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2019年02月18日

PSO2外伝- -それぞれの信念- 第一章 -それぞれの信念-

私は晴れてアークスの試験に見事に合格した

アークスとはダーカーと呼ばれる

謎の生命体を駆逐する為

宇宙の平和の為に仕事をする機関である

ダーカーとは生物に寄生し狂暴化する

ウイルスの塊みたいなものだ

一度寄生されると

どうしようもない

人も例外ではない

ダーカーは駆逐してもどこからともなく発生し

アークスを悩ませている

他の惑星までも被害が出ており甚大だ

私はまだ駆け出しなので訓練をしなければならない

戦闘タイプは3つに別れており

ハンター(前衛)

レンジャー(中衛)

フォース(後衛)がある

私はフォースを選んだ

私はニューマンと呼ばれる種族で

肉体的には脆いものの

テクニックを扱うには一番適性が高いのである

他の種族にはヒューマンキャストと呼ばれる人種がいる

ヒューマンは器用貧乏だがあらゆるものを卒なくこなすので万能型

キャストはその強靱な肉体の為前衛に適している

私は期待を胸に秘めて訓練を待ちわびていた

一ヵ月間の訓練を終えようやく一人前にはなれたものの辛かった

体力には自信がなかったがここまで厳しいとは夢にも思わなかった

途中で諦めかけた事もあったが何とか思いとどまった

今日から惑星ナベリウスの森林探索の任務がある

大勢のアークスたちが調査をしているらしい

私もその内の1人だ

宇宙船の転送装置を使いナベリウスに降りる

周りを見渡すしてみると昆虫や鳥等がおり平和に見える

風が優しく頬をなでる

草花も優しく揺れる

とてものどかである

こんな所に異変等起きないだろうと思っていた矢先

突如ダーカーと呼ばれる種のダガンが現れた

見た目は黒い蜘蛛の様だ

一体何処から!?

囲まれた私はテクニックで攻撃を開始する

「光の波動よ、闇を消し去りたまえ!グランツ」

まばゆい光の刃が私の周囲に広がりダガンを迎撃する

倒してもキリがなく無限に沸いて来る

このままではまずい

逃げるにしても消耗しきった体力では追いつかれてしまう

初日の任務で殉職するとは死とはあっけなく訪れるものらしい

「光の閃光と共に消えなさいレグランツ」

眩しい光の波動がダガンをなぎ払うと

誰かが私の手を掴むと駆け出した

「君、大丈夫?怪我はないかな^^」

陽気な声で彼女は尋ねる

背は低くて金髪のポニーテールが印象的であり

背中に何やら天使の翼らしきものがついている

「私は大丈夫です、助かりました」

私は慇懃に言うと彼女にお辞儀をした

彼女が来なければ私は殉職していた

いつか彼女には恩を返さなければいけない

「そんなかしこまらなくていいよ、 ボクはmelfyって言うんだ、良ければ君の名前教えてくれるかな」

「私はあいゆ」

「じゃあこれからはあいゆんて呼ぶね!ボクの事はメルでいいよ」

メルは微笑みながら言う

笑顔がよく似合う人だなと私は彼女の顔を見た

「あの、良ければアークスカード交換しない?」

アークスカードとは一人一人の詳細を記録しているものであり

これさえあれば離れていても連絡を取り合う事が出来る

画期的なシステムである

「うん、いいよ。これでいつでも連絡出来るね!」

無事にアークスカード交換を終えた

「おーい、メル早くいくぞ」

メルは誰かに呼ばれると

「ごめんね、ロアに呼ばれたからもう行くね。またねあいゆん」

私は彼女に手を振った

彼女は明るく元気だから交遊関係は広いんだろうなと思った

いつか私にもそんな誰かに巡り逢えるんだろうか

私はその場で少し休んだ

草むらに仰向けになると雲がかなりの速さで流れていく

しばらくすると微睡んだ

…ここはどこだろう…

霧が多くて何も見えない

誰かの手が私を招く

私は迷わず進む

顔のないその誰かは囁く

…ずっと一緒に…

目が覚めると頬に涙の跡があった

私は泣いていたのか…

だけど思い出せない

この胸の痛みは一体…

思い出そうとすると

意識が遠のく

思い出すのを拒絶している!?

今は任務に集中しよう

私は森の奥へと歩んだ



同じ頃1人のアークスは孤軍奮闘していた

やっと念願のアークスに入れたんだから頑張らなきゃ

それにしても周りに誰もいない…

森の奥まで進めば誰かいるんじゃないかなと思ったんだけど

原生生物が多いだけで人の影すらない

こんなんで大丈夫かあたし…

一通り敵がいなくなると丁度いい切り株に座り食事をしようとした

食べようとしたおにぎりが一つ落ちて転がった

3秒ルールだ!と思ったが

どんなウイルスが身体に入るか怖くてやめた

リスや鳥が仲良くそのおにぎりを持ち去った

またドジをやってしまった

人前ではドジだと悟られぬようにしてるけど

誰もいないとつい気が緩んでしまう

後二つあるしいいか…

鳥のさえずりを聞きながらおにぎりを食べる

最後の一つを食べようとした矢先に地面が揺れた

その反動で無残にもおにぎりが地面に転がる

あたしまだ一つしか食べてないのに!

転がったおにぎりを腹いせに思い切り投げた

何かに当たった感触があった

その何かがこちらにやってくる

ズシンズシンと地響きをならしながらその何かは姿を現わした

え!ちょ!

見るからにあたしより強そうなんだけど!

まさかのピンチ!



前方に3mぐらいのロックベアと呼ばれる原生生物が

1人のアークスを襲撃している

どうみてもベアではなくゴリラにしか見えないんだが

そんな下らないツッコミはさておきこちらにしむけるように

私はテクニックを放つ

「灼熱の豪火よ、灰燼と帰せ!フォイエ」

丸い炎の球がゴリラにではなくベアに直撃した

雄叫びあげながら私の方へ高く飛躍し

ドスンと地響きを鳴らし距離を詰めてくる

デブの癖に何と身軽なこなしと感心しながらも

避けながらフォイエをかます

ロックベアは私に標的を変えたようだ

私は単調なロックベアの動きを見切り

時間はかかったがさほど苦闘せずに討伐した

負傷したアークスに近づくと見慣れた羽が見えた

「あれ、メルだったのね」

「あいゆんか、助かったよ」

恐かったのだろうかその場でしゃがんでいる

「情けない事にね、ロアとはぐれて迷ってたらロックベアと遭遇して」

「 そのうちに身体が震えちゃって動けなくなったんだ。あいゆんありがとう」

私は手を差し出してメルを立たせる

「何を言ってるのよ、こちらこそあの時メルがいなかったら私は今ここにいないよ 、これでおあいこだよ」

ふたりは顔を互いに見ると何がおかしかったのか

解らないけど笑いあった

森は静謐に包まれた

木々から木漏れ日が差した

しばらくして人影が映る

「メル、ようやく見つけたよ。無事みたいだな」

「ロア!迷子にならないでよもう!」

「それはこっちの台詞だ、ところでその人誰だ?」

ロアと呼ばれたヒューマンの青年?は私の顔を見つめる

「あいゆんだよ、さっき助けてもらったの。あ、これロア」

「ボクの所属してるチームのリーダーしてるんだ。 まだ小さいチームだけどあいゆんも入ってみない?」

私は少し考えさせてほしいと伝えた

「うちのチームは気楽だから、いつでも歓迎するよ(笑)」

ロアはそう言うとはっはっはと笑った

「それじゃ、ロックベアも倒したみたいだし、一度報告にいこうぜ」

私とメルはうなずくとテレパイプを使い宇宙船へ戻った



その頃とあるアークスの少女は

ファングパンサー(ナベリウス森林の主で大型の虎)と死闘していた

はぁはぁ強い…

このままじゃやばい

そろそろ弾ぎれになりそう

パンサーは突進するとあたしをふきとばした

「痛っ…」

鈍い痛みが生じた

パンサーはグルグル素早く旋回した

突然、弾丸がパンサーを不意打ちした

「大丈夫ですか?」

背が高いヒューマンがあたしを介抱した

「ここは自分に任せて貴女は快復して下さい」

あたしは言われるがままに従った

的確に弱点を狙いつつものの見事にパンサーを撃退した

「ありがとう、助かりました」

「いえ、困った時はお互い様ですよ、 自分アリシアと言います、シアでいいですよ」

「あたしはきいろって言います」

「きいろさん、報告に戻りましょう」

「それと急なんですが自分が所属してるチームに入りませんか?気楽でいいですよ」

あたしは少し迷ったが楽しそうなので承諾した



翌日の事である

私は基本的にソロが好きな一匹狼だが

チームと言う組織に憧憬していた

いつか自分自身でチームを創りたいという

野望もないわけではない

しかし、中々理想を現実に変えるのも大変な事である

考えた末にメル達がいるチームに所属しようと決心をした

ロアから直々にメンバーの証しであるエンブレムを受け取り

正式にチーム「endif」に入団

一度全員顔合わせをしようと言う事になり

チームルームと呼ばれる場所に集合した

拠点は温泉街のようだが変わっているなと思った

砂風呂があったり

その上には露天風呂がある

みんなはその上にいた

みんな水着を着用してる

1人だけおかしいのがいる

ふんどしをきた羽根がある少女メル

みんなは好奇な目でメルに注目してる

「メル…仮にも女なんだからそういう格好はその…」

目のやり場に困る

「胸も板みたいなもんだし大丈夫だって!はっはっは」

「ロア、胸がなんだって^^?」

「え?何?聞こえない」

ふたりの漫才が終わるとみんなの自己紹介が始った

「オレはロアだ。このチームのリーダーをしている。てことで宜しくな(笑)」

「ボクはメル、このチームのサブリーダーかな。みんな宜しくね!」

「自分はアリシアです、シアって呼んでね」

「ぷみんはね、ぷみって言うんだよ、宜しくね!ぷみの相方のメリーも宜しく!」

ぷみというキャストはこの中では一番胸が大きいらしい

黒髪のロングで青と白を基調にしたメイド服を着ている

「相方のメリージェーンです、宜しくお願いします」

メリーと言うヒューマンは背が高く

赤を基調にした大人びた服が印象的ではあるが

チームの中で唯一帽子をかぶっている

「あたしはきいろです、みなさんよろしく!」

きいろと言うヒューマンの少女はその名の通り

全身が黄色を基調としている

髪はセミロングである

バナナ娘。

私の頭の中でそういう呼び名が閃く

「私はあいゆです、以後お見知りおきを」

新たな出会いは人を変える

私はこの中で上手くやれるだろうか

みんなと仲良くやっていけるだろうか

不安と期待を抱き

私は新たな出会いに感謝し

この先に何が起ころうとも逃げずに立ち向かおう

これはまだ始まりに過ぎない

-続く-
posted by managarmr at 19:39 | Comment(0) | TrackBack(0) | PSO小説

PSO2外伝- -それぞれの信念-第二章- それぞれの思惑-

チームメンバーと顔を合わせて数週間

それなりにみんなとは仲良くなれた気がする

特にキーこときいろとは大分慣れた

ひょんな事から教育係にされたのがきっかけである

私は人に教育する程強くもなければ偉くもない

なのに今では先生と呼ばれる始末

そもそもレンジャーならロアのが適している

だが彼は多忙のようで私が引き受ける事になった

そして実はもう1人いる

私と同じフォースの通称[「ぷみ 」

この娘には基本的な技術を教えたつもりだが

どうしても前に出たがる為にいつも満身創痍だ

そして何故か必要以上に私のそばへ寄ってくる

それが目立つ事が多い為に私とぷみはみんなに冷やかされる

私が否定しても嬉しいくせにと寄ってくる

えーと私はどうすれば…

そして相方のメリーにはいつも睨まれている

その目、怖いので勘弁して下さい



今日はナベリウスにある凍土探索

森林を抜けた先に広がる雪原地帯である

調査には基本的にスリーマンセルかフォーマンセルで編成される

うちのチームは7なので3と4に別れる

戦力的にロアメルシア

私メリーキーぷみに別れて任務開始になった

「みんな、何かあったら通信機で連絡をくれ、くれぐれも無茶はしないようにな」

ロアがそう言うとみんなうなずき、それぞれは歩き出した

見渡す限り銀世界

何故森林の奥にこんな寒い地帯があるんだろうか

気候的におかしい

考えた所で答えは出なそうだ

「ねぇ雪だよ!みんなで雪合戦やろっ」

ぷみは子供みたいにはしゃいでいる

「雪合戦か懐かしいね、これでもアタシはチャンピオンだったんだよ」

メリーが言うと恐い

「お、やろやろ!」

キーまでもがはしゃぐ

君達今任務中なんですよ?解ってますかとツッコミたいが空気が囁く

やめろ。お前がみんなの的になるぞと

仕方なくやることになり2対2に別れた

お決まりのメリーぷみ

後は言わなくても解るな?

