2010年05月19日
ユーロ圏から資本引き揚げの動き、流動性求めマネーは米国へ
ユーロ圏から資本引き揚げの動き、流動性求めマネーは米国へ
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-15389020100519
2010年 05月 19日 15:17 JST
[東京 19日 ロイター]
一部のグローバル投資家がユーロ圏から資金の引き揚げに動き始めた。これまでユーロ安は投機マネーの売り仕掛けが主流だったが、欧州当局の対策発表後も市場の危機モードが収束せず、ついに大手投資家もポートフォリオの見直しに動かざるを得なくなってきたという。
「準基軸通貨」としてユーロを支えてきた各国中央銀行のユーロシフトも影を潜める中、潤沢な流動性という「安全性」を求めてマネーを米国へ逃避させる構図が鮮明になってきた。
<外貨準備のユーロ需要も停滞>
複数の市場筋によると、ドイツ当局が発表した空売り規制がきっかけとなってユーロが対ドルで4年ぶり安値を更新した18日海外の取引では、リアルマネーと呼ばれる年金や投資信託など、巨額資金を長期スタンスで投資する投資家がユーロの売りに動き始めた。
これまで主にユーロをけん引してきたのは、トレーダーやファンド勢など短期取引で値幅を狙う投機筋。「(売り仕掛けやすい)じり安地合いが続いており、売りと買い戻しの回転がうまく利いている」(都銀の顧客取引担当者)ためだった。
しかし、欧州当局がようやく発表した対策の柱である欧州中央銀行(ECB)の国債買い入れ策は「タコが自分の足を食べているようなもの。いつか腹を壊す」(別の都銀のトレーダー)と指摘されるなど、市場の危機感は薄れることなく、ユーロは下落基調が継続。「市場が欧州政府の意思と能力を疑っている」(日銀幹部)状況に歯止めはかからず、ついに大手投資家の間にもユーロ圏への投資戦略を見直す動きが出始めた。
現段階では、そうした動きはまだ一部に限られているが、巨額資金を運用する大手投資家がユーロ圏から資本を流出させる「キャピタル・フライト」が本格化すれば、そのインパクトは最終的に買い戻しに動く短期筋の売り仕掛けの比にならない。ある在京外銀の幹部は「本当にキャピタルフライトが起こったら、ユーロは1米ドルを割れる下げとなってもおかしくない。ただ、その時はパニックだ」と話す。
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-15389020100519
2010年 05月 19日 15:17 JST
[東京 19日 ロイター]
一部のグローバル投資家がユーロ圏から資金の引き揚げに動き始めた。これまでユーロ安は投機マネーの売り仕掛けが主流だったが、欧州当局の対策発表後も市場の危機モードが収束せず、ついに大手投資家もポートフォリオの見直しに動かざるを得なくなってきたという。
「準基軸通貨」としてユーロを支えてきた各国中央銀行のユーロシフトも影を潜める中、潤沢な流動性という「安全性」を求めてマネーを米国へ逃避させる構図が鮮明になってきた。
<外貨準備のユーロ需要も停滞>
複数の市場筋によると、ドイツ当局が発表した空売り規制がきっかけとなってユーロが対ドルで4年ぶり安値を更新した18日海外の取引では、リアルマネーと呼ばれる年金や投資信託など、巨額資金を長期スタンスで投資する投資家がユーロの売りに動き始めた。
これまで主にユーロをけん引してきたのは、トレーダーやファンド勢など短期取引で値幅を狙う投機筋。「(売り仕掛けやすい)じり安地合いが続いており、売りと買い戻しの回転がうまく利いている」(都銀の顧客取引担当者)ためだった。
しかし、欧州当局がようやく発表した対策の柱である欧州中央銀行(ECB)の国債買い入れ策は「タコが自分の足を食べているようなもの。いつか腹を壊す」(別の都銀のトレーダー)と指摘されるなど、市場の危機感は薄れることなく、ユーロは下落基調が継続。「市場が欧州政府の意思と能力を疑っている」(日銀幹部)状況に歯止めはかからず、ついに大手投資家の間にもユーロ圏への投資戦略を見直す動きが出始めた。
現段階では、そうした動きはまだ一部に限られているが、巨額資金を運用する大手投資家がユーロ圏から資本を流出させる「キャピタル・フライト」が本格化すれば、そのインパクトは最終的に買い戻しに動く短期筋の売り仕掛けの比にならない。ある在京外銀の幹部は「本当にキャピタルフライトが起こったら、ユーロは1米ドルを割れる下げとなってもおかしくない。ただ、その時はパニックだ」と話す。