アフィリエイト広告を利用しています

広告

この広告は30日以上更新がないブログに表示されております。
新規記事の投稿を行うことで、非表示にすることが可能です。
posted by fanblog

おいらのいい人 完熟トマト

 今回は、このバンドを聴きました。
 その名もラッキー・トンブリン・バンドです。
 7人編成のバンドですが、バンマスのLucky Tomblinは、ボーカルのみで楽器の担当がありません。
 本名は不明です。

 この人は、その辺にいそうな小柄な初老のおじさん(おじいさん?)なんですが、ただ、バンドのメンツには、なかなかのくせ者が含まれていて、それらを束ねていることから、謎のフィクサーぽい雰囲気を漂わせている人です。


 
Red Hot From Blue Rock
The Lucky Tomblin Band

1. Honky Tonk Song (Mel Tillis, Buck Peddy)
2. End of the Road (Jerry Lee Lewis)
3. Setting the Woods on Fire (Rose Nelson)
4. Howlin at the Moon (Hank Williams)
5. Don't Forget to Dip the Girl (Sarah Brown, Rosie Flores)
6. Sundown Blues (Moon Mullican)
7. I'll Keep on Loving You (Floyd Tillman)
8. Good Lookin' No Good (Sarah Brown)
9. A Fool Such As I (Bill Trader)
10. Party Doll (Jimmy Bowen, Buddy knox)
11. Play One More Song (Earl Poole Ball, Jo-El Sonnier)
12. Time Changes Everything (Tommy Duncan)
13. Red Hot (Billy Emerson)

 まずは、フィクサーっぽい話題から。
 Lucky Tomblinは、オースティンのブルース・クラブ、アントンズのドキュメンタリー・ビデオ、「ホーム・オブ・ブルース」のプロデューサーです。
 最後のスタッフ・ロールのところで、「プロデューサー」「エクスキューティブ・プロデューサー」として二度も名前が出てきます。

 本編には出演していないと思いますが、やはりオースティンの音楽シーンの影の顔役なんじゃないでしょうか。
 少なくとも、単なるビデオ製作の出資者ではないでしょう。
 
 The Lucky Tomblin Band名義では、現在までに4枚のアルバムをリリースしています。
 以下のとおりです。

03年 Lucky Tomblin Band
06年 In a Honky-Tonk Mood
07年 Red Hot From Blue Rock (本盤)
10年 Honky Tonk Merry Go Round

 メンバーは、結成当初から基本的に変わらず、以下のような編成です。

Lucky Tomblin : lead vocals
John Reed : lead guitar、vocals
Redd Volkaert : lead guitar、vocals
Bobby Arnold : guitar、vocals
Sarah Brown : bass、vocals
Jon Hahn : drums
Earl Poole Ball : piano、vocals



 03年の1stのみ、この7人に加えて、Asleep At The Wheelの元メンバー、女性スチール・ギターリストのCindy Cashdollerが参加していました。
 シンディの参加から、およその察しがつかれたかと思いますが、見かけはカントリー系のバンドです。
 やっているレパートリーも、特段予想を裏切ることなく、本盤を例にとれば、ホンキートンク、ウエスタン・スイングなどを嬉々としてやっています。

 しかし、単純にそれだけで語るべきバンドではありません。
 メンツを再度ご覧ください。

 女性ベーシストのSarah Brownは、テキサスの音楽シーンでは、比較的有名な女性ではないでしょうか。
 先ほどのアントンズのドキュメンタリーにも出演していて、そこでは、クラブのオーナー、クリフォード・アントンの人柄やブルースについて語るシーンが収録されていました。

 サラは、ドクター・ジョンがプロデュースしたアントンズ発の女性ボーカル・ユニット(アンジェラ、ルー・アン、マーシャ)のツアー・バンドのメンバーでもありました。
 (加えて、実質的な4人目のボーカリストでもあったようです。)
 また、私は未聴ですが、ソロ・アルバムもあるようです。
 