キーはレンジャーだけあってコントロールは抜群だった

それに対してあの2人は威力はあるんだけどどうしてもあさっての方へ飛んでいく

「ちくしょーっ」

2人仲良くハモる

私はぷみめがけて投げた

ゴンッ!

鈍い音がした

「誰じゃあ!雪の中に石をいれたのは!」

投げた犯人が解るとすごい速度で追いかけてくる

「おい!またんかい!」

私は脱兎の如く逃げる



その頃ロア一行は真面目に任務をこなしていた

けっこうエネミーが多いな

オレは大丈夫だが

2人は疲れてきたようだ

「少し休もうぜ」

石の雪を払いメルとシアはうなずくとその場にしゃがむ

「ちょっとあいつら何してるか通信してみよう」

「こちらロア、応答せよ」

数秒の沈黙

「こちらキー、現在雪合戦中です」

ロアは数秒間固まる

「お前らちゃんとやれよ(笑)」

「あいゆんがぷみいじめてぷみが今怒って追いかけてるよ」

「またあの2人か(笑)程々にして早く任務再開しなよ」

「了解、ごめんねロア。おい!そこの2人いい加減にしろ^p^」

オレは通信を切る

あの中でまともなはずのメリーはどうしたんだ…

まあいい

こちらはこちらで任務を遂行しよう

「よし、そろそろいこう」

「ねぇロア寒いよ」

オレはジャケットをメルにかけた

「ありがとうロア」

「寒くてアレも縮んだのか」

「ロア^^ブッコロストロベリー!」

「2人は元気ですね、自分はしんどいっす」

ロア一行は先へ進む



ぷみはまだ怒っていた

謝っても許してくれない

「あいゆんがあたしの家来になるなら許してあげる」

何と理不尽な事を。

「あいゆんモテモテだね^q^」

「ぷみはアタシのだから渡さないぞ」

「私はいらないのでどうぞ」

「おい!」

ぷみの鋭いツッコミが空気を切る

何やら気付くとダイヤモンドダストと呼ばれる珍しい自然現象が起きる

雪はまるでダイヤモンドのように輝いて見えた

「キレイ!」

「君のがキレイだよ」

「え…やだぷみ、恥ずかしい」

「なんて言うと思うか」

「あいゆんのばか!もう知らない」

ぷみは1人足早に先へ進む

「あいゆんて、クサイネ。お姉さんショックだよ」

「あびゃー良くそんなこといえるな」

ふたりの反応が冷たい

凍土エリアよりも冷たい

そんな目で私を見ないで!

美しい景色に見とれていてエネミーの気配に気付かなかった

ぷみがみんなより先にいた為に囲まれている

このままではぷみがあぶない

私を意を決して走る

ぷみを庇うことができたが致命傷を負う

「く…」

キングイエーデのタックルは痛い

これはあばらがいったな

「あいゆん、プミの事好きすぎwもう許してあげる」

続いてメリーとキーの猛攻により難を逃れた

「光の風よ、我等を癒せ!レスタ」

何とか快復したものの全快するには、しばらくかかる

「あいゆん、大丈夫?もう少し休もうか」

メリーはそう言うが私は大丈夫と嘘をついた

キーがじっと私を見ている

まるで、見透かされてるようだ

「庇ってくれてプミ嬉しかったよ!CHU」

私は不覚にも赤面した

「顔赤いよ?もしかして照れてるの?」

「うるさいうるさいうるさーい」



一方、ロアたちは最深部に辿りついたようだ

何やら空気が重い

暗闇の中で赤い眼が光る

こいつはスノウパンサーだ

森にいたファングパンサーと同種族だ

つまりはここの主なんだろう

「二人共、気をつけろ今までのエネミーとは比べ物にならないシアあいつの足を狙え!メルはフォイエで応戦してくれ」

オレの作戦で上手くやれていた

だが突如暗闇の中からもう一匹が飛び出した

2人は敵の応戦に怯んだ

このままではまずい

オレが何とかしなければ奥の手を使うか

「発動!いでよ!我がしもべよ!敵を滅せよ」

オレはフォトンブラストを使った

フォトンブラストとは

自分の体内にあるフォトンを具現化する特殊な攻撃だ

その為に一時的に身体に多大なダメージを受ける

鹿みたいな物体が猪突猛進を繰り返し暴れ終わると異界へ消える

く…やはりまだ不完全か

身体の所々が軋む

だめだ…もう立てない

片方は退けた後は頼んだ…

シアとメルがオレに駆け寄り何かを叫ぶがオレの意識は闇に呑まれた



あそこにいるのはロアたちだ

ロアだけが動いていない

早くあの2人も助けないと私は走れないが遠くから援護した

他の三人はロアを気にしながら戦っている

ロアの生体反応が弱まっている

きっと2人を守る為にフォトンブラストを使ったに違いない

傷が痛むな…

今はエネミーを退けなければ!

「炎の嵐よ、全てを飲み込め!ギフォイエ」

ぷみとメルもギフォイエを使い巨大な炎の渦がスノウパンシーを飲み込む

断末魔の悲鳴が聞こえどうやら終わったらしい

私は雪の中に埋もれると意識を失った



声が聞こえる

…ねぇ、私は貴方と…

悲しい声が聞こえる

顔の解らない彼女は血に染まる

はぁはぁ…

目が覚めると汗ばんでいる

周りをみると白いカーテン

白いベッドが並んでいる

ここはメディカルセンターか

隣りにはロアが眠っている

そうか私はあの時意識を失ったのか

「あいゆん!目が覚めたんだね良かった…」

メルは綺麗な花を花瓶にさした

「みんなは…?」

「みんなは看病に疲れて自分の部屋で寝てるよ」

「メルは寝なくていいのか?」

「ボクはロアが起きるまで頑張るよ」

「無理するとメルも倒れちゃうよ」

数秒の沈黙

「大丈夫だ、問題ない!」

隣りで寝ていたロアが目を覚ます

「ばか!ロア」

「最初にかける言葉がそれかよ(笑)」

「うるさい!あんまり心配させるなよ!」

こうやって誰かに心配されるって幸せなのかもしれない

相手には申し訳ないけどやはり嬉しいものだ

2人を見ているとそれが解る

「あいゆん!」

「ぐあっ!」

突然ぷみが抱きついてくる

あばらがぁあああ、痛い痛い痛い!

「ぷみ離れろ!痛い…」

「嬉しいくせに」

「うるさい!いたいんだよ」

私は独りでも平気だった

でも今は誰かと一緒じゃないと私は戦えない

私はどうしてこんなにも弱くなってしまったんだろう

人は守るものがあるから弱い

人は守るものがあるから強い

人は孤独には勝てない

私はきっと恐かったんだ

独りなら失うものは何も無いが得られるものもない

誰かと一緒なら独りでは出来ないことが出来る

一緒に泣いたり笑ったり怒ったり

そういう時間は何者にも変えられない宝物

だから1人だと孤独なんだ

他人のぬくもりを味わったものはもうそれを求めずにはいられない

だからこそ誰も失いたくない

みんながいるなら後100年は戦える

気がつくとみんなは病室に集まっていた

シアはみんなを楽しませようと歌を歌いだす

メリーはみんなの為に手料理を披露する

みんなでわいわい騒いでいたら婦長が今にも噴火しそうな顔で怒鳴る

「あんたたち!いい加減にしなさい!」

「それと怪我人のあんたたち!うるさくした罰で早く治るようにでかくて太い注射うちますからね!」

「アーッ!」

二人の悲鳴が病院中に響き渡り、今日も一日平穏がすぎた

第2章-完-
posted by managarmr at 19:51 | Comment(0) | TrackBack(0) | PSO小説

PSO2外伝 -それぞれの信念- 第三章 -それぞれの特徴-

――凍土探索から数週間

各々はそれぞれの任務をこなし、日々を追われていた

今日は久々の休日なので、チームルームで宴会を開く事になった

アークスシップにて、それぞれは必要なものを買いに行った

私は、酒類担当だった

カクテルやチューハイや何処か遠い惑星の日本酒等ありとあらゆる酒類を

適当にかごにつめていく

夕刻なので、レジは一般人やアークスで混み合っている

これは時間かかるな…どこも行列である

やれやれと思いながらも私は並んだ


――その頃

バーベキューの機材を買いに行ったロアシアは、一番早くチームルームに到着していた

「あいつらまだ来てないな、先に設置しておこう」

「自分も手伝うよ」

2人はテキパキと器用にバーベキューセットを組み立てていく

あっという間に完成した

しかし、温泉街でバーベキューって似合わなすぎなのでは?とシアは思った

でもまあ、みんなで楽しめるならそれでいいやと思った

ここ数ヶ月でこのチームも活性化してきた気がする

自分はチームにあまり顔を出せない程に多忙な日々が続いたせいか、乗り遅れた感も否めない

持ち前の歌唱力と明るさがあれば何とかなるだろう

自分の特技と言えば後は料理の腕があるくらいか

時刻は陽が落ちて辺りは暗くなりはじめていた

団長と他愛ない話をしながらメンバーの到着を待った



――なんでこうなったんだろう

両手、背中、頭に大量の荷物が私を支配する

事の発端はこうだ

私がレジで支払いを済まし酒類を袋に詰めていた時だった

女性陣と偶然にも遭ってしまった

「お、丁度いい所に男手が」

メリーは私に袋をぐいっと押し付ける

待て待て待って下さい!

私は心が男だけど身体は女なんです!

私は…昔の記憶がない

倒れていた所をアークスの施設に拾われて

数年間過ごして来た

覚えていたのは名前だけだった

性別は男だったはず

それは何故か鮮明に覚えている

だから、異性の身体だと気づいた時は焦った

色々不便で慣れるのに数ヶ月かかった

今でも異性の身体には抵抗があり恥ずかしい

その事実はまだ誰も知らない

だけど、みんなは私を女とは見ていない

華奢な身体ではあるのになんでだろう

「私は身体は女だけど?」

「身体は女、心は男。その名はあいゆん^p^」

どこかで聞いたフレーズを言うキー

「それに力ならメリーの方が」

「力が何だって?」

メリーは何処から出したのかリンゴを捻り潰す

ぐしゃっと嫌な音がした

「なんでもありません」

「ちょっと!食べ物を粗末にしないでよ!」

メルは潰れたリンゴを憐れむ

「と言う訳で、あいゆん荷物お願いね」

どういう訳なのかkwsk

「ぷみ、か弱いからあいゆんがいて助かる」

どこの口が言ってるんだ…

「頑張れ男の子!」

とキーが言う

「ごめんね、あいゆんお願いします」

メルだけ慇懃に礼をする

やれやれ仕方ないなとこの理不尽な出来事を受け入れてしまって現在に至る

もう手が千切れそう

誰も手伝ってくれないんですかね!?

これいじめだよね!

