2011年11月29日
小説レビュー「僕らの国」ネタばれ無し
震災前に書かれた地震ネタ小説。地震というよりファンタジーサバイバル小説。現実の震災を体験した身にはありえない話に感じられるが、その辺を「フィクションだもんね」と受け入れられる人が読みましょう。純文学系の書棚にあっても中身はライトノベルです。擬音が多い。
個人的評価は★3,6
僕らの国
佐神 良
やっと辿りついた四冊目。四冊目っていうのは読み終わったけどレビューしてないでいる本が全四冊あって、その最後に辿りついたという晴れがましい名称なのでございます。
でもレビューをがんばっている間にさらにもう一冊読み終わっちまったぜ、くっ、というわけでレビュー待ち本はあと一冊あります。タイトルは「イラハイ」です。以後よろしく。
こちら、内容的にはライトノベルです。評判いいから純文学系だと思っていたために、私にはつっこみどころ満載な本となりました。なのにレビューしないでいるうちに何につっこんでいたのか忘れてしまった、レビューにとっては試練の本。
これからは感想をフセンに書いて張り付けるようにしよう、と決心した火曜日の朝、晴れ、ちょっと現実逃避したい心模様。
現実に向き合いましょう。本題行きます。
つっこみどころ その1
・擬音使いすぎじゃあああ!
草をかきわけて何かが近づいてくる気配を「ざざざ」と「ザザザ」の擬音の量で表現するのはいかがなものか!
擬音で表現すると簡単なものを、あえて文章で表現するからこそ小説が小説としての存在感を放つというか、文章が極上のものになっていくっていうか、おいしいっていうか、読みたいっていうか、良いんじゃないか!
絵本ならいいんだよ、絵本なら、絵との相乗効果で良い感じですとも。
ライトノベルもいいんだよ、ライトノベルも、あれは絵本やマンガ読みから小説読みへ脱皮していく中間地点にあるものだと思うから。
でも1600円の単行本ではやめてくれ。
私は中古で買ったから金銭的には損した気にはならなかったけれども
単行本だし、ラノベ出版社じゃないし、登録しているメルマガさんの関係者でメルマガさんが期待の新人とか言ってたからつい内容まで期待してしまったじゃないか!
とんだ前フリだよ。
ハードル高すぎたよ。
作者さん可哀想だよ。
つっこみどころ その2
・登場人物がキャラクターしてる。
しかし終盤では登場人物と呼べる感じになりました。
キャラクターしてるというのは、話し言葉も、性格も、行動も、どこかのサバイバルマンガやライトノベルで見たことあるような感じで「人物」と呼ぶことはできない「キャラクター」でしかない、という意味です。
これがライトノベルたらしめている要因のひとつであると思います。
でも終盤では「がんばるぞ」という人間らしい気慨といいますか、人間らしい心理があって、良かったです。
おかげで私の中では「読み始めは最悪だったけど読み終わってみると面白かった本」になりました。
終盤の面白さの原因は他にもある気がしないでもないのですが、読み返すの嫌だからパスさせてください。
とりあえず作者さんが「よくある話で終わりたくない」とがんばっているのが感じられて好感が持てました。
なにより、反逆児が素敵。
自分が反逆体質だからか、こういう人がいると安心します。やはり独裁には反抗しないとね!
