2016年01月07日

対数関数グラフを描きましょう(対数関数は指数関数の逆関数なのです)

 New Year です! 
 こばとはマリちゃんと一緒に札幌旅行を満喫しましたよ。
 姉(かばねちゃん)の家でおせちとお雑煮食べて、藻岩山でスキーして、薄野(すすきの)でラーメン食べたりしました。楽しかったですねー。でも3日に、マリちゃんの要望(彼女は『動物のお医者さん』の大ファンなのです)で北大の獣医学部を見学しようとしましたが「部外者立入禁止」と書いてありましたよ・・・・・・。ちなみに姉は北大に務めていますが、人文・社会科学科の教員なのでやっぱり部外者です。仕方ないのでクラーク博士の像を見て帰りました(つまんなかった)。

こばとの数学基礎講座 14 対数関数グラフを描きましょう


 それでは 2016 年の「こばとちゃん講義」を始めますね。いよいよ対数関数が登場します。対数関数とは指数関数の逆関数と定義されます。そんなこと言われても初めての人はピンとこないと思うので、まずは y = 2 x というグラフを使って説明しますね。

 x=log2y.gif

 前回説明したように、 y = 2 x

x = log2y

のように書き直すことができます。つまりふだん指数関数を見るときとは逆に y の値に対して x の値がどうなるかという視点に変更します。

 上のグラフで x, y 共に整数値となる点を見てみましょう。

(1, 2), (2, 4), (3, 8)

ですね。そこで y = 2, 4, 8 に対する x = 1, 2, 3 を

x = log22, log24, log28

のように対数形式で書くことにします。x が整数値のときはこんなことをしても全く意味がありませんが、たとえば y = 5 を選んだ場合、グラフを見ると x は整数ではありません。電卓やエクセルを使わないと具体的な値を得ることはできないのですが、それでも x = 2 と x = 3 の間にある何らかの実数であるということを表すために、

x = log25

と書いておきます。このようにして全ての実数 y に対して、

x = log2y

を定義します。というより、指数関数のグラフを描いた時点で自動的に定義されているわけですが、改めて視点を変えてみたというだけのことです。実のところ、軸の名前やグラフの向きさえ気にしなければ、これで対数関数の本質的な説明はほとんど終わりです。しかし私たちは y = f(x) というように x を与えて y を得るという形になれているので、少し変形したほうが使いやすくなります。そこで上のグラフを左に 90°回転させて、軸の名前 x と y を入れ替えてしまいましょう。よいしょ。

 指数⇔対数回転1.gif

 はい。出来上がりです。ん? まだ違和感がありますか? ですよね。普段見慣れているグラフとは x 軸の向きが逆になってしまっています。それではグラフを左右対称に折り返してみましょう。もう1つよいしょっと。

 対数関数グラフ1.gif

 はい。今度こそ対数関数 y = log2x のグラフの完成です! 何度も繰り返しますが、本質的には指数関数グラフと何も変わりはありません。向きを変えて軸のラベルを変えただけです。より一般的に対数関数は

y = a x

の逆関数として、

y = logax

と定義されます。さて、グラフを見て明らかなように対数関数は

0 < x

においてのみ定義されます。これを真数条件とよびます。指数関数において y が正の値のみ取り得ることに対応しています。また前回のシリーズで指数関数 y = a x において

0 < a ≠ 1

でしたね。もちろん対数関数においてもこの条件がそのまま継承されます。また、

a 0 = 1, a 1 = a

ですから、

loga1 = 0, logaa = 1

は計算上大事な性質です。上のグラフで

log21 = 0, log22 = 1

となっていることを確認してください。以上をまとめておくと、

 0 < x, 0 < a ≠ 1, loga1 = 0, logaa = 1

となります。

 前回にもお話した対数値の見積もりについて、改めてグラフを用いて説明します。

 対数値の見積もり.gif

 上のグラフにおいて y = log23 の値は整数で表せないので正確な値を計算するには手間がかかります。しかし次のような不等式を用いておおよその数を知ることはできます。