ちくしょー

私は最後の力を振り絞り全力疾走した



チームルームにつくと私は真っ白になった

燃えた燃尽きた…

そこへロアが来てカクテルを私に渡す

「お疲れさん、災難だったな(笑)」

「まー、みんながたのしけりゃいいさ」

「そうだな」

暗闇に瞬く星を眺めながら酒を飲む

「オレさ、このチーム作って良かったと思ってるよ」

「みんな変人で飽きないしな」

「はっはっは、それは言えてるな、そろそろ肉とか焼けた頃だろう、食いに行こうぜ」

「そうだな」

私はもう一度夜空を眺めた



「プミさん、それまだ焼けてないっすよ、その野菜はもうちょっと火を通すと美味しいよ」

肉やら野菜やらをシアが焼いてる

料理の知識も高く腕もいい

シアが焼いた肉は絶妙で上手い

「こんなおいしい肉、あたしたち買ったっけ?」

「それは自分が調達してきたものだよ、グワナーダの肉だよ」

ブーーー

「ぷみ、汚い…」

ぷみが咀嚼した肉片が私の頭についたんだが?

「あいゆんはもっと汚い!エンガチョー」

「おい!キー!」

「冗談ですよ、ドラゴンの肉だよ」

「おい!コラ!」

ぷみがシアを追いかける

「君達は本当に賑やかだね、ボクは楽しいよ」

ロアはメルの隣りで寝ていた

テーブルを見ると空き缶がけっこうある

相当飲んだのだろう

それで眠くなったのか

「全く手のかかる…ほらあいゆんこれで拭きな」

メリーはタオルをくれた

しかし拭いたところで匂いはとれない

後でシャワーを浴びよう

メリーは何だかんだいっても人一倍面倒見がいい

頼れる姐御ってとこだろう

頭を拭いていた僅かな時間に何が起きた?

大量に酒類が何処かに消えている

その何処かとはぷみの腹の中らしい

キーとメルが何やら必死に止めている

「待て!ここで脱ぐな!コラ!男は見ないで!」

シアは、後ろを向きながら後片付けを始めている

えーと何処からツッコメバイイカナ

「あいゆんも見るな!」

メルが空き缶を投げてそれが私に直撃した

な、ナイスコントロール

何時から起きたのだろう

ロアはプミを見つめている

「ロア^^何をみているのカナ?」

「え、いつ見るの?今でしょ!」

メルが必死に見えないようにするが

ロアはそれを遮ると凝視する

「ぷみ、もう身体あつい!」

「ちょ!」

意外にも力が強かったのかキーは阻止出来ない

私もつい目があちらにいきそうになるが

メリーが拳を鳴らしていて見るに見れない

蛇の生殺しのようだ

「最高だね!」

ロアの言葉が響く



いつの間に寝たんだろう

テーブルに俯せに寝てたせいか身体の所々が軋む

他のメンバーはまだ寝ているようだ

辺りはまだ暗い

日の出までもう少しといったところか

頂上にある露天風呂を目指した

誰もいないようだ

今のうちに身体を清めよう

まずは長い髪の毛から丁寧に洗って行く

なるべく自分の身体を極力みないように清めていく

いつになったら元の身体に戻れるんだろう

そもそも戻れるのか…

元々、女だったんじゃないのか

ただ記憶がないだけなんだ

そう思う事にした

「だ、誰かいるの!?」

「その声はキーか…」

「ちょちょちょ!なんであいゆんが」

「落ち着け!身体が女だからしかたないんだよ…

だからみんないない時間に入ってるんだけど、まさか先客がいるとはね。先に上がるよ」

「あ、いいよ!今来たんでしょ。あたし先に行くね」

湯煙で視界が悪いのが唯一の救いである

「いったあーい!」

転んだらしい

大方、石鹸でも踏んだんだろう

「大丈夫か?」

「平気!超平気だから!また後でね」

そそくさとその場を去る

太陽が上り辺りが明るくなりはじめた

そろそろ私も上がろう

私は露天風呂を後にした



テーブルがある場所へ戻ると何やら賑かだ

「昨日はいいもの見れたわ(笑)ありがとブミ」

ぷみは全身から疑問マークを出している

「ぷみ、何かしたの?」

「覚えてないんかーい」

すかさず、キーとメルのつっこみが入る

「?」

いつまでも疑問マークのプミ

どうやら酒を飲むと記憶喪失になるらしい

あんなことやこんなことしたのに覚えてないとかすごい

メルとキーがぷみに説明する

ぷみは段々赤面し、「もうお嫁にいけない」と何処かへ走り去った

あの変わり様はあるいみ神だね

「昨晩飲み過ぎたかな…二日酔いだ」

メリーは具合が悪そうだ

「みんな楽しんでたみたいだからいいんじゃないか(笑)」

あんなに散らかっていて惨状だったのに片付けたのはおそらくシアだろう

彼はすでに何処か任務にいったに違いない

昨晩はとても楽しかった

色々あったけど仲間ではっちゃけるのも悪くない

こうした日々がいつまでも長く続けばいい、仲間は最高だ

この日常を守る為に今日も任務に勤しむのであった

第3章-完-

続く
posted by managarmr at 20:04 | Comment(0) | TrackBack(0) | PSO小説

PSO2外伝 -それぞれの信念- 第四章 -それぞれの過去-


アークス上層部にて会議が行われていた

それは現在も消息不明である優羽のことである

三英雄と謳われた人物である

三神器と呼ばれるヘブンパニッシャー、 サイコウォンド、ラヴィス=カノン

それぞれには使い手がいてそれを自在に操るものがそう呼ばれる

現在ではその神器は確認されていない

残りの彼らはダークファルスに取り込まれてしまった為である

唯一の彼女も深手を追ったが封印に成功した

何故彼女が殉職ではないと言い切れるかわけはこうだ

取り込まれると肉体は抜け殻になるからである

彼女の肉体だけが未だに発見されていない

アークスの士気を下げない為に二英雄も死を伏せられており

彼らは今もどこか遠い惑星で任務をしていると信じられている

「まだ彼女の行方が解らないのか!?」

アークスの総司令は動揺を隠せない

「たったいま研究所より報告がありました。

研究所は優羽さんの亡骸をナベリウスにある遺跡付近で発見したそうです

絶望した彼らは研究中のクローン技術で彼女を創ったそうですが

全くの別人が出来てしまったらしいです

それでも彼らは諦めませんでしたが

結局は失敗に終わったらしいです」

「何ということだ!クローン技術はまだ未解明な事が多く副作用で何か起こるか解らん!」

「倫理観にも悪影響がでるかもしれん、すぐにこの事は緘口令とする」

「わかりました」

「それとそのクローンも監視を怠るな」

「承知しました」



今日は人が慌しい

一体何が起きたんだろう

チームルームで朝食をとろうとした時である

「ここにあいゆさんはいますか?」

あの制服はアークスの上層部が着るものだ

彼等は10数人でチームルームで押しかけた

「一刻の猶予もありません、すぐに連行しろ!」

他のメンバーは何が起きてるのか理解してない

「待て!あいゆんはうちらのメンバーだ!どうするつもりだ!」

「貴様はここのリーダーか、邪魔をするなら公務執行妨害で審議にかけるぞ!」

「く・・・」

「みんな心配しないで、すぐに戻ってくるから」

私は莞爾とした

そしてチームルームを後にした



チームメンバーはみんな何事もない様に振舞っていた

その沈黙を破ったのはボクだった

「あいゆんの事、ボク知ってるようで知らなかった、何か抱えていたのかな」

「あいゆんは昔の事記憶が無いってあたしは聞いてたよ」

「キーとあいゆんていつも一緒にいたよね」

「それを言うならロアとメルだって^q^」

人間て一番近くにいる人程話せるんだろうか

でも近過ぎて話せない事もあるはずだ

二人の関係は一体どうなんだろう

「やっぱこのままじゃ駄目だろ、あいゆんの様子を見に行こう」

ロアはそう言って1人でチームルームを後にした

「ぷみは別にこのままでいいよ、あいゆん意地悪だし」

「ボクはロアに続くよ」

「あたしもいくよ」

「アタシはごめん残るよ、ぷみが1人じゃ可哀想だし」

ボクときーはうなずくとチームルームを後にした

この時ぷみは泣き顔を見られたくないが為の言動だった

それを知っているのはメリーだけだった



ボクはいつも孤独だった

友達がいてもそれは変わらない

たくさん友達に囲まれているのに満たされない

それをずっと悩み続けていた

あいゆんとは、そういう所が似ているのかも知れない

いつも人目を気にして気を使って無理して笑顔を作る

ボクはそれに疲れてしまった

そんな時にロアやチームメンバーと出会った

思いっきり自分を出してるみんなを見て、羨ましいと思った

ボクもいつか曝け出したい

そして、みんななら受け止めてくれるだろうと確信した

こうして、今のボクがある

みんなに出会えて良かった

だから誰か1人でも欠けてはいけない

今、助けに行くよあいゆん

ボクはようやくロアに追いついた



メルが意外にも速くて追いつけない

体力には自信があるはずなのに

あたしは特に不自由もなく生きてきた

恵まれているほうだと思う

困っている人をあたしは助けてきたつもりでいた

あいゆんが悩んでいた事は知っていた

でもあたしじゃ、支えきれなかった

彼?彼女は心配させまいと思ったんだろう

それが余計に痛々しい

もっと頼ってほしかった

1人で抱え込みやがってばかあいゆん!

会ったら一回平手打ちをしたい

あたしは速度をあげるとロアたちに追いついた


俺はあいゆんと似ていると思った

俺も昔の記憶がないからだ

微かにしか覚えていない

まるで濃い霧がかかったみたいだ

俺は何処かで戦っていたはずだ

そしておそらくは死んでいた

だが、目覚めるとそれは夢のようだった

夢と現実の区別がつかないほどに

楽観的な思考で今まで乗り切ってきた

そうでなければ潰れていた

どうやら二人は追いついたみたいだな

もう少しであいゆんが連行された収容所が見える頃だろう

無事でいてくれよ



ぷみは誰よりも愛されたかった

ことごとく愛を注げば裏切りという借金がついた

ぷみはいつからか堕ちていった

どうせもらえない愛ならばいっそ搾取してやろうと

ぷみは自慢ではないが、その美貌でよってくる男はたくさんいる

みんな私にぺこぺこしてきてそれが面白くて付き合っては捨てていた

それを繰り返し空しさがぷみの心を支配した

愛と憎しみは一枚のコインの裏表である

人を愛するのが恐い

愛を裏切られるのが恐い

だからぷみは前へ進めない

そんな時にこのチームに出会った

ちやほやが当たり前だったぷみ

でも、チームの彼等はちやほやしてくれない

むしろ冷たい反応だった

それで目が覚めたのかもしれない

相手にされない事がこんなにも辛いって理解できた

これからは人に優しくできるかな

そう思えるようになり不思議だった

彼等は普通じゃない、いい意味で変人だ

もう一度だけ信じてみよう

変人ばかりだけど、ここにいると暖かい

ぷみに必要なものがここにはある

だからみんなあいゆんを連れ戻して・・・



ぷみはようやく落ち着いたようだ

思えばアタシも苦労してきたな

アタシは間違った事が大嫌いだ

例え相手が誰であろうとアタシは戦ってきた

真実とは残酷であり、アタシに味方はいなかった

それでも悔いはなかった

アタシはアークスの幹部まで上りつめたが

上層部には都合が悪かったのだろう

都合の悪い事実を隠そうとする上層部から追放された

流れ着いたのが直接現場で戦う探索部だ

上の狙いはわかる

アタシを現場に行かせて殉職しないかと思ってるに違いない

アタシは簡単には死んであげない

アークスの隠した真実をいつかぶちまけてやるんだから

それまでは死なない

そんな時ぷみに出会いみんなに出会った

やっと見つけたんだ!アタシの居場所

それを奪うものはアタシが許さない

「ほら、遅れちゃったけどみんなの後を追うよ!ぷみ」

ぷみはうなずくとアタシと共に駆け出した



みんなから通信が入った

あいゆんが連行されてしまったらしい

自分は彼女に任務を手伝ってもらった事がある

優しい事も知っている

でも今の自分にはどうする事も出来ない

このまま戻らないのではと嫌でも悪い方向へ思案してしまい、任務にも集中出来ない

自分は過去に大切な人を失った

力がなくて勇気がなくて救えなかった

目の前でダーカーに喰われていく彼女を呆然と見ていた

体が動かなかった

駆け付けたアークスによって一命を取り留め自分はただ泣いていた

滂沱と涙が流れた

この時誓ったんだ

ダーカーを駆逐してやると!

