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豊島逸夫氏のコメント


昨夜の乱高下はすさまじかった。
豊島逸夫氏のコメントは、興味深い。
http://www.mmc.co.jp/gold/market/toshima_t/2009/662.html

筆者の30年以上のゴールドトレーディングの経験の中でも、1時間ほどで60ドルの乱高下は何回か遭遇したが、今回のように1時間でマーケットの潮流が変わるほどの潮目の変化は初めてと言っていい。

材料はバーナンキの米国債買い取り発言。いずれそこまで踏み切ると読んでいたマーケットだが、この時点で、そこまで明言することは全くのサプライズ。ヘリコプターベンが遂に本性を露わにしたね。

長期国債は3000億ドル、MBS(住宅担保証券)は7500億ドル、エージェンシー債も1000億ドル、しめて1兆1150億ドル=110兆円相当の大量資金投入である。FRBは中央銀行としてlender of last resort(最後の貸し手)と言われたが、ここにきてbuyer of last resort(最後の買い手)と化した。

これまでバーナンキはbehind the curve(後手後手に廻った)と批判されてきたが、今回ばかりは見事に先手が決まり、対マーケットで(柔道で言えば)一本勝ち。さらに“禁じ手”と言える国債買い取りに踏み込んだことは金融危機感の裏返しでもある。

各市場の反応はNY株が急騰(しかし、その後、やや萎んだ)。驚くべきは債券市場。FRB買い取り対象銘柄の10年物米国債の利回りが3%から2.5%へ、実に50bpの急低下。これは87年以来の急落幅。こういう債券価格急騰は、反動が怖い。国債も、もはや安全資産ではないことを如実に物語る。

外為はドル急落。ドル指数が84となり3%もの急上昇。ドルは対ユーロで1.34、対円で一時95円台まで急落。EU圏経済悪化のニュースもさんざんメディアで語られ、ユーロ安(ドル高)もマーケットの材料としては陳腐化し、織り込まれつつある矢先ではあった。

そして金価格。“すべてを映す鏡で、先見性あるとされるゴールド”の価格には、デフレ懸念からインフレ懸念への潮目の変化の兆し(まだ、あくまで兆し 程度ではあるが)が色濃く反映された。折も折、昨晩発表の米国消費者物価も0.4%の上昇。

中期的流れの転換点となりうるほどに、意味のある昨晩の1時間であったと思う。その直前まで、NYの筆者の友人トレーダー達も目先下げを見込み、ショートポジション=空売りを仕掛け、ロングは売り手仕舞い。相場は880ドル台にまで急落していた。それが1時間後にはストップロスの買い戻し注文が次々にヒットされ(実行され)、ショートはカンプなきまでにやられた。これが、さしたる要因もなければ一過性で終わるが、FRBの国債買い取りという 歴史的とも言える材料を伴う相場転換である。当分、ショートの芽は無い。

これで米国債バブルの可能性はますます高まり、そのタイミングも早まりそう。筆者の見通しで、“短期下げ、中長期上げ”のシナリオが、昨日わずか24時間で展開されてしまった感じだ。

マクロ経済については これで、ますますW字型のシナリオになりそう。リフレ相場で“見かけの景気”が回復して、ヘッジファンドのパフォーマンスもなんとか持ちこたえる。しかし、インフラ投資(日本流に言えば公共投資)の効果はカンフル剤の如く一過性。グリーンエネルギーなど、長期経済生産性を上げ、米国経済の赤字レバレッジ体質を改善するための財政支出の効果が出るのは、来年以降だ。その間、マクロ経済は、もう一度、底を見ることになる。願わくはW字の一番右の「/」が、「〜」にならぬことを祈るのみ。

その間の経済シナリオを例えて言えば、集中豪雨的大量資金投入により“見かけの景気回復”で、天候も一時は晴れに転じよう。しかし。平野の天気は快晴でも、川上の集中豪雨が鉄砲水となり川下の町を襲う如く、時間差を持って、快晴の平野も洪水となる。さらに、その直後から平野の天候は、またもや雨、嵐模様になろう。洪水からの復興作業中に、再び豪雨に見舞われるイメージである。

今日を境に金価格1000ドル再々突破のタイミングが早まったと見る。ただ、タイミングだけは、昨晩のような突発的事態が頻繁に起こるので、“分からん”の一言。まだ、ヘッジファンド破たんとか、IMF金売却などの洗礼も受けねばならんし。


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