  log22 < log23 < log24  ⇔   1 < log23 < 2

 これで大まかに「 1 と 2 の中間値 1.5 ぐらいだね」と予測できます。しかしグラフを見てわかるように、 y = log2x は x の値が大きくなるほど増加率は緩やかになります。つまり今注目する区間 [2, 4] を 2 ≦ x ≦ 3 と 3 ≦ x ≦ 4 に2分割した場合、 2 ≦ x ≦ 3 における値の増加率のほうが少し大きいために、 x = 3 よりも少し手前で y = 1.5 という値に達してしまいます。言い換えると x = 3 における y の値は 1.5 を少し超えます。文章で書くと何だかややこしいですが、グラフを見ると一目瞭然です。これで「うーん。まあ大体 1.6 かなあ」と推測できますが、このあたりが限界ですね。具体的な計算を実行するには大学レベルの解析学の知識が必要になります(次々回に計算式を紹介します)。ちなみに log23 は無理数であり、その近似値は 1.584962501 です。
 

2015年12月22日

指数方程式と対数計算(logarithmus はギリシャ語で「人工数」)

 お久しぶりです! こばとちゃんです!
 『こばとの数学基礎講座』を再開します。
 高校3年生の皆さんはいよいよセンター試験が間近に迫ってきましたね。「こんなブログ見てる場合じゃない」とか思いつつ何となく見ちゃってる人も、少し違った角度から高校数学を眺めて頭をリフレッシュしてくださいな。
 この冬休みのシリーズでは「対数関数」を扱います。この対数関数は高校数学の中で最も捉えにくい概念の1つかもしれません。慣れてしまえば、どうということもないのですが、慣れるまでは「頭のスイッチが切り替わらない」とか「わかったようでわからない」というちょっと漠然とした感覚が残ります。でも大丈夫! こばとの数学基礎講座を読めば大丈夫! 「なーんだ。対数関数って、こんなに簡単だったんだー」と頭スッキリすること間違いなしです。
 ・・・・・・おかしな宣伝文句みたいになってきたので、この辺で本題に入りましょう。今回は本格的な対数関数の勉強を始める前に、指数方程式をたくさん解いて感覚を養います。というより、実のところ対数関数は指数方程式の別の表現に過ぎないので、これがすらすら解ければ本質的なところでは対数関数を理解していることになるのです。でも対数関数は特殊な記号を使うので、やっぱりちょっと混乱してしまうのです。まあとにかく慣れるしかないのです。

こばとの数学基礎講座12 指数方程式を暗算で解きましょう


 ではさっそく簡単な指数方程式

2 k = 4

を解いてみましょう。「 2 を何乗すると 4 になるのかな?」という問題ですよ。これは高校1年生でも解けますね。もちろん答えは k = 2 です。2 2 = 4 となりますね。「 2 の k 乗」という形はよくでてくるので、

23 = 8,  24 = 16,  25 = 32

のあたりまでは、まとめて覚えておいたほうがいいです。また、

210 = 1024

という計算もよくでてきます。では次の問題に進みましょう。

3k = 27

 先程の問題よりも少し難しいですけど、「えーと、 3 を 2 乗して 9 で、もう1回 3 をかけると・・・・・・」という感じで k = 3 という答えが出てきます。次の問題に行きますよー。

5k = 125

 数に強い人は見た瞬間にぱっとわかるかもしれませんね。答えは k = 3 です。では次に目先を変えて、

5k = 1 / 5

 「んん? どういうこと?」と少し戸惑うかもしれませんね。「 5 を何乗すると 1 / 5 になるのかな?」という問題ですよ。前回の指数関数シリーズで学びました。答えは k = −1 。指数法則では、