それまでは楽観的でポジティブだったが

失って以来、物事をネガティブに捉えるようになった

団長ならきっと上手くやってくれるはずだ

任務を遂行し必ず自分も駆け付ける!



ここは何処だろう

どうやら幽閉されたらしい

コンクリートで作られた狭い檻の中は落ち着かない

「手荒な真似をして申し訳ない」

白衣をきた男が鍵を開け私を外へ連れ出す

「私はどうなるんですか」

「君、身体に異変はないかね」

「昔の事を思い出そうとすると酷い頭痛が」

男は首を傾げると納得したような顔をする

「落ち着いて聞いてほしい、君は私達が研究を重ねて作られたクローンなんだ」

何を言われてるか一瞬理解できない

私がクローン…

誰かのコピー

「そんな…まさか…」

私は頭を抱える

「上層部は君の存在が目立つと色々と厄介な事が起きると考えている、それにそろそろ副作用が出るはずだ」

「副作用?」

「クローンは短命が宿命なんだ。君の身体は間もなく神経系に障害が出る」

「そしていずれ呼吸さえ困難になるだろう」

「そんな事って…」

私はその場で崩れる

その刹那記憶がフラッシュバックする

誰かが禍々しい生物に身体を貫かれそこから夥しい血液が噴出する

これは私か…いや違う…三英雄の1人優羽…思い出した

私は彼女に命を救われたんだ

(ずっと一緒にいたかった…

貴女は…わたしの分まで…生きなさい…

そしてここには二度と来てはダメ…

わたしが封印するから…ダークファルスは倒す事は出来ない…

一部の上層部しか…この事は知らない…

ダークファルスは倒せるものとみんなには信じさせないと混乱を招くから…)

(嫌だよ!私も戦う!)

(今の貴女では足手纏いよ…だからいつか強くなってこの悲劇を二度と起こさないようにして…)

(優羽がいないと私…ど…う…して)

ここで記憶が途切れる

「大丈夫かね?何回訪ねても反応がないから心配した」

「全て思い出しました、私はクローンではありません」

「では何故君が彼女と同じ反応を…」

私はアークスカードを見せる

「これは確かに三英雄のものだ、ではクローンは何処へ…とにかく来たまえ」

私達は地下の監獄からエレベーターを使い頂上に降りる

この塔は宇宙船の中でも一番頑丈に作られ20階の高さを誇る

分厚く頑丈な扉が目の前に現れる

研究員の男はノックする

「入りたまえ」

声に威厳がある

この人物がアークスの最高幹部なのだろう

「失礼します、閣下」

男が耳打ちをすると驚愕する

「あいゆ君だったね、今回の手荒な真似は許してもらいたい」

閣下は深く礼をする

「私は別にいいんです、それよりチームメンバーに私が無事である事を伝えて下さい、

今私はカードを取られていて連絡出来ないので」

「わかった、すぐにその申し出を警備に伝えろ、君は真実を知ってしまった。

この事が公になれば君らの命の保障は出来ない、未曾有の混乱が予想されるからだ」

「解っています」

「ならばいい、そこの君彼女をチームルームまで送ってあげなさい」

「かしこまりました」



チームメンバー全員に私が無事である事が伝わったらしい

ロアたちは私を助けようとしたが警備員に捕まり軽い処罰が課せられたが

上層部によりお咎めなしになった

私がクローンじゃなくて良かった

封じられた記憶は時に過酷な思い出を呼び覚ます

私がずっと虚しく思っていたのは大切な人を失ったからだ

それが辛くて記憶に鍵をかけたんだ

大切な人を失う事は光が消え闇に呑まれる事である

1人失うと世界は壊れていく

たった一人欠けてもジクゾーパズルは永遠に完成しない

むしろ完成品はないのかもしれない

あったとしてもいつかは欠けてしまうのだから

優羽を失い惰性で生きていた私に光をくれたのはみんなだ

誰かの為に生きていく

それがより光を強くするだろう

みんなのいる場所へ帰ろう


第4章-完-

続く
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PSO2外伝 -それぞれの信念- 第五章 -それぞれの想い-

私がチームルームに戻ると

はじめにぷみがハグしてこようとしたのでスルリとかわす

ぷみは勢いあまって壁にめり込む

壁には人型(ぷみ型)が残りそのまま動かなくなる

めり込む程突撃されても困る…

暫くしてから怒声

「おい!嬉しいくせに避けんな!」

相変わらず自分の事を好きだと思ってるらしい

続いてキーの不意打ちビンタ

意表をつかれ避けれなかった

バチーンと景気のいい音がなる

「痛い!」

「痛いのはあたしの心だよ!1人で抱え込みやがって^p^」

「お前ら落ち着けよ、戻って来たんだからそれでいいじゃないか」

「ボクもロアの言うとおりだと思う」

「んじゃ、パッーと宴会しよう!アタシが腕によりをかけてご馳走するよ」

「自分も手伝うよ」

こうしていつもの賑かなチームの雰囲気が戻った



――数日後

全アークスは惑星リリーパに駆り出された

この惑星は機械とリリーパ族と呼ばれる兎人が共存している

残念ながら言葉は通じないが敵意はない

砂漠が大半を占め地下には坑道が存在し

貴重な鉱山もあり鉱石など珍しい物もある

ダーカーに浸食され機械はエラーを起こしアークスを襲う

一体誰が機械を作ったんだろうか

リリーパ族が護衛で作ったというなら何故街がないのか

リリーパ族の住みかはお世辞にも機械を作れる技術がないと思われる

何故ならただ掘って作ったというものしかない

見たところ電気もないし原始的な生活だ

そんな彼等はどうやって機械を…

思惟したところで謎は深まるばかりである

それにしても湿度ないからマシだけど暑い事には変わりない

「――聞いてるの?」

「ごめん、何だっけ」

「もう一回だけだよ、今回はリリーパ族の観察及び保護しろって任務だって」

メルが説明していたのを考え事をしていて聞き逃したようだ

「何か今回の任務は楽そうだね」

とシア

「そういえば、メル達と任務遂行ってあんまないよね」

「うん、ボクがチームを円滑にする為にみんなと信頼がより強くなるように

今回はわけて見たけど、ロアとあいゆんが変わっただけだよね。

あいゆんチームキーぷみメリー、ロアチームボクシアだったからね、

なんというか二つに別れてる気がしてね」

確かにそうだったかもしれない

いつもあのメンバーとは任務の時は一緒だった

まるで運命共同体みたいな

こうして別れるのもいいのかも知れない

いつも同じメンツだと他のメンツが入りづらい空気が

少なからず感じずにはいられない

だからこそ円滑にする為にその都度

あまり組合うことのないメンツ共信頼を深めるべきだと思う

それがチーム全体を活性化するにも必要である

「メルって意外と思惟してるんだね」

「うっさい!」


その頃ロア達一行は…

全然進んでいなかった

「この鉱石綺麗!ぷみに似合う?」

蒼白く光るそれはまるで透き通った海の色だ

しかしそれがぷみに似合うかと言われると俺は頭を抱えたくなる

「ウン、ニアウヨ」

「おい!棒読みすんな!」

「ぷみかわいいじゃん、似合ってるよ」

「そう言ってくれるのは、メリーだけだよ」

キーも必死に鉱石を探してるようだ

どうしてこうなった…数分前

ぷみが先行しみんなは追いかけたが

地盤が脆かったのかせいか

俺たちは地下に落ちていった

気がつくと坑道っぽいところに辿りついた

周りには珍しい鉱物があり女性たちは

その綺麗な石と輝きに魅了されたのである

というか勝手に採っていいのか…

そして今に至る

「ほらほら団長!ぼさっとしないで持ってよ」

何処から出したのか頑丈な袋に鉱石を詰めて俺にぐいっと渡す

いや詰め込みすぎやろ…

「こんなに!?てか任務は?」

「こまけえこたぁいいんだよ!」

キーも袋を俺に渡す

おいおい…

いつもこんな感じで任務してるのか

助けてくれあいゆん…



「いっくし!」

「あいゆん…古いよネタ」

「そうか?誰かが私が可愛いって噂をしたらしい」

「ないわー」

シアとメルは揃ってツッコむ

ここのメンバーは真面目だな

いつもならまだ何処かで遊んでるんだが

この分なら早く終わりそうだ

「ねえ見て!あれリリーパ族じゃない?可愛い(*´ω`*)」

「ホントうさぎみたいだね」

うーん思ったほど可愛くない

リリーパ族はこちらに近寄って来るが

何か困ってるらしいジェスチャーをしている

「リーリー(汗)」

「標準語でおk」

「ちょw通じるわけないでしょ!」

「あいゆんがアホな娘に…」

相変わらず言いたい放題だな

リリーパ族は必死にジェスチャーで私達に伝えようとする

その懸命さに萌えた

「ついてこいって事かな」

「とりあえず、おって見ヨーグルト」

また変なメル語を…

「お腹空いたね…」



暫くして岩影に機械に囲まれたリリーパ族が怯えている

「よーし、これが終れば任務達成だ」

「敵をたくさんブッコロストロベリー」

「さっさと遂行しましょう」

「ちょっとメル耳かして」

私はメルに耳打ちする

「任せて!雷鳴よ、愚かなる者へ最後の時を!ゾンディール!」

強力な電磁波で敵が一ヵ所に集う

「罪深き者よ、裁きを受けよゾンデ」

巨大な雷が敵を一網打尽にすると機械たちは破壊された

リリーパ族がこちらに近寄り

愛くるしい顔でありがとうをジェスチャーしてくる

「ハピラキ」

「ハピラキ…?」

「みなさんもご一緒に!」

「ハピラキ!」

私とシアは意味も解らないまま反強制的にいわされた

後で聞いた話だが、ハピラキとは、ハッピーラッキーの略らしい



一向にリリーパ族は見つからない

というか見つける気はないらしい

荷物が重いです

坑道を抜けると研究所らしきものが現れた

一見したところでは

だいぶまえに廃墟と化したような感じだ

所々瀟洒な建物には亀裂が入り今にも崩れそうである

そこへ通信が入る

「こっちは任務終ったけどそっちはどう?」

オレはあいゆんに手短に状況を話す

「なるほど…うちらのチームのノルマは終ったから戻って来なよ、

先に宇宙船で待ってるよ」

「おう、もう少ししたら戻るよ」

通信を終え、俺はみんなに知らせた

「そっか、でもアタシはもうちょい調べたいから

みんなはテレパイプで先に帰ってていいよ」

「わかった、すぐこいよな」

「ぷみ疲れたから戻るね」

「あたしも戻る」

メリーを残し各々は宇宙船へ待機する



この研究所は何百年前に作れたものだろう

傷の痛み具合といい

破かれた研究レポートに日付けがかかれている

気になってレポートを探し回ったが結局一枚しか見つからなかった

どうやら人体実験と機械生産が行われていたようだ

一体何の!?さっぱり解らない

アークスはまだ何か隠しているのか

床に写真らしきものが数枚散らばっている

馬鹿な…こんな事があっていいのか…

アタシは今立てた推論を反芻する

そんな…リリーパ族がアタシ達人間と同じって事?

それを作る為に人体実験が行われてた!?

一体何のために遺伝子操作を・・・

こんな事が世間に露呈されれば

とんでもない混乱と非難は避けれないだろう

みんなに知らせなくては

アークスにみんな騙されてる!