 さて、このバンドには、リード・ギターが二人います。
 まず、John Reedですが、しばしばJohn X Reedとクレジットされる人で、テレキャスのマスターです。
 世に知られるキャリアの初めは、テキサスのルーツ・ロック・バンド、Freda & The Firedogsのリード・ギターリストとしてでした。
  (あのFlatlandersのオリメンだったという話もあります。)
 Freda & The Firedogsからは、Marcia Ball、Bobby Earl Smithらが後にソロ・アーテストとしてデビューしました。

 Firedogsの解散後は、一時Doug Sahmと活動を共にしたり、Texana Damesという女性ファミリー・バンドでリードを弾いたりしていました。
 Doug Sahmとは、アルマディロ・ヘッドクォーターズでのライヴで共演しほか、覆面バンド、Texas Mavericksでは、Johnny Xの変名(?)でリード・ギターを弾きました。
 また、Joe King Carrasco、Alvin Crowのバンドへもゲスト参加したことがあったと思います。 
 
 もう一人のリード・ギター、Redd Volkaertについては、あまりキャリアを知らないのですが、多分ウエスタン・スイング系の音楽を好むテレキャス・マスターだと思います。
 John Reedが比較的痩身なのに対して、かなり恰幅のいい体型をオーバーオールに包んだおじさんです。

 本盤での演奏は、テキサス・ブレイボーイズ出身と言われれば信じそうなスタイルの人です。
 しかし、やはりこの人もまた、バックボーンはカントリーだけではなく、様々なスタイルを弾きこなすゴキゲンな人なのでした。
 ソロ・アルバムが数枚ある人ですが、私がこの人の存在を知ったのは、Bill Kirchenの(1回きり?の)プロジェクト、TwangBangersの参加メンバーとしてでした。
 (ちなみに、02年リリースのTwangBangersの唯一のアルバムには、Very Special Thanks to Dave Alvinという謝辞が記されています。)


26 Days On The Road : TwangBangers


(この盤収録の"Hot Rod Lincoln"は、クリス・スペディングのギター・ジャンボリーのビル・カーチェン版で、しかもギターだけでなくベースの物まねも登場します。)



 さて、他のメンバーについてはよく知らないのですが、きっとそれなりのキャリアを持った職人たちなのだろうと想像します。
 
 そして、興味深いのは、リード・ボーカルをとれる人が何人もいることです。
 (あるいは、歌いたい人と言うべきかも知れませんが…。)

 収録曲をリード・ボーカルで分けると以下のようになります。

Lucky Tomblin (band leader)
1. Honky Tonk Song (Mel Tillis, Buck Peddy)
4. Howlin at the Moon (Hank Williams)
9. A Fool Such As I (Bill Trader)
13. Red Hot (Billy Emerson)

Earl Poole Ball (piano)
2. End of the Road (Jerry Lee Lewis)
11. Play One More Song (Earl Poole Ball, Jo-El Sonnier)

Redd Volkaert (lead guitar)
3. Setting the Woods on Fire (Rose Nelson)
12. Time Changes Everything (Tommy Duncan)

Sarah Brown (bass)
5. Don't Forget to Dip the Girl (Sarah Brown, Rosie Flores)
8. Good Lookin' No Good (Sarah Brown)

John Reed (lead guitar)
6. Sundown Blues (Moon Mullican)
10. Party Doll (Jimmy Bowen, Buddy knox)

Bobby Arnold( rhythm guitar)
7. I'll Keep on Loving You (Floyd Tillman)

 うーん、この割り振りは民主的とでもいうべきでしょうか。
 ドラマー以外は、すべてリード・ボーカルをとる機会を得ているわけです。

 本盤では、ホンキートンク系のレパーリーを多くやっているため、全体的に受ける印象はカントリーっぽいです。
 Lucky Tomblinがリードをとった"Red Hot"は、Billy "The Kid" Emerson〜Billy Lee RileyのブルージーR&Bですが、黒っぽさはあまりないアレンジで、ほんわかロッキン・サウンドに料理しています。