5−1 = 1 / 5

と計算されるんでしたね。ついでにもう1つ大事な計算法則を復習しておきましょう。

7 k = 1

 これも指数計算をしっかり学んでいないと「うーん」と考え込んでしまうかもしれません。答えは k = 0 ですよ。

7 0 = 1

というのも大切な指数計算の決まりごとでした。最後はとびきり難しい問題です。

√2 k = 1 / 2

 「ひゃああ」と驚かないでくださいね。順番に丁寧にほぐしていきましょう。右辺が分数の形になっていますから、とりあえず「 k は負の値だろうなー」と予想できます。

√2−1 = 1 / √2

ですね。この式を見ると「あと 2 乗すれば 1 / 2 になるよ!」ということがわかります。というわけで答えは k = −2 です:

√2−2 = 1 / 2

 ふう。けっこうたくさん計算しましたね。でも、もっともっと練習してぱっと見て瞬間的に答えが浮かぶまで訓練してくとこのあとの学習がスムーズに進みます。

こばとの数学基礎講座13 対数計算に慣れましょう


 こばとはお正月を北海道に住む姉のもとで過ごす予定ですが、マリちゃん(刑部真理子さん)もついて来ると言っています。しかし彼女は既婚者なのです。旦那さん(博和さん)を1人で実家に帰して自分は札幌旅行を楽しむと言っています。本気なのでしょうか? まあ本気なんでしょうね。「久しぶりにスキーでかっ飛ばして、仕事のストレスを発散するのよ!!」とはりきっていましたからね。博和さん、お気の毒です・・・・・・。

 まあ、こんな内輪の話はこのへんにして、こばとちゃん講義を始めますね。いよいよ対数が登場しますよ。前回にたくさん練習した指数方程式の1つを例にとって説明します。

2 k = 8

 答えは k = 3 ですね。とっても簡単です。「うんにゃ。難しいよ」なんて言う人は、ちゃんと前回の記事を読んでくださいな! さてここで、この指数方程式の解を新しい記号を使って表すことにします。

k = log 28

 「何でわざわざこんなことするの???」と思うかもしれませんが、それには深い理由があるのです。それは対数についてより深く学んでいけば徐々にわかるようになります。今はともかくこの記号に慣れるようにしてください。log というのは logarithmus (人工数)というギリシャ語の略です。スコットランドのジョン・ネーピアという人が巨大な数を扱うために試行錯誤した末に考え出した表記法です。上の表式を丁寧に言葉で表現すると「 2 を底とする真数 8 の対数」です。

底と真数.gif

何だかややこしい言い方ですが、あくまで指数方程式

2 k = 8 の解 k

の別の表現に過ぎません。慣れるまでは下の図のように指数方程式の形に戻して考えるようにしてください。

対数に慣れるまで.gif

 皆さんも小学校のときは、簡単な計算問題を繰り返し解いたと思います。たくさん解いているうちに四則演算の仕組みを体で覚えてきたわけです。実はそういう手法は高校数学でも有効なのですが、高校では新しい概念が次から次へとたくさん登場するので、1つの計算手法に習熟しないまま次へ進んでしまうということになりがちです。特に対数のような分野では対数関数についてあれこれ難しいことを学ぶ前に、ひたすら(できれば 300 問ぐらい)計算して対数に慣れて九九のように瞬間的に答えが頭に浮かぶぐらいに計算に習熟すれば、結局はそのあとの学習がスムーズに進みます。というわけで今回も前回と同じように計算問題をたくさん解きましょう。記号は変わっても本質は前回の指数方程式と全く同じことなので、そこを忘れずにね。最初は簡単な問題から。

log 24

まだ慣れていない人は頭の中で 2 k = 4 と直して k を求めてくださいね。あるいは「 2 を何乗したら 4 になるのかな」と考えます。答えは 2 ですね。次の問題です。

log 39

3 を 2 乗したら 9 となるので、答えは 2 。どんどんいきましょう。

log 381

3 を 2 乗して 9, さらに 2 乗して 81 ですから、答えは 4 です。

log 100.1

おっと。少し趣向が変わりましたよ。指数法則を思い出してくださいね。 10 を −1 乗すれば 1 / 10 = 0.1 です。なので答えは −1 。

log 101

どんな数でも 0 乗すれば 1 になりますから、答えは 0 です。

log 77

答えはもちろん 1 ですよ。

log √55

√5 を 2 乗して 5 になりますね。答えは 2 。

log √31 / 3
「ひょ!」と驚かないで落ち着いてくださいな。 √3 を 2 乗すれば 3 です。さらに −1 乗すれば 1 / 3 となりますから、答えは −2 です。

