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2010-11　プレミアリーグ　第38節（最終節）
ウォルバーハンプトン・ワンダラーズ × ブラックバーン・ローヴァーズ
スコア：2-3
2011年5月22日　モリニュー・スタジアム　観客数：29,009

”Survival Sunday” 残留争い、最終章です。



ウォルバーハンプトンのスタメン(4-4-2)

GK： ウェイン・ヘネシー
4： マイケル・マンシェン　ジョディー・クラドック　ジョージ・エロコビ　ケヴィン・フォーリー　
4： マシュー・ジャーヴィス　カール・ヘンリー　ジェイミー・オハラ　スティーヴン・ハント
2： スティーブン・ウォード　スティーブン・フレッチャー
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SUB： マーカス・ハーネマン(GK)
シルヴァン・イーバンクス＝ブレイク　アドレーヌ・グェディウラ　クリストフ・ベラ
リチャード・ステアーマン　サム・ボークス　ネナド・ミリヤシュ
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監督： ミック・マッカーシー


ブラックバーンのスタメン(4-4-2)

GK： ポール・ロビンソン
4： ミチェル・サルガド　クリストファー・サンバ　フィル・ジョーンズ　ガエル・ジヴェ
4： ブレット・エマートン　スティーヴン・エンゾンジ　ジャーメイン・ジョーンズ　マルティン・オルソン
2： ジェイソン・ロバーツ　デイヴィッド・ホイレット
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SUB： マーク・バン(GK)
モアテン・ガムスト・ペデルセン　デヴィッド・ダン　マメ・ビラム・ディウフ
キース・アンドリュース　ベンジャミン・ムワルワリ　ロケ・サンタ・クルス
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監督： スティーブ・キーン




サバイバル・サンデーと呼ばれた最終節。勝点1差で5チームが3つの残留枠を争う大混戦です。しかも得失点差も拮抗していますので、まさにサバイバルマッチ。この試合の勝者は他会場の結果に関係なく残留が確定しますが、引き分け以下の場合、残留の行方は他会場の結果次第となります。

この”サバイバル・サンデー”の他の試合は
　・トッテナム × バーミンガム
　・マンチェスターU × ブラックプール
　・ストーク × ウィガン

泣いても笑っても残り90分。サバイバルの結末やいかに…。


現在はマンチェスター・ユナイテッドに所属するフィル・ジョーンズは当時19歳。このシーズンを最後にローヴァ―ズを退団し、2011-12シーズンからマンチェスター・ユナイテッドでプレーします。



前半

ウルヴスのキックオフで開始。この重要な一戦を裁く主審はハワード・ウェブ氏です。
立ち上がりはややローヴァ―ズのペース。ウルブスは押し込まれ自陣での守備の時間が続きますが、サポーターはタッチラインへのクリア一つにも大歓声で後押しします。

6分　劣勢だったウルヴスのチャンス。ジェイミー・オハラが敵陣左サイド深くにいるウォードにパス。中央にはフレッチャーがいましたが、ウォードはシュートを選択。これはGKにキャッチされます。
直後にローヴァ―ズのチャンス。ホイレットがゴール近くでドリブルで仕掛けシュート。こちらもGKにキャッチされます。

リスクを負えない試合ということもあり、両チームとも中盤を省略して長いボールを使った、なんとも落ち着かない展開が続きます。

13分、ウルブスのチャンス。フレッチャーが後方からのボールを胸で落とし、ウォードがシュート。これは相手に当ってCKになります。

16分、ローヴァ―ズのセットプレー。ロングボールをゴール前でサンバが競り勝ち、落としたボールをエンゾンジがヘディングシュート。しかしジャストミートせず力がないシュートに。
17分、ホイレットのドリブル突破をヘンリーがファウルしローヴァ―ズにFK。キッカーのジャーメイン・ジョーンズが蹴ったボールはクロスバーの上を通過。プレッシャーを与えるかのように大歓声を上げるウルヴスサポーター。

22分、ローヴァ―ズが先制！
中央のエマートンが右サイドへ展開。パスを受けたホイレットが後方から走りこむサルガドの存在を確認しスペースへボールを流すと、サルガドがダイレクトでミドルシュート。これがジェイソン・ロバーツの足に当たってゴールイン。サルガドにはアシストがつきましたが、ほぼサルガドの得点です。

ウルヴスは前線までボールは運べるもののシュートが打てません。ローヴァ―ズは中盤でジャーメイン・ジョーンズの守備が効いています。また左サイドバックのサルガドが的確なプレーでハントを封じていまるもの大きい。

38分、ローヴァ―ズが追加点です。
GKロビンソンのゴールキック。このボールをウルヴスDFがクリアしますが、それをエマートンが約20mのダイレクトボレー。これが決まって2-0とリードを広げます。

39分、続けてローヴァ―ズがチャンス。ホイレットがサイドを突破しシュート。これはわずかに枠をそれます。
43分、ウルヴスのチャンス。フレッチャーから右サイドのマシュー・ジャーヴィスへパスが通り、ゴール前のハントへクロス。しかしボールはハントの頭上を越えてしまいます。

