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パン屋の1ダース

 今回は、かなり以前に入手しながらも、その時々の理由から後回しにして聴いてこなかったアルバムを、やっと聴きました。
 多分、多くの人には馴染みのないアルバムであり、バンドだと思います。

 本盤は、テキサスのBig Shot、Lucky Tomblinがキャリアの最初に組んだバンド、Lucky 13の唯一のアルバムです。
 
 唐突ですが、ここで中身を紹介する前に、今回の警句を一言。
 「1ダースに1個おまけされると、うれしい。」

lucky tomblin3.jpg

Lucky Club Music
Lucky 13

1. Longline Locomotive (Lucky Tomblin)  
2. Halloween Blues (Lucky Tomblin)   
3. Survivor's Song (Lucky Tomblin)   
4. Strawberry Boots (Lucky Tomblin)  
5. Court of Kali (Lucky Tomblin)    
6. Hymn for Her (Lucky Tomblin)    
7. Funky Butt (Rocky Morales)   
8. Skylight (Lucky Tomblin)      
9. Russian Romance (Lucky Tomblin)   
10. Rock 'N' Roll Soul         
11. Mom and Dad Waltz (Lefty Frizzell)  
Secret Track
12. [Untitled]             
13. [Untitled]            

 本盤は、01年にTexas World Recordsからリリースされました。
 バンドの構成メンバー、というか録音参加メンバーを紹介します。
 以下のとおりです。
 
Musician
Billy Stull : Acoustic, Classical & Electric Guitars
Rocky Rodriguez : Acoustic Guitar
Mike Zeal : Bass
Max Baca : Bajo Sexto
Al 'Footsie' Catan : Drums
Heart Sterns : Percussion
Sauce Gonzales : Keyboards & Hammond Organ
Al Gomez : Trumpet
Rocky Morales : Tenor Saxophone
Spot Barnett : Tenor & Soprano Saxophone
Louis Bustos : Baritone Saxophone
Joe Hernandez : Trombone
Lucky Tomblin : Lead Vocals
Becky Tomblin, Tiffany Carnes, Illuminada : Buckground Vocals
Producer
Lucky Tomblin, Bobby Arnold, Billy Stull

 バンド・リーダーは、オースティン、サンアントニオの顔役(?)、Lucky Tomblin(vo.)です。
 実は、当ブログで、Lucky Tomblinに注目するのは2回目で、以前の回では、Lucky Tomblin Band名義の3rdアルバム、"Red Hot From Blue Rock"を取り上げました。
 本盤との関係を時系列で表すと、次のようになります。

Lucky 13
01年 Lucky Club Music(本盤)

Lucky Tomblin Band 
03年 Lucky Tomblin Band
06年 In a Honky-Tonk Mood
07年 Red Hot From Blue Rock
10年 Honky Tonk Merry Go Round

 ちなみに、Lucky Tomblin Bandのメンツは、

Lucky Tomblin : lead vocals
John Reed : lead guitar、vocals
Redd Volkaert : lead guitar、vocals
Bobby Arnold : guitar、vocals
Sarah Brown : bass、vocals
Jon Hahn : drums
Earl Poole Ball : piano、vocals

 であり、本盤のメンツとは一新されていることが分かります。
 ただ、本盤では、Doug Sahmの一派といいますか、ファミリー的なメンツがズラリと並んでいて壮観です。
 チョイスしてまとめて再掲しますと

Sauce Gonzales : Keyboards & Hammond Organ
Al Gomez : Trumpet
Rocky Morales : Tenor Saxophone
Spot Barnett : Tenor & Soprano Saxophone
Louis Bustos : Baritone Saxophone

 これは、そっくり、後のWest Side Hornsのメンバーですね。
 このメンツから、Lucky Tomblin Bandがカントリー系だったのに対して、Lucky 13はブルース、ソウル系であることが予想されます。

lucky tomblin4.jpg

 バンマスのLucky Tomblinは、Doug SahmやAugie Meyersと古くからの友人だとのことで、それは、この濃いメンバーを見ると納得できます。
 キーボードのSauce Gonzalesは、Arturo 'Sauce' Gonzalesという名で知られる人で、Doug Sahmの晩年の録音、ストックホルム・ライヴでも、Dougのバックをしっかり支えた人です。

 そしてここに、Max Baca(Bajo Sexto)も加えたいです。
 現在、Los Texmaniacsの主要メンバーであるMax Bacaは、Augie Meyersとの親交が深いバホ・プレイヤーです。

 さて、Lucky Tomblinが、ドキュメンタリー映画「ホーム・オブ・ブルース」の制作指揮を務めたという話は、以前の記事で書きました。
 さらにこの人は、Augie Meyersが70年代に立ち上げた最初のレーベル、Texas Re-Cord Companyの共同設立者でもあったようで、その関係の長さ、親密さを感じます。

 Lucky Tomblinは、アルバムのリーフレットに、こんなことを記しています。
 「ラッキー13は、時には一緒につるんだり、あるいは離れたりしながらも、結局、35年あまりも共に音楽を創り続けてきた、サンアントニオ以来の古い友人たちの集まりです。」
 また、
 「ダグ・サームの素晴らしい着想とオーギー・メイヤースの友情に感謝します。」
 とも記しています。

 ところで、Lucky 13とは何でしょう?
 ラッキーセブンは分かりますが、わざわざ13を名乗るなんて、特別な意味でもあるんでしょうか。
 メンバーの人数でしょうか。
 そういえば、バックコーラスを除けば13人です。(偶然かな?)
 案外、そういう何でもないことが真相である可能性は高いです。

 英語圏には、"パン屋の1ダース"というイディオムがあるそうで、その正しい成り立ちはともかく、要は結果的に忌み数である13を浄化(?)してしまう、そんな力技のこじつけが面白いです。
 このあたり、日本人向きの話のような気がしますが、いかがでしょうか?
 
 さて、ここまで内容に一切触れてきませんでした。
 本盤は、Lucky Tomblin Bandと比較すると、バンド・コンセプトが分かりにくいかも知れません。
 でも、実は同じコインの裏と表なのだと思います。

 本盤では、ブルージーなソウル・リビュー風の曲だったり、コットンクラブのようなキャブ・キャロウェイ風の曲だったり、さらに、サザン・ロック調のカントリー風味の曲などが散見して、とりわけ、オルガンのグルーヴィーなトーンをバックに、ホーンが短くても魅力的なフレーズを挟み込み続ける、そんなスタイルの曲に好感を持ちました。
 聴きどころは、やはり、SauceのオルガンとRocky Moralesほかのホーン陣の演奏でしょう。

 チャートとは無縁の音楽だと思います。
 しかし、そのグルーヴには不思議な魅力があるのでした。 

 ところで、1曲だけ普通にカバーが入っています。
 Lefty Frizzellの"Mom and Dad Waltz"です。
 Lefty Frizzellは、ご存知のとおり、Marle Haggardのヒーローであり、彼の憧れは何人かいましたが、歌い方まで影響を受けたのはLeftyだけです。
 
 また、Willie NelsonもLeftyが大好きで、"To Lefty Fron Willie"というタイトルのアルバムを創っているほどです。
 そのアルバムには、くだんの"Mom and Dad Waltz"も入っていました。
 聴きこむほど味わいが深まる佳曲ですね。

 本盤でのこの曲は、その後のキャリアである、Lucky Tomblin Bandへと続く伏線であるかのようです。



Illegal Man
by Lucky Tomblin Band


Lucky Tomblin Bandの1st(03)収録曲
アコーディオンはゲストのAugie Meyers


Mom and Dad Waltz
by Lefty Frizzell





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