりでいます、と言っていた。電話で? そうそう」と、すでに参加意思を確認していることを明かした。指揮官として日本代表を率いた06年の第1回大会で、イチローは打率3割6分4厘をマークし、ベストナインにも選出。再び日の丸のユニホームに袖を通す“まな弟子” に「前回以上に彼の役割、存在が必要になってくる」と、さらなる期待を寄せた。

 イチローは19日にWBC日本代表監督の選出について「最強のチームを作るという一方で、現役監督から選ぶのは難しい、では本気で最強のチームを作ろうとしているとは思えない」と、コメント。波紋が広がったことにも、王顧問は「あんなふうな発言はしてません、と言っていたよ」と、本人に代わって否定した。

 王さんはこの日、日本代表監督相談役に就任することも決定。「やることは何も変わりません」と笑い飛ばしたが、全力で「原JAPAN」を後方支援する。

2008年10月29日
快諾!原WBC監督「日の丸愛」で連覇だ
 原ジャパンが正式に誕生した。巨人・原辰徳監督(50)は28日、川崎市内のジャイアンツ寮で日本プロ野球組織(NPB)の加藤良三コミッショナー(67)から来年3月に行われるワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の監督就任を要請され、受諾した。原監督は今季大逆転でリーグ連覇を果たした要因でもある“巨人愛”の精神を日本代表チームにも注入。“日の丸愛”で一体感を高めて世界連覇を目指す。就任会見は西武との日本シリーズ終了後に行う。

 日本シリーズに向けた練習中とあって、ジャイアンツ寮にまで足を運んだ加藤コミッショナーと原監督がガッチリ握手を交わした。

 「野球人として日本代表は誇りであり、あこがれ。自分としては予想もしてなかったが、このような形になったからには持てる力を出して強いチームをつくりたい」と力強く所信を表明した。

 電撃的に誕生した“原ジャパン”。イチロー、松坂らメジャー選手を中心としたタレント軍団を率いる原監督は「世界中から日本代表を強くしたいという選手が集まってもらってファンと選手と現場のコーチ、メディアも含めて団結して戦うのが日本のよさだと思う」。WBCを勝ち抜く条件として現場の一体感を挙げた。

 チームは阪神との13ゲーム差を大逆転してリーグ連覇。CSも積極采配で中日を撃破して日本シリーズ切符を勝ち取った。今季、原監督が心掛けていたのは選手、コーチ、裏方も含めた“一体感”だった。選手との対話を忘れず、シーズン佳境で正念場を迎えた試合前のミーティングではチーム全員で手をつないで気合を入れた。指揮官はそんな“巨人愛”を“日の丸愛”に置き換えて、代表チームを1つにまとめる考えだ。

 午前中には都内の読売新聞社で滝鼻オーナーに原監督の代表監督就任を要請した加藤コミッショナーはコーチ人事、チーム編成について「原監督にお任せする」と明言。原監督は今季全日程が終わる11月中にも王コミッショナー特別顧問とチーム編成について会談する予定だ。「王さんのサポートはチームにとって大きな力。時間、労力を惜しまず相談します」と原監督。揺るぎないチーム愛を芽生えさせた先に、世界連覇がある。

2008年10月28日
原ジャパン 投手コーチに野茂氏浮上!
 原ジャパン誕生へ、目玉は野茂コーチだ。来年3月に開催される野球の国・地域別対抗戦、第2回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の第2回体制検討会議が27日、都内のホテルで行われ、巨人・原辰徳監督(50)に日本代表監督就任を要請することを決めた。28日に加藤良三コミッショナー(67)が滝鼻卓雄オーナー(69)を訪れ就任を要請する。原監督の受諾は確実。投手コーチには、日本人メジャーリーガーのパイオニアで今季限りで現役引退した野茂英雄氏(40)が候補に挙がっている。

 混迷の末の決着。約1時間の会議を終えて会見に臨んだ加藤コミッショナーは、原監督へ要請することを決めた理由をこう説明した。「経験、実績に加え、野球界も世代の交代が必要であるという要素を勘案して、原監督がベストという判断になった」。原監督がこの要請を受諾するのは確実で、近日中に“原ジャパン ”が誕生する。