 リード・ボーカル陣は、濃淡こそあれ、それぞれ黒っぽさを持っている人たちなのですが、本盤では、ほとんどその片鱗を見せていません。
 あえていうならSarah Brown、Earl Poole Ballあたりが小出しにしているでしょうか。
 さらに言えば、Earl Poole Ballからはモダンさを、John Reedの声からは若干線が細い印象を受けます。
 そして、本盤でのRedd Volkaertは、ウエスタン・スイング大好きおじさんになりきっています。

 本盤に限って言えば、カントリー・ロック、ルーツ・ロックなど、いずれも本バンドを例える表現として外れてはいないと思います。
 でも、私が彼らの音楽性から、自然に思い浮かんだ言葉は、グッドタイム・ミュージックでした。
 総じて弦楽器と鍵盤のアンサンブルが素晴らしく、とてもリラクゼーション効果の高い音楽だと思います。
 
 本盤は、様々な魅力を持ったメンバーが、絶妙なコンビネーションを披露している好アルバムです。
 さらに聴きこんでいきたい、そんな風に思わせるバンドです。
 (なお、本盤には、アルバム制作のメイキング映像を収録したDVDが同梱されています。)

 (トリビアの追加)
 Lucky Tomblinは、本バンドを結成するほんの少し前に、Doug Sahm人脈のホーン陣(ロッキー・モラレスをはじめとする後のWestside Hornsの面々)と一緒にバンドを組んで活動していたことがあります。


End Of The Line
by
Lucky Tomblin Band (lead vocals : Redd Volkeart)


Bob Willsのナンバーです


Jessica
by
Redd Volkeart


Allman Brothersのあの曲をやっています
上のBob Willsを演奏しているのと同じ人なんですよね これが



関連記事はこちら

John X Reed Works
Texana Dames
テキサスのご婦人がた
Freda & The Firedogs
回想のファイアドッグス
テキサス遥か
Rich Minus
リチャード・マイナスさんの唄
Re-Union Of The Cosmic Brothers
宇宙牛追い人の回想
Rick Broussard's Two Hoots And A Holler
悲しい知らせに 空が泣いた

Sarah Brown Works
コンチネンタル・クラブへようこそ


本日は ダグ・サーム・デイ

 今日は、本ブログを始めてから3度目のあの日です。
 というわけで(?)、Doug Sahm関連の音源を聴きたいと思います。

 今回とりあげるのは、Kevin Kosubさん(Augie Meyersのいとこらしいです)制作のコンピです。

 この人は、Augieの親戚かつDoug Sahmの友人ということ(だけ)をうたい文句に、DougとAugieのレア音源に自身の録音を抱き合わせ、似たような内容の自主制作盤を何枚か作っている人です。



The Best Of San Antonio Texas
Doug Sahm & Friends

1. Will You Love Me Manana : Doug Sahm & Randy Garibay
2. Whiter Shade Of Pale : Doug Sahm
3. Little Fox : Augie Meyers
4. The Joint Is Jumping : Augie Meyers
5. Loco Vacquero : Flaco Jimenez
6. Mexico : Toby Torres
7. Mess With Taxas : Kevin Kosub
8. Tacoland Shuffle : Kevin Kosub
9. Deep In The Heart Of Texas 〜 Green Acres : Kevin Kosub
10. Hideaway : Charlie Beall
11. All Along The Watchtower : Charlie Beall
12. Black Cat : Charlie Beall
13. Mas Cerveza Y Dob Tacos : Steve Mallett
14. Stuck In The Middle Of Nowhere : Steve Mallett
15. Crazy : Steve Mallett
16. Give Me Power : The Rat Race Kid
17. Yonder Walls : Doug Sahm
18. Toghether Again 〜 I Love You A Thousand Ways : Doug Sahm 
 
 比較的知られているものでは、80年代のテキサスのローカル・ミュージシャンの音源をコンパイルした、"Deep In The Heart Of Texas"というコンピレーションがあります。

