2015年12月06日

正葉曲線(バラ曲線)を描いてみます

 極座標において原点からの動径(距離) r と偏角 θ によって

r = f(θ)

の形に表された方程式を極方程式とよびます。上式から (x, y) 座標は、

x = f(θ) cosθ, y = f(θ) sinθ

で計算されます。

正葉曲線(バラ曲線)


 今回は正葉曲線

r = sin(nθ)

を扱います。これまでもサイクロイドやアステロイドなどを紹介ましたが、正葉曲線は動径と偏角の間の関係式がより簡単な形をしています。しかし、その方程式の描く図形はサイクロイド・アステロイドよりも複雑な形をしています。まず n が 1 の場合から見てみましょう:

 正葉曲線n=1.gif

 これは中心点が (0, 1/2) で半径 1/2 の円です。 n = 2 としてみると・・・・・・

 正葉曲線n=2.gif

 4つの葉が現れましたね。 n = 3, 4, 5 とまとめて見ていきましょう:

 正葉曲線n=345.gif

 n によって葉の数が増えますが、n が増加するに応じて葉が増えるという単純な関係にはなっていないようです。 n = 5 では葉が5枚に減ってしまっていますね。しかし n と葉の数は倍数関係にあるようです:

n = 1  葉の数 = 1 = 1n
n = 2  葉の数 = 4 = 2n
n = 3  葉の数 = 3 = 1n
n = 4  葉の数 = 8 = 2n
n = 5  葉の数 = 5 = 1n
・・・・・・・・・

 グラフは省略しますが、同様に n を増やしていくと、葉数は 1n, 2n の数を交互にとることがわかります。増えたり減ったりです。さて、 n = (2m + 1) / 2 とした場合はより複雑な図形を描くことになります。 n = 0.5, 1.5, 2.5 をまとめて見てみます:

 正葉曲線n=0.5.gif

 複雑ではありますが、見事な対称性をもった美しいグラフです。もう少し踏み込んでいきましょう。 n = 0.3 および n = 1.3 はどうなるか・・・・・・

 正葉曲線n=0.3,1.3.gif

 もはや葉の形はしていませんね。細かな網目模様が出来上がっています。n が整数の場合とどうしてこんなに違ってしまうのか? それは三角関数のもつ周期に原因があります。たとえば、

r = sin[2θ]

という方程式において出発点( θ = 0 )では

r = 0

ですね。原点にいます。θを動かしてぐるりと1周してきた場合に

r = sin[2(0 + 2pi)] = sin[4pi] = 0

とやはり同じ値に戻ることがわかります。以降は繰り返しです。つまり θ をどれだけ動かしても、同じところをなぞることになります。ところが、

r = sin[0.3θ]

という方程式の場合、θ = 0 に 2 pi を加えると(1周させると)、

r = sin[0.3(0 + 2pi)] = sin[0.6pi]

となり、1周前と別の値をとってしまいます。

 1周すると値が異なります.gif

ここからさらに θ を増加させていくと、1周前とは別の道筋を通ることになり、こうして周回ごとに少しずつずれた軌跡を描き続けて網目模様を作り出すわけです。y = sin(nx) というグラフはどのような n を選んだとしても、波形の山と山、谷と谷の間隔が異なるだけですが、動径 r と関連付けられた場合は「1周ごとの平面上の位置のずれ」として現れてきます。
 正葉曲線は θ の係数に対して sensitive に反応してその様相を変えます。いうなれば、係数と三角関数の周期の相性によってその形を決めます。

正葉曲線の分析

 正葉曲線がどうしてこのような特徴的なグラフを描くのでしょう?

r = sin[2θ]

の方程式をもう少しだけ詳しく調べてみます。動径 r は偏角 θ と sin 関数と結びついているわけですから、動径が周期的に伸縮するというのは直感的にわかります。刄ニ = 15°の散布図で様子を見てみましょう。下に添えてある図は y = sin2x のグラフです。

 正葉曲線におけるr(θ)の変化.gif

 sin2x は 0 から 45°まで増加する関数ですから、そこまでは螺旋関数のように動径が伸びていきます。しかし 45°を超えると今度は一転して動径を縮ませていき、θ = 90°で長さを 0 にします(原点に戻ります)。ですから第1象限では直線 y = x に関して対称な「葉のような形」のグラフを描くわけです。
 ⇒ なんとなくの数学日記(天麩羅蕎麦と鴨南蛮)

2015年11月04日

複雑でありながら調和のとれた美しい形のグラフを描きます

 ベッセル関数と他の関数を組み合わせて媒介変数表示関数を作ると、色々と面白いグラフが出現します。まずはベッセル関数と対数関数を組み合わせてみましょう。

  x(θ) = J 0(θ), y(θ) = log(θ 2 + 1)

という関数です。θの範囲を -4pi < θ < 4pi としてグラフを描いてみると・・・・・・

ベッセル対数媒介01.gif

 青い点がスタート地点の (x(-4pi), y(-4pi))です。上の方からジグザグに x 軸まで降りて来て、またジグザクに舞い上がっていきます。

複雑でありながら調和のとれた美しい形のグラフを描きます

 次はこれを少し変形して y(θ) に cosθを加えてみましょう。

ベッセル対数媒介02.gif

 とても複雑な軌道を描く関数です。複雑ではありますが、調和のとれた綺麗な形のグラフです。媒介変数表示関数は基本的に y = f(x) のような簡単な形に表せないので、描画前にグラフの形を予測することは不可能なのです。「この関数はどんな形のグラフを描くのかな?」とわくわくしながらエクセルを操作するのはとても楽しいです。皆さんもぜひ、エクセルで自分のオリジナル関数を作ってみてください。
 ⇒ なんとなくの数学日記(アメショを飼ってます)

2015年10月19日

Excel でおにぎりとカレーパン?

 cost や sint は 2*pi() ごとに同じ値を繰り返す周期関数なので、これらを組み合わせた媒介変数表示関数は閉曲線を描きます。

Excel でおにぎりとカレーパン?

