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2016年10月14日

微分方程式を定数変化法で解きます

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 今回は微分方程式です。大学で扱う内容ですが、誘導形式にしてあるので、高校生でも解けるようになっています。

問題50 微分方程式を定数変化法で解きます [高3★★☆☆☆]

 次のような微分方程式を考えます。


(1) y = e λx とおいて微分方程式に代入し、 λ を求めてください。
(2) (1) で求めた λ を用いて y = f(x) e λx とおいて方程式の一般解を求めてください。
(3) y(0) = 1, y'(0) = 0 という初期条件を満たす解を求め、グラフを描いてください。

[ヒント] 2 階線型微分方程式ですから、一般解には 2 つの任意定数が含まれます。
 
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解答50

(1) y = eλx とおくと、

y' = λ eλx, y'' = λ2 eλx

となるので、微分方程式に代入すると

2 + 2 λ + 1) eλx = 0

となります。 eλx > 0 ですから、

λ2 + 2 λ + 1 = 0   ∴λ = −1

となります。

(2) (1) の結果から、 y = f(x)e−x とおいて微分方程式に代入して整理すると、

f''(x) e−x = 0

となります。よって f''(x) = 0 ですから、1度積分すると

f'(x) = B (B は任意定数)

となり、もう1度積分すると

f''(x) = A + B x (A, B は任意定数)

となります。よって一般解は

y = (A + B x) e−x

となります。

(3) 一般解に条件を代入するだけです。 y(0) = 1 より A = 1 が決まって

y = (1 + B x) e−x

となり、微分すると

y' = (B −1 − B x) e−x

となります。さらに y'(0) = 0 より B = 1 が決まるので、求める解は

y = (1 + x) e−x

となります。最後にグラフを描くための情報を揃えておきます。

   y(+∞) = 0, y(−∞) = −∞
   y' = 0 となるのは x = 0 で、この点で極大値 y(0) = 1

 グラフの概形は次のようになります。

 y=(1+x)exp(-x).gif

[補足] 斉次方程式 (homogeneous equation)

 今回扱ったのは

y'' + p y' + q y = 0

という 2 階線型微分方程式における斉次方程式とよばれる種類もので、上の問題で与えられた方程式は p2 − 4 q = 0 という、やや特殊な係数関係となっています。 p2 − 4 q ≠ 0 であれば、

y = A eax + B ebx

というような解になり、こちらのほうがよく見る形です。いずれにしても解き方は全く同じですので、気になる人は、たとえば

y'' + y' + y = 0

というような方程式の解を求めてみてください。
   
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