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みんなのために歌を

 John Fogertyの新作が10月9日にヴァンガードからリリースされるらしいです。
 既にいくつかのニュース・サイトで紹介されていて、アマゾンUSでも予約が開始されました。

 ニュースの眼目は、"Proud Mary"を新録音するということで、どうやらジェニファー・ハドスンとデュエットするようです。

 また、"Proud Mary"に限る話だと思いますが、アラン・トゥーサン指揮のもと、ロッキン・ドプシーらの参加でニューオリンズ録音と伝えている記事もあるようです。


Wrote A Song For Everyone
John Fogerty

・ Proud Mary : Jennifer Hudson
・ Born on the Bayou : Kid Rock
・ Fortunate Son : Foo Fighters
・ Long as I Can See the Light : My Morning Jacket
・ Have You Ever Seen the Rain : Alan Jackson
・ Who’ll Stop the Rain : Bob Seger
・ Hot Rod Heart : Brad Paisley
・ Wrote a Song for Everyone : Miranda Lambert
・ Almost Saturday Night : Keith Urban
・ Someday Never Comes : Dawes

 "Proud Mary"の話が特筆されていますが、新作は、どうやら旬のアーティストを多数ゲストに迎え、過去の名作をやるという企画もので、デュエット集になるのだと思います。

 John Fogertyは、かなりの寡作なのに、新作を出すたびに大きな拍手で迎えられ、しばしばベストセラーになる、アメリカ人に愛されているシンガーなのだなと感じます。
 時代に迎合せず、頑固に自分の好きな音楽をやり続けている姿勢が、共感を呼ぶのではないかと思います。

 寡作と書きましたが、むしろ年齢を重ねた近年のほうが精力的にやっている印象があり、最近でも、TVショウのAmerican Idolで、優勝者と「雨を見たかい」や「バッド・ムーン・ライジング」を一緒に歌って喝采をあびたりとか、相変わらず「愛されているなあ、アメリカン・ヒーローなんだなあ」と改めて感じます。

 ただ、大物ゲスト多数参加の作品というのは、煮詰まってきているベテラン・アーティストにありがちな企画で、長年のファンとしては、新作は嬉しいですが、単純には喜べません。
 複雑な気持ちになってしまいます。
 私が望むのは、ごく普通のオリジナル・アルバムの方ですね。

 ブレス発表されている参加者を見ると、ロッキン・カントリー系の人が目につきますが、正直私は名前を知っている程度の人がほとんどです。

 キース・アーバンとか、ブラッド・ペイズリーとかは、リスペクトを受け、親交もありそうですが、いかにもな取り合わせで、さほどサプライズがないですね。
 多分、彼らのカントリー系の速弾きギター・ソロが聴けるのでしょう。

 アラン・ジャクソンも相性が良さそうですが、彼ももうベテラン組ですね。
 ベテランといえば、オールド・ロック・ファンとしては、密かにボブ・シーガーに期待です。
 出来れば、バラードじゃなくロックンロールをやってほしかったかも…。

 やっぱり、"Proud Mary"が目玉なのかな…。



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 今回は、おそらくほとんどの方がご存じないだろうと思われるアーティストをご紹介します。
 サザン・ロック、ブルース・ロック系のギターリスト、シンガーのDavid Doverさんです。
 この人は、オクラホマ州タルサの出身で、本名をDavid Dover Barberといいます。

 私が勝手に推測するところ、この人はファンが高じてプロになった人で、録音機材好きのオタク系ミュージシャンではないかと思います。


Mississippi Mud
David Dover

1. You Rascal You (Sam Theard)
2. The Jealous Kind (Robert Guidry)
3. Mississippi Mud (David Dover)
4. Place in Your Heart (Manny Charlton)
5. It Came Out of the Sky (John Fogerty)
6. Slide Man (David Dover)
7. Dust My Broom (Robert Johnson)
8. Take Care of Me (David Dover)
9. Fool for Your Stockings (Beard, Gibbons)
10. Peter Gunn (Henry Mancini)

 David Doverは、通常はバンド編成で録音してはいますが、曲によっては全てのパートを自ら演奏することもまれではありません。
 そして、これはまず間違いないと思うのですが、60s70sロックの熱心なファンであり、何よりもJohn Fogertyの熱狂的なファンだろうと思います。
 私がそう思うのには理由があります。

 David Doverは、これまで4枚のアルバムをリリースしています。
 以下のとおりです。

04年 Seal Of Approval (この1枚のみ、David Dover Band名義。下の3枚はソロ名義)
05年 Mississippi Mud
05年 Veterans Day
10年 Dover Soul

 これらは、いずれも自身のレーベルからリリースしており、まだメジャーからの配給はないようです。
 
 今回、4枚のうち、どれを取り上げようかと考えました。
 最近作の"Dover Soul"にしよう、一旦はそう思ったのですが、結局考え直しました。

 4枚には、ほとんど音楽性の違いはありません。
 ただ、1stがサウンド的に若干しょぼい気がします。

 私の思うところ、バンド名義の1stが最もオタクっぽい音で、なぜか一人多重録音の匂いがします。
 これは、リズム隊が弱く感じるからだと思います。
 とりわけ、ドラムスが弱いように思います。
 きちんと額面どおりバンドでやっているとすれば、録音が悪いのかミックスのバランスが悪いのか、私にはリズム隊の音が軽く感じられます。

 アルバムの構成では、1st、2ndは有名曲のカバーを中心に、自作曲を交えるというスタイルです。
 対して、3rdは、ほぼ自作曲でまとめています。
 5年のブランクを開けて出された4thは、自作曲を抑え目にして、再び1st、2ndに近い構成に戻しています。

 というわけで(?)、音に若干不満がある1stはまず外し、カバー曲が多く、音楽的嗜好がわかりやすい2ndを選びました。
 本盤の参加メンバーは、以下の通りです。

David Dover : vocals, guitars(all), keys(2,3,4,5,6,8),bass(3), drums(3,4)
Rick Paul : guitar(2,4)
Rick Potter : guitars(2)
Michael Vines : screaming lead guitar(10)
C. J. Anderson : bass(1,2,4,5,6,7,8,9,10)
Rick Heck : drums(1,2,6,7,8)
Terry Brawley ; drums(5,10)
Stanley Lindley : drums(9)
Rick Morrow : keys(1,7,10)
Dave Russell : sax(1,2,10)
Jimmy 'Junior' Markham ; harmonica(8)

 最初の方で、この人は、John Fogertyのファンだろうと書きました。
 David Doverは、リリースした4枚のアルバムで、必ずJohn Fogertyのカバーをやっています。
 次のとおりです。

1st : 110 In The Shade
2nd : It Came Out of The Sky
3rd : Run Through The Jungle
4th : Who'll Stop The Rain

 "110 In The Shade"以外は有名曲ばかりですね。
 "110 In The Shade"は、唯一John Fogertyのソロ・アルバムからのチョイスで、97年の"Blue Moon Swamp"収録曲です。
 "Hundred And Ten In The Shade"と表記されていた曲で、ゴスペルっぼい曲調の作品です。
 残りの3曲は、いずれもCCRの曲で、説明不要の作品ばかりですね。

 David Doverは、もともとJohn Fogertyと声質が似ています。
 さらに、大好きな曲をやるということで、これらの曲では思い入れたっぷりにやっています。
 
