フィスコ・オープニングコメント
https://trade.gaitame.com/members/info/Fisco_Mor/20080819m.pdf
「オクトーバー・サプライズ」
昨日のドル・円は、東京市場では、110 円55 銭から109 円97 銭まで軟調推移、ロンドン市場では、110 円13 銭から110円31 銭で推移、ニューヨーク市場では、政府系住宅金融機関(GSE)への懸念から110 円37 銭から109 円96 銭まで反落、110 円13 銭で取引を終えた。
第2 次東西冷戦の始まりを予感させる「グルジア紛争」は、外国為替市場で「有事のドル買い」を再登場させるきっかけになるかもしれない。
米国の政治風景において、11 月の大統領選挙での勝利を目論んで、10月(October)に人為的・意図的に引き起こされる事件を「オクトーバー・サプライズ October surprise」と呼ぶ。
「October」は元来「8 月」のことなので、オクトーバー・サプライズとは「8 月のサプライズ」とも読める。
今年11 月の米国大統領選挙に対する世論調査では、米軍のイラクからの早期撤退を主張しハト派のイメージを持つオバマ民主党候補が、タカ派のイメージが強いマケイン共和党候補をリードしていると報じられており、世界の反米勢力もオバマ候補に好意的だと報じられている。2008 年8 月8 日の北京オリンピック開会式に、ブッシュ米大統領とプーチン・ロシア首相が参加して、米・露・中の即時対応が不可能な間隙を縫って、グルジア軍が南オセチア自治州に侵攻し、ロシア軍が反撃した「グルジア紛争」は、「オクトーバー・サプライズ」への序章となる「8 月のサプライズ」なのかもしれない。
20 世紀後半の第1 次東西冷戦時代を彷彿とさせるロシアの対応を受けて、米国ホワイトハウスで、メドベージェフ・ロシア大統領とプーチン・ロシア首相を相手に第2 次東西冷戦に臨む次期米国大統領は、オバマ氏なのか、それともマケイン氏なのか、11 月の米国大統領選挙でのサプライズを目論んだシナリオが垣間見える。