反逆児の相棒の茶色い獣がさらに素敵。
茶色い奴がもう、最後にやってくれましたよ。最高だよ。一途だよ。
つい泣いちゃったよ。
これだから獣は最高だ。
キャラクターも「勝手に動いている」と呼べるような、生き生きとしたエネルギーを感じました。
主人公もずーーっと存在感ゼロだったのに、ちゃんと主人公になりました。よかったよかった。
もう読みたくないけれど。
他のレビューさんで、低評価の人が見当たらないのが不思議だ。
ラノベ読者しか読んでいないのだろうか。
一般文芸読者は手にも取らない本なのかもしれない・・・最初の数ページでラノベラノベしているのが分かりますから。見る目のある人は本棚に戻すわ。
つっこみどころ その3
・中二病
困った。中二病って言葉は便利だ。
中二病と言うのは、なんといいますか
身の程を知らずに格好つけようとして、カッコイイ何かを真似したは良いけれど、身の程にあっていないので、服に着られている現象が起き、むしろダサい。
というようなのが中二病だと思います。
そんな感じで「ぎやあああ」と身もだえたくなるような、可哀想な恥ずかしいものがあります。
救いなのは、登場後しばらくは中二病としか思えない設定にもちゃんとした「理由」があるので、納得できることです。
これが、読み終わったら面白い、と呼べる理由の一つですね。
つっこみどころ その4
・地の文もまだまだライトノベル。
比喩とかないし
これ無くていいな、という文がちょくちょくあるし、美味しい文章とは呼べないなぁと思いました。
地震発生時の状況とか、もっとハラハラするように書いて欲しかった。
ていうかいっそのこと、最初の施設紹介をカットして、徐々に明らかにした方が面白かったんじゃないかなぁ。そうすれば地震発生時の文章も増やす余裕が出てくるだろうし。
他のレビューさんにいたっては、むしろ異世界ファンタジーにすればよかったじゃん、とまで言われるほどで
「日本」と「地震」が存在意義を失っています。
しかしこれはまぁ、先の3つに比べたら、どうでもいいっちゃどうでもいい。
作者の力不足だな、で片付けられる。
これでつっこみは終わりですかね。
3つのポイントが強烈すぎて、つっこみどころも数にしてみると少ないですね。
ではでは、良い所!
・先が気になる!
とさせるのが上手い。
謎なことが一つ出てきて、それが解決されて、そうかぁと納得したのに
気付いたら他にも気になる謎を抱えていて、読み進まずにはいられなくなります。
文章がつっこみどころ満載で、もう読みたくない! と思っているのに
「気になる! 気になるんだよ!」
とついつい読み進めてしまって、なかなか手を止めるチャンスを見つけられませんでした。
もう寝なきゃいけない時間になって、しぶしぶ読むのを止めるという具合。
だからストーリーテリング力というのかな、読者を話に引き込むという意味では、良い本だなぁと思います。
他のレビューさんでも、読む手を止められなかった、とあってそれが高評価の理由にされています。
この力は強力です。
・意外性がある
読者にとってはどうでもよいけど、言われてみると謎だよなぁ、知りたいよなぁ、ということが丁寧に物語られるので、意外な真相だという感慨深い気分を味わえます。
・・・・・良い所、そんなものかな。
数にすると少ないけれど、質にすると欠点を補って余りある長所です。
★が3,6評価なのも、これらのおかげ。
ちなみに3,5でなく中途半端な6なのは
3,5は、長所が強いけどまだ欠点が気になる、という感覚なんですが
この本は「技術がないけどこんな話を描きたいんだ!」という作者の熱意や勢いが感じられて、つい0,1を上乗せした感じ。
長所が量より質と感じられるのも、この熱意の為でしょうね。
「僕らの国」というタイトルの意味は、日本という国よりも、物語に出てくるキャラ達が暮らす地域のことを指して「僕らの」国としているのだと思います。
日本という国家の話題が主役になることはありません。
個人的な感想としては
この本は色々な教育方針についての実験小説で
読者に、あなたはどの教育方針が正しいと思いますか。と問いかけるような感じなんですが