 たとえば次のようなグラフです。
36-1媒介変数三角関数.gif

 媒介変数 t が動くと (x,y) は おにぎり のような形の曲線上をぐるぐる回り続けるわけです。何故おにぎりに例えるのかというと、他に思いつかなかったからです。さて、この関数を少し変形すると ......

36-2媒介変数三角関数.gif

 カレーパン のような形の曲線上をくるくる動くことになります。何故カレーパンに例えるのかというと、私の好物だからです。特に揚げたてのカレーパンの美味しさときたら「高級フランス料理だって太刀打ちできないぞ」と思ったりしています。引き続いて次のような曲線。

 37-1三角関数で描く軌道(1).gif

 −2π < t < 2π の範囲で描いています( pi は円周率)。動点 (x, y) は下の方から青い矢印の方向へ移動します。今回は sint や cost に媒介変数 t が乗じられているので閉曲線にはならず、t の増加と共に原点に近づいていき、そのあと遠ざかっていきます。もう少し t の範囲を広げてみましょう。

 37-2三角関数で描く軌道(2).gif

 範囲は−4π < t < 4π です。矢印に沿って曲線を丁寧に目で追っていけば、軌道が螺旋を描いていることがわかると思います。

 ところで動点が最も原点に近づくときの座標はどこでしょうか? 微積分の手法を用いて原点からの距離が最小となる点と、その最小値を求めることも不可能ではないかもしれませんが、式が複雑すぎてたいていの人は途中で嫌になると思います。私は面倒なので計算する気にもなりません。エクセルを使ってラクをしましょう。原点最近接点を与える媒介変数 t と動点座標 (x, y) 、および距離 r は、

t = −0.1396rad (8deg)
(x,y) = (0.5564, 0.3987)
r = 0.6842

となります。もし「手計算で求めたよ!」という強者がおられたら、コメントしてください。
 ⇒ なんとなくの数学日記(エクセルと数学)

2015年06月23日

Excel で渦を巻く関数を描きます

 双曲線関数を用いて、

   x = cosh(t)   [1]
   y = sinh(t)    [2]

という関数のグラフを描いてみると、

 双曲線.gif

 綺麗な双曲線が現れました。というより、こういう図を描くから双曲線関数というのです。簡単な計算によって

 cosh 2(t) - sinh 2(t) = 1

という関係(双曲線の方程式)があることが証明できます。

Excel で渦を巻く関数を描きます


 それでは [1] と [2] を変形して次のような関数を作ってみます。

   x = cosh(t)sin(t)   [3]
   y = sinh(t)cos(t)   [4]

 さらにもう少し変形して、

   x = cosh(t)sin(3t)   [5]
   y = sinh(t)cos(3t)   [6]

 という関数を作り、グラフを並べてみましょう。

 双曲線関数媒介表示変形.gif

 [3] [4]で互いを回り込み始めた2本の曲線が、[5] [6]ではしっかりとした 渦巻き に成長しています。面白いですね。sin(nt), cos(nt)の部分の n を大きくしていくと、渦はどんどん密になっていきます。
 ⇒ なんとなくの数学日記(歩くのが好きです)

2015年05月28日

Excel でベルヌイ螺旋(対数らせん)を描きます

【Excelショートカット豆知識】
 [Ctrl] + [F9] ウィンドウを最小化
 [Ctrl] + [F10] ウィンドウを最大化/元に戻す

Excel でベルヌイ螺旋(対数らせん)を描きます

 微分方程式 dy/dx = (x + y)/(x - y)の解

     x = A expθ cosθ
     y = A expθ sinθ

 のことを ベルヌイ螺旋 といいます。ベルヌイさんは昔のとても偉い数学者です。解の形からグラフを予想してみましょう。x = A cosθ, y = A sinθという形ならば半径 A の円を描きますね。そこに expθ が乗じられているわけですから、少しずつ半径を広げていく円、つまり螺旋を描くと予想できます。ところがこのグラフはこのままの形では描きにくいのです。exp(2π) = 535 というとても大きな値なので、1周するだけで半径は 535 倍にもなってしまいます。そこでexp の中身を2πで割っておきます。A = 1 としておきます。すると・・・・・・

ベルヌーイ螺旋.gif

 美しい螺旋が現れましたね。もちろんこれで終わりではありませんよ。
 いつものように位相を変えた三角関数を加えてみましょう。

ベルヌーイ螺旋変形.gif

 びっくりですね! 信じられないほど複雑な曲線を描きます。個人的には今までの中で一番気に入ったグラフです。思わず「うーむ」と唸ってしまいますね。凡人がエクセルを適当にいじっていれば、こんなグラフを簡単に描けてしまうのですから良い時代になったものです。
 ⇒ なんとなくの数学日記(珍しい苗字に興味があります)
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