 本盤では、冒頭の曲、"You Rascal You"が、John Fogertyの曲ではありませんが、Johnが75年のソロ2作目でやっていた曲です。
 どれだけ好きなんだ、と言いたいです。

 各アルバムのカバー曲からも、この人の趣味嗜好をうかがってみたいと思います。

1st : She Caught The Katy タジ・マハールのカバー
    Never Ending Song Of Love ディレイニー&ボニーのカバー
    Run Run Rudolph チャック・ベリーのカバー
    It's Not My Cross To Bear オールマン・ブラザーズのカバー 
    From Small Things デイヴ・エドモンズのカバー
    Life Is Hard ジョニー・ウインターのカバー

2nd : The Jealous Kind ボビー・チャールズのカバー
    Dust My Broom エルモア・ジェイムズ(ロバート・ジョンスン)のカバー
    Fool For Your Stocking Z. Z. トップのカバー

4th : Same Old Blues J. J. ケイルのカバー(ただし、本人のお手本はフレディ・キング盤らしいです。)
    Johnny B. Goode チャック・ベリーのカバー(何とChuck Berry本人と共演しています。ライヴ録音)

 音を聴かなくても、何となくどんなタイプの人か想像できてきていませんか?
 ルーツ・ミュージック好きの方なら、少なくとも、彼のカバー曲のチョイスに、好感をいだく人は少なくないと思います。

 趣味っぽい、アマチュアイズムもうかがわせながら、だからこそ共感できる部分が多々ある人だと思います。
 まあ、メジャーで出せないのには、それなりの理由があるとは思います。
 雌伏に不思議の雌伏なしではあります。

 とはいえ、B級、C級好みの奇特な皆さん、一度ご賞味されてはいかがでしょう。



Mississippi Mud by David Dover





アイ・タッチ・ユー

 元Wet Willieのリード・ボーカリスト、Jimmy Hallの1stソロ・アルバムを聴きました。
 80年にエピックからリリースされたもので、ナッシュビル録音です。
 同じ南部でも、近年にマッスル・ショールズで吹き込んだものとは、かなり雰囲気が違います。


 

Touch You
Jimmy Hall

Side One
1. 634-5789 (S. Cropper, E. Floyd)
2. Private Number (W. Bell, B. T. Jones)
3. Midnight To Daylight (L. Berwald, J. Hall, J. V. Hall Jr.)
4. Easy Street (J. V. Hall Jr.)
5. Rock & Roll Soldier (T. Seals, E, Setser)
Side Two
1. Never Again (J. Monday, M. Tanner, N. Jeffrey)
2. Bad News (J. D. Loudermilk)
3. I'm Happy That Love Has Found You (E. Chase, A. Jacobson, W. Haberman)
4. The Same Old Man (J. Hall, J. Goin)
5. Touch You (J. Hall, L. Berwald)

 メンフィス・ソウルのカバーで始まるのが、実はかなり嬉しいです。
 南部というより、ノーザンぽい躍動感のあるビートだったりもしますが、それはそれで面白いです。

 しかし、時代のせいもあるのでしょうか、自作曲のいくつかは、イーストコーストのシンガー、ソング・ライターぽい、ジェントルかつナイト・ミュージック風の落ち着いた曲があったりして、少し驚きです。

 事実、デルバート・マクリントンに似たハスキー・ボイスを持つ彼が、曲によっては、ビリー・ジョエルを思わせる喉を聴かせています。

 まあ、そんな一面もありますが、あくまで一部の話で、サザン・ロックのリード・シンガーがソロになった途端、全く別人のような音楽をやりはじめた、といったことにならなくてよかったです。

 私などは、そういった懸念をつい持ってしまうほうなので、いきなりEddie FloydやWilliam Bellの名作が出てくる展開に、安心を通り越して心が嬉しさで一杯になりました。
 Jimmy Hall、君はえらい !
 やはり、こうあってほしいです。

 A2"のWilliam Bellの名作、"Private Number"は、女性ボーカルとのデュエット曲ですが、ここでJimmyのパートナーを務めているのは、Bonnie Bramletです。

 私は、ボニーのアンニュイな歌い方が好きですが、この曲には情熱を表に出したスタイルがベターなのでしょう。

 私は、「オン・ツアー」でのボニーが大好きなのですが、あれを超えるものはなかなかないですね。
 あの現場だからこその、そして時代の空気みたいなものが化学反応を起こして、比類のないパフォーマンスとなったのかもしれません。

 Jimmyのボーカルのバックで、スムースなブルース・ハープが聴こえる曲がありますが、本人のプレイでしょう。
 Jimmyは、サックス・プレイヤーでもあるので、そちらも多重録音しているかも知れません。

 本盤は、名盤とまでは言えないかもしれません。
 でも、未CD化(だと思います)は、残念です。

 アナログLPのCD化は、すでに一巡も二巡もして、重箱の隅をつつくようなレア・アイテムの発掘が進んでいると思っていましたが、その一方で、まだまだすくった手のひらから零れ落ちたアイテムはあるのだ、と改めて思いました。

 2ndの"Cadillac Tracks"も併せ、忘れられたヴィニールの世界から、ぜひ救出してほしいものです。

 なお、本盤は、Marshall Tucker Bandのベーシスト、Tommy Caldwellの想い出に捧げる、と記されています。



I'm Happy That Love Has Found You by Jimmy Hall




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ステイツポロへ帰る




ショータイムはナイトタイム

 初めて聴いたバンドをご紹介します。
 録音はオースティンでされていて、おそらくはテキサスのバンドだと思われます。

 ただ、一聴してテキサスと感じさせる要素が少なく、その音楽性はなかなかに多彩で、一筋縄ではいかないと思いました。
 曲ごとに、様々な違った顔を見せてくれるバンドだからです。

 本盤は、11年リリースの新作なのは間違いないですが、何作目なのかとかバンドの詳細は不明です。


Nighttime Problems
The Drakes

1. Summertime
2. To Be With You  
3. Down In Texas   
4. Carny Girl
5. Amarillo Highway  
6. Right Now
7. Nighttime Man
8. I'd Rather Be Blind, Cripple, And Crazy  
9. Qualified
10. Anything You Do
11. Lakehouse Mama  
12. Last Call In Little Rock  
13. Lou-Easy-Ann

 バンドは、ギター2本、ベース、キーボード、ドラムスという5人編成です。
 パーソネルは以下のとおりです。

Matt Giles : guitar, vocals
Michael "Cornbread" Traylor : guitar, vocals
Vincente Rodriguez : drums, percussions, vocals
Ron Flynt : keyboards, guitar
Tom Gillan : bass, vocals

 全体的にアーシーな雰囲気があるのですが、ときにブリティッシュぽかったり、レーナードっぽかたっり、はたまたZ.Z.Topを連想させたりと印象がめまぐるしく変わります。

 特に、前半の導入部では、NRBQを思わせる、小粋でユーモラスなポップ・チューンが見受けられ、こんな感じなのかと思って聴き進めていくと、次第にサザン・ロック風の展開になっていき、驚きます。

 非常に各楽器の輪郭がくっきりと出ているバンドで、豪快な南部風かと思えば、コーラスもさりげなくしっかり入ったおしゃれなポップ曲もあり、既存の色々なバンドを曲ごとに次々と連想してしまいました。

