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2015年08月24日

こばとちゃん、この大騒ぎを鎮めてよ!

ニュース23 こばとちゃんのせいで私の大学はもう大騒ぎです


 前日の夕方、私は自宅で言葉の妖精と押し問答していました。

こばと
 いやですよー、そんなのー。

小夜子
 もうマスコミの人たちも大学に取材に来たりしているのよ。これ以上騒ぎが大きくなったら、余計に言い出しづらくなるわ。五十木(いかるぎ)教授が気の毒よ。

こばと
 その教授・・・・・・怖い人ですか?

小夜子
 さあ。学部が違うので面識もないし、よく知らないわ。ホームページの写真を見る限りは穏やかそうな人にみえるけど。

こばと
 怖いおじさんだったら、いやですねー。逆切れしてこばとを捕まえようとするかもしれませんしねー。

小夜子
 そんなことしないわよ! がっかりするのは確かだろうけど。

こばと
 このまま黙っていたほうが、本人にとっても幸せだと思いますけどねー。私が真相を明かさない限り、わかるはずのないことですから。

小夜子
 ・・・・・・そうかな・・・・・・そうかも・・・・・・だめよ! そういうごまかしは学問の世界ではよくないことでしょう? こばとちゃんだって学問の世界に生きているんだから、よくないって思うでしょ?

こばと
 ていうか、何で昔の万葉仮名の練習帳で、私が咎められなきゃいけないんですか!? おかしくないですか? いつの時代に何を書こうと私の勝手でしょ!?

小夜子
 別に咎めてないわ。ただ真相を伝えるのに協力してほしいって言ってんの。

こばと
 小夜子さん、変なところで真面目ですねー。でもねえ、でもですねえ、もう一度よーく考えてくださいよ。私が真相を明かせば、五十木教授は非常にまずい立場に立たされますよ? 小夜子さん、逆恨みされて大学に居づらくなるかもしれませんよ? それでもいいんですか?

小夜子
 それについてはこの一週間、何度も考えてみたわ。でも決意したの。もちろん、他の人がいないところで五十木教授にだけ話すわ。そのあとどうするかは教授自身が決めることよ。

こばと
 そこまで決意を固めているんですか。仕方ないですねー。はあ。気は進みませんけど、協力しますよ。

 かつてないほど真面目な展開にみえますが、このブログで真面目な話が展開するはずがありません。翌日、私はこばとちゃんを連れて文学部へ向かいました。エレベーターで4階まで上がり、廊下を通って教授室のところまで来ると、中から教授とマスコミ関係らしき人の声が洩れてきます。

記者
 しかし、これは日本史研究史上かつてないほどの大発見ですね。五十木教授はもう時の人ですよ。

五十木
 いやいや、そんなことは。ははは。運がよかっただけだよ。

記者
 いやー、そんなご謙遜なさらなくても。そのうち学会だけでなく一般社会にも五十木教授の名が知られることになりますよ。本を書いていただければ、もうばんばん売れます。

五十木
 ははは、そんな君、困るよ。そんなに有名になってしまったら、静かに研究できなくなるじゃないか。実に困る。うわっはっは。

記者
 さすが五十木教授。研究一筋ですね。でもわが社で1冊ぐらいは教授の本を出版させてくださいよ。

五十木
 うわっはっは。君も商売上手だね。いいとも。1冊と言わずに、2、3冊ぐらいは君のところで書くよ。『五十木直久が明かす、古代万葉仮名の謎』なんていうシリーズはどうかね?

記者
 ありがとうございます! そのタイトルいただきます! ベストセラー間違いなしですよ!

五十木
 はっはっは。これで君も出世するんじゃにかね。

こばと
 ・・・・・・

小夜子
 ・・・・・・私、昨日まであんなに悩んでいたのが馬鹿らしくなってきた。

こばと
 ・・・・・・ですね。

 扉が開き、記者さんが部屋から出てきました。

記者
 おや? 次の取材を待たせてしまっていましたか?

小夜子
 あ、いえ。うちの大学の学生です。

こばと
 私は言葉の妖精でーす。

五十木
 ん? 学生? 見ない顔だね。

小夜子
 政経(政治経済学部)の滝野川小夜子です。

記者
 お、では五十木教授のファンの学生ですかな? 君、今のうちにサインをもらっておきなさい。

五十木
 いやいや、困るよ、サインだなんて、君。芸能人じゃなあるまいし。しかしせっかく来たんだから、無下に断るのも可哀想だな。まあ、ともかく部屋に入りなさい。

 記者さんは教授に一礼して去り、私たちは部屋に入り勧められるままに椅子に座りました。教授は頼んでもいないサインを色紙に書いて渡してくれました。「サインなんて」といいながら、教授は机の上に色紙を何枚も用意していました。

小夜子
 実は教授に折り入ってお話があるんですが・・・・・・

五十木
 ん? 何だね?

小夜子
 実は例の万葉仮名の書かれた木切れについて・・・・・・

五十木
 おお、そうか。君は学部が違うのに、日本史にも興味があるのかね。いやー偉い。視野を広げることはきっと将来の役に立つぞ。君はもしかして進学志望かね?

