2016年11月08日

原点から放物線上の動点までの距離

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原点から放物線上の動点までの距離

 放物線 y = a x2 + b x + c 上の動点から原点までの長さ L について調べてみます。

 原点と動点距離.gif

 L は x の関数として

L2 = x2 + (a x2 + b x + c)2

によって与えられます。 3 つのパラメータ (a, b, c) をいろいろ変えながら L(x) のグラフの概形を見てみましょう。

abc100.gif
 
 これが基本形です。 L2 = x2 + x4 ですから、4 次関数に 2 次関数を加えて平方根をとる形になります。全体としてほぼ 2 次関数によく似た形になりますが、原点付近で少し異なった振る舞いをします。

 abc130.gif

 少しパラメータを動かすとこんなにも形が変わります。 c = 0 のときは放物線が必ず原点を通るので、原点における値の変化が激しくなります。 

 abc111.gif

 c に値が入ると放物線が原点から離れるので、原点付近で滑らかにつながります。

 abc173.gif

 とはいえパラメータ b と c の兼ね合いで放物線が原点に接近していると、やはり原点付近で値の変化は急激になります。
 
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2016年10月23日

極大値が3次関数に沿って左上や右下移動します

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極大値が3次関数に沿って左上や右下移動します


 今回と次回は 3 次関数

y = a x3 + b x2 + c x + d

の係数について詳しく調べていきます。今回は、a = 1, c = d = 0 として

y = x3 + b x2

という関数を考えます。この関数の極値を求めるために微分すると

y' = 3 x2 + 2 b x

となるので、y' = 0 となる点は

x = 0, −2 b / 3

であり、 b = 0 以外は 2 点で極値をとります。また、b を変化させても極値の片方は必ず x = 0 となります。変化するほうの極値の座標は、

(X, Y) = (−2b/3, 4b3/27)

となって b の変化に応じてある軌跡を描きます。 b を消去すると、

Y = −X3 / 2

という軌跡の方程式が得られます。それでは b = 0, 2, 4 と変化させたグラフを描いてみます。

 3次関数の係数b.gif

 b = 0 では極値は存在しません。b > 0 から極大値と極小値が出現し、極小値は必ず x = 0 にあります。極大値は 3 次関数に沿って左上に移動している ことがわかります。 b が負の場合は次のようなグラフになります。

 3次関数の係数b負.gif

 今度は軌跡に沿って 右下に極値が移動しています ね。

 つまり b が正なら x < 0 の領域で x3 による y の減少に一時的なブレーキがかかり、 b が負なら 0 < x の領域で y の増加と反対方向に作用するということです。こうした作用が極値をつくっているのです。
 
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2016年10月21日

1 次の項にかかる係数の意味を考えます

 今回は高校生向けのやさしい話題ですが、「意外と気にとめていないかもしれないな」ということをテーマを選んでみました。

1 次の項にかかる係数の意味を考えます

 皆さんお馴染みの 2 次関数

y = a x2 + b x + c

という式を目にしたとき、「 2 次の項にかかる係数 a については放物線グラフを細長くし、定数項 c については全体を上下に移動させる」というイメージをもっていると思います。では「 1 次の項にかかる係数 b の意味は?」と問われたらどうでしょう? 実はこの b は、 2 次関数に対してもっとも複雑な挙動を与える係数です。簡単のために、a = 1, b = 2 p, c = 0 として

y = x2 + 2 p x

という関数について、 p を変化させることにします。いきなりグラフを描く前に、できるところまで推測してみましょう。 1 次の項にかかっているのですから、x < 0 の範囲では値を減少させ、 0 < x の範囲では値を増加させる効果があるはずです。というより、それが全てなのですが、放物線を頭の中だけで操作しようとしても限界があります。そこで練習問題などでお馴染みの「頂点の軌跡」を考えてみることにします。上の式を変形して

y = (x + p)2 − p2

となるので、頂点の座標は

(X, Y) = (−p, −p2)

であることがわかります。 p を消去すると

Y = − X2

という頂点の軌跡が求まりますが ...... 実は軌跡の方程式は p が消えてしまっているので、あくまで「頂点はこの曲線の上にありますよ」ということしかわからないのです。「 p の変化に対して頂点がどの方向に動くか」ということを知りたければ、やはり頂点の座標

(X, Y) = (−p, −p2)

をじっと眺める必要があります。とりあえず p > 0 として p = 1, 2, 3, ...... と変化させれば、

(X, Y) = (−1, −1), (−2, −4), (−3, −9), ......