 プロデュースは、ベースのRon Flyntがやっていることから、彼がバンドのカラーに強い影響力を持っているのかもと思います。

 冒頭の" Summertime"は、小粋で時に英国ぽい雰囲気も感じさせる小品です。
 ギターのリフに耳に残る特徴があり、コーラスとハンド・クラップが効果的に使われていて、アーシー系のパブ・ロックを連想させます。

 さらに、KinksやNRBQを思わせる、さりげないユーモアも感じます。
 何より、バンド全体のアンサンブルが素晴らしいです。

 続く"To Be With You"は、キーボードが活躍する、これまた小粋で楽しい雰囲気の曲です。
 ポップでキャッチーなメロを持っていて、やはりギターがいいフレーズを弾いています。
 ボーカルが、控えめにスタートしながらも、途中から男くさくなり、その後の南部的展開をうかがわせる曲です。
 しかし、この曲の段階では、まだ予想しないことでした。 

 "Down In Texas"は、先の2曲とはガラっと雰囲気が変わり、一瞬別のバンドかと思わせるほどです。
 南部志向の強かった、70年代のStonesを連想させる曲です。

 ボーカルのつきはなした歌い方からしてそうで、ミック・ジャガーみたいです。
 何となく聴いたことがあるような曲だと思って聴き進めていましたが、サビになって流石に気づきました。

 これは、Eddie Hintonの作品です。
 Eddie Hintonのバージョンは、アルバム"Playn' Around"で聴くことが出来ます。
 オールマンなどサザン・ロック勢もやっていると思いますが、Decoys盤が私の好みです。
 そして、それ以上に私がよく聴いていたのは、サザン・ソウルのOscar Tony Jr.盤、Don Varner盤などです。

 ここで一気に、やっぱり南部なんだと印象づけられました。
 ジョージアのイメージですね。
 ギターが、これまでのコンパクトで輪郭のはっきりしたフレーズから、引きずるようなルーズな音を聴かせ始めています。

 ところが、事はそのまま進みません。
 "Carny Girl"は、再び最初の2曲に戻ったような、ポップでかわいらしい曲です。
 アコ・ギターのストロークで始まる、NRBQを連想させるような爽やかな胸キュン・ポップスになっています。

 こういった曲では、やはりコーラスが効果的に使われています。
 間奏のギター・ソロが、メロディックでよく歌っていて素晴らしいです。
 私は、John Fogertyのいくつかのオブリガードを連想しました。

 "Amarillo Highway"は、Terry Allenの名作ですね。
 私は、オリジナルも聴きましたが、やはりGarrett, Sahm, Taylor Bandでのバージョンが強く印象に残っている曲です。
 基本的に原曲とあまり変えずにやっていて、ここでもアコ・ギターがいい響きを出しています。
 キーボードの隠し味もよく、ここでもバンドの連携のよさを感じます。

 ここまでは、曲ごとの変化に振り回される構成に驚いたところです。
 以下、次第にサザン・ロック風の展開になっていきます。

 以降で、特に連想させられるのは、レーナード・スキナード、Z.Z.Topなどです。
 やはり、レーナードでしょうか。
 ギターのトーンが、クリアなものからディストーションがかかったスライド風の音中心になっていきます。
 また、リードの背後で鳴っているサイド・ギターが、2本目のリードのように、魅力的なリフを繰り返しています。

 "Nighttime Man"は、曲名から、Hinky Tonk Nighttime Manを連想しました。
 レーナードがカバーした、マール・ハガードの作品ですね。

 そして、"I'd Rather Be Blind, Cripple, And Crazy"です。
 O.V.Wrightですが、渋すぎるチョイスです。
 この選曲から、このバンドにさらに興味がわいてきました。
 曲は、ほぼ原曲どおりにやっています。

 "Qualified"は、レイ・ヴォーンを思わせるヘヴィなブルース・ロックです。
 アルバム"In Step"のころのレイでしょうか。
 ボーカルがレイを連想させるだけでなく、バンドのうねるようなアンサンブルが、まさにそれ風で惹きこまれます。
 一体いくつ抽斗を持っているのかと言いたくなります。

 "Lakehouse Mama"は、再びレイナードを思わせる曲です。
 ここでは、ボーカルがロニー・ヴァン・ザントみたいです。
 曲は小粋なブギで、J.J.ケイル風のせわしないリズムにのせ、軽快に展開します。
 よく弾むピアノも効いています。

 "Last Call In Little Rock"は、少し曲調が変わって、デトロイトかフィラデルフィアのロック・バンドのような、ダンス・ロックです。
 私は、Tommy Conwellを連想しました。(久しぶりに聴きたいです。)
 といっても、覚えている人は少ないですかね。
 では、Romanticsあたりならいかがでしょう?
 ますます分かりませんか。

 ラストの"Lou-Easy-Ann"は、ルイージ・アンと聴こえます。
 ヘヴィかつレイジーな南部ロックです。
 ラストということで、改めて振り返りますと、アルバム前半とは、全く別のバンドであるかのような、この激しいスタイルの振れ幅に驚くばかりです。

 そして、結論として、とても惹きつけられました。
 次が聴きたくなるバンドです。
 このバンドが内包する「混沌」は、「雑食性」とも違う、何か不思議な魅力を感じます。

 もう少し、バンドの情報が知りたいところです。






ビーバー・ダム・スワンプ

 今日気付いたのですが、まもなくこのブログを始めて1年を迎えます。
 いやあ、驚きです。
 何が驚いたと言って、まだ1年経っていなかったことに驚きました。

 おじさんになると、記憶容量というものが圧縮されるようです。
 若いころよりも狭小化した海馬の中で、短期記憶と長期記憶の配分が、ほぼ均等になったような気がします。  
 
 意味不明ですか?
 つまりこういうことです。
 ブログを始めてからの1年の出来事が、それ以前のすべての人生と、あたかも同程度の長さに感じられると言うことです。

 
You Better Run
Billy C. Farlow

1. Drive Me Like A Mule (Billy C. Farlow)
2. You Better Run (Billy C. Farlow)
3. Don't You Wanna' Rock ? (John Lee Hooker)
4. Good Rockin' Mama (Billy C. Farlow)
5. Don't It Get Lonely (Billy C. Farlow)
6. Hey, Nannie May (Billy C. Farlow)
7. Whiskey and Beer, Gin and Wine (Billy C. Farlow)
8. Waitin' For The Sun To Go Down (Billy C. Farlow)
9. Good Whiskey, Bad Women (Billy C. Farlow)
10. Drunk On Love (Billy C. Farlow)
11. Juke House Woman (Billy C. Farlow)
12. Roll, Mississippi, Roll (Billy C. Farlow)

 さて、今回の主人公、Billy C. Farlowは、Commander Cody and his Lost Planet of Airmenのリード・ボーカルだった人です。
 今作は、リリースされたばかりの最新作になります。

 私は、初めてCommander Codyを聴いたときから、なぜこの人がリード・ボーカルなのかと不思議に思っていました。
 なぜなら、Lost Planet of Airmenでは、複数のシンガーがボーカルをとっており、この人よりはるかにうまいシンガーがいたからです。

 私は、当初それがリーダーのCopmmander Cody(George Frayne)だと勘違いしていました。
 だって、リーダーなんですから、まさかほとんどピアノを弾いてるだけの人だなんて思いませんよね。

 ジェントルなバリトンの持ち主が、ギターのBill Kirchenだということにやがて気付きました。

 一方、Billy Farlowは、当時ひょろっとしたメガネ青年で、楽器はハーモニカだけやっていたはずです。
 私は、今回、彼のソロ作を始めて聴きましたが、音よりも先に、風貌がかなり変わっていることに驚きました。
 歳月は人の姿を変えますね。

