2015年11月15日

螺旋(らせん)行列による座標変換

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螺旋(らせん)行列による座標変換


 ベッセル関数を成分とする行列

ベッセル関数を成分とする行列

 による変換を線形結合の観点から見直してみます。基底ベクトルは:

基底ベクトル

となりますが、これは選んだ θ によって角度だけではなく、その大きさも変えてしまいます(記事 52 ベッセル関数を用いた媒介変数表示関数を参照)。 その様子を図示すると次のようになります:

基底J0J1.png

 基底ベクトル a は媒介変数で表された関数 (J0(θ), J1(θ)) に沿って螺旋を描きます。 ab は直交しているので、 ba に対して + 90°反時計周りに回転させたベクトルとなります。θ = pi / 2 の場合を図示すると:

ベッセル行列座標変換.png

 ab の張るベクトル空間はやはり直交座標で、θ = π/4 より少し多く元の座標から回転しています。格子の長さは 0.74 倍短くなります。水色の単位ベクトル e を変換すると、赤いベクトル ( -0.095, 1.039) へ移ります。
 ⇒ なんとなくの数学日記(パーフェクト)

2015年11月12日

新しい座標系は元の座標に対して鏡面対称となっています

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新しい座標系は元の座標に対して鏡面対称となっています


 任意の点を x 軸に関して対称移動させる操作は線型変換の代表的な例といえます:

 対称移動操作

 たとえば三角形をこの行列で変換すると、下図のようになります:

 3角形折り返し.png

 黄色の三角形が x 軸に対して折り返されて赤い三角形に移っています。これは x-y 座標での変換の様子ですね。前回お話した座標変換の考え方を練習してみます。ベクトル (1, 1) を変換した様子を図示すると・・・・・・

 ベクトルx軸対称移動.png

 水色のベクトル (1, 1) が赤いベクトル (1, -1) に変換されています。これは、ベクトル (0, 1) と ベクトル (0, -1) という2つのベクトル(基底)を格子とする座標に移されたと考えることができます。この新しい座標系における赤色のベクトルは、やはり (1, 1) と表されることになります。今の場合は 新しい座標系は元の座標に対して鏡面対称となっている わけです。
 ⇒ なんとなくの数学日記(2 行 2 列で十分です)

2015年11月11日

線型変換(基底とは新しい座標系の単位格子ベクトルです)

 今回は改めて 線型変換(1次変換)の意味 を考えてみようと思います。理数系の学生さんは行列の計算をたくさん練習されると思いますが、行列はただ計算規則を定めたものではありません。そこにはちゃんと意味があります。

線型変換(基底とは新しい座標系の単位格子ベクトルです)


 たとえば次のような対角成分の等しい行列による変換を考えてみましょう。

行列による1次変換@

 これを少し変形すると

行列による1次変換A

 のような形にできますね。ベクトル a = (3, 1) と b = (1, 3) による線型結合の形になっています。 (x, y) は任意の点ですから、「 x-y座標上のあらゆる点が ab の線型結合の上に乗りますよ」ということです。つまり (X, Y) は ab によって作られる格子で表される新しい座標ということになります。任意の点ではわかりにくいかもしれませんので、(1, 1) と (2, 2) を試しに変換してみます:

線形変換

 これを図示すると下のようになります。

  ベクトルの線形結合.gif

 (1, 1), (2, 2) はそれぞれ x-y 座標系では (4, 4), (8, 8) に移っているわけですが、X-Y 座標ではやはり (1, 1), (2, 2) と表されます。ただし、その格子単位は ab の長さになっているのです。このように解釈すると、 2 行 2 列の行列は 2 次元ベクトルを2つ横に並べたものと考えることができます。そしてこの2つのベクトルを基底とよびます(つまり 新しい座標系の単位格子ベクトル です)。
 以上のことを踏まえると、行列計算にある程度習熟したら(これはとても大切なことで無意識にできるようにならないといけません)、少し面倒かもしれませんが、行列をベクトルに分解し、実際に紙にベクトルで作った格子を書いてみて、「どういうふうに変換されたのかな?」と確認することを繰り返してみてください。適当な行列を選んで10回ぐらいやってみると、線型変換の本質が必ず「見えて」きます。

 これまで何度も取り扱ってきた回転行列による線型変換を「線型結合」の視点で見直してみます。回転行列 Rθ による変換を次のように書き表します:

回転行列による変換

 ベクトル a = (cosθ, sinθ) は円周上の点ですね。

cos(θ + 90°) = - sinθ
sin(θ + 90°) = cosθ


ですから、ベクトル b = (- sinθ, cosθ) もやはり円周上の点で、 a を反時計回りに 90°回転させたベクトルです。 ab の内積をとってみると、

aとbの内積

となり直交していることがわかります。また、

|a| = 1, |b| = 1

もすぐに計算できます。つまり、回転行列 Rθ は座標を反時計回りに回転させ、格子の長さと角度は不変に保ちます。たとえば回転行列で単位ベクトル (1, 1) を変換すると下図のようになります:

 回転行列座標変換.png

 水色の単位ベクトル e は変換によって a + b と表されますから(赤色ベクトル)、回転した直交座標で (1, 1) と表されます。しつこいようですが、ベクトル (j, k) を線型変換したとき、元の x-y 座標系ではその座標を変えてしまいますが、新しい座標ではそのまま (j, k) となります。
 ⇒ なんとなくの数学日記(サイトをデザインしてみたいです)

2015年11月09日

ベッセル回転行列による円と二等辺三角形の変換

 前回と同様にベッセル関数を成分にもつ行列の性質を調べます。

ベッセル回転行列による円の変換

 行列 Bθ の定義を再掲します:

行列Bの定義

 右下の添え字θは回転角を表すと決めておきます。前回はこの行列による繰返し変換によって点の軌跡を追いましたが、今回は普通に円に対して行列を作用させて、その変形を見ます。 B0 による変換は:

 B0による円の変換.gif

 円に対して不動となります。B60 で試してみましょう:

 B60による円の変換.gif

 円を縮小させました。ベッセル関数のもつ振幅減衰効果が図形に対する1次変換ではこのように表現されるわけです。点に対する繰り返し変換の軌跡は螺旋でしたね。 B180 で試してみると:

 B180による円の変換.gif

 もっと小さくなりました。θ → ∞ の極限で円は点に圧縮されます。しかし、これだけではベッセル回転行列の面白さは理解できません。単に図形を縮小(或いは拡大)させるだけなら普通の対角行列で表現できます。


ベッセル回転行列による二等辺三角形の変換

 ベッセル回転行列は円以外の別の図形に作用させてはじめて、その奇妙な性質が見えてきます。たとえば、この行列で (1,0), (-1,0), (0,1) を頂点とする二等辺三角形を変換してみると、θ の値によって次のように変化します。

 Bθによる三角形変換01.gif

 三角形を反時計周りに回転させつつ縮小させる行列であることがわかりますね。θの値を大きくとるほど変換される三角形は小さくなります:

 Bθによる三角形変換02.gif

 米粒のように小さくなってしまいましたね。 θ → ∞ の極限で三角形の面積は 0 になります。
 ⇒ なんとなくの数学日記(やっぱり猫が好き)

2015年11月07日

1次変換を繰り返して軌跡を描きます

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1次変換を繰り返して軌跡を描きます

 今回は円弧を描く線形変換を扱いますが、行列の性質を調べるために 「1次変換の繰り返し」という特殊な方法を使います。ある点を1次変換し、得られた座標に対してまた同じ行列で1次変換します。そしてさらに変換して・・・というようなことを繰り返し、それを全てプロットしていきます。するとそこに点の軌跡が描かれているはずです。すなわち行列Aによる変換:

行列Aによる変換

という演算を必要な n だけコンピューターで繰り返すのです。これは手計算でやると途方もない根性を要求されるので、コンピューター数学ならではの手法といえます。さっそく普通の回転行列で試してみましょう。初期値を (x, y) = (1, 0) とし、θ = pi/18 = 10° とした R10 を用いて計算してみます:

 繰り返し変換による円軌道.gif

 綺麗に円弧を描いていますね。これはあくまでテストです。本番はここから。今回はベッセル関数を成分にもつ行列

ベッセル関数を成分にもつ行列

を定義します。通常の回転行列における cosθを J0(θ) で、sinθを J1(θ) に置き換えています。θ = pi/6 = 30° とした B30 を用いて点の軌跡を描いてみると・・・・・・

 ベッセル行列繰返し変換.gif

 螺旋が現れました。 (1, 0) からスタートして少しずつ半径を小さくしながら回転して原点へ巻き込んでいく様子がわかりますね。これはもちろんベッセル関数のもつ減衰振動の性質によるものです。
 
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