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『精神科は今日も、やりたい放題』!?

内海聡氏の『精神科は今日も、やりたい放題』が話題になっているようです。
私も読みました。
題名を見て、大変期待して読みました。が…

私も現代精神医療が多くの問題を抱えていることを知ってもいますし、
実際に体験もしていますので、この手の精神医療批判の本には関心が強いのです。
でも、読んでいくうちに、その期待は裏切られました。
まじめな精神医療批判本もいくつもあるのですが、
内海氏の本はかなりやんちゃでかつ悪意に満ちています。

内海氏の本の元ネタのひとつになっている《市民人権擁護の会》の情報で
いま流されている(DVDの無料配布もされています)
「心の病を売り込む」を見る方が何倍も役立ちます。
この内容もちょっと偏りや恣意的な結論の誘導がありますが、
ドキュメンタリーの部分は大変勉強になります。

内海氏は元ネタで集めたより確からしい資料から始めて
精神科医療を「無根拠・無責任な診断が行なわれている」
と批判しているのですが、事実を元に言い始めた内海氏自身の論説が
どんどん「無根拠・無責任」な様相をましながら本は進んで行き、
悲惨な自己撞着を露にしています。

『精神科は今日も、やりたい放題』が好評だったようで、
そのマンガ版『大笑い、精神医学』という第2弾も出されています。
そこでのGoriさんのレヴューが、内海氏の本の内容について
私の抱いた感想と共通していますので、転記させていただきます。

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「発達障害なんていうモノは存在しない」は暴論, 2012/11/23
By Gori "the 11" (東京都) (VINE メンバー)
(トップ500レビュアー)
レビュー対象商品: 大笑い! 精神医学 著者の前作『精神科は今日も、やりたい放題』に私が星をいくつ付けているか見てみたら、
★3つであった。前作には60%の内容に賛成と書いてある。

で、今回だが、賛成できる部分は5%くらいしかないので、★は、1つとなった。

精神医学や心理学はたしかに全く確立されていない学問で、
多数決でDSMの評価を決めたり、製薬会社の戦略に飲み込まれていたり、
かつての日本医師会会長武見太郎が「精神医療は牧畜だ」と発言したり、
かつての閉鎖病棟はまるで監獄だったことであったり、
薬漬けにするの精神科医がいたりといった主張は本当であり、
それが本書を書かせる動機になっていることはよくわかる。

但し、それらホントを導入に、「発達障害なんていう病気はない」
などと、発言するのはあまりに乱暴である。
そこには論拠がちっとも示されていない。
事実から始まっているものの、そこから先の論理展開は無茶苦茶だと言わざるをえない。

発達障害が「脳の障害」である仮説も全面否定、
親の育て方だという心因説を唱える。
おそらく、著者は自閉症者を診たこともなく、見たことさえないのだろう、と
判断せざるをえない。

************************

わたしも内海氏は自閉症患者や発達障碍の患者を診たことさえないのだろう、
また、統合失調症や本式のうつ病を患っている患者さんの治療に真摯に携わったことがないだろうと感じました。

精神科批判のもっと役立つ文献や発信者なら、他にも居られます。
浜六郎先生の主催する季刊誌『薬のチェックは命のチェック』はご存知ですか?
おりしも、最新の49号は『不眠・不安・うつの薬/ベンゾジアゼピンの作用と害、止める方法』という特集です。
http://www.npojip.org/

内海氏の論説は事実誤認と精神疾患への偏見を助長します。
“不誠実な表現は不誠実な内容を体現する”と思わされました。

わたしはこれからも精神医療を批判している書籍や情報があれば手にしたいですが、内海氏の発信する情報についてはもう手にしないと思います。

『暴走するクスリ? 抗うつ剤と善意の陰謀』(医薬ビジランスセンター)
『狂気の偽装 精神科医の臨床報告』岩波明(新潮社)
などは、取り扱っている内容は内海氏のものと似ていますが、
その誠実さ、根拠を基にして説を進める堅実な文章
(その分、内海氏の本のような購買意欲を刺激するインパクトは劣るかもしれません)
で、もっと役に立ち、お勧めです。
内海氏の毒気の口直しに、
関心がおありであればどうぞ。
   
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