 ジャケには、グレッチらしきギターを構えるむさ苦しい男が写っています。
 このギターは、ロカビリアンに人気のグレッチ6120かと思いましたが、グレッチ・シンクロマチックという機種(?)らしいです。
 (クレジットではそうなっていました。)

 今作ですが、ギターから連想するロカビリーではなく、サザン・ロックに近いサウンドです。
 引き摺るようなブギ基調の曲がメインで、Georgia Satellitesを連想させるところがあります。
 1曲目から、まさにそんな曲調で、ルーズなブギ・リフでスタートし、ブルース・ハープが被さってきます。

 ただ、曲調は似ていますが、一方でSatellitesとは、どことなく違う印象も受けます。
 どこがそう感じさせるのだろうと考えましたが、これはおそらく、スライド・プレイがあまりなく、またバッキングの音の厚みがシンプルなせいでしょう。

 私は、サザン・ロックのバックには、あるイメージを持っています。
 それは、しばしばハード・ロックに接近しながらも、一線を超えることなく、かろうじて堪えているという印象で、そこに美しさを感じます。

 レーナードが、フリーをお手本にスタートしたという話はよく知られています。
 英国ブルース・ロックからインスパイアされたからこそ、ハード・ロックとは一線を画しているのだと思います。

 今作でのサウンドは、一見サザン・ロック風の顔をしてはいますが、突き詰めれば、広義にはやはりブルース・ロックに集約されるのかも知れません。



 やっている曲は、1曲を除いてすべて本人の自作です。
 3曲目の"Don't You Wanna' Rock ?"が、クレジットではJohn Leeになっています。

 実は、私はJohn Leeはほとんどベーシックなところしか聴いていず、またそれらもあまりよく覚えていません。

 この曲は、他の曲と何の違和感もなく「すっと」耳に入ってくる曲で、クレジットを見なければ気付くこともなかったでしょう。
 (ちなみに、私が聴いてきたJohn Leeは、ヴィンテージ期では、モダン、キング、ヴィージェイの代表作程度です。)

 ロックンロール調の曲も中にはありますが、ギンギンに飛ばすといった感じではなく、また、ほとんどノイジー感のないサウンドに仕上がっています。
 うるささもなく、そういう意味では、実は聴きやすい、いいアルバムかも、と思い出してきました。

 収録曲の補足をしますと、"Don't It Get Lonely"は、Ray Charlesの"Lonely Avenue"を思わせる曲です。
 また、"Drunk On Love"は、ボ・ディドリー・スタイルの曲です。
 何度か聞き返して、彼のボーカルは、思いのほか歌えている気がしました。
 私は、予断を持ちすぎかもと思いだしています。

 この人は、バイオなどによれば、アラバマ、インディアナ、テキサスなどで成長したとのことで、確たることはよく分かりませんが、南部ルーツの音楽志向を持つ人であるのは間違いないと思います。

 私は、今作のサウンドを、レイドバックしていないスワンプだと、とりあえず言っておきます。

 ちなみに、なぜか来月にも新作のリリースが予定されています。
 そして、これまたなぜか、本作の収録曲のうち、次の2曲が再度収録されるようです。

 "Drive Me Like A Mule"
 "Good Rockin' Mama"

 ジャケは、次作のほうがよいので、検索してみてください。






ステイツボロへ帰る

 「久しぶりにブルース・ロックを聴いたなあ」
 そう思いました。
 正しくは、サザン・ロックと言うべきかも知れません。
 70年代の懐かしいスライド・ギターの、あの感じが蘇ってきました。


Build Your Own Fire
Jimmy Hall
& The Muscle Shoals Rhythm Collective

1. Still Want To Be Your Man (E.Hinton)with vocals on Delbert McClinton 
2. Salty (E.Hinton)with vocals on Kira Small 
3. Here I Am (E.Hinton)with vocals on Bruce Dees
4. Poor Old Me (E.Hinton, Donnie Fritts, B.Bluckburn) 
5. Coming After You (E.Hinton)
6. Cover Me (E.Hinton, M.Green)
7. Build Your Own Fire (E.Hinton)(add.lyrics.K.Small, J.Hall, T.Ware)
8. It's All Wrong (E.Hinton, M.Green)
9. Watchdog (E.Hinton)
10. What Will I Do Without You (E.Hinton, D.Fritts)
11. I Found A True Love (E.Hinton)
Bonus tracks
12. Coming After You (Greg Martin Mix) (E.Hinton)with vocals on Kira Small
13. Salty (Greg Martin Mix)
14. David Hood Interview On Eddie Hinton

 ウェット・ウイリーは、数枚聴いただけで、例えばオールマンだとか、レーナードなどほど熱くならなかったバンドでした。
 でも、マーシャル・タッカー・バンドと並び、何とも愛おしい魅力を感じずにいられず、頭の隅で気になっていたバンドだったのです。

 このアルバムは、ウェット・ウイリーのリード・ボーカリスト、Jimmy Hallが、Zohoレコードから07年にリリースしたソロ・アルバムです。
 "Jimmy Hall & The Muscle Shoals Rhythm Collective"という、どうにもそそられる名義で出されています。

 ただ、別会社から、"Shoals Rhythm Collective"というタイトルでも、全く同じ内容のアルバムが出ていて混乱します。
 そちらは、本作のジャケット写真を裏焼きしたものを使用していて、不思議です。

 さて、前作"Rendezvous with the Blues"から、約10年ぶりとなる今作の陣容は次のとおりです。

Jimmy Hall : Vocal, Harmonicas
Clayton Ivey : Keyboads
Larry Byron : Guitars
Gregg Martin : Guitars(except track2,3,5)
David Hood : Bass
Johnathan Dees : Drams

 私には、デイヴィッド・フッド以外は馴染みがない人ばかりです。
 この手のファンにはよく知られた人たちなのでしょうか。
 
 わざわざマッスル・ショールズと謳っているのが味噌でして、本作は、Eddie Hintonの作品に真正面から取り組んだアルバムになっています。

 同じJimmyという名から、Jimmy Thackeryを連想します。
 Jimmy Thackeryもまた、エディ・ヒントンの作品集"We Got It"を02年にリリースした、レイ・ヴォーン・スタイルのブルース・ギタリストでした。

 リリース時期に違いはありますが、この2枚には、ある共通点があると思います。
 それは、00年ころから発掘されだした、エディ・ヒントンの一連のレア音源集の存在です。

 おそらくは、これらの音源集が、彼らの創作意欲に火をつけたのでしょう。
 とりわけ、その第一集となる"Dear Y'all The Songwriting Sessions"の衝撃は大きかったと思われます。
 このアルバムから、複数の曲がチョイスされています。
 次のとおりです。

00年 "Dear Y'all"収録曲(カッコ内は、Dear Y'allでの表記)
1. Still Want To Be Your Man (I Still Wanna Be Your Man)
2. Salty (Things Got To Get A Little Bit Salty)
5. Coming After You (I'm Coming After You)
6. Cover Me (同)
7. Build Your Own Fire (同)
8. It's All Wrong (It's All Wrong But It's Alright)