小夜子
 え? はい、一応大学院に行くことを考えていますけど。

五十木
 だろうと思った。君は大学院顔をしとるよ。

小夜子
 (だ、大学院顔? 何それ?)

五十木
 長年この職についとるとね、だいたい学生がどういう進路を希望しておるのか、顔を見るだけでわかるのだよ。はっはっは。もちろん、同じだけ勤めておっても勘が悪いやつはだめだがね。こういう勘が、まあなんだね、研究の成果にも現れるのかもしれんな。一流学者と三流学者をわけるのかもしれんね。はっはっは。

小夜子
 あの・・・・・・私の話はいいので、万葉仮名の・・・・・・

五十木
 おお、そうだ、これだよ、これ。レプリカじゃないぞ。実物だ。今ちょうどあの記者にも見せて写真を撮らせたんだ。ここにびっしりと繰り返し同じ文字が並んでおるだろう? ほらほら、このルーペで見てみなさい。

 別に見たくもなかったのですが、とりあえず私はルーペで例の文字を確認しました。「木磨鳥(こばと)」という文字が並んでいます。

五十木
 「木磨鳥」と書いてあるだろう? しかもそんなに小さい字で。そこで私は1つの仮説を立てたんだ。これは京の時代の暗号なんだよ。それも非常に重要なことを伝える暗号だ。でなければ、こんな手の込んだことはしないはずだ。

こばと
 くす。

 こばとちゃんは思わず吹き出しそうになり、慌てて口を手で押さえます。

五十木
 なんだね?

こばと
 い、いえ。何でもないですー。

五十木
 ではこれほど小さな文字を当時の人間がどうやって書いたり読んだりしたのか? これについては当時の硝子加工技術を見直す必要がある。つまりすでに拡大鏡のようなものが・・・・・・

小夜子
 それ、この妖精が書きました。

 教授の話が長くなりそうだったので、私はずばりと言いました。私の言葉を受けて、教授は意を汲みかねてこばとちゃんのほうを見ます。

こばと
 千年前に私が万葉仮名の練習で書いたんですよー。上手でしょ?

五十木
 何だって?

こばと
 "こばと専用筆"を持ってきましたから、この紙に書いてみますねー♪ 木・磨・鳥。はい。見比べてくださいねー。筆跡が同じでしょー?

 教授はルーペを通してこばとちゃんの書いた文字を見ると、体を硬直させました。

五十木
 こんな、こんな馬鹿なことが・・・・・・あってたまるかー!

 教授が突然大声をあげたので、私たちは思わず身体をびくっと震わせました。

五十木
 貴様ら、このわしに何の恨みがあって!

小夜子
 別に恨みなんて・・・・・・

五十木
 許せん! 許せんぞー。学生の分際でこの私を貶めようと画策しおって。さては世良田のやつに頼まれたなー!

小夜子
 そんな教授、知りませんよ。

五十木
 こんな、こんなことが、「ただの妖精の落書きでした」なんてことがばれたら、私はおしまいだー! き、君たち、頼む! このことは誰にも言わんでくれ! お願いだ!

 五十木教授は一転して態度を変え、手を合わせて頼み込みます。その情けない様子を私たちはしばらく呆然と眺めていました。

小夜子
 別に言いふらしたりはしません。ただ教授に真相を告げておきたかっただけです。あとは好きなようにしてください。

五十木
 本当かね? 恩に着る。うちの学部の学生だったら単位をプレゼントするところなんだが・・・・・・そうだ、ひとまずこれで。

 教授は財布を取り出してお札を抜き出し、私に渡そうとしました。

小夜子
 いりませんよ、そんなもの! もう帰ります!

こばと
 じゃあ、代わりに私がもらって・・・・・・

小夜子
 こばとちゃん!

こばと
 じょ、冗談ですよー。帰りましょー。(惜しいことしたなー)

五十木
 君たち、絶対に誰にも言わないでくれよー!

 去り際に私たちの背後から教授の念を押す声が聞こえてきました。

こばと
 いいんですかー? 世間にこのことを知らせなくても? あの先生、きっとインチキで有名になって大儲けしますよ?

小夜子
 そんなこと続けていても、いつかきっとボロを出すに決まっているわよ。

こばと
 ですねー。

小夜子
 お腹空いたね。今日はこばとちゃんにお世話になったから、何でも奢るよ?

こばと
 わーい。私、インド料理が食べたいですよー。

小夜子
 わかった。大学の近くにいいお店あるから、今晩はそこで夕食にしよう。

こばと
 やったー! ところで今ふと思ったんですけどねー。灯台下暗しってやつなんですけどねー。

小夜子
 なあに?

こばと
 「平安時代に妖精が書いた文字」というのは、ものすごい発見だと思うんですけどねー。

小夜子
 ・・・・・・!!

<おしまい>

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posted by SAYOKO at 11:50 | Comment(0) | TrackBack(0) | 地理歴史
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