 そのディスクの「売り」がDoug Sahm(2曲)とAugie Meyers(1曲)のレア音源で、実は今回のディスクとは、それら3曲を含む7曲が重複しています。




 今回のディスクの売りは、Doug Sahmの2曲(トラック17と18)とAugie Meyersの1曲(トラック3)で、私の知る限りでは、レア音源ではないかと思います。
 (ただし、Kevinさんは、これら3曲を使いまわして同時期に別のコンピも作っているようで、本盤が初出かどうかは不明です。)

 なにか小金稼ぎの仕事にまんまと嵌っているみたいでいい感じはしませんが、バカなファン(私のような)は、ラヴ・イズ・ブラインドでのせられてしまいます。

 さてまず、Augie Meyersの"Little Fox"ですが、他の音源と同時期のものなら、80年代の録音となりますが、なかなか興味深いです。
 なぜなら、この曲は、その後、テックス・メックス・ビートルズと称される、The Krayolasに提供し、それだけでなくAugieが彼らのアルバムに参加して共演しているからです。
 Augie参加のKrayolas盤"Little Fox"は、彼らの08年リリースの"La Conquistadora"に収録されていて、確かシングル化もされていたように思います。
 ポップなTex-Mexで、いい曲です。

 "Deep In The Heart Of Texas"で既出の"The Joint Is Jumping"は、がらっと雰囲気の違うジャンプで、かのコンピのハイライト的な曲でした。
 久々に聴きましたが、やはりよいです。

 そして、Doug Sahmです。
 "Will You Love Me Manana"と"Whiter Shade Of Pale"の2曲は、やはり"Deep In The Heart Of Texas"に収録されていた曲です。

 "Whiter Shade Of Pale"は、ライヴ音源のようで、ほかのイリーガル(?)ライヴ盤にも入っていたバージョンかもしれません。
 "Deep In The Heart Of Texas"のクレジットによれば、バッハ風のオルガンを弾いているのは、Sauce (Arturo "Sauce" Gonzalesのこと …例のストックホルム・ライヴに参加していた人)となっています。

 今回、Doug Sahm & Randy Garibayとクレジットされた、"Will You Love Me Manana"は、先の"Deep In The Heart Of Texas"では、Sir Doug Saldana名義で収録されていました。
 曲はもちろん、ゴフィン&キング作のシレルズのカバー、"Will You Still Love Me Tomorrow"で、アコーディオンのイントロから、途中、スペイン語歌詞が入るバイリンガル・バージョンです。
 "Deep In The Heart Of Texas"のクレジットでは、アコ奏者がSantiago Jimenezとなっていますが、どうでしょうか?
 ボーカル、ギター担当のRandy Garibayは、Dougの古い友人で、晩年にソロ・アルバムを数枚出している、チカーノ・ブルースマンの異名を持つ素晴らしいシンガーです。
 (Doug Sahmの88年の名作ソロ、"Juke Box Music"で、"What's Your Name"をDougとデュエットしている人です。)
  
 さて、今回の目玉2曲です。
 "Yonder Walls"(原文のママ)は、古いブルースのカバーですね。
 私が最も親しんでいたのは、Elmore James盤ですが、DougはやはりJunior Parker盤がお手本でしょうか。
 他にも様々な人がやっている有名曲で、ハーピストが好んでやッていたというイメージがある曲です。
 ボーカルのバックでせわしないブルース・ギターが鳴っていますが、Doug自身のプレイでしょうか。
 ライヴのような歓声が曲の終わりに入っていて、次のメドレーに続きます。
 
 "Toghether Again 〜 I Love You A Thousand Ways"は、打って変ってカントリーの有名曲のメドレーです。
 バック・オーウェンス 〜 レフティ・フリーゼルのナンバーで、ベイカーズフィールド・カントリーとプリ・ペイカーズのコースト・ホンキートンクのリレーです。