となるので、先ほど求めた頂点の軌跡(放物線)に沿って、x, y ともに負の方向へ移動していきます。

Excel でグラフを描いてみます

 以上のことを確かめるために、p = 0, 1, 2 と変化させたグラフを Excel で描いてみます。

 2次関数の係数b.gif

 点線が頂点の軌跡です。 p の増加とともに、この点線上を左下へ移動していることがわかります。
 
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2016年04月10日

2次関数の頂点の軌跡を実感してみましょう

 今回のテーマは高校数学でよく扱われる2次関数の頂点の軌跡です。

2次関数の頂点の軌跡


 パラメータ a を含んだ2次関数

y = x 2 + ax   [1]

を解析してみます。

 01y=x^2-ax.gif

 a が変化するとそれに連動して頂点が動きます。
 その軌跡の方程式を求めてみましょう。[1] を変形して

y = (x + a / 2) 2 − a 2 / 4

ですから、頂点の座標は

(X, Y) = (− a / 2, − a 2 / 4)   [2]

となりますね。 a を消去すれば

Y = − X 2   [3]

という軌跡の方程式が得られます。これを図示してみると ......

 02頂点の軌跡.gif

 Y = − X 2 に沿って頂点が移動しているのが分かります。


3 次元グラフで頂点の動きを確認してみます

 実は3次元グラフを使うと頂点がどのように動くかひと目でわかります。
 a もまた変数と考えて、

f(x, a) = x 2 + ax   [4]

という2変数関数のグラフを描いてみると ......

 03y=x^2-ax3D.png

 手前から奥に向かって a が変化します。
 x - z 面に平行な断面図をとると放物線 [1] が現れます。
 頂点が動く様子もわかると思います。
 言い換えると [4] は [1] で a を連続的に変化させながら重ね合わせた曲面だということです。
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2016年03月11日

Excel 3次元グラフが登場します

 今回から2つの変数をもつ関数 z = f(x,y) を扱います。
 当然、描かれるグラフは3次元となります。初回は x と y の多項式を扱いますが、1 変数の関数に比べてそのバリエーションは一気に広がっていきます。

 理工学部の学生さんは入学してすぐに偏微分や多重積分などを学ぶことになると思いますが、「今扱っている関数がどんな形をしているのか」ということまでは、なかなかイメージすることはできません。ほとんどの場合において z = f(x,y) を紙に描くことは困難です。

 しかし微分や積分の計算力を鍛えるだけではあまりに味気ないですよね。これから色々な関数の 3D グラフを紹介していきますので、普段の計算とグラフを見比べながらイメージを定着させてみてください。
 でも全ての関数を網羅的に載せることはできないので、もし「こういうグラフを描いてほしいな」という要望があればコメントをお寄せください。それが Excel で描けるものだと判断すれば、優先的に「グラフコレクション」という頁に載せていく予定です。

Excel で3次元グラフを描きます


 それでは最初に

f(x, y) = x2 + y2  [1]

という関数のグラフを描いてみます:

 01f=x^2+y^2.png

 これは「楕円体」という方程式の1種であり、x - y 面に平行な面(z = c)で切ってみると、切り口が円になっています。また y = c で切ると、

z = x2 + c2

というように放物線の切り口が現れますので、放物線 y = x2 の3次元版とみることもできます。z = f(x, y) について x や y のどちらか一方について微分することを偏微分とよび、

fx = ∂f / ∂x,  fy = ∂f / ∂y

というような記号で表記します。上図では (x, y) = (0, 0) で極小値をもつことがわかりますね。一般に

  z = f(x, y) が (a, b) で極値をとる
    ⇒ fx(a, b) = 0,  fy(a, b) = 0  [*]

が成立することが知られています。実際に計算して確認してみましょう。

fx = 2x,  fy = 2y

ですから、(0, 0) において [*] は確かに成り立っています。

 しかしその逆が常に成り立つわけではありません。

fx(a, b) = 0, fy(a, b) = 0

を満たすからといって、そこが極値であるとは限らないので注意が必要です。 z = f(x, y) の極値の判定法は1変数の場合に比べてかなり複雑です。ここでの説明は割愛しますが、大学の講義で使用する解析学の本には必ず載っていますので、気になる人は確認しておいてください。

 次の例に進みましょう。 [1] に xy を含んだ項を付け加えます:

f(x, y) = (x + y)2  [2]

 1変数では2次関数 y = x2 に x の項を加えても概観が大きく変わることはないのですが、2変数では様相をがらりと変えてしまいます:

 02f=(x+y)^2.png

 直線 x + y = 0 の上で最小値をとる関数です。

fx = 2(x + y), fy = 2(x + y)

 ですから、確かに x = - y で fx = fy = 0 を満たしています。

 最後は「双曲放物面」とよばれる曲面です:

f(x, y) = x2 - y2  [3]

 方程式の形は最初に紹介した楕円体に似ていますが、符号を少し変えただけで f(x, y) はその姿を大きく変えてしまいます:

 03f=x^2-y^2.png

 馬の鞍のような形をしていますね。実は中央の凹んだところはまさに「鞍点(saddle point)」と呼ぶのです。鞍点では極値でないのに、

fx = 0,  fy = 0

を満たします。時折こういう点が現れたりするので、極値の判定を難しくしているのです。
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