 上のような計算が見た瞬間にぱっとわかるようになるまで練習してください。さて、これまでの例題は答えが簡単な整数や分数になるものばかりでしたので具体的に計算できましたが、

2 k = 10

のような指数方程式は k を簡単な整数や分数では表すことはできません。そんな場合でもとりあえず

k = log 210

と対数の形に書いてしまえば、「 log 210 は log 28 よりも少しだけ大きい数だね」と感覚的に掴めます。ちなみに電卓で計算してみると log 210 = 3.32 です。対数計算の場合はこのように不等式を使って数の "あたり" をつけたりします。 2 を底とする対数を並べておくので数感覚を掴んでおきましょう。

log 21 = 0.00
log 22 = 1.00
log 23 = 1.58
log 24 = 2.00
log 26 = 2.58
log 28 = 3.00

 次回以降にグラフを使って学習しますが、対数は真数が大きくなればなるほど増加率は緩やかになります。この事実を使えば対数値を予測しやすくなります。たとえば上の表から

  log 24 < log 26 < log 28 ⇔ 2 < log 36 < 3

ですが、log 26 の値は log 24 = 2 と log 28 = 3 の平均値 2.5 よりも少しだけ大きな値(2.58)になります。底や真数が大きくなればこの「平均値からのずれ」もまた大きくなります。たとえば、

  log 33 < log 36 < log 39 ⇔ 1 < log 36 < 2

という関係において、 log 36 は 1 と 2 の平均値 1.5 よりもやや大きい 1.63 となります。対数に限らず、関数の値が「おおよそどれぐらいなのか」ということが直感的にわかるように訓練しておくことは大切です。数感覚を頭に定着させておけば、試験などで計算間違いをしたときに「あれ? こんな大きな数になるはずないよ」ということがわかったりします。次回で見る対数関数のグラフの形を知れば、もう少し具体的なイメージを描くことができるようになりますよ。

2015年11月07日

KABANE ちゃんと KOBATO ちゃんで必要条件と十分条件?

 こばとのことを知らない人は、「この世界には、こばとちゃんと、その姉のかばねちゃんという 2 羽のリムシー・ペルがいる」という前提で記事を読んでくださいね。そうしないと頭が混乱しまくりですよ。こばとちゃん(ネイネイス)と書いてあるけど、(  )の中はこばとの本名です。「こばと」という同じ名前の人物と重ならないようにするためです。

こばとの数学ひとりごと 03 必要条件とか十分条件とか ......


 命題 p と q があって、p ⇒ q が成り立つときに、

p は q であるための十分条件
q は p であるための必要条件

とか言うよね。逆に q ⇒ p が成り立つときに、

q は p であるための十分条件
q は p であるための必要条件

となるんだけど、

  「 p ⇒ q 」と「 q ⇒ p 」が共に成り立つとき、
  「 q ⇔ p 」と書いて、p は q であるための必要十分条件

といえる ...... いつも「何だかわかったようなー、やっぱりわからないようなー」みたいな気分が残っちゃうな。というわけで、こばとを使って、こんなふうに書き直してみることにした。

 p:こばとちゃん(ネイネイス)である  q:ペルである

 ええと、まず p ⇒ q を考えてみると ......

こばとちゃん(ネイネイス)であれば、ペルである

 これは文句なしに成り立つね!
 だって、こばと(ネイネイス)は間違いなくペルだしねー! つまり ......

 こばとちゃん(ネイネイス)であることは、ペルであるための十分条件
 ペルであることは、こばとちゃん(ネイネイス)であるための必要条件

なんだね。それじゃ、逆の q ⇒ p はどうかな?

ペルであれば、こばとちゃんである ...... ?

 これはダメ。だって、こばとには姉さんがいるから、ペルだからといってすぐにこばとちゃんとは断定できないもんね。だから ......