44分、ウォードの突破をサンバがファウルで止めてイエローカード。ウルブスはセットプレーのチャンスでしたが、ジェイミー・オハラのFKはクリアされます。

45分、ローヴァ―ズに大きな3点目。
DFからのロングボールをロバーツが落とし、ホイレットがゴール前で2人をフェイントでかわしてシュート。これが決まりました。ウルヴスは痛すぎる3失点。マッカーシー監督も思わず手で顔を覆ってしまいます。

ここで前半が終了。ホームでまさかの3点差に怒るウルブスサポーター。スタジアム中が大ブーイングです。


後半

ウルヴスは後半開始から選手交代。マンシェンOUT、シルヴァン・イーバンクス＝ブレイクIN。DFを下げてFWを投入。失点のリスクを負ってでも攻撃的なカードを切りました。

46分、ウルヴスのビッグチャンス。ジャーヴィスのクロスにハントが飛び込みヘディングシュート。しかしわずかに枠をそれます。

突然ウルヴスサポーターが歓声を上げ、チームに声援を送り始めます。スパーズ相手に先制したバーミンガムが同点に追いつかれたという情報が入りました。

51分、ウルヴスのチャンス。ジャーヴィスが左サイドを突破してクロス。これはGKがキャッチ。
55分、ローヴァーズのビッグチャンス。エマートンのクロスをゴール前でフリーのロバーツがシュート。しかしGKがファインセーブ。

ウルヴスがボールを支配する時間が続きますが、攻撃に工夫が見られず裏狙いのロングボールが目立ちます。ただセットプレーのチャンスが前半より増えました。

73分、ウルヴスが1点返します。
ハントへのファウルで得た良い位置でのFK。キッカーのハントは直接狙わずに横へ流し、オハラがダイレクトでシュート。このサインプレーが決まって2点差に詰め寄ります。

74分、ウルブスのチャンス。左からのクロスにフレッチャーがヘディングシュート。際どいコースのボールはGKロビンソンが片手でクリアし、CKへ逃れます。

77分、続けてウルヴスのチャンス。ゴール前へのハントのクロスをイーバンクスが拾って折り返し。走ってきたフォリーがシュートしますが、フィル・ジョーンズが顔面でブロックしCKへ逃れます。
そのCKからウォードがヘディングシュート。決まったかに思えたシュートでしたが、今度はジャーメイン・ジョーンズがゴールライン手前でクリア。2人のジョーンズが必死の守備です。

80分、ローヴァ―ズ選手交代。ホイレットOUT、モアテン・ガムスト・ペデルセンIN。
85分、ウルヴス選手交代。ヘンリーOUT、アドレーヌ・グェディウラIN。

87分、ウルヴスが追加点！
自陣からのゴールキックをフレッチャーがヘッドで落とし、ハントが45度くらいの角度からミドルシュート。これが決まって1点差に詰め寄ります。

89分あたりからウルヴスが突然攻撃の手を緩め、自陣でボールをゆっくり回し始めます。他会場の状況と得失点差から、無理をせずこのまま終われば残留できるという判断です。当然サポーターも状況は分かっているのでブーイングなど出ません。
ただ他会場で何が起こるかわかりませんから、少々危険な判断にも思えます。

90分、ウルブス3人目の交代。フレッチャーOUT、クリストフ・ベラIN。

追加タイムの表示は5分。
そして92分、バーミンガムが逆転されたという情報が入ります。残り時間からして、現時点での降格圏にいるブラックプールとバーミンガムが降格濃厚。それに気づいたローヴァ―ズも無理に攻めず、自陣でのボールキープを選択。ウルヴスもまったくボールを取りに行きません。ひたすら試合が終わるのを待つだけです。ただ両チームのサポーターはお祭り騒ぎです。

94分、バーミンガムとブラックプールが敗れたという情報が入ります。これにより降格チームが決定。それとほぼ同時にこちらも試合終了です。試合は2-3ですが、勝者・敗者ともにプレミア残留が決まりました。

試合終了後、大勢のウルブスサポーターがピッチに乱入し大騒ぎ。一部のサポーターは歩いてローヴァーズのサポーター席へ向かい、互いに残留を喜び合うという、不思議かつ心温まる光景が見られました。



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得点

22分　ジェイソン・ロバーツ（ブラックバーン）
38分　ブレット・エマートン（ブラックバーン）
45分　デイヴィッド・ホイレット（ブラックバーン）
73分　ジェイミー・オハラ（ウォルバーハンプトン）
87分　スティーヴン・ハント（ウォルバーハンプトン）


その後・・・

”サバイバル・サンデー” 他会場の結果です。
　・トッテナム 2-1 バーミンガム
　・マンチェスターU 4-2 ブラックプール
　・ストーク 0-1 ウィガン

これにより最終順位は以下のようになりました。



こうして大混戦となった2010-11シーズンのプレミア残留争いが幕を閉じました。