 第1回大会を制した王ジャパンからのバトンタッチ。連覇のかかる来年3月の大会まで、もう時間はない。今後は選手選考を急ぐが、同時に注目されるのがコーチングスタッフの人選だ。原監督を支えるメンバーを早急に選ぶことになる。会議では、コーチの人選については監督に一任することを確認したが、時間がないことから、すでに水面下では候補者をリストアップ。前回コーチを務めた鹿取義隆氏(51)、武田一浩氏(43)ら候補者の中に、原ジャパン内閣の目玉として野茂氏の名前が挙がっていることが分かった。

 野茂氏は94年オフに近鉄を退団し、ドジャースへ入団。日本人メジャーリーガーのパイオニアとして活躍した。今季限りで現役を引退したばかりでコーチ経験は全くないが、メジャーへの道を切り開いた経験で右に出る者はいない。トルネード投法で日米通算201勝をマークした投球技術、さらには決して信念を曲げずにメジャーのマウンドに立ち続けたメンタル面。日本の選手が学ぶ部分は多い。まして今回の日本代表投手陣は松坂(レッドソックス)、黒田(ドジャース)らが中心となるだけに、メジャーの調整法などを熟知している野茂氏に求められるものは数多い。

 加藤コミッショナーも米駐在大使時代から野茂氏と親交がある。今回の監督問題で同コミッショナーは各方面からの意見を聞き、最終決定までの参考にしてきた。そうした経緯を踏まえ、今後の人選で入閣が実現しなくても、野茂氏にアドバイザー的な立場から意見を求めていくことも考えられる。いずれにしろ日本球界にとって、これほど心強い存在はない。

 前回大会に続き、イチロー(マリナーズ)を中心とした編成になる日本代表。そこに“野茂コーチ”が加われば、原ジャパンが世界で戦う上で大きな武器となるのは確かだ。

2008年10月28日
WBC監督 球界世代交代 原采配、猛者軍団に適任
 野球の国・地域別対抗戦、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の監督問題などを話し合う体制検討会議が27日、東京都内のホテルで行われ、来年3月に開催される第2回大会の監督を、巨人の原辰徳監督(50)に要請することを決めた。28日にも正式要請を行う。

 原監督は「要請があった場合は球団オーナーの指示に従いたい」との談話を発表。巨人の滝鼻卓雄オーナーは「球団責任者としては前向きに考えている」と語った。

 この日の会議にはプロ野球の加藤良三コミッショナーが任命した王貞治特別顧問らが出席。約1時間の議論を経て、今季13ゲーム差を逆転して巨人をセ・リーグ制覇に導いた原監督への要請を決めた。

 加藤コミッショナーは「もろもろの要素で総合的に判断した」と話し、経験と実績への評価に加え、若手監督の起用を通じて世代交代が進められる点も理由に挙げた。王特別顧問は「現役の人がいいとなって原監督の名前が出た。わたしの経験を話したい」と支援を約束した。また、2013年の第3回以降の大会については、監督の人選を含めて大会の2年前から準備を進めることで一致した。

 WBC監督に事実上、決まった原氏に対して不安を抱く人がいる。いわく、国際経験がない、若い…と。“上から目線”で見ればいささか物足りないだろうが、誰でも最初は初めてである。常にプレッシャーがかかり日の当たる場所で何年も戦ってきたことは大きな財産であろう。“若大将”も50歳を超えた。働き盛りでもある。

 5年間で3度のリーグ優勝、日本一にも輝いた。監督資格は十分である。「あれだけの戦力だから…」と揶揄(やゆ)する声があるが、そうだろうか…。逆にプライドが高く、個性豊かな猛者をまとめた資質はむしろたたえられるべきではないか。WBCは、プロ中のプロが集結する集団である。かえって原氏の流儀が合う気がする。