 ペルであることは、こばとちゃん(ネイネイス)であるための十分条件ではない
 こばとちゃん(ネイネイス)であることは、ペルであるための必要条件でもない

ということになるね。やっぱりややこしいけど、いずれにしてもこの命題は「必要十分条件」ではないってことだね。何だかちょっと悔しいな(意味不明)。
 

2015年11月05日

こばとの飛行速度と育ちざかり

 本日は忙しいブログ主さんに代わって、こばとが記事を埋めますよ。時々ふらりと現れる「こばとの数学ひとりごと」シリーズの2回目なのです。「なんだ、数学じゃないのか。くだらねー。帰ろう」なんて言う人は、ちょっとお待ちくださいなー・・・・・・て引き止めるほど大した記事じゃないんですけどね。まあ、暇つぶしぐらいにはなるかもしれませんよ?

来月には数学基礎講座が始まるよ

 12 月には数学基礎講座の冬休み編があるから、そろそろ準備をしないとね。今度は対数関数。初めて学ぶ高校生にとっては躓きやすいところだから、わかりやすい講義を心がけないとね。ブログ主さんは「小春ちゃんにもわかる講義をよろしく」なんて無茶な要求するけど、「じゃあ自分がやってみろー!」て感じ。小春ちゃんに対数関数を教えるなんて、こばとの才能の限界を遥かに超えているよ。

小春ちゃんの進路

 小夜子さんに聞いたんだけど、小春ちゃんは保育士さんになりたいそうです(というより急に思い立ったみたいです)。でも小夜子さんは猛反対したそうです。そりゃそうだよね。小春ちゃんに子供を預けたいなんて母親が世の中にいるとは思えないもんね。どういう経緯でそんな話になったか気になる人は、小夜子さんのブログに寄ってみてくださいな。

こばとちゃんの飛行速度は?

 「こばとちゃんは羽根があるから、全国どこにでも飛べて行けるからいいね」なんて無神経なことを言う人がたまにいるけどね。全力で飛んでも時速 40 km 程度しかだせないこの羽根で行けるところなんてたかが知れてるしー。しかも飛んでると疲労するしー。だから姉さんは北海道から飛行機に乗って東京まで来るんだしー。いずれにしても、人間と同じように、車や飛行機がないとやっていけないよ。本当に。

育ちざかり?

 「そんな小さい身体でよく食べるねー」なんて余計なお世話を言う人がいるけどね、0.1 mm でも身長を伸ばそうと努力してるんだよね。姉さんは諦めちゃったみたいで、「私たちの身長はこれ以上伸びません」なんて言ったけど、こばとはまだ諦めてないもんね。いずれは姉さんの身長を超えてみせるもんね。頑張って 8 mm の差を乗り越えるよー。「たった 8 mm !?」なんて言う人は、算数(比率)をもっと勉強してくださいなー。こばとたちのサイズで 8mm はとっても大きな差なのです!!

 ・・・・・・いつのまにか愚痴ばかりの記事になっちゃった。次に機会があった時はもう少しまともなこと書こう。あ、そうだ、ここだけの話なんだけど、ブログ主さんは、「あれこれ測ってみよう」(正確なタイトルは忘れちゃった)みたいなコーナーを新設するようなことを言っていましたよ? この数学ブログの中にコーナーを作るか、それとも新しいブログを立ち上げるか思案中とのこと。何だか「物理っぽい記事」を書くらしいです。こばとの身長を伸ばす妙案とかあったらいいなー。
 

2014年09月17日

無限等比級数(どこまでも足し続けます)

【Excelショートカット豆知識】
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こばとの数学基礎講座10 無限等比級数(どこまでも足し続けます)


 このまえ、こばとの英語ノートのブログ記事を書くために、六郷瞳(ろくごうひとみ)さんのお宅にお邪魔しました。なぜならテーマが "Eyes(目)" だったからです。「"瞳" ちゃんだから "Eyes" のテーマにぴったりですよねー」と言ったら、「くだらない」と一蹴されました・・・・・・へこみました。瞳ちゃんは、ちょー真面目できっちりした性格のリケジョさんです。冗談が通じるタイプの人ではないので、「こばとちゃん講義」を進行させるのにとっても苦労しましたよ。興味のある方は読んでみてくださいね。