アタシは研究所を後にし宇宙船に戻ろうとしたがそこで意識は途切れた


何時間経ってもメリーは戻らない

みんなも不安になっている

研究所を調べると言って消えた

ここで一つの疑問がある

アークスは研究所が存在するとは公言していない

現に早くそこを離れるようにと通信があった

その研究所はリリーパに生息するウィルスを研究する為の施設だと

言っているがどうも怪しい

そして極めつけはメリーの行方不明

アークスカードを追跡してもエラーが出る

メリーは無事なのか…

室内の空気が重くるしい中

アークス上層部から通信が入る

「君達は先にシップに戻りたまえ、

君達の仲間は我々が責任を持って見つけるから安心したまえ」

私たちは仕方なくそれに従うことになった



チームルームで私たちは悶々と過ごした

「このままじゃ埒があかねぇ。やはり俺たちで捜そう」

「どうやって?惑星に降りるには許可証が必要なんだよ」

珍しくメルが正論を

「あいゆん、今ボクに失礼な事思ったでしょ^^」

顔は笑顔だが心はきっと怒っているんだろう

「やらねばならぬときがある」

「どーしたキー…落ち着け」

「だってぷみがすごい元気ないんだもん」

ぷみを見ると悲壮感が漂う

「ぷみ決めた!捜して来る!」

「闇雲に捜したって見つかりっこない、今は上層部に」

いい終える前にぷみから平手打ち

「あいゆんはどうして・・・平然としていられるの!?冷たいよ・・・」

ぷみは涙声で言う

私だって心配で仕方が無い

でもみんなが同じようにしていたら余計に不安になる

だから平然な振りをしているだけだが今言っても理解してもらえないだろう

「平気な訳がないよ、辛いけど待つしか今は出来ないんだ、許可証がいるし」

ぷみは嗚咽しメルときーに介抱され寝室にむかう



しばらくして上層部から通信が入りメリーは無事に保護された

その数時間後にメリーは戻ってきた

「みんな、ごめんね。心配させて」

すかさずぷみはメリーにハグする

「メリーの馬鹿!心配したんだから!」

メリーは何も言わずぷみの頭を撫でた

「俺たちお邪魔だな!みんな外に出ようぜ」

「二人は恋人みたい^q^」

「ですね、いや母と娘では」

「レーズン・・・ボクは見なかったことにするよ」

私は優しい眼差しで二人を見つめ外へ出た



アタシは何故上層部に保護されていたんだろう

思い出そうとすると頭が痛い

記憶が抜けてるのかも知れない

この事はみんなに黙っていよう

みんなは変人だけどアフォがつくほどお人好しだから

心配させてしまうに違いない

気づかれないようにしよう

ぷみって意外と甘えん坊なんだな

それがすごく可愛い

ぷみを二度と悲しませないようにしようとアタシは誓う

第5章-完-

続く
posted by managarmr at 20:24 | Comment(0) | TrackBack(0) | PSO小説

PSO2外伝 -それぞれの信念- 第六章 -それぞれの武器-

メリーが戻ってから数日後

彼女は念の為にメディカルセンターで精密検査を受ける事になる

一週間入院を余儀なくされた

ぷみは毎日熱心に彼女のお見舞いに向かう

任務で疲れてるだろうに感心である

こうしてると他のメンバーが冷たく思われガチだが

みんなが、時間を見つけては面会にいっている

時間がばらばらではあるが。

宇宙船の中は天気がないのでちょっともの寂しい

惑星に降りる任務もそんなに多くない

殆どは調査報告書等の雑務に追われる

私の担当の報告書が一段落着いたので、彼女の病室へ向かう

時刻は20:33

百回建ての凹状の瀟洒な作りで

宇宙船に一つしかない機関なので広い

おそらく収用人数は、百万を有にこえるんじゃないだろうか

何処まで歩けば行き止まりなのか、見えないほど続く廊下を進む

メリーと書かれている表札を確認するとノックする

コンコン

「どうぞ」

ガチャ

「なんだ、あいゆんか…」

「なんだとは、ずいぶんなご挨拶で…」

思ったより元気そうだ

「全くみんな連日疲れてるのになんか悪いね…」

「それだけ心配してるってことだよ」

私は花瓶にディモルフォセカを差す

メリーは窓から宇宙を眺める

私も一緒に眺める

「メリー、研究所で何か解ったの?」

研究所アタシは一体何を…だめだ思い出せない

「あはっ、大した事なかったよ、何にもなかったよ」

一瞬表情が辛辣に見えたのは気のせいだろうか

メリーは何かを見つけたのではないだろうか

それで、アークスの都合の悪い真実を暴いてしまった

もしかしたら記憶が…あくまで推論だが筋は通っている

以前ダークファルスが倒せない事を漏らしたら

命の保証はナイと上層部に言われたからだ

「そっか、ならいいんだけど早く退院出来るといいね」

「ありがと」

「それじゃ、私は戻るよ。お大事に」

私は病室を後にした



あいゆんのやつ…アタシの事気づいたな

あのこはすぐに顔にでるから解りやすい

多分あれじゃ嘘ついたらすぐにばれるだろうなと思う

普段は冷静を装って必死で平気なふりをしてると何だか疲れそう

あいゆんが持ってきたこの花はキク科の1年草

花の色はオレンジ、黄、青、紫、白がある

彼女が持ってきたのは黄色だ

花言葉は元気、すこやかな人、豊富、無邪気、ほのかな喜び

おそらく元気という意味で持ってきたのか

もっと解釈すれば元気になれかな

全く相変わらずくさいことするんだから

さてそろそろ寝よう

アタシは目を瞑ると夢の世界へ羽ばたいた



翌日の事である

アークスから調査依頼の通達がきた

惑星アムドゥスキアに住む龍族の調査らしい

今回は二組に別れる事になった

ロア私、シアぷみ、キーメル

今までにないペアだが戦力的に大丈夫なんだろうかという不安が残る

「いいか?危険だったら俺達にすぐに連絡しろよ!」

「ぷみか弱いからすぐに呼ぶね」

「いやぷみさんは、何だかんだいって鬼ですよ、敵が逃げ出すくらいにね」

「おい!シア待たんかい!」

ぷみは拳を上げると、シアにど突く

心配なのは残りの2名

「はっはっは。ボクが入れば大丈夫だよ」

「メルに期待してるよ^q^」

各々はこうして任務へと向かうのであった


火山付近に着くと嫌でも帰りたくなる

暑いのレベルを通り越している

おまけに快晴で蒸発しそうである

風が吹いているが例えるなら扇風機ならぬ温風機…

「どうした、あいゆん。バテたか」

「そりゃバテるさ…この異常な温度は無理!」

「大丈夫だ、問題ない」

いや、大ありなんだが?

そもそも何故火口付近なんだよ

龍族はどうしてこんな所に住むんだ!

早く引っ越すんだ!いつするの?今でしょ!

意識が遠のきながらも、私達は頂上を目指す



「シア、遅いよ早く」

「ぷみさんはいいですよ、暑さを感じないスイッチオフにしてるんだから。自分にはしんどいっす」

「男の癖に情けないなぁ」

そういう問題じゃない

それにしてもぷみは前につっこむから

フォローが大変である

火力はあるんだが打たれ弱い

正確には避けない

何とも漢らしい戦い方である

おそらく自分が援護しなければ、とうにポンコツになっているだろう

この暑さはどうにかならないものか…

周りには溶岩とマグマがあり落ちたら一巻の終わりである

それはキャストも同じである

ぷみはどんどん進み見えなくなる

あの人を放っておくと危険だ

身体が悲鳴をあげてるが、お構いなしに歩く

早く任務終わらないかな…


「夏だね、海だね、血だね…」

いやいや…

夏の温度超えてますから!

といっても宇宙船には四季が無い

海というよりマグマです

その血はあたしの鼻血だ…

暑すぎてのぼせたらしい

「ごめんね、メル」

「よく分かりませんが、おいておきますね」

差し出されたティッシュを、鼻につめて横になれない

こんな暑いところにいたら、逆効果だろう

うわぁん、あいゆんアイス100個程持って来てー

いかん現実逃避をしてしまった

「うおおおお!早く任務終わらせて帰ろう!」

「どうしたの、キーw置いて行かないで〜」

あたしは全力疾走した

その数分後、倒れたのは言うまでもない



「くしょん!」

「風邪でも引いたか?」

「いや…誰かが私に理不尽な事を願ったようだ」

「どこのエスパーだ。そんな事より龍族がこっちくるぜ」

龍族の姿は硬い鱗に覆われているが、二足歩行で何やら杖を持っている

「アークスカ、ココヘナニヲシニキタ」

「俺達は上層部に言われて生態調査に来たんだ、ダーカーの影響はどうなのかね」

「ナルホド、ダーカーノエイキョウハジンダイダ、ワガアルジガシンショクサレコマッテイル」

浸食されたらもう万事休すなのではと思ったが記事を調べる

コアというものを上手く除去出来れば治るという報告があった

だが、それは難しい

狂気となったものは暴れる為にそこだけ破壊するのは至難の技である

「とりあえず困ってるようだしいこう」

「それもそうだな」

「コッチダツイテコイ」

私達は龍族の後に続いた



「見てシア!龍族がおるよ!」

ぷみが近付いていく

いや様子がおかしい

龍族の目がおかしい

頭に何か丸い腫瘍みたいなのがある

一匹だけではなくどうやら囲まれたらしい

「ぷみさん、離れて」

「コロスコロスミナゴロシ」

この状況はかなりまずい

誰か近くにいればいいんだが、通信機を使う

「こちら、シア!A-6にて侵食された龍族に囲まれてます!」

「こちらメル!ボク達と座標が近いね、急ごうキー!」

通信が切れる

後は彼女達が来るまで持ちこたえよう



シア達がピンチらしい

ついにあたしたちが、人を救援する役目がやってきた

思えばいつも誰かに助けられていた

それでは駄目だと強くなろうと隠れて努力もした

今こそあたしの愛銃「ヤスミノコフ」の真価を試すときである

ようやく辿り着くとシアは満身創痍で戦えなさそうだ

ぷみを庇いながら戦って無茶をしたんだろう

「メル、シアの回復をお願い」

メルはうなずくとレスタをかける

ぷみは前でバータを使い敵をなぎ払う

「あたしの弾丸に逃げ場は無いよ!「エルダーリベリオン」」

あたしの銃は2丁だ

交互に弾丸を発し身体を激しく乱舞させる

敵は上空に吹き飛び動かなくなる

ぷみはテクニックを連発後に、ラムダヘキサグラブと名称の短杖で殴る

紫を基調とした色合いである

みんな武器にそれぞれ愛着があるんだろうか

メルが使ってるのは短杖のマジカルウォンドだ

ハートのデザインが女性に人気である

シアのライフルはホーリーレイである

白を基調としたもので弾が光の刃のようでカッコいい

「2人共有難う、助かったよ」

「いやーいつも助けられてばっかだから気にしないでよ」

「そうそう、はっはっは」

「ねぇぷみも頑張ったよ!ほめてほめて」

「自分が援護…しなきゃ…ポンコツでしたよ。あ、元からか」

「おい!」

ぷみ以外は爆笑した



龍族に案内された場所に辿りつくと大型のドラゴンが同族を襲っている

周りには龍族の死骸が散乱していた

これは陰惨である

「アークスタノム、ワガアルジヲタスケテクレ」

私とロアは頷くとそれぞれの愛用武器を構える

ロアのは両剣のデモリションコメットである

刃が花びらを連想させる

私のはエリュシオン

剣にも杖にもなる代物だ

刃の先には古代文字が書かれておりそれが魔力を増幅させる

「背中は任せた」

「前を頼んだ」

互いに背中合わせになり近くに沸いたダガンを殲滅していく

背中が頼もしいのは心強い

全力で戦える

あらかたダーカーを殲滅させると

いよいよドラゴンの頭に上つけられたコアを割る時が来た

「私が囮になるからその間に飛び道具で割ってくれ」

「任せておけ」

ロアはルージュコフィンと呼ばれる銃剣で狙いを定める

「私が相手よ!愚者には白銀の刃を!サバータ」

氷柱がドラゴンに突き刺さる

「オノレェ!」

どうやら引きつけに成功したようだ

図体が大きい割に突進してくる速度は速い

私の体力が持つかどうか…

ロアは必死にコアを狙っているが一向に壊れる気配はない

そろそろ5分くらい走り続けている

もう駄目だ…後ろは崖で逃げ場はない

ここまでか…

私この戦いが終わったら結婚するんだ…

死亡フラグがたった!