 褒める。楽天・野村監督の選手育成論に「無視・称賛・非難」がある。「褒められているうちは一人前じゃあない。怒られるのは期待の表れ」と説明したが、原流は「いまの選手は小さいころからしかられ慣れてない。萎縮(いしゅく)してしまう…」。だから徹底的に褒める。そして“スキンシップ”。選手をベンチ前で迎えるとき“ハグ”をする。満面の笑みを浮かべて、てらいなくするのがすごい。

 一方、非情さもある。クライマックスシリーズ(CS)で見せた抑え・クルーンの降板劇。“ケア”も怠らない。潤んだ目でジッと見つめ訴えるように話して相互理解を図る。ヤル気を引き出す能力のひとつであろう。

 長嶋、王、星野…。ビッグネームが続いた。確かに見劣り感はある。戦略・戦術面で不安視する人も多いだろうが、原氏には天性の明るさと何より選手たちを“リスペクト”する姿勢がいい。WBC監督として適任である。

2008年10月27日
阿部 DH&代打でスタンバイ!
 6年ぶりの日本シリーズ出場を決めた巨人は26日、右肩関節挫傷でリハビリ中の阿部慎之助捕手(29)が川崎市内のジャイアンツ球場で休日返上のトレーニングを行った。患部の状態は徐々に上向いており、前日に続き行ったフリー打撃では快音を連発。守備につくことは厳しい状況に変わりはないが、11月1日に開幕する西武との日本シリーズでは代打やDHでの出場に意欲を見せた。

 ジャイアンツ球場の室内練習場に姿を見せた阿部が、休む間もなく動いた。ランニング、ティー打撃に続き、打撃投手を相手にフリー打撃を敢行。最後は軽めのネットスローまで行うフルメニューをこなし、アイシングで患部のケアを行った。「きょうは予定通り。打つ方は大丈夫。投げるのは慎重にやらないといけない。一発でやっちゃうかもしれないからね」と打撃面は問題ないことを強調した。

 リーグ優勝を決めた10日のヤクルト戦(神宮)で右肩を痛め、CSはベンチから外れた。日本シリーズについては「DH?現時点ではそれを目標にやっていくしかない。少しでも貢献できればいいね」と意欲を見せた。

 チームが6年ぶりの日本シリーズ進出を決めた前日は、東京ドームで故障後初めてスパイクを履いてのランニングとフリー打撃を再開した。11月4日の第3戦からはパ・リーグの本拠地でDH制となるだけに、篠塚打撃コーチも「打つだけなら間に合いそうだね。代打もいいけど、DHで出られるのがベスト。ギリギリまで状態を見ながら判断することになる」と期待を込めた。

 CS中はチームに帯同しながら懸命のリハビリに加え、体調管理にも気を配った。「絞っておかないと動きだしがきついからね」と、夕食を抜いていたことも明かした。CS突破から一夜明け「もんもんとしているよ」と、戦列から離れたことを悔やみながらもトレーニングに没頭した。決戦まであと6日。何としても間に合わせる。守備での出場は厳しいが、代打でDHで、主将が6年ぶりの日本一へけん引する。

2008年10月26日
セ完全制覇!原監督サプライズ8度舞い
 【巨人6−2中日】原監督がまた泣いた。セ・リーグのクライマックスシリーズ第2S第4戦が25日行われ、アレックス・ラミレス外野手(34)の決勝2ランなどで中日を6―2で下し、アドバンテージ分1勝を含めて3勝1敗1分けで02年以来の日本シリーズ進出を決めた。当初は胴上げの予定はなかった原辰徳監督(50)だが、ナインの手で宙に舞うと10月10日のリーグ優勝に続き、目を潤ませた。11月1日開幕の日本シリーズでは渡辺西武と対戦、6年ぶりの日本一を目指す。

 地鳴りのような歓声が天井で反響した。スタンドからオレンジのテープが飛び交った。舞台は整った。マウンド付近にできた歓喜の輪で、右肩関節挫傷でベンチを外れていた主将の阿部が村田打撃コーチに耳打ちした。「胴上げしていいですか?」。もちろん返事は「OK!」。ナインに握手を求めに行った原監督は予定外の胴上げに身を委ねることになった。リーグ優勝時と同じ回数。最後は崩れそうになったが、たくましさを増したナインは背番号88を8度も宙に押し上げた。