 それでは今回の数学です! 今回は 無限等比級数 を扱います。何だか難しそうな用語ですけど、要するに前回まで扱っていた等比数列の各項を全て足し合わせたものを等比級数と呼ぶのです。初項 a, 公比 r の数列 a n = a r n−1 の無限等比級数 S は次のように書き並べます。


 無限級数なので終わりはありません。どこまでも足し続けます。「どんな数列だって、こんなにたくさん足し合わせたら ∞ になっちゃうんじゃないの?」と思われるかもしれませんが、必ずしもそうはならないのが数学の奥深いところなんです。
 上の無限等比級数から一部分を取り出したものを部分和といい、 S n で表します:


 まずはこの S n を求めてみましょう。 S n と S n に r を掛けたものを並べてみます。



 赤い部分が互いに共通する項です。[1]から[2]を引いて整理すると、


 両辺を 1−r で割れば S n が求められるわけですが、こういうときに注意しなくちゃいけませんよね。 r = 1 のときは割ることができませんよ。r = 1 のときは [1] の表式まで戻って、


となります。 r≠1 のときは、


ですね。そしてこの公式で n → ∞ とすれば無限等比級数の値が得られるのですが、前回の最後に数列 r n の収束条件は −1 < r ≦ 1 であると言いましたね。上の式でわかるように、数列 r n が発散すれば、級数も発散してしまいます。そして r = 1 の場合、数列は a 収束しますが、級数は a を無限に足すことになるので発散します。したがって、無限等比級数の収束条件は −1 < r < 1 (|r| < 1)ということになります。その条件の下で n → ∞ とすれば r n → 0 ですから、


となります。部分和よりも無限級数の方が公式が簡単になっているのは面白いですね。では初項 1, 公比 1/2 の数列 a n = (1/2) n−1 を上の数式に入れて計算すると、S = 2 が得られます。つまり、


ということです。こんなに足しているのに 2 を超えることは決してありません。何だか不思議ですよね。感覚的に掴みにくいかもしれませんが、こう考えてみてください。確かに項数は無限大に続いて足し合わせる作業に終わりはありません。しかし、a n は n が1つ増えるごとに 半分、またその半分と、どんどん小さくなっていきます。項数の増加に対して a n の値の減り方が大きすぎて、数を増やすことに貢献できなくなるのです。もう少しわかりやすい例を見てみましょう。1.000000……という数(つまり 1 です)を考えます。この数に 1/10, 1/100, 1/1000, …… というように順に数を足していくと桁はどう表示されるでしょうか(初項 1, 公比 0.1 の級数です)。

1.100000……
1.110000……
1.111000……
1.111100……
1.111110……
1.111111……

 いくら繰り返したところで1つ後ろの桁に 1 が加わるだけですね。この級数が決して 1.2 の値を超えられないことは直感的にわかると思います。もちろん、先程の無限等比級数の公式を用いても計算できます。ちょっと練習してみてください。S = 10/9 = 1.11111…… という無限循環小数が得られます。次回ではこのあたりのことも含めて、無限等比級数 S は公比 r の関数としてどのように振る舞うのかということを解説します。いよいよエクセルによる "数値計算" の威力をお見せできると思います。教科書では説明されないことがたくさんでてきますよ。お楽しみに!