 "I Love You A Thousand Ways"は、Augie Meyersが82年のソロ・アルバム、"Still Growin"(未CD化)でジャンプ・ブルース・アレンジでやっていて、大好きな曲です。
 ここでのDougのバージョンは、あまりひねらず、王道のホンキートンクですが、ロッキー・モラレスぽいサックス・ソロが入っていて、観客の口笛「ヒューヒュー」もかすかに記録されています。
 ろうろうと歌うDougの鋼のノドに萌えます。 

 いずれも絶対必聴とまでは言えませんが、埋もれさせるには惜しい演奏で、Doug、Augieのファンなら聴くほかないレア音源です。
 完成度だけで言うなら、Augieの"Little Fox"が一番の出来かも知れません。
 (Augieの自作でもありますので…。)
 でも、Dougのライヴ音源、とりわけカントリー・メドレーは、繰り返し聞くとじわじわと効いてきます。
 
 今夜は、引き続きDoug Sahm三昧で眠りにつきたい、そんな夜です。



Will You Still Love Me Tomorrow - (¿Me amaras mañana?)
by The Shirelles




関連記事はこちら

Doug Sahm Day
テキサス遥か (2011年11月18日)
白夜の国から (2010年11月18日)

The Krayolas
テックス・メックス・ビートルズ
マージーでフォーキー、そしてテキサス

Randy Garibay
チカーノ・ブルースマン


 

エル・ランチョ・ロック

追記しました(斜体赤字)

 「つんどく」という言葉があります。
 本好きの人が、本を買ったはいいのですが、「なかなか読まずに積んだまま放置しておく」くらいの意味ですね。
 私は今、電子書籍リーダーというものにはまっていて、たまっている紙の本はつんどく状態のまま、電子化された、かつての愛読書をデジタル・データで読み返す体験をしています。

 7月に発売された楽天のKobo Touch(6インチ端末)で開眼した私は、現在は、主としてソニーのReader(同6インチ端末)で小説やノン・フィクション等のテキストを読みつつ、7インチの汎用タブレット、Google Nexus7でコミックを読んでいます。
 (今月まもなく及び来月に発売される「電子書籍界の黒船」アマゾンKindleの2機種も予約オーダーしています。)

 電子書籍が本格的に根付くかどうか未だわかりませんが、かつてレコードからCDへとメディアの移行が行われた時期のように、これを契機に、絶版本のいくつかが電子化されて読めるようになったのはうれしいことです。

 さて、今回のアルバムは、買ったまま聴かずに長い間放置していたものです。
 電子書籍を読む際のBGMとして、「そういえばこんなディスクがあったなあ」とトレイに乗せたのでした。
 結果、目が覚めるような新鮮な気持ちを得ることになりました。


 
The Tequila Man
Chuck Rio

1. Margarita (Chuck Rio & The Originals)
2. Midnighter (The Champs)
3. Surfin' Blues (The Persuaders feat. Chuck "Tequila" Rio)
4. Denise (Chuck "Tequila" Rio)
5. Tequila (The Champs)
6. El Rancho Rock (The Champs)
7. Bruce (Danny Flores & The Fans)
8. Antonillo (Chuck Rio)
9. C'Est La Vie (Chuck Rio & The Originals)
10. The Whip (The Originala)
11. Tnt (The Chumps)
12. Mama Inez (Chuck Rio)
13. Wildman (The Contenders)
14. Persuasion Aka Let's Go Surfin' (The Persuaders feat. Chuck "Tequila" Rio)
15. Taking Off On A Wall (The Persuaders feat. Chuck "Tequila" Rio)
16. Hanging Ten (The Creshendoes with Chuck Rio)
17. Surfer Strip (The Creshendoes with Chuck Rio)
18. Surfer's Lullaby (The Persuaders feat. Chuck "Tequila" Rio)
19. Gremmie Bread (The Persuaders feat. Chuck "Tequila" Rio)
20. Kreshendo Stomp Aka Kahuna Stomp (Chuck "Tequila" Rio & The Creshendoes)
21. Toes On The Nose (The Persuaders feat. Chuck "Tequila" Rio)
22. Caught In The Soup (The Persuaders feat. Chuck "Tequila" Rio)
23. Surfer's Nightmare (The Persuaders feat. Chuck "Tequila" Rio)
24. The Raid (The Persuaders feat. Chuck "Tequila" Rio)
25. Don't Go Baby (Danny Boy)
26. Crazy Street (Danny Flores)
27. You Are My Sunshine (Danny Flores)
28. Bad Boy (Chuck "Tequila" Rio)
29. Call Me Baby (Chuck "Tequila" Rio)
30. Worried, Restless And Sad (Danny Flores)