 その他の曲についても、エディ盤の出典を記しておきます。

99年 "Hard Luck Guy"収録曲
3. Here I Am
9. Watchdog
10. What Will I Do Without You

93年 "Very Blue Highway"収録曲
4. Poor Old Me

91年 "Cry And Moan"収録曲
11. I Found A True Love

 さて、ジミー・ホールですが、この人はブルース・ハーピストでもあり、それがサウンドにジミーならではの味付けをしています。
 ボーカルは、デルバート・マクリントンのハスキー・ヴォイスを若干控えめにした感じで、本作の1曲目でデルバートとデュエット(?)しているのが興味深いです。

 ハープ以外では、やはりスライド・ギターの存在が、全体の印象を決定づけています。
 特に、スライドが大活躍する、"Poor Old Me"などは、70年代へとタイム・スリップさせられるかのような、「酔い」の感覚に囚われます。

 これはもう、雰囲気勝負の面もありますが、懐かしさとか、様式美とか、どんな言葉でもいいですが、よいものはよいと言いたいです。
 "Poor Old Me"の出だしは、オールマンのステイツボロ・ブルースを連想せずにはいられません。

 さらに、本作での私のお気に入りは、ミディアム・スローの2曲、"Salty"と"Cover Me"です。
 "Cover Me"は、本作収録曲の中で、最も有名な曲ですね。
 ジミー・ホールは、ディープ・ソウル・シンガーの名唱に迫る熱演で聴き手に迫ってきます。
 雰囲気たっぷりに聴かせる、オルガンとスライドをバックに展開する、ジミーのハスキーなボーカルが素晴らしいです。

 "Salty"もいいです。
 この曲は、ヒントン盤が素晴らしいですが、ボビー・ウーマック盤も負けず劣らずの素晴らしさです。
 
 "It's All Wrong"も、多くのソウル・シンガーに歌われている曲です。
 ここでも、ジミーのパフォーマンスは、先達たちに負けまいと必死にくらいついています。
 この曲は、少し厳しいでしょうか。 

 やはり、"I Found True Love"のような、ミディアム・リズム・ナンバーのほうが実力を出せるように感じました。

 本作は、思わず、ソウル・シンガーたちの様々なカバー・バージョンを振り返りたくなる、そんなアルバムに仕上がっています。


The Same Old Moonです。


Saltyが削除されため、差し替えました。1stソロ収録曲、これもいいです。

こちらは80年代の録音で、まるでイーストコースト・ロックみたいです。



関連記事はこちら

フレッド・スタイルズと友達の輪
ジミー、エドワードにはまる
エドワード・ヒントンが好き
ジョージア、オクラホマ、フロリダ、テネシー


フレッド・スタイルズと友だちの輪

 これは驚きのアイテムです。
 あるいは、ファンの間では有名なものかも知れませんが、私は初めて知りました。
 この何とも手作り感たっぷりなジャケット・デザインをご覧ください。
 60年代の、どこかのカレッジ・バンドの写真かと思いました。

 このアルバムをご存知ない方の大半は、ガレージ・サウンドを連想されたのではないでしょうか。
 私もそうです。
 しかし、驚くべきことに、ここに展開される音は、素人ぽさとは無縁のプロ集団のサウンドなのでした。
 

Bandcestors
Fred Styles
with a whole lotta help from his friends

Tuscaloosa Allstars Demo Sessions 75,76 Birmingham rec.
1. Nice Girl (Fred Styles, K.Cater)(Vo.Eddie Hinton)
2. Keep On Goin' (F.Styles)
3. I Could Fall in Love With You (F.Styles)
4. Just Another Wild Love Affair (F.Styles, K.Cater)(Vo.Eddie Hinton)
5. I Didn't Wanna Lose (F.Styles)(Vo.Mike Duke)
5 Minits (45rpm Fame Recordings) 65 Muscle Shoals rec.
6. Old Man (David Morrison)
Tuscaloosa Allstars Demo Sessions 75,76 Birmingham rec.
7. Come With Me (F.Styles, K.Cater)
8. Irene, the Soap Opera Queen (F.Styles, K.Cater)
9. You Made Me Sing (F.Styles, K.Cater)(Vo.Eddie Hinton)
5 Minites Sessions Live 66
10. Blue-Blue Feelin' (Fred Neil)(Vo.Eddie Hinton)
11. You're Gonna Lose That Girl (Lennon, McCartney)
12. Neighbor, Neighbor (Meaux)(Vo.Eddie Hinton)
13. The Night Before (Lennon, McCartney)(Vo.Eddie Hinton)
14. Turn On Your Love Light (J.Scott, D.Malone)(Vo.Eddie Hinton)
Bozos Live 88 New York City rec.
15. Bozo Band Medley
5 Minite Sessions Live 66
16. Walkin' With Mr. Lee (L.Allen)(Lead Guitar: Eddie Hinton)

 このアルバムは、一言でいえば、Eddie Hinton絡みのバンドのレアな音源集です。
 私は、ヒントン以外の参加メンバーを良く知らず、ほとんど語る言葉を持っていませんが、ヒントンがフロントに出ていない曲も含め、全てが素晴らしいと言いきってしまいたいです。

 また、60年代、70年代、80年代と各年代の録音が混在しており、60年代録音に若干の青臭さを感じなくもないですが、そんなことが些細なことに思わせる、その音楽性の豊かさに、ただただ驚くばかりです。

 とりあえず、各曲名のあとに作者名を追記し、さらにヒントンがリード・ボーカルをとっている曲は特記しました。

 まず、一見して思うのは、ヒントン作の曲が1曲もないことです。
 このことに気付き、聴く前は密かに、期待外れではないかと予想していました。
 しかし、音が始まると、杞憂であったことがすぐに分かりました。
 繰り返しますが、これはよいです。

 ライナーから参加メンバーを引用します。

The Original 5 Minites
Paul Ballenger、Carlie Campbell、Paul Hormsby、Johnny Sandlin、Fred Styles

Tuscaloosa All Stars
Tippy Armstrong、Bill Connell、Mike Duke、Eddie Hinton、Joe Rudd、Jennifer Toffel Townsend、fred Styles

The 5 Minites
Eddie Hinton、Paul Hormsby、Johnny Sandlin、Fred Styles

The Bozo Band
John de Forest、Robert Nickson、Charlie Peak、Phil Shafer、Fred Styles

各メンバーの中に、Fred Stylesという名前が必ず参加していることに気付かれたかも知れません。
 そうなのです。
 このアルバムは、Fred Stylesが序文を書いており、どうやら彼の思い出の音源を拾い集めたもののようなのです。
 つまり、フレッド・スタイルズこそが、このレア音源集の仕掛け人と見て、まず間違いないのでした。

 その証拠に、主要参加メンバーの簡単な略歴が掲載されていますが、どうみても主要メンツであるフレッドの経歴が紹介されていません。
 これは、フレッド自身が懐かしい友人たちを紹介している文章だからなのでしょう。

 略歴が紹介されているのは、Tippy Armstrong、Bill Connell、Mike Duke、Eddie Hinton、Paul Hormsby、Joe Rudd、Johnny Sandlinの7人です。
 ここでは、関わりを持った有名アーティストの名前が、次から次へと列挙されています。
 
 主なところを何人か紹介しますと、まず、Tippy Armstrongは、Muscle Shoals Sound Rhythm Sound Sectionの一員として、Albert King、Bobby Womack、Tonny Joe White、Wilson Pickett、Johnnie Taylor、Linda Ronstadt、Roy Orbisonほかのセッションで、リード・ギターを弾いたと記されています。