こばとの数学基礎講座11 エクセルによる等比級数の分析


 KOBATO です! 皆さん、シルバーウィークはどのように過ごされましたか? こばとはマリちゃん(刑部真理子さん)と北陸新幹線に乗って金沢まで行って来ましたよ! ちょー楽しかったです。
 今回は夏休み企画(夏はとっくに過ぎてしまいましたけど)の最終回となります。でも冬休みあたりにまた再会する予定ですので、よろしくお願いしますね。それまでの間はブログ主さんが更新再開する本編の記事にチャレンジください。高校生の方にとっては、まだまだ難しい内容も含まれているとは思います(フーリエだとか、ディリクレだとか、聞いたこともないような関数がでてきたりするかもしれません)けど、グラフを眺めているだけでも楽しいと思いますよ。ブログ主さんのお話によると、次は y = logx logxという変てこな関数を扱うらしいです(今回の基礎講座で対数関数が間に合わなかったのはちょっと残念です)。

 最終回は、エクセルをふんだんに使って等比級数を分析してみます。数値解析の初歩の初歩です。「なるほどー。エクセルってこんなことができるんだー」ということを知ってもらえたらいいと思います。ではまず前回のおさらいから。等比級数の部分和と無限和を求める公式は、




でしたね。上の式(部分和)で n → ∞ とすれば下の式(無限等比級数)が得られます。ここでちょっとこう考えてみます。
「別に ∞ までいかなくても、n に十分大きい値を入れたら、Sn と S は同じぐらいの値をとるんじゃないかなー?」
 一理ありそうですね。はたしてどうなんでしょう? さっそく初項 1, 公比 1/2 の等比級数で見てみましょう。無限和は簡単に計算できて S = 2 ですね。問題は Sn のほうです。思いつくままに大きな n を入れて計算するのは(たとえ電卓を使っても)大変です。どのぐらいの n が適当なのかさえわかりません。そんなことはとてもやっていられないので、エクセルで n ごとの Sn の値をいっぺんに計算してグラフにプロットしてしまいます。

等比級数n-Snグラフ.gif
 いかがですか? n = 6, 7, 8 のあたりから Sn の伸びが悪くなって、n = 10 のあたりでは少しも動かなくなっているように見えます。私のエクセルに出力されている具体的な数値は S10 = 1.999023438, S11 = 1.999511719 となっています。小数点以下 4 桁のところしか動いていません。もう少し先を見ると、 S20 = 1.999999046 です。
「それなら、n = 10 ぐらいとっておけば、近似的に S は Sn と同じと考えていいんだね」
などと考えるのはまだ早計です。公比によって事情はだいぶ変わってきます。初項 1, 公比 0.9 の等比級数ではどうなるでしょうか? 無限和は S = 10 です。

等比級数n-Snグラフ2.gif
 先程とはだいぶ様子が違いますね。グラフが水平になるのは n = 40 を超えたぐらいからでしょうか。私のエクセルで数値を見ると、Sn = 9.99 に達するのは n = 65 のときです。小数点以下 3 桁の精度を求めるなら、n = 87 が必要です。このように、等比級数は公比が大きくなると、総和が大きくなるのは当然として、収束に必要な n も大きな値が必要になってきます。
 では次に、公比 r と無限和 S の関係をグラフで見てみましょう。初項は煩わしいので a = 1 としてあります。もちろん、収束範囲の 0 < r < 1 に限定してあります。

公比と無限和.gif
 立ち上がりは遅いのに、r = 0.8 を超えたあたりから急速に値を伸ばしていきます。このグラフが意味するところを丁寧に考えてみましょう。r = 0.2 と r = 0.3 で級数を比較してみると、それぞれ S = 1.25, S = 1.43 となります。一方で r = 0.8 と r = 0.9 で比較すると S = 5, S = 10 となり、その差はとても大きくなってしまいます。つまり、公比の大きい範囲では、公比がわずかに異なるだけで、計算される級数は大きく違ってくるということです。それは r が 1 に近づくにつれてより顕著になっていきます。r = 0.98 と r = 0.99 で比較すると、それぞれ S = 50, S = 100 です! わずか 0.01 の公比の差異が級数にこれほどの違いをもたらすということになるのです! こういうことは感覚ではなかなかわからないものですよね。

 こばとの数学基礎講座はしばらくお休みします。12月中旬ごろに再開する予定です。でも、こばとは『あとりえこばと』にいつもいますので、暇があったらお越しくださいね。それではまた、冬休みにお会いしましょう!
 
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