2011年02月03日
ふたりの王様
B.B.Kingは、私にとって最初のブルース・ミュージシャンだったかも知れません。
ただ、聴き始めたころは、メジャー過ぎてすぐさま熱くなったりしていませんでしたが、いつの間にか次第にその魅力に惹きつけられていったのです。
Bobby Blandは、ダグ・サームがきっかけでした。
ダグがジュニア・パーカーとブランドを最大のアイドルとしていたことは、彼のアルバムを聴けば明らかです。
ダグは、ライヴでその思いを口に出して言ったりしてもいます。
1. 3 O'Clock Blues
2. It's My Own Fault
3. Driftin' Blues
4. That's The Way Love Is
5. I'm Sorry
6. I'll Take Care Of You
7. Don't Cry No More
8. Don't Want A Soul Hangin' Around
9. Medley: Good To Be Back Home/Driving Wheel/Rock Me Baby/Black Night/Cherry Red/It's My Own Fault/3O'clock Blues/Oh, Come Back Baby/Chains Of Love/Gonna Get Me An Old Woman
10. Everybody Wants To Know Why I Sing The Blues
11. Goin' Down Slow
12. I Like To Live The Love
この74年リリースのアルバムは、B.B.キングとボビー・ブランドが共演した模様を記録したライヴ盤です。
このあと、続編的なアルバム、Together Again…liveも76年に出されました。
よくある大物のスタジオ共演盤などでは、実際には一度も顔を合わせることなく、別の場所でそれぞれのパートが録音され、ミックスされるということがありますが、こちらはライヴですので、二人の乗り次第で、どんどんと熱い展開になっていく可能性があります。
実際のところ、冒頭、B.B.の代表曲、3O'clock Bluesで、B.B.のイントロを受けて、ボビーのうがいボーカルがいきなり炸裂!! もうたまりません。
その後も、二人の熱い応酬がたっぷり記録されている1枚です。
B.B.のよく歌うギターがやはり耳に残ります。
民族音楽、伝承音楽としてしかブルースを認めない方もいますが、ブルースがまず踊るための音楽であり、また不運を嘆いたり、笑い飛ばしたりする大衆の音楽であるという意味で、徹底したエンターテイナーであるB.B.が、ブルースマンでないはずはありません。
マディ・ウォーターズがオーティス・ラッシュに共感を覚え、引き立てる意味で「彼は、(B.B.のようなスクイーズ派だけど)ディープなシンガーだから」と言った発言をしたこともありました。
ブルースが再発見された時、初めはあくまでフォーク・ソングとして受け入れられたという側面もあったようです。
しかし、そういった議論も、もはや古い昔話になりました。
それだけ真剣に討議された時代は、遠い過去のことになったと言うことかもしれません。
唐突かもしれませんが、日本の時代劇とアメリカの西部劇のことに例えさせて下さい。
西部劇は、国が若く、自らの神話を持たないアメリカ人にとっての神話的な存在でした。
開拓時代のヒーローの物語は、多くのバラッドとなって歌い継がれています。
しかし、その内実は、先住民の土地を奪い、彼らの信仰をないがしろにし、自分たちの宗教を押しつけていった負の歴史でもあったと思います。
あれほど人気があった西部劇が作られなくなったのには、それなりの理由があることでした。
その点、日本の時代劇は、一見同じような存在でありながら、いまだに根強い人気があり、今後も廃れたりしないでしょう。
ブルースは、絶滅を待つだけの民族音楽ではなく、今を歌う音楽であると思います。
司馬遼太郎や南條範夫が登場した当時、彼らの時代小説を「まげをのせた現代小説」と評したらしいです。
舞台は過去の時代でも、扱っているテーマは現代の諸問題に通じるところがあるという意味です。
ブルースは、西部劇ではなく、時代劇であると私は思いたいのでした。
それに、様式美を好む日本人には、まさにぴったりの表現形式だと思いませんか?