 また、Bill Connellは、ドラマーとして、Allman Joys、Bobby Witlock、Derek & Dominoesらとプレイしたとのことです。

 Mike Dukeは、キーボードとボーカルで、Wet Willie、Huey Lewis & The News、The Outrows、Delbert McClintonらのセッションに参加したほか、彼が書いた曲は、Huey Lewis、Kitty Wells、Wet Willieらが録音しているとのことです。
 (Wet Willieの創立メンバー?だという話も…。)

 Paul Hornsbyは、キーボードとギターで、The Hour Grassとプレイしたほか、South CampでChuck Leavellとともに、Allman Brothers、Clapton、Stonesらのセッションに参加したとのことです。
 また、Capricorn Studio Rhythm Sectionの奏者及び制作者として、Eddie Floyd、Livingston Taylor、Auther Conley、Dr.Johnらとのセッションに参加したとのことです。
 さらに、プロデューサーとして、Marshall Tucker Band、Charlie Daniels Band、Wet Willie、Bobby Whitlock、Kitty Wellsらのアルバムを制作したとも記されています。

 Johnny Sandlinは、ドラマーとして、The Hour Grass、Debert McClintonらのセッションに参加したほか、奏者に加えエンジニアとしても、Capricorn Studio Rhythm Sectionの一員として関わったとのことです。
 そして、プロデューサーとして、Allman Brothers、The Outlows、Greg Allman、Greg & Cher、Bonnie Bramlett、Wet Willie、Alex Taylor、Eddie Kendricks、Delbert McClintonらのアルバムを制作したと記されています。

 かってに整理してしまえば、紹介されているメンバーは、主にマッスル・ショールズのスタジオ・エースと、カプリコーン関連のミュージシャン、プロデューサーだということでしょう。

 彼らがバンドとして関わったレアな音源が、このアルバムに集約されたというわけです。
 悪いはずがないですね。
 不思議なのは、エディ・ヒントンがボーカルを取った曲は、他人(主にFred作)であるにも関わらず、まるでエディが書いた作品であるかのように聴こえることです。
 あるいは、Fred Stylesとエディは、相互に影響を与えあっていたのかも知れません。

 とりわけ、1曲目のNice Girlなどは、ブラインドでもエディの声だと分かるほどで、これは曲調も含めての印象だと思います。
 この曲は、エディ・ヒントン作だと言われたら、多くの人が疑わないと思います。

 デモ録音主体でも、70年代の録音全体に、あのころの南部最高の音が詰まっています。
 また、60年代の録音では、レノン、マッカートニー作品を歌うエディの歌声が珍品です。

 そして、80年代のライヴとして、Bozo Band Medleyというのがありますが、多分、8曲ほどメドレーでやっていると思います。
 全くノー・クレジットですが、私の分かる範囲では、次のような曲をやっているのではないかと思います。
 
1. J.J.ケイル作のCrazy Mama
(standing on the corner、crazy mama when you been so longと歌っています。)
2. タウンズ・ヴァン・ザント作のPoncho and Lefty
3. マール・ハガードのToday I Started Loving You Again
4. 不明、ジョー・サウス作のWalk a Mile In My Shoesでしょうか? …違う気がする。
5. 多分、ロドニー・クロウェル作のTill I Gain Control Agiamでしょうか?
6. 不明
7. 不明、weepin like a willowと歌い始めるフォーク調の曲
8. 不明、Honky Tonk Aangelというフレーズが耳に残るカントリー系(ブルーグラス?)の曲  

 比較的長くやっている曲と、すぐ次の曲に代わるものがあって、難易度に差が有りました。
 このアルバムを聴かれた方で、誤りを指摘してくださる方を募ります。(…汗。)

 最後に、ナビゲーターに徹して、経歴が明かされていないフレッド・スタイルズは、ソングライター、そして、味のあるシンガーとして、素晴らしい才能の持ち主だと思いました。


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ワン・アンド・オンリー、ピアノ・マン

 何をやっても、誰とやっても一切ぶれることがない、そんな人だと思います。
 プロデュースしがいがない人といえるでしょう。
 良く言えば、いかなることにも揺るがない強烈な個性の持ち主であり、悪く言えば頑固で柔軟性に欠ける人です。


Southern Roots
Boogie Woogie Country Man
Jerry Lee Lewis 

1. Meat Man
2. When A Man Loves A Woman
3. Hold On I'm Coming
4. Just A Little Bit
5. Born To Be A Loser
6. Haunted House
7. Blueberry Hill
8. Revolutionary Man
9. Big Blue Diamond
10. That Old Bourbon Street Church
11. Margie (Bonus Track)
12. Cry (Bonus Track)
13. I'm Still Jealous Of You
14. Little Peace & Harmony
15. Jesus Is On The Mainline
16. Forever Forgiving
17. (Remember Me) I'm The One Who Loves You
18. Red Hot Memories (Ice Cold Beer)
19. I Can Still Hear The Music In The Restroom
20. Love Inflation
21. I Was Sorta Wonderin'
22. Thanks For Nothing
23. Boogie Woogie Country Man
24. That Kind Of Fool (Bonus Track)
25. Damn Fine Country Song (Bonus Track)
26. When I Take My Vacation In Heaven (Bonus Track)
27. Don't Boogie Woogie (Bonus Track)

 このアルバムは、ジェリー・リー・ルイスの70年代のマーキュリー時代の2枚のアルバムを2イン1にパックしたアルバムです。

 04年にオーストラリアのRavenという会社からリイシューされたもので、元のソースとなったのは、73年のSouthern Rootsと、75年のBoogie Woogie Country Manです。

 トラック1から10までが、オリジナルのSouthern Rootsで、トラック11と12がそのアウトテイクになります。
 また同様に、トラック13から23までが、オリジナルのBoogie Woogie Country Manで、残るトラック24から27までがそのアウトテイクになります。

 今回は、特に前半のSouthern Rootsに注目して聴き返したいと思います。
 まず、米国南部音楽好きにとっては、そのものずばりのタイトルに注目せずにはいられません。

 かつて、ミリオン・ダラー・セッションという、エルヴィスやカール・パーキンス、ジョニー・キャッシュとの私的セッションをアルバム化した、Sunの同窓会的アルバムが作られましたが、あの興奮が頭によぎります。

 Southerm Rootsは、ヒューイ・モーが制作したもので、曲ごとのセッション・データが明かされていないのが残念ですが、メンフィス録音とヒューストン録音からなっています。

 そのセッション参加メンバーを見ると、興奮せずにはいられません。
 全体のバンマスは、ギターのスティーヴ・クロッパーです。
 ギターでは、カール・パーキンス、トニー・ジョー・ホワイトほか数名の名前がクレジットされています。

 また、ベースはダック・ダンほか数名、ドラムスはアル・ジャクスンほか数名、さらにウェイン・ジャクスン、アンドルー・ラヴというお馴染みのメンフィス・ホーンズの面々の名前も記されています。

 もちろん、黄金のスタックス・ハウス・バンドのメンツたちですね。
 キーボードのブッカーT・ジョーンズのみ不参加のようです。
 こちらが、メンフィス録音の中心メンツであるのは間違いないでしょう。

 ヒューストン録音の関係がよくわかりませんが、先に各楽器に他数名と書いた人たちが、それらの人たちを含んでいると思います。
 私は、よく知らない人たちなので、ここで名前を記すことができません。