 昨季は5年ぶりのリーグ優勝を飾りながらCSで同じ中日に3連敗。原監督は1人で悔し涙を流した。監督インタビューでは「胴上げ?予定になかった。選手とは“日本シリーズに勝ったらしよう”と話していたから。本当に選手に感謝です」と感無量の表情。「昨年の悔しさを持って戦った結果です」と語った際は目を赤くした。

 最大13ゲーム差から逆転Vを決めたレギュラーシーズン同様、激戦が続いた。守護神・クルーンの乱調もあって初戦を落としたが、王手をかけて迎えた第4戦。1点リードの8回に中継ぎエースの山口が崩れ、同点とされた。それでも直後の8回に4番・ラミレスが無死二塁から左中間席へ決勝2ラン。打率・438、2本塁打、5打点でCSのMVPに輝き、賞金100万円もゲットした主砲はお立ち台で「日本シリーズでも頑張ります!」と気勢を上げた。

 CS直前の練習中。原監督は移籍1年目のラミレスに声を掛けられた。「いろんな選択肢があったけど、原監督の巨人を選んで本当によかった」。開幕ダッシュに失敗した4月、ロッカーで陽気なラテン系の音楽を流した助っ人は周囲から「音量を下げてくれ」と注意された。それでもめげずに積極的にナインと交流を深めていった。そんな陰の苦労も知っていた指揮官は「ラミちゃんの選択は間違ってなかったね」と笑顔で返した。この日、決勝弾を放った直後の主砲を、原監督はベンチ前で強く抱きしめた。

 いよいよ西武との頂上決戦。11月1日、6年ぶり日本一奪回へ向けた戦いのゴングが鳴る。「現役時代は西武と巨人で日本シリーズを命を懸けて戦った。それを継承していい勝負をしたい」。一気に頂点まで駆け上がる。涙に濡れた原監督の瞳が、再び輝きを増した。

2008年10月25日
巨人王手!“1勝分”の12回ドロー
 【巨人5―5中日】巨人が日本シリーズ進出に王手をかけた。セ・リーグのクライマックスシリーズ第2ステージ第3戦は24日、4時間42分の激闘の末、引き分けた。巨人はマーク・クルーン投手(35)の不調などで9回、同点に追いつかれたが、継投で何とか踏ん張った。対戦成績は1勝1敗1分け。25日の第4戦に勝てば、CS規定により6年ぶりの日本シリーズ進出が決まる。

 ベンチが沸いた。まだ試合中だったが“負けなかった”という意味は誰もが理解していた。

 延長12回を締めた東野が無失点で切り抜けると原監督は大声を上げて大きな拍手を送った。4時間42分の激闘の末、勝ちに等しい引き分け。どん欲に勝ちにこだわった指揮官の執念采配にナインが応え、王手をかけた。

 「本当にリリーフ陣が頑張った。(山口、東野は)ギリギリの場面で、しっかりと仕事ができたのは大きな財産になるでしょう。9回のクルーンの交代?チームが勝つために山口を選択した」

 1点リードの9回に送り出した守護神・クルーンが先頭の中村紀にカウント2―2から死球を与えた。22日の第1戦では捕手との呼吸が合わずに大乱調だった。原監督は打者1人ながら迷わず交代を決断。「大きな決断だった」と振り返った。交代させた最大の理由は「スチール(盗塁)が一番嫌だった」。育成枠出身の左腕は1死二塁から谷繁に二塁打を許して同点とされたが11回までも無失点に抑えた。12回は第5戦までもつれた場合の先発候補である東野を前日に続いて起用。今季大きく成長した若き投手陣が、大舞台でも指揮官の期待に応えた。