ブルースの王様ふたりも年齢を重ねました。
B.B.は85歳、そしてブランドは81歳です。
二人とも、ステージでは着席して歌うことが多くなっていると思います。
それにしても、B.B.の相変わらずの活躍ぶりはすごいですね。
新作も精力的にリリースしています。
その点、ブランドは、03年のBlues At Midnight以来、新作のリリースがないのが寂しいです。
そして、高齢でもあることから、体調面が心配でしたが、どうやら元気にステージを務めているようです。
先月1月27日は、ブランドの81歳の誕生日でした。
その模様が、こちらのニュースで知ることが出来ました。
Bobby “Blue” Bland is Live in NYC, at 81 — American Blues News
今後も元気で活躍することを願ってやみません。
関連記事はこちら
ブルースの王様のススメ
普通に楽しめますが怪しいです
ギタリストでたどるデュークのブランド
サンキュー・ボビー
ブルー・バラードで眠りたい
ただ、聴き始めたころは、メジャー過ぎてすぐさま熱くなったりしていませんでしたが、いつの間にか次第にその魅力に惹きつけられていったのです。
Bobby Blandは、ダグ・サームがきっかけでした。
ダグがジュニア・パーカーとブランドを最大のアイドルとしていたことは、彼のアルバムを聴けば明らかです。
ダグは、ライヴでその思いを口に出して言ったりしてもいます。
Together For The First Time…live
B.B.King & Bobby Bland
B.B.King & Bobby Bland
1. 3 O'Clock Blues
2. It's My Own Fault
3. Driftin' Blues
4. That's The Way Love Is
5. I'm Sorry
6. I'll Take Care Of You
7. Don't Cry No More
8. Don't Want A Soul Hangin' Around
9. Medley: Good To Be Back Home/Driving Wheel/Rock Me Baby/Black Night/Cherry Red/It's My Own Fault/3O'clock Blues/Oh, Come Back Baby/Chains Of Love/Gonna Get Me An Old Woman
10. Everybody Wants To Know Why I Sing The Blues
11. Goin' Down Slow
12. I Like To Live The Love
この74年リリースのアルバムは、B.B.キングとボビー・ブランドが共演した模様を記録したライヴ盤です。
このあと、続編的なアルバム、Together Again…liveも76年に出されました。
よくある大物のスタジオ共演盤などでは、実際には一度も顔を合わせることなく、別の場所でそれぞれのパートが録音され、ミックスされるということがありますが、こちらはライヴですので、二人の乗り次第で、どんどんと熱い展開になっていく可能性があります。
実際のところ、冒頭、B.B.の代表曲、3O'clock Bluesで、B.B.のイントロを受けて、ボビーのうがいボーカルがいきなり炸裂!! もうたまりません。
その後も、二人の熱い応酬がたっぷり記録されている1枚です。
B.B.のよく歌うギターがやはり耳に残ります。
民族音楽、伝承音楽としてしかブルースを認めない方もいますが、ブルースがまず踊るための音楽であり、また不運を嘆いたり、笑い飛ばしたりする大衆の音楽であるという意味で、徹底したエンターテイナーであるB.B.が、ブルースマンでないはずはありません。
マディ・ウォーターズがオーティス・ラッシュに共感を覚え、引き立てる意味で「彼は、(B.B.のようなスクイーズ派だけど)ディープなシンガーだから」と言った発言をしたこともありました。
ブルースが再発見された時、初めはあくまでフォーク・ソングとして受け入れられたという側面もあったようです。
しかし、そういった議論も、もはや古い昔話になりました。
それだけ真剣に討議された時代は、遠い過去のことになったと言うことかもしれません。
唐突かもしれませんが、日本の時代劇とアメリカの西部劇のことに例えさせて下さい。
西部劇は、国が若く、自らの神話を持たないアメリカ人にとっての神話的な存在でした。
開拓時代のヒーローの物語は、多くのバラッドとなって歌い継がれています。
しかし、その内実は、先住民の土地を奪い、彼らの信仰をないがしろにし、自分たちの宗教を押しつけていった負の歴史でもあったと思います。
あれほど人気があった西部劇が作られなくなったのには、それなりの理由があることでした。
その点、日本の時代劇は、一見同じような存在でありながら、いまだに根強い人気があり、今後も廃れたりしないでしょう。
ブルースは、絶滅を待つだけの民族音楽ではなく、今を歌う音楽であると思います。
司馬遼太郎や南條範夫が登場した当時、彼らの時代小説を「まげをのせた現代小説」と評したらしいです。
舞台は過去の時代でも、扱っているテーマは現代の諸問題に通じるところがあるという意味です。
ブルースは、西部劇ではなく、時代劇であると私は思いたいのでした。
それに、様式美を好む日本人には、まさにぴったりの表現形式だと思いませんか?
ブルースの王様ふたりも年齢を重ねました。
B.B.は85歳、そしてブランドは81歳です。
二人とも、ステージでは着席して歌うことが多くなっていると思います。
それにしても、B.B.の相変わらずの活躍ぶりはすごいですね。
新作も精力的にリリースしています。
その点、ブランドは、03年のBlues At Midnight以来、新作のリリースがないのが寂しいです。
そして、高齢でもあることから、体調面が心配でしたが、どうやら元気にステージを務めているようです。
先月1月27日は、ブランドの81歳の誕生日でした。
その模様が、こちらのニュースで知ることが出来ました。
Bobby “Blue” Bland is Live in NYC, at 81 — American Blues News
今後も元気で活躍することを願ってやみません。
Let The Good Times Rollです。
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ブルースの王様のススメ
普通に楽しめますが怪しいです
ギタリストでたどるデュークのブランド
サンキュー・ボビー
ブルー・バラードで眠りたい