 ただ、一人だけ、確かな人がいます。
 なんと、ヴォックス・オルガンで、オーギー・メイヤーズの名前がクレジットされているではありませんか!
 ヒューイの制作ですから、不思議はありませんが、これは嬉しすぎる組み合わせです。

 これで、ジョーイ・ロングとか、ミッキー・ムーディーとか、ジョージ・レインズとか、あるいは、ロッキー・モラレスとかの名前があれば、なお嬉しいところですが…。
 残念ながら、そういった人の名前はありません。
 それでも、期待に胸を膨らませずにはいられないメンツです。

 さて、結論からいいますと、書き出しの文章のとおりです。

 ジェリー・リー・ルイスは、唯我独尊の人であり、誰かに支配されない人だと思います。
 あくまで自分のスタイルを貫いており、ヒューイや、伝説のスタジオ・エースたちの手をもってしても、スペシャルな魔法をかけることはできないのでした。
 
 むしろ、ジェリーの強烈そのものの個性が、MGs以下の名人たちの個性をぼやけさせているかのようです。
 はっきりいって、クロッパーのリーダー・シップは、ジェリーにはあまり通用していないようです。
 ジェリーにとっては、セッション・メンツも、ヒューイの制作も、あまり影響しないようでした。

 ただあるのは、おそらく向き不向きだけだと思います。
 実は、後半のBoogie Woogie Country Manセッションの方が、明らかにジェリーに向いており、より自然な良さが出ていると思います。
 少し残念ですが、やむをえません。
 結果的には、ヒューイの企画した夢のコンセプトは、それほど機能したとは言いずらいです。

 対して、ナッシュビルで、ギターのハロルド・ブラッドリー、ドラムスのバディ・ハーマン、ハーモニカのチャーリー・マッコイ、そして、コーラスにジョーダネアーズを迎えた、Boogie Woogie Country Manセッションの方は、予想を超えて素晴らしい出来になっています。

 やはり、ジェリーには、ブラック・ルーツより、ホワイト・ルーツの方が、若干勝っているのかも知れません。
 無理に有名R&Bのカバーをしなくても、こちらの方がジェリーの黒さが際立っているようで、皮肉な結果です。
 ちなみに、こちらのセッションは、Jerry Kennedyという人が制作しています。
 
 全体的に、ジェリーのカントリー・ルーツに焦点をあてたセッションです。
 そして、カントリー・ゴスペルに素直に向き合った曲こそが、最高に興奮させてくれる仕上がりとなっていました。

 このあたりに、ジェリーの本質があるのかも知れません。
 ミリオン・ダラー・セッションのカラーを決定づけていたのは、エルヴィスの個性だけではなかったという、ひとつの検証が、ここにあると私は思います。

 期せずして、ブラック・ルーツと、ホワイト・ルーツに向き合った2枚のアルバムの、見事な対比が、鮮やかに浮き彫りにされたCDになったようです。

 ジョーダネアーズのコーラスがはまった、カントリー・ゴスペル調の曲たちが、ハイライトであると言い切りましょう。
 制作としては、ジェリー・ケネディの勝利と言いたいです。

 ブラック・フィールを持った白人シンガーを制作する、お手本のひとつと言えるのてはないでしょうか。

 さて、最後に、私の個人的な趣味から、トリビアをひとつ。
 このアルバムの(私にとっての)最大の注目は、8曲目のRevolutionary Manです。

 この曲は、ダグ・サームの作品で、Revolutionary Wayとして知られている曲です。
 ここでは、はっきりと、オーギーによるヴォックス・オルガンが存在を主張していて、嬉しくなります。

 セッションとしては、期待ほどの成果を得られなかった試みでしたが、この1曲をジェリーにやらせただけで、私はヒューイの仕事に拍手したいです。

 続く9曲目のBig Blue Diamondとともに、ヒューイ制作の成果だと思います。
 この曲は、後にヴァン・モリスンもカバーした曲でした。



Revolutionary Manです。







ジミー、エドワードにはまる

 かなり以前に、1枚だけ聴いたことがある人です。
 その時に感じたのは、スティーヴィー・レイ・ヴォーンのフォロワーかな?
 といった印象でした。

 当該CDが、例によって行方不明のため、おぼろげな記憶をもとに書いています。
 そこで、アマゾンで検索したところ、見覚えのあるジャケット写真を発見しました。
 93年リリースのEmpty Arms Motelというアルバムです。
 試聴したところ、なるほどレイ・ヴォーンぽいです。
 このときは…。


We Got It
Jimmy Thackery and the Drivers

1. My Searching Is Over (Eddie Hinton)
2. I Still Want To Be Your Man (Eddie Hinton)
3. It's All Wrong But It's All Right (Marlin Greene, Eddie Hinton)
4. Where'd My Good Friend Go ? (Jimmy Thackery)
5. We Got It (Eddie Hinton)
6. Blues Dog Prowl (Jimmy Thackery)
7. Blues For Sale (Jimmy Thackery, Gary Nicholson)
8. Dangerous Highway (Eddie Hinton)
9. Super Lover (Eddie Hinton)
10. Get Off In It (Domald Ray Futts, Eddie Hinton, Alvin Howard)
11. Big Fat Woman (Eddie Hinton)

 このアルバムは、ジミー・ザッケリー(でいいのかな?)が、02年にリリースしたものですが、どうも音がすっかり様変わりしているようです。

 かつては、ジャケ写こそフライングVを構えていましたが、音はストラトみたいなトーンで、早弾きしていました。 
 当時、きれきれに切れていたレイ・ヴォーンに便乗したようなサウンドで、どこかB級ぽさが漂う作品だったと思います。

 そんな印象の人でしたが、少し前にこのCDを購入したのには、もちろん確たる理由があります。
 これは、少数の自作を除き、残りすべて、エディ・ヒントンの作品をプレイしたアルバムだったのです。
 
 さて、エディ・ヒントンは、95年に亡くなっています。
 彼が生前に発表したアルバムは、次の4枚です。

(1) Very Extremery Dangerous : 78年
(2) Letters From Mississippi : 86年
(3) Cry and Moan : 91年
(4) Very Blue Highway : 93年

 そして、彼の死後、友人たちが残された音源をもとに完成させたのが、次の1枚です。
(5) Hard Luck Guy : 99年

 その後、ソングライティング・セッションズというレア音源集が出されました。
 当初は1枚の予定だったのかも知れませんが、現在まで3枚がリリースされています。
 Vol.3が出てから、もう6年めですので、打ち止めでしょうか。

(6) Dear Y'all-The Songwriting Sessions : 00年
(7) Playin' Around-The Songwriting Sessions Vol,2 : 04年
(8) Beautiful Dream-The Songwriting Sassions Vol.3 : 05年

 あと、(6)(7)(8)からセレクトした曲に、数曲を加えたアンソロジーが出ているようですが、私は未入手です。
 現在でも簡単に入手できますが、追加曲の存在に気付かず購入しなかったのでした。

 さて、このアルバムは、02年に出されていますので、時期的にいって、Dear Y'all-The Songwriting Sessionsを聴いたザッケリーが、恐らくは何らかの感銘を受けて制作したものだと思われます。

 事実、このアルバムの収録曲は、We Got ItとGet Off In Itが78年のVery Extremery Dangerousから、My Searching Is Overが86年のLetters From Mississippiからチョイスされている以外、残るヒントン・ナンバーは全て00年のDear Y'all-The Songwriting Sessionsから選出されています。