ところが、光の刃がコアを破壊しドラゴンは正常に戻る

「何とか間に合いましたね」

コアを破壊したのはシアだった

危機一髪だった、その場で膝をつく

「あちい!」

「あいゆん…何1人でコントしてるの?」

メルは冷めた目で言い放つ

「してないから!ホッとしたら力が抜けたんだよ」

低く威厳のある声が響く

「アークス、レイヲイウゾ、アルジアークスガアナタヲタスケテクレマシタ」

「ワタシハナンテコトヲ…アークスセワニナッタナ」

「フユウタイリクニモドウゾクガコマってオル、スマナイガテヲカシテクレナイカ」

一同はみんなの顔を見ると頷いた



一度宇宙船に戻り休憩に入る

「火山はもう勘弁…」

宇宙船のリビングルームで私は呟く

「理不尽な暑さだからな、みんな水着でいこうぜ」

「なんでやねん!」

女性陣の激しいツッコミが入る

「ところでみんなアイス食べたくないか?」

私の提案にみんな賛成する

「今から大貧民やって最下位の人がアイスをアークスシップで買いにいくのはどうよ?」

これにもみんな賛成の模様

ルールは至って簡単

始めに5ポイントとったものが勝ちそこで勝負は終了

大富豪が3点

富豪が2点

平民が1

貧民-1

大貧民-2

という配点である

ルールはイレブンバック

8切り

ジョーカーキラー(スペードの3)

666(革命後全ての特殊カード効果の無力化)

ちょっと特殊だけどこれでやる事にした

シアがカードをみんなに配る

私の手札は…悪くはない、むしろ良すぎた

ジョーカー2枚にエース8等有利なものが多い

スペードの3もちから開始

どうやらメルからだ

そこから時計回りで始める

テーブルは円形に囲んでいる

北にロア

北西にプミ

北東にメル

南に私

南東にシア

南西にキー

つまりメル→シア→私→キー→プミ→ロアという順番である

順調に手札が減っていく

シアが3を出す

私は8切りする

更にジョーカー二枚をだし革命する

「ちょw」

「おい!コラ!」

「びゃーー」

「鬼だ…」

「キタか(ガタ」

嬉しい声と怒声が飛び交う

そして7を出して上がり

ふっふっふ

私の圧勝である

この流れに乗るしかない



どうしてこうなった…

私は何故かアークスシップで大量のアイスを袋につめ両手にぶら下げている

そう…はじめは良かった

2回戦で都落ち

三日天下ならず一戦天下でした

そこから落ち続け這い上がるも先に5ポイント貯めたキーで終戦

因みに最終ポイントは

キー5

メル3

シア1

ロア1

ぷみ-1

私-2という結果だった

ちくしょー

最後富豪になったのに…

ぷみに1負けるとは悔しい

嘆いた所で何も変わらない

こういう時はアイスを食べて忘れよう

はい、そうしましょう

こんなノリで明日の浮遊大陸身体は持つのだろうか

そう考えつつ

みんなのいる宇宙船へ戻るのであった

第6章-完-

続く
posted by managarmr at 20:33 | Comment(0) | TrackBack(0) | PSO小説

PSO2外伝 -それぞれの信念- 第七章 -それぞれの別れ-

宇宙船の中から朝日を眺める

昨晩のうちに浮遊大陸に着陸していた

折角なので外へ出る

強風がふきつける

それが気持ちいい

辺りは段々と明るくなりつつある

この島はどうやって浮いているんだろう

下を見ると絶景だ

見ろ!人(いないけど)がゴミのようだ

というかこんなに風が強いと飛ばされてしまう

今日はラッピースーツにしよう!

私は出発準備を為に自室に籠った


「なんでラッピーが二匹もいるんだ…」

とロア

「いや、だって素顔見せるのが恥ずかしくて」

「今さらかよ!」

メルとぷみが同時につっこむ

「キーって名前の通りホントに黄色が好きだよね」

「バナナ娘だからね」

「違うわ!」

このチームはツッコミが多い気がする

「あいゆん…何してるの?」

疑惑の目でメルが言う

「生まれる…」

「は?」

一同は一斉にハモる

私は買い込んだミスティリーエッグを床にばらまく

一同は、唖然としている

「目玉焼きにしようか?」

「喰えるかー!」

全員一斉にツッコム


今日の任務は昨日と同じだ

全員で行動をすることになった

そうここは龍族にとって神聖な入り口なのだ

当然の事ながらここに生息出来るのは優秀な眷属だけである

よって人型は少ない

ダーカーに浸食されているのなら厄介な事この上ない

戦力を分散したらただでは済まないだろう

神殿が遠くに見える

いわゆる龍祭壇である

出来ればあそこには行きたくない

何事もなければいいが



道なりにしばらく進むと手負いの龍族がこちらに向かってくる

「…アークスか、連絡は受けている。

大変な事にエクス様がダーカーに浸食されてしまった…頼む正気を取り戻してくれ」

私達の言葉を流暢に話す龍族に、こんなに語学を話せる者がいるとは驚愕した

もちろん、そのつもりで来たので頷く

祭壇までには、まだしばらくかかりそうだ

近付くに連れ不穏な空気が支配していく

まるで希望が絶望にかわるみたいに

周辺を見渡すと、まるで戦争があったみたいに負傷者や死骸が多数映る

とても陰惨である

血なまぐさい匂が辛い

そして、この光景を見た事があるような気がする

デジャブというものだ

「アークス、ここを真っ直ぐ進めば祭壇だ、

我は負傷者の手当てをしなければならない。祭壇にいる者が状況を説明してくれるだろう、健闘を祈る」

龍族は、足早に去る

目前に中央に門があり、両側に松明が灯っている

見張りが龍語で何かを話し、開門した

ギィィィ

と音がなりゆっくり開く

そこで見た光景は、地獄絵図だった


酷い…

最深部には狂気に満ちたエクスドラゴンの姿があった

クォーツドラゴンが何とか持ち堪えてるようだが劣勢である

それにしても…

エクスドラゴンは黄金で大きい

ボクが100人くらい収まりそう

ボクはこのドラゴンを見た事がある

初めて見るのにどうしてだろう

何だかとても懐かしいさてとっととコアを破壊しよう



く…戦力的に差がありすぎる

このままではみんな殺られる

「みんな!無理をするな!ここは一旦態勢を整えよう」

俺の号令でみんな退避していくが1人逃げ遅れた者がいた



う…

さっき受けた傷が痛む

みんなは退避していく

エクスドラゴンは、あたしを標的に選んだようだ

この突進を避ける体力はもうない

あたしは死を覚悟した、だが遠くから足音が聞こえた

刹那、あたしの身体を何か温かく柔らかいクッションか何かのお陰で

一命を取り留めた事を後に知る事になる



鋭い痛みが全身を駆け巡る

意識が朦朧としてきた

あの娘は無事だろうか…

身体から鮮血が溢れる

もう助からない事が、自分でも解る

誰かを守れるくらい私は強くなれたかな

…ゆ……う……

もう何も聞こえない

もう何も見えない

だけど、守れたなら悔いはない…

私の意識は、闇に呑まれた



クォーツドラゴンが囮になり

エクスドラゴンをひきつけてくれたが

みんなは戦意喪失になりつつある

無理もない…

仲間が殉職したのだから

でも、このままでは遅かれ早かれ敗退するだろう

「みんな聞いてくれ、ここで勝たなければあいゆんの命を無駄にすることになるんだぞ、

シア援護を頼む、ぷみとメルはコアをテクで破壊してくれ、俺が囮になる、クォーツドラゴンはもう持たないだろう」

みんなは再び戦意を取り戻したが本来の力を出せないだろう

それでもやるしかない絶対に負けるわけにはいかない



あたしが目を覚ますと、エクスドラゴンは正気を取り戻したようだ

みんなは、かなり疲労しているようで話しかけづらい

あいゆんだけが見当たらなかった

近くにいたメルに声をかける

「メル、あいゆんはどこ?」

メルは、辛そうな表情をし語らない

今にも雨が降り出しそうな悲しい顔だった

「自分が説明します、メルは向こうで休んでて」

シアの言葉が理解出来ない

何を言ってるのか

正確には解りたくなかった

認めたくなかった

「キーを庇って殉職しました…」

「ウ…ソだよね…そんなエイプリルフール聞きたくない!」

「事実です」

「聞きたくない!」

あたしは駆け出した

呼び止める声を無視して走り続けた

どうしてあたしなんかを…

涙が止まらない

荒波のように押し寄せる悲しみが、あたしの感情を支配する

ダムがあったら決壊しているだろう

残される人の気持ちも考えてよ!

1人の人間がいなくなるだけで一つの世界は壊れていく

強風が涙をさらっていく

あたしは祭壇を出ていたのか

宵闇が悲しみを加速させる

いつか光は差すんだろうか

あいゆん…今までありがとう…

あたし達は忘れないから



翌日に上層部へ報告にいった

「そうか、あいゆ君がね…君達も辛いだろうがこれがアークスの宿命でもある。彼女に冥福を祈ろう、今回の任務遂行見事であった」



数日後

ボク達のチームは、世間に知られるようになった

ただ1人の犠牲を代価にして…

今日は大事な話があるとロアが言っていた

深刻そうな顔はいい知らせではないと直感的に思った

「みんな聞いてくれ、このままではいずれ命を落とす事になる、

それでは命をかけた彼女を冒涜することにならないか…そこで苦渋の決断だったが…

みんな落ち着いて聞いて欲しい、あいゆんの記憶を消そうと思う」

「嫌だ!そんなの悲しすぎるよ…」

「落ち着きなよ、きーちゃん。団長もみんなの事を考えての事だよ、

辛い決断だったと思う、今まではみんな無事にこなせるものもこなせなくなる、

つまり死亡確率が高くなる」

「ぷみね…色々考えたけどロアの意見に賛成します」

この時点で賛成3

中立3である

「自分は嫌だけど他に方法がないから賛成するよ」

「ボクもそれしかないと思う」

そう他に方法はない

死んだ者を生き返す事は出来ないのだから

キーは自室に篭ってしまった



あたしはこんなに泣き虫だったのか…

あいゆんの馬鹿!

一通のメールが届く

差出人あいゆ

!?

これが届く頃にはもしかしたらもういないかもしれない

私はいつも誰かに守られていた

私は弱かったから

それが嫌で強くなろうと頑張ってきたつもり

それでも無力だと思う事は多々あった

自分には何もない

そう思って生きてきた

それをキーやメルやロア達に出会って変わったんだ

こんな楽しい事は無かったから

それに、キーとメルはみんなに元気をくれる

だからこそ何かあったら守ろうと思えた

私の事で辛い想いをしてるなら

忘れてください

私のこと全部

辛い想いをしてる方が私は辛いから

大丈夫だよ

いつもの笑顔でみんなを照らしてくれ



本当に勝手なんだから

あたしはメールをずっと読みかえしていた

そうして決心がやっとついた

どうやらメールはみんなに送信したいたようだ

各々はそれぞれの別れを静かに忘れようと決心した

「これがその忘れ薬だ、忘れたい人の事を強く思い出すんだぞ」

ロアが言い終えると、みんなは瞳を閉じた



上層部指令室・・・AM2時

「大変です!」

「なんだね、こんな時間に騒々しい」

「ダークファルスの封印がたった今解かれました!」

「何だと!?馬鹿な…封印を解くはずの三神器は消滅したはずだ」

「それが各地の惑星で見つかったようで…ですが選ばれた者しか使えないはずです」

「一体どういうことかね!?」

上層部は混乱した

その間にも刻一刻と絶望の影は広がり出した

第7章-完-

最終章に続く
posted by managarmr at 21:39 | Comment(0) | TrackBack(0) | PSO小説

PSO2外伝 -それぞれの信念- 最終章 それぞれの始まり終わり-

…目覚めなさい…

宇宙に…再び…災厄が訪れようとしています…

貴女の力は…その為に…

ボクは夢を見ていた

一体この夢は何だろう

激しい頭痛が襲うと同時に

鮮明な記憶が蘇る

目前にいるのはダークファルスエルダー

それに立ち向かう3人の勇姿

ロアとボクと知らない少女

手に持ってる武器はロアがラウ"ィスカノン

ボクがサイコウォンド

知らない少女はヘブンパニッシャー

何故か武器の名前が解る

この記憶は3英雄のものだ

ボク達は遥か昔から出会っていたんだ

そして悠久の時を巡り再び出会うべくして出会った

この世に偶然なんてものはない

全ては必然である

そしてその少女の顔が鮮明になり

ボクはその名前を叫んでいた



同じ刻に一人の青年も覚醒を果たした

俺はあの時生きていたのか…

悠久の時を経て輪廻を繰り返し

再びこの為に世に戻った

メル、そして名も無き少女

俺達の使命がまた始まるんだな

この因果は繰り返される

俺は飛び起きるとその少女がいるであろう祭壇へ向かった



「目覚めたか、アークスよ」

「私は死んだはずでは・・・」

「エクス様の鱗でソナタは蘇ったのだ、完全に元の姿とは言えないが」

何故だろう・・・不思議と力が湧いてくる

エクスドラゴンは祭壇の上で寝ているようだ

「ありがとう、あなた達のお陰で私は使命を果たせる」

「エルダーとまた戦いに行くのか?昔のように」

「ええ、相方(武器)が呼んでるから」

「ソナタは遠い昔に我らを救ってくれた、生まれ変わっても魂は変わらない」

「それで初めてここに来た気がしない訳だったのね」

「その通りだ、我らを・・・いや、全宇宙から脅威を退けてほしい。健闘を祈る」

私は頷くと祭壇を後にした



私の手元で何かが光り輝き具現化する

(久しぶりね、我が主)