 原監督は攻撃でも積極的に動いた。2点を追う6回。1点を返してなお無死一、二塁。小笠原、ラミレスと続く場面で、初球にまさかの重盗を仕掛けた。マウンドの川上が無警戒だったことを見抜いての決断に「あまり興奮する方ではないがセーフのコールを聞いてちょっと興奮した」と原監督。小笠原、ラミレスは凡退したが、李スンヨプが逆転3ラン。強気の采配がエース川上を揺さぶった。初回、延長11回の無死一塁ではいずれもバントの構えから打って出た。併殺に終わったが“攻めの姿勢”だけは貫いた。

 今季は阪神との最大13ゲーム差をはね返してリーグ連覇を達成。だが、真の目標は6年ぶりの日本一奪回だ。昨季CSで3連敗を喫した中日を乗り越えての日本シリーズ切符だからこそ、大きな意味がある。原監督は「日本シリーズ進出に王手?1戦1戦というのは、あした(25日)から始まるわけではない。しっかりと戦いたい」と口を真一文字に結んだ。あと1勝。25日に決める。昨年の屈辱を晴らし、西武との頂上決戦への切符を手に入れる。

2008年10月24日
原巨人4発で竜に逆襲!小笠原が満塁弾
 (セ・クライマックス第2S第2戦、巨人11−2中日、巨人2勝1敗、23日、東京ドーム)ありがとう、ガッツ。セ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)第2ステージ第2戦は23日、東京ドームで行われ、巨人が11−2で中日に大勝。対戦成績を2勝1敗(1勝のアドバンテージを含む)とした。小笠原道大内野手(34)が驚弾2発。1試合6打点はポストシーズンの史上最多タイ記録となった。打線も4本塁打を含む17安打と爆発し、チームは昨年から続いていたCSの連敗を「4」で止め、初勝利をあげた。

 G党がどよめいた。驚いた。興奮した。いつもは、右翼席で同じ方向にグルグルと回るオレンジ色の応援タオルが、あまりの衝撃にバラバラだ。視線の先には悠々とダイヤモンドを一周する小笠原がいた。

 先制された。嫌な雰囲気が東京ドームを包んでいた。一回一死二塁。ガッツが逆転2ランを放つ。さらに、わずか23分後の二回一死満塁。「もう一発、お願い!!」。一塁側スタンドから響いた女性ファンの叫びは現実のものとなる。VTRを見るような満塁弾。巨人に光が差し込んだ。

 「サイコーです!! 後ろにつなげる意識だったけど、うまくバットにボールが乗ってくれた、きのうは悔しい思いをしていたので、何とか勝ちたかった」

 お立ち台でヒーローは、あまりの興奮にベンチを外れたキャプテンの“十八番”を拝借して喜びを爆発させた。スタンドも気持ちは同じだ。たまった鬱憤(うっぷん)を晴らしてくれたヒーローの名前を叫び続けた。

 2本塁打6打点の小笠原に加えて、ラミレス、李承ヨプ(イ・スンヨプ)にもアーチが飛び出し、中軸そろい踏みで4本塁打(9得点)。CS記録の17安打で落合竜をたたきのめした。CSの連敗は「4」でストップ。ようやく初勝利をあげた。

 試合前。チームの雰囲気は最悪だった。第2ステージ開幕から全員で球場に隣接するホテルに宿泊。万全の準備をしたはずだったが、前日22日の初戦は同点の八回一死満塁で高橋由が最悪の併殺打。守護神クルーンが打たれた。3連敗を喫した昨年の第2ステージを思いださせるような不穏な空気が充満していた。

 ところが、こんな状況にも超プラス思考の男がいた。原監督だ。

 「お前たちは中日に12ゲームをつけたんだろう。相手を見下ろして戦え!!」。試合直前のミーティング。指揮官が笑顔で熱い言葉をかけた。

 「きのうはちょっとしたことで負けたが、ガッツのホームランで全員の肩の力が抜けた。一戦をとったことで波も出る」

 原監督もひと安心。1勝のアドバンテージがあるため、これで2勝1敗。もう負けない。一気にいく。原巨人はガッツの2発でよみがえった。

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