2016年06月05日

k をパラメータとする 2 次方程式の解を調べます

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問題11 k をパラメータとする 2 次方程式の解 [高3★★☆☆☆]


 k をパラメータとする 2 次方程式

x2 - kx + 1 = 0

を考えます。ただし k の範囲を k > 2 とします。

(1) 方程式の解 α(k), β(k) を求めてください。
  ただし、α(k) < β(k) とします。
(2) 小さいほうの解について y = α(k) のグラフを描いてください。
(3) k の増加に伴って α(k), β(k) は x 軸上をどのように動きますか?

 

解答11(片方の解は狭い区間にあります)

(1) 解の公式を用いて計算します。

2次方程式(パラメータk)

α(k) < β(k) ですから、

解の公式01

 α(k) と β(k) は似ているようで、全く異なる振る舞いをすることがこのあとの設問で分かります。

(2)まず α(k) を微分してみます。

解αの微分

 α'(k) の正負判定がポイントになります。
 k > 2 であることに注意してください。
 第 2 項の分母は k より必ず小さくなります。
 k を k より小さな値で割るので、 第 2 項は 1 より大きな値です。
 それを 1 から引くわけですから、 α'(k) は必ず負です。
 混乱してしまったら k に適当な数字を入れて確認してください。
 つまり α(k) は k > 2 で単調減少関数です。

 次に k → +∞ の極限を調べます。
 慣れていれば直感的に 0 と分かるのですが、さすがに解答でそう書くわけにもいきませんから、より確実に証明するために「分子を有理化」します。分数でもない式をわざわざ分数にしてみることで、この種の極限はすぐにわかります。

解αの有理化

となるので、分母は +∞ となって α(k) → 0 となります。
以上から次のようなグラフを描けます:

 @α(k).gif

(3) β(k) が単調増加関数であることは式の形ですぐにわかります。
  k → +∞ の極限では β(k) ≒ k となり、k の値に比例して x 軸上をプラス側にどんどん動いていきます。対して α(k) は先ほどのグラフで見た通り、0 < x < 1 という非常に狭い区間のみに存在し、原点に向かって収束していきます。

 実際に、いくつかの k をとって 2 次関数を描いてみると ......

 A解αは原点へ収束.gif

 α(k) はほとんど動かず、 β(k) だけが一方的に x 軸を移動していく様子がわかりますね。

理系英単語H 方程式その2


 discriminant(判別式)
 real root 実数解(実根)
 multiple root 重解(重根)
 imaginary root 虚数解(虚根)
 indeterminate 不定(解は無数にある)
 inconsistent 不能(解なし)

 discriminant は解の判別式のことです。
 だから D という記号を使っているのです。
 
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