「お帰り、ヘブンパニッシャー」

(残りの二人もこちらに向かっているわ)

「そんな事より何故封印が解けたの?」

(何者かが我らを精巧に似せて作りその命を代償にして解いたみたい)

「そこまでして何故・・・」

(解らない、ただひとつ言える事はもう時間がないという事)

(エルダーが完全に復活すればこちらに勝ち目はない)

私はひたすら駆けた

しばらくすると、見慣れた宇宙船がこちらに着陸する

「あいゆん!」

メルが体当たりという名のはぐをしてくる

「イテテ」

その勢いに負けて地面に倒れる

仰向けに倒れる形になり、綺麗な夜空が見える

今は夜だったのかと気づく

「二人とも無事だったんだな、キーはどうなった?」

「大丈夫だ、問題ない。だが、あいゆんのせいで、かなり自分を責めていたぞ」

肉体は救えても、心は救えなかった

結果的に私は、彼女を苦しめてしまった

この戦いが終わったら、その事を謝罪しよう

「安心しろ、みんなにはあいゆんの記憶を消しておいたから、俺とメルは覚醒したお陰で薬の効果は切れたみたいだ」

「それにしてもあいゆん、カラコンでもしたの?」

「え?」

「メル・・・それは小説の中の話のファッションだろ、オッドアイじゃないか」

(それにはワシが答えよう)

「カノン。知ってるのか」

(遺伝子の突然変異でなる新種族デューマンじゃ)

(近年報告が多々あるらしいのじゃが、まだ未だに解明されておらぬ)

(特徴はオッドアイで攻撃特化であるが、防御面は脆いのじゃ)

私がデューマン・・・きっと鱗のせいだろうと直感的に思った

(あなた達、ゆっくりしてる暇はないのよ、すぐにナベリウスの遺跡へ)

(相変わらずサイコはせっかちじゃのう)

急かされながら、奇妙な6人?はナベリウスヘ出航した



「緊急指令発生!ダークファルスが遺跡に出現反応あり

アークスは速やかに救援へ向かってください

一般市民は速やかに避難してください、繰り返しますーーー」

混乱する大勢の人々

不安と恐怖が支配する

上層部が対応するも困難を極めていた

「このままではみんなを沈静化できない」

「総司令!」

「こんな時に何だね」

「たったいま三英雄が遺跡に向かったようです」

「馬鹿な!全員殉職したはずでは!」

「これを見てください、三神器の反応が3つあります」

「故障ではないのか・・・確かに、間違いなさそうだ、アナウンスしたまえ、人々の最後の希望三英雄が帰ってきたと!」

「は!かしこまりました」

頼む・・・三英雄よこの絶望の闇をなぎ払ってくれ



アークス情報局から通信が入る

現在遺跡にて三英雄が率先して封印を施そううとしていた

だが、ダーカーが多すぎて苦戦してる模様

そこに三英雄の顔が映る

嘘でしょ・・・メル、ロア・・・それにこの人は誰だろう

「きーちゃん、アタシ達も向かうよ」

メリーは愛用の大剣「イクタチ」を背負う

「ぷみ達・・・ここに戻れるかな」

「ぷみは、アタシが守るからね」

「メリー!ぷみ頑張るね!」

「キ−、自分たちも団長たちのとこに応戦に行きましょう」

あたしはもう1人の三英雄の事が頭から離れなかった

このモヤモヤが何か確かめようこの目で!



敵の数が多すぎる

(泣き言を思っても仕方ないよ)

そんな事は解っている

もしも勝ち目が無いときは、あの技を・・・

(いつもながら思うよ、主が使い手であって良かったとね)

他のアークスたちも疲労している

メルとロアが大量に敵を殲滅しても、倒すより沸いてくる敵の数が圧倒である

「メル、ロア!一か八か封印しよう、このままでは復活してしまう」



「そうだな、解った!」

(あやつ、あの技を使うつもりじゃ!もうそれしか手はないんじゃがな)

どういうことだ?

(また自分の命を犠牲にするつもりなんじゃ)

他に手はないのか!

(儀式の間お主が彼女の無防備な状態から守るぐらいしかできぬのう)

俺の命を分ける事は出来ないのか

(そんな事が出来れば三英雄は死なないじゃろうて)

(ダークファルス戦で三英雄が生還するのは限りなく0なんじゃ)

(それほどダークファルスは巨大なんじゃよ)

俺は今出来る事をしようとした



(あのこ、儀式に入ったわ。わらわたちも力を貸しましょう)

ねえ、あいゆんまた死んじゃうの?

(大丈夫よ、三神器を使ったものはみんな遅かれ死ぬから)

(彼女は先に逝くだけの違いよ)

ボクたちも死んじゃうのか

ならもっと楽しんでおけば良かった

結婚も出来ずに死ぬなんてさ

(1人では逝かせないわ、わらわがずっとそばにいてあげるわ)

あーあ、そんな事は好きな人に言われて見たかった

(贅沢言わないで頂戴)

ボクは苦笑しながらも敵をなぎ払う

「希望を絶望に変えるのは許さない!未来を切り開け!ナ・グランツ」

周囲にまばゆい光が弾け飛んだ



そろそろいい頃合いね

せっかく生き返ったのに、また死ぬなんてお笑いね

(そんな事言わないでよ、某はいつまでも主のそばにいるよ)

せめて好きな人間に言われたいよ

もうこれが最後の封印でありますように!

ダークファルスの思念が私の意識に流れてくる

絶望、怒り、憎しみ、悲しみ

ドス黒い感情が支配していく

思念が強すぎる

結局失敗に終わってしまうのね

だが、突然温かい思念が流れ込んでくる

これはロアの記憶

新設したチームの楽しかった日々が伝わってくる

これはメルの記憶

ロアと同様に楽しかった記憶が流れ込んでくる

これならまだいけそうな気がする

私は、負の思念を少し押し返した

それでもまだ押し返される

もう少しなのに・・・負けたくない

だが、そこへ一気に温かい思念が流れ込んでくる

メリー、ぷみ、シア・・・そしてキーの記憶

(馬鹿な・・・我が押し返されるだと!?)

人はね、信じる事で強くなれるし

何よりも人が人を想う気持ちはなにより強い

(ククク、だが人間は愚かなり、負の感情がある限り、我は消えない)

(光がある限りそこに影はできるのだからな、我不滅なり)

紫色の邪悪な光は柱となり消えた

ダーカーも消え去り危機は免れた

空はどこまでも青く続いていた



(まさかこんな事が起きるとは人間とは不思議なものじゃな)

(わらわもびっくりしたわ、彼女を、世界を守ろうとした強い想いが奇跡を呼んだのね)

(主とその仲間達の絆は強い)

(さてワシらはまた眠ろう、イレギュラーな存在は退場じゃ)

(覚醒した記憶は封印させてもらう、さらばじゃ三英雄)


ここは・・・どこだろう・・・

周りには綺麗な花畑が広がっていた

ああ。天国ってこんなとこだったような

でもチームメンバー全員ってのも・・・

「みんな!無事か!」

ロアの呼び声にみんなが目覚める

「ボクたち、勝ったの!?」

「そうみたいですね」

「メリィィィ!良かったね!」

「コラ!ぷみ!全力で抱きつくな!」

この温かい光景が懐かしい

みんなは私の事忘れてるはずだからこっそりアークスシップへ戻ろう

「待って!」

キーが私を追いかけてくる

「あなた、あたしと会ったことない?」

「それはアークスなので何処かで会ってるでしょう、では」

私は踵を返す

「待ってといってるでしょ!」

色々な物が飛んでくる

中には、刃物も混ざっていた

えーと・・・殺す気ですか

気がつくと、キーの横にはみんなの顔があった

「あ、ごめん、なんだかあんたを見てると懐かしくてさ」

懐かしくて刃物飛ばすのやめてください!メリー

「思い出しそうで思い出せないんだよね、あーイライラする!」

記憶を消しても何処かで覚えてると言う事か

それでもやはりここにいるべきではないだろう

でも、あの事だけは言うべきだろう

「キー、あの時はごめんね。でもキーを死なせるぐらいなら私がって思ったの」

キーは?と顔をしている

「どうして、あたしの名前を?」

「それは企業秘密だ」

私はそういうと、再び踵を返す



企業秘密だ

その言葉は懐かしい

年齢を聞くといつもそうやって誤魔化されてきた

その顔が鮮明に思い出されてくる

意地悪だけど優しい・・・あ・・いゆん・・・

「あいゆん!の馬鹿!」

あたし忘れないって思ったのに

一同は、その名前で思い出したようだった

「1人でいい格好してずるい!」

「そーだそーだ!もっと言っちゃえ!キー!」

メルが囃し立てる

「あいゆん^^後でちょっとお姉さんにつきあってもらおうか」

メリーが、あいゆんに向ける笑顔はいつも恐い

「あいゆん。ぷみ疲れたから後でアイス買ってきてね」

「はっはっは!うちのチームはこうじゃないとな(笑)」

「あいゆんは、相変わらず扱いが酷いですね」

みんなに言われ放題なあいゆん

恥ずかしくていえないけどおかえりなさい、あいゆん



ここ数日みんなにはコキ使われた

命を粗末にする奴は意見するな!とメリーに言われたのが始まりだった

こんな事なら記憶なんて戻らなければ良かったのに!