 しかも、We Got ItとGet Off In Itの2曲は、Dear Y'allにも別テイクという形で収録されていた曲なのです。
 というわけで、Dear Y'allから、何と7曲もプレイしているといえるのでした。

 私は、ソングライティング・セッションズは、南部のソウル・シンガー向けの、作者によるデモ録音だと思っていました。
 いえ、今でもそうじゃないかと思っているのですが、案外取り上げているシンガーが少ないように感じます。
 
 もちろん、私の所有するレコードやCDは限られていますし、そもそも私の守備範囲外のシンガーが録音している可能性もあります。

 収録曲で、複数のアーティストに取り上げられているのは、It's All Wrong But It's All Rightくらいのものでしょう。
 なかなかに感動的なサザン・ソウル・バラードです。

 この曲は、パーシー・スレッジ盤があります。
 こちらは、パーシーの68年の4thアルバム、Take Time To Know Herに収録されていますので、最も知られているもので、かつ時期からいって、恐らくは初出バージョンでしょう。
 
 また、ローラ・リーのチェス録音があります。
 ローラのチェス録音は限られていますので、何度か作られた編集盤で容易に聴くことが出来ます。
 私の手元にあるものでは、90年のLove More Than Prideと、06年のChess Collectionに収録されています。  

 そして、ビル・ブランドン盤があります。
 こちらは、長らく英Kentのコンピ、Hotlanta Soul Vol.2が頼りでしたが、07年にSoulscapeから出た単独アルバム、On The Rainbow Roadに収録されました。

 あと、サム・ディーズ盤があるらしいのですが、私は未聴です。
 うーむ、あの人は、基本的に自作じゃないんですか?

 クイン・アイヴィ関連のシンガーが、ヒントンをやっていそうですが、どうでしょう。
 ドン・ヴァーナーは、かなりやっていると思いますが、このアルバム収録曲はないようです。
 
 さて、肝心のジミー・ザッケリーさんですが、バラードは聴かせます。
 ヒントンを意識したのか、ぶちきれ寸前のような喉で歌っています。
 対して、ミディアム〜アップの曲は、普通のアメリカン・ロック風に聴こえ、もう少しブルージーにやってくれた方が私の好みです。

 しかし、何度も繰り返し聴いているうちに、徐々に良くなってきました。
 そして、実はオリジナルが案外いいのです。
 検索すると、思っていたより、たくさんアルバムがあるようで、このザッケリーさん、長く業界を生き抜いている人のようです。



Jimmy Thackeryさんはこんな人




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 かつて95年にリリースされた、エルヴィスのWalk a Mile in My Shoes: the Essential 70s Mastersが、3月下旬に再発されるようです。
  エツセンシャルですから、全曲集ではないですが、エルヴィスの70年代録音の美味しいところををコンパイルしたCD5枚組のボックス・セットです。


Walk a Mile in My Shoes
the Essential 70s Masters
Elvis Presley

Disc 1
1. Wonder of You
2. You Don't Have to Say You Love Me
3. The Next Step Is Love
4. Patch It Up
5. I Really Don't Want to Know
6. It's Only Love
7. Rags to Riches
8. Where Did They Go, Lord
9. An American Trilogy
10. Life
11. I'm Leavin'
12. Heart of Rome
13. The Sound of Your Cry
14. I Just Can't Help Believin'
15. How the Web Was Woven
16. Until It's Time for You to Go
17. We Can Make the Morning
18. The First Time Ever I Saw Your Face
19. Burning Love
20. It's a Matter of Time
21. Separate Ways
Disc2〜Disc5 (略) 全117曲、ただし当時の日本盤は120曲入りだったらしいです。
 
 このエルヴィスのボックスは、一連のシリーズのひとつで、まず92年に50年代集、The King of Rock’n’Roll: The Complete 50's Mastersがリリースされ、次いで93年に60年代集、From Nashville to Memphis: The Essential 60's Mastersがリリースされました。
 いずれもCD5枚組です。

 私は、50年代集は、待ち切れずに米盤を購入しましたが、日本語解説がついた日本盤が発売されると、あせって輸入盤を買ったことを後悔しました。
 そのため、60年代集は、がんばって日本盤を買ったのでした。
 全曲を懇切丁寧に解説した大滝詠一のライナーノーツが、この日本盤ボックスの価値を高めています。

 私が買ったのはここまでで、95年に出された70年代集はスルーしてしまっていたのでした。
 当時と現在では、エルヴィスの仕事に対する私の考えも少し変化しましたので、今回は購入するつもりです。

 今回、久々にこのボックスのことを振り返っていて、思いだしたことが有ります。
 実は、60年代集には続編があったのです。
 Command Performances: The Essential 60's Masters Uというタイトルで、95年に出されています。
 私の記憶違いでなければ、ハリウッド録音をコンパイルしたもので、ようはエルヴィス映画のサントラの集成だったような気がします。

 ところで、今回の本邦アマゾンの価格設定がすごいです。
 5枚組CDボックス・セットで、現時点では2,240円です。

 これを書いている段階で、本邦アマゾンほかいくつかの国内ショップで予約が開始されたようですが、アマゾンUS、アマゾンUKとも、まだ商品がエントリーされていません。

 本邦アマゾンの情報欄には、米盤と記載されていますので、決して日本のみの発売ではないです。
 また、別のショップでは、ヨーロッパ盤と記載しているところもありました。

 95年盤の当時の価格は、どれくらいだったのでしょう。
 10,000円は超えていたと思います。
 ちなみに、本邦アマゾンでは、現在95年盤が中古で6,599円で出品されています。
今回の再発は、出品者にとってショックでしょうね。

 また、タワー・レコード・オンラインでは、まだ再発盤がエントリーされていず、95年盤の新品に7,454円の価格がつけられていますが、入手不可となっているようです。

 予約が開始されたHMVオンラインでは、一般価格4,001円、マルチバイ特価(輸入盤3点まとめ)で2,500円となっています。

 昨年は、CD30枚組のThe Complete Elvis Presley Mastersという米盤が、ソニーのサイトから50セット限定(世界中で1,000セット)でリリースされたようですが、なんと80,488円です。

 こんなの買う人はファン以外ありえませんから、ほとんどのダブリを我慢して、数曲の別テイクとか、未発表ライヴ・テイクとかのために、大枚を払ったんだろうなあ…。
 そう思って調べたら、なんとレア音源103曲を含む全711曲入りだそうです。
 なるほどレアですね。
 
 さて、気になるのは日本盤がでるのかどうかです。
 私は、95年盤の詳細を知りませんが、60年代集同様の労作ライナーが作られていたのなら、再掲載ないしは、追加なしで全くそのまま再使用される可能性も高いです。
 仮に日本盤がでるのなら、私の予想では、8,000円くらいで発売されるのでは…。

 私は最近、音楽誌を読んでいませんので、すでに発売の告知が出ていたら、ごめんなさいです。

 ところで、タイトル曲のWalk a Mile in My Shoesは、ジョー・サウスが書いた曲で、ソウル・ファンには、ウイリー・ハイタワー盤ですね。
 私は、この曲をタイトルにしたウイリーのリイシュー盤を、うっかり英盤を買ってしまい、コピーコントロール盤だったことを思い出しました。



Walk a Mile in My Shoesです。




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