 本盤は、「テキーラ」のヒットで有名なThe Champsのサックス・プレイヤー、Chuck "Tequila" Rioのキャリアを総括したようなアンソロジーになっています。
 Champsのナンバーから、別のバンド名義のもの、ソロ名義、本名のDanny Flores名義のものなど、たっぷり30曲を聴くことができるお得盤です。

 サウンドは、総体して元祖ガレージというか、サーフィンくずれというか、良く言えば、ラテン・ロックンロールの熱気を体現した「ノリ」が心地いいです。
 とにかく、ブロウとブレイクのおかずの取り合わせが決まったときの味わいは格別です。

 トラック5には、代表曲"Tequila"も堂々と鎮座していて貫禄をみせています。
 そんな中、ながらで聴いていた私に、電子ブックのページから意識を引き離して、思わずパッケージの曲名を確認させたのがトラック28です。

 "Bad Boy"、この曲は、ビートルズが有名にしたラリー・ウイリアムズの曲ではありません。
 原曲は、ルイ・アームストロングの二人目の奥さん、ハーディン・アームストロングがバンド・リーダーをつとめるLil' Hardin Armstrong & Her Swing Orchestraの36年盤です。

 私は原曲は未聴ですが、きっとハーレム・クラブ風のちょっぴりお下品なスイング・ジャズなんだろうと想像します。
 Chuck Rio盤が、原曲の雰囲気をどの程度残しているのか不明ですが、58年リリースということで、ややクルーナー調のシャウター風味も残しつつ、50'sリズム&ブルースの猥雑な「ノリ」でリッチに歌いとばす楽しい仕上がりです。

 この曲は、Doug Sahmが、アントンズでのLast Real Texas Blues Bandによるライヴ盤でやっていた曲です。
 そして、先ごろリリースされた、ファン感涙の同バンド名義による、97年のストックホルム公演のライヴ盤でも記録されていた曲なのでした。

 この曲は、私がDoug Sahmのストックホルム公演盤を聴いた際、原曲が聴きたいと思った曲のひとつでした。
 もちろん、Doug Sahmがお手本にしたバージョンが聴きたいという意味です。
 確証はありませんが、このChuck "Tequila" Rioの58年盤こそ、その元ネタ・バージョンではないでしょうか。
 私は、思わぬ出会いからの興奮冷めやらぬ高揚感の中、期待も込めて、そう思っています。

 そして、「つんどく」状態のディスクの中には、他にもこういったサプライズが眠っているのではないか、などと夢想するのでした。

 追記
 本日(11/12)到着した熊家族の新譜CD、"Street Corner Symphonies The Complete Story of Doo Wop Vol.8 : 1956"に、Jive Bombersの"Bad Boy"という曲が収録されていて、なんとこれが同じ曲でした。
 Chuck Rioより2年前の録音で、サヴォイ録音のDoo Wopです。
 Clarence Palmerという人のリードが素晴らしく、どうもChuck Rioのお手本はこれっぽいです。

 Chuck Rio盤とJive Bombers盤ともに、つべにあがっていましたので以下に紹介します。



Bad Boy by Chuck "Tequila" Rio



Bad Boy by The Jive Bombers




関連記事はこちら

ストックホルムの贈り物







   
×

この広告は30日以上新しい記事の更新がないブログに表示されております。