それにしてもあの時・・・

朧げだが微かに記憶がある

ダークファルスの思念に負けそうになったときに

私の手を握ってくれたのがみんなだった

それがなければ負けていた

人が想う気持ち程、強いものはないんだなと実感した

「おーい!あいゆーん」

「どうしたのかな?」

「みんなにアイス買ってきて奢りで!」

「やってられるかー!」

こういう理不尽で騒がしい日々が続く事が、幸せなのかもしれない

-完-
posted by managarmr at 21:47 | Comment(0) | TrackBack(0) | PSO小説

2019年03月25日

PSO外伝 -時を翔る者たち- 序章 -Destructive God of Millennium-

昔から聞いた話がある

1000年に一回全宇宙を脅かす破壊神が復活する話

惑星を喰らい多くの生命を奪う悪夢

その名をダークファルスと言う

実体を持たず優秀な肉体を取り入れ具現化し

多くの生命を奪いさる

そんなの御伽噺だとずっとあたしは思っていた


惑星ラグオル調査

それがあたしにあたえられた任務だった

原生生物が豊かに暮らす星

ところが最近ラグオルの地表に謎の衝突が起きた

あたしはそれを探りに軍の人たちと調査にいった

数分前−−

「惑星ラグオルに何かが落ちたようだ」

「君たちにはこれから調査へいってもらう」

初代総督はそう言った

そして地表に降りようとしたら総督に呼び止められた

「リコ、地表には凶悪な生命体がいるかも知れない」

「万全な準備で行きなさい」

「くれぐれも無茶はするなよ、お前は昔からそうだから心配だ」

「一人娘に危険な任務をさせたくなかったが・・・」

実はあたしは総督の一人娘なの

ものごごろついた時には母は病弱ですぐに他界したと聞いた

いつも父の背中を見てあたしは育った

今では凄腕のハンターとしてみんなに期待されている

レッドリングのリコとみなからそう呼ばれていた

「大丈夫です、父さ−−、いえ総督」

「あたしの腕は今では1、2を争うんですよ?」

「まだヒースさんには適わないけど・・・」

「あいつは昔から天才的な戦友だったからな」

「私でさえあいつには及ばなかったよ」

「リコ、くれぐれも気をつけて行けよ」

「はい、原因を必ずや突き止めてきます!」


そういって我が愛娘は地表へ降りたのだった

それが最後の姿になるなんて思いもよらなかった


ゲートを降りると目の前には森林があった

綺麗な小川もあり楽園みたいだった

軍の人たちは散らばりそれぞれ任務を開始した

あたしの護衛は5人だった

みんな選り優れのエリート

だからみんな強い

森林を歩いていくと謎の柱があった

前に来たときにはなかったのに

そこにはこうかかれていた

邪−存在−−3つの−封−−

ところどころ文字がかけていて読めなかった

でもこの柱の呪印を解かなければ先には進めなさそうだ

あたしは考古学者でもあった

すぐに解読し呪印を解き先へ進んだ

そこには目つきの変わった原生生物の姿があった

「来るわ!みんな構えて!」

あたしの声に反応しみんなは戦った

そんなに強くなくあっさり倒せてしまった

おかしい・・・

ラグオルの生物は温厚なはずなのに一体何があったのかしら

とにかくセントラルドームに向かった

そこには原生生物の死体と軍の人の死体があった

ひどい・・・

まるで原型をとどめないほどだった

上を見るとドラゴンがいた

おそらくこいつにみんなやられたのだろう

こっちへ向かってくる

15mぐらいの大きなドラゴンだった

あたしたちは何度も何度も傷つきようやく奴を倒した

5人いた仲間の一人が殉職してしまった

少し離れたところでみんな死体を埋葬した


セントラルドームに地下へ続く道があった

奥へ進むとそこは洞窟になっていた

しばらく進むと見たことがない生命体があたしらを襲った

愛用のエリュソードで立ち向かった

この武器は父の愛用のエリュシオンを改造し

複数の敵も斬れるソードにしたのだ

しかし次々と襲い掛かる原因はなんだろう

また柱のようなものが立っていた

削れた文を読んでみる

大いなる・・・闇・・・印・・眠る・・・

森の時と比べても解らない

呪印を押すと不気味な光が柱に宿った

奥へ向かうと下水道みたいなところに出た

何かがこちらへ向かってくる

イモ虫・・・?ワーム?

とにかく馬鹿でかくて気持ち悪い

甲殻生物のようだ

邪悪に満ちたその目は何かを操っていたみたいだ

どうやら先ほど襲ってきたエネミーはこいつの手下というとこかしら

時間を無駄にしてれない

一刻も早く任務を遂行しなきゃ

「あたしをなめないで!秘剣クロス斬!」

う、何て硬さなのかしら

「魔法を頼むわ」

護衛の一人の魔法使いのお陰で倒すことができたわ

気づけばここの洞窟と軍の研究所がつながってた

こんな地下で一体何をしていたのだろう

あれは・・・金属生命体(アンドロイド)

そうかここはアンドロイドを開発してたのね

しかし変だ・・・

研究所には誰の姿も見えない

けど進むしかない

エネミーはいなかったけどまた柱があった

また文字がかけている

解・・・されし・・・宇宙・・・終・・・

奥には何かの封印によって扉は固く閉ざされている

2つの呪印が点滅している

あれは森と洞窟でみた呪印だった

そうか!この柱のせいでこの扉は封印されていたんだ

あたしは最後の封印も解いた

扉の封印は解けて開いた

開いたとき紫の嫌な霧があたりにもれていた

今まで読めなかった文字が共鳴しあい

文がよめるようになった

邪悪なる存在3つの柱に封印する

大いなる闇はここに眠り決して封印を解すな

解放されし時再び宇宙は終焉と向かう

あたしたちはとんでもない何かの封印を解いてしまったのか

一体奥に何があるのだろうか

あたしは今までメッセージカプセルを置いてきた

もしあたしらがどうにかなっても

誰かがきっと知らせてくれると信じて。

中はとても広かった

窓から遠くが見える

これは大発見だ

ラグオルに先文明があったなんて

きっとここは遺跡に違いないわ

でもどうして滅んだのかしら

ところどころに碑文があった

あたしはとんでもないことを知った

ラグオルに先文明など無かったのだ

これは巨大な宇宙船の中で大きな棺だったのだ

巨大な何かを封じ込めるためにどこかの星から

捨てられここラグオルに流れ着いたという事実

そして封じ込められたのは・・・

御伽噺で出てくるダークファルスだったと言うこと

こいつを倒すことは出来なかったけど

別の惑星の人は静かにさせることには成功してたようだ

それをあたしたちは封印を解いてしまった

ダークファルスが完全復活する前にあたしが倒してみせる

どれだけ彷徨っただろうか

深い霧に仲間はみんな消えてしまった

無事ならいいんだけどそうも言ってられない

エネミーが襲いかかってくるしもう疲れてきた

ようやく船の最終部についたようだ

奴はいた

半透明な奴は物理攻撃が効かずあたしは成すすべもなかった

薄れいく意識の中あたしは自分の無力さに気づいた

「父さん・・・・ごめんなさい・・・」


−数日後

「総督!軍の人たちからの連絡が途絶えました」

アイリーンは私にそう言った

リコ・・・無事でいてくれ・・・

その後ラグオルで謎の大爆発が起きたのだった

序章-完-
posted by managarmr at 15:30 | Comment(0) | TrackBack(0) | PSO小説

PSO外伝 -時を翔る者たち- 第一部-悲しみを刃に-

―ラグオルで謎の爆発から数年後

「さて今日も魔法の練習しないとな」

オレはいつものように魔法の勉強をしていた

最近は物騒になってエネミーがうろついてる

だから魔法を強くしなければ生きてはいけない。

「こら!少しは体術も鍛えなさいよ!」

その声の主はシルビアというかけがえのない存在である

髪は赤のロングヘアーで瞳は大きくて澄んだ青い目をしている

「んー、だって野蛮な事は苦手なんだよ」

「もしも、魔法効かない敵が現れたらどうするのよ?」

「そりゃ。シルビアに任せるよ(笑)」

「まったく・・・しょうがない人ね」

シルビアは、ため息をついていた

彼女は昔アンドロイドという存在だった

オレを護る為に壊れてしまう

そして・・・奇跡は起きた

ロボには無いはずの「魂」が天へと召され

ニューマンという種族で転生していた

ニューマンは成長が早いが長生きは出来ない

今の人の年齢で言うと20ぐらいだろう

そして現在(いま)に至る。

「シルビア、ちょっと研究したい薬草を探したいから来て」

「はいはい、ちょっと仕度してくるね」

――待つこと20分

「おい・・・長すぎだっつん!」

「女の子は時間かかるものなの!」

「はぁ・・・?こんな馬鹿力ある子が・・・?」

「なにか言ったかしら?(バキボキ)」

「いいえ!何も」

「最近、エネミーがうろついてるから用心だな」

「平気よ♪私とあなたがいれば無敵よ」

「まぁ・・・用心にこしたことはない」

「ラジャ♪」


蘇生を可能にする薬草や感情を芽生えさせる薬草。

それに転生を可能にする薬草本当に咲いてるんだろうか。

どこにも見当たらないな。

場所を間違えたんだろうか、確かに遺跡にあると記されたのに。

「これじゃないかしら?」

そこには十字架の形の青い花とハート型のピンクの花

星型の黄色い花が咲いていた。

「これだ!でかしたぞ!シルビア」

「ふふ、ちょろいもんよ♪」

この感情の花を調合しゆーキャシールに渡せば完全体になる

無事にこの花を持ち帰り平穏な日々が続くと思ったけど

現実は残酷だった


「この・・・邪悪なる気配・・・」

突如、闇の光がシルビアを襲う

「あぶない!シルビア!!」

とっさにかばったもののオレは致命傷を負った

「ゆーすけ・・・!よくも私の大切な人に許さない!」

「や・・めろ・・お前・・が・かな・う相手・じゃない・・」

「リコ・タイレルが・・適わなかった・・相手だ・・」

― 数年前の事

政府から調査中の軍の奴らが消えたと知らされ

あのレッドリングのリコも消息不明になったらしい

ここに来る途中メッセージカプセルを見るからに

リコはおそらく奴にやられとりこまれたのだろう

あのメッセージが本当だ何て思わなかった・・・

・・・逃げて・・・

意識の中でそう聞こえた

その声は間違えるはずが無い

リコの声だった

リコはオレと同期のハンターだった

唯一魔法だけはリコよりも上だった

あの日オレは別の任務でリコとは別になった

あんなに強かったリコがやられるなんて・・・

「よせ・・・リコでさえ適わなかったんだ・・・やめろ・・・」

成す術も無く無残にもやられていくシルビアを何も出来ずオレは

薄れていく意識の中で戦うシルビアがいた

気がつくと辺りは火の海だった

手にはいっぱい摘んだはずの花は僅か3本しか無かった

感情の花と転生の花二本だけだった

傷だらけのシルビアになんとか駆け寄った

「シルビア・・・生きてるか?」

「ぇぇ、でももう意識がもうろうとしてきたわ・・・」

「ごめんな・・・オレがもっと強ければお前を守れたかも知れない」

「いいのよ・・・初めてかばってくれて嬉しかった」

「でも・・・私はもうだめみたい・・・」

「シルビア・・・」

「あなただけでも生きて・・・」

「少しは・・・足しになると思うのちょっと顔寄せて」

シルビアはオレにキスをした

すると身体に僅かに体力が戻っ

「お前・・・その呪文は・・・」

「entrusts・・・自分の体力を相手にうつす魔法だろ?」

「二人は助からない。でもこうすれば貴方は生きながらえる」

「お前がいないとオレは・・・」

「またきっといつか会えるきがするよ・・・♪」

「最後に・・・私・また・貴方の傍に・いれたら・いいな・・」

「シルビアぁぁぁぁぁぁ・・・・」

どれだけ叫んだだろう声はもうでなかった涙はかれていた

そしてあるのはシルビアの「魂のカケラ」だけだった

オレは痛む傷に耐えながら自分の研究所に戻った

「我が名は、ゆーすけ!時空の光よ!我の居るべき場所へ!リューカー」

研究所にはゆーキャシールの姿があった

髪型はオレンジのポニーテイルで瞳にはどこか冷たい感じがした

「オカエリナサイ、マスター」

この感情を感じないアンドロイドに一刻も早く完全体に努めた

古文書をあさりようやく見つけた

く・・・傷が痛むな・・・レスタしても追いつかない・・・

この花に術者の精神を強く込めて願う・・・か。

「我はゆーすけ!この者に豊かな感情を咲かしたまえ!」

ゆーキャシールの身体が暖かい光に包まれていく

これで心無いアンドロイドとはおさらばだ

次は魂の転生先をやってみよう

未来を想い描き強く願いをかけた

シルビア・・・また来世で共に生きていこう

今度は絶対死なせやしないから

花と共に魂は空へと還っていった

オレもここまでなのか・・・

徐々に寒くなっていって意識が薄くなってきた

「ゆーキャシール、最後の頼みがある・・・」

オレは未来の事を話し彼女に全てを託した

「解りました・・・マスター・・・」

「そんな顔をするな・・・いつになるか解らないけど」

「オレの転生した奴を探し出しあの事を伝えるんだぞ・・・頼む」

「はい。私マスターと会える日をお待ちしてます」

オレの意識は消えていった

オレを何度も呼ぶゆーキャシールを残して

第一部-完-
posted by managarmr at 15:44 | Comment(0) | TrackBack(0) | PSO小説
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