私は今も昔も、一人一人の才能を伸ばし、一人一人の才能を認めあえる人間関係を学ぶことが最善と思うので、どれにもあてはまりませんでした。
自主性を育てるのも大事だけれど、先人が生きて学んだ技術を教えることも必要。
かといって指導するばかりで自主性を封じれば、新しい発見をするのは難しくなる。
勉強で知らないことを知ることは大事だけれど、何が起きるか分からない大自然の中で遊ばせて、予定外のことも受け入れられる慣れとかも必要で
どちらか一方ばかりの子供には、たまに別の環境に連れていくのも大人の役目だと思う。
つまるところ、大人は関わりすぎてもいけないし、関わらなすぎてもいけない。
教育においても、中庸を心がけることが大事なんじゃないでしょうか。
という、自分の考えは変わらず、それを補強した読書となりました。
それから、この教育ネタが、先に言ったメルマガさんでよく取り上げられるネタなので
作者さん影響受けすぎだろ、と思ったりなんだり。
というか出版当時の年齢が39歳と知って驚きました。
次にレビューする予定の「イラハイ」の作者さんは受賞当時33歳で、レベルが格段に上だから、人間って年齢じゃないんだなぁとつくづく思った。
しかもあのメルマガの関係者でこの内容ということは、39歳になるまで現代教育の悪影響を引きずっていたのだろうなと、色々思うところが・・・。
早稲田出身だから、今時の教育の不備を疑わずにいっぱい努力していたんだろうな・・・ああ、切ない。がんばれ。
まとめ
イタいけど読み終わると面白いサバイバル小説です。
完成度の高いライトノベルが読みたい方はぜひ。
[価格比較]
あなたの読書に、とめられない楽しさがありますように。
個人的評価は★3,6
僕らの国
佐神 良
やっと辿りついた四冊目。四冊目っていうのは読み終わったけどレビューしてないでいる本が全四冊あって、その最後に辿りついたという晴れがましい名称なのでございます。
でもレビューをがんばっている間にさらにもう一冊読み終わっちまったぜ、くっ、というわけでレビュー待ち本はあと一冊あります。タイトルは「イラハイ」です。以後よろしく。
こちら、内容的にはライトノベルです。評判いいから純文学系だと思っていたために、私にはつっこみどころ満載な本となりました。なのにレビューしないでいるうちに何につっこんでいたのか忘れてしまった、レビューにとっては試練の本。
これからは感想をフセンに書いて張り付けるようにしよう、と決心した火曜日の朝、晴れ、ちょっと現実逃避したい心模様。
現実に向き合いましょう。本題行きます。
つっこみどころ その1
・擬音使いすぎじゃあああ!
草をかきわけて何かが近づいてくる気配を「ざざざ」と「ザザザ」の擬音の量で表現するのはいかがなものか!
擬音で表現すると簡単なものを、あえて文章で表現するからこそ小説が小説としての存在感を放つというか、文章が極上のものになっていくっていうか、おいしいっていうか、読みたいっていうか、良いんじゃないか!
絵本ならいいんだよ、絵本なら、絵との相乗効果で良い感じですとも。
ライトノベルもいいんだよ、ライトノベルも、あれは絵本やマンガ読みから小説読みへ脱皮していく中間地点にあるものだと思うから。
でも1600円の単行本ではやめてくれ。
私は中古で買ったから金銭的には損した気にはならなかったけれども
単行本だし、ラノベ出版社じゃないし、登録しているメルマガさんの関係者でメルマガさんが期待の新人とか言ってたからつい内容まで期待してしまったじゃないか!
とんだ前フリだよ。
ハードル高すぎたよ。
作者さん可哀想だよ。
つっこみどころ その2
・登場人物がキャラクターしてる。
しかし終盤では登場人物と呼べる感じになりました。
キャラクターしてるというのは、話し言葉も、性格も、行動も、どこかのサバイバルマンガやライトノベルで見たことあるような感じで「人物」と呼ぶことはできない「キャラクター」でしかない、という意味です。
これがライトノベルたらしめている要因のひとつであると思います。
でも終盤では「がんばるぞ」という人間らしい気慨といいますか、人間らしい心理があって、良かったです。
おかげで私の中では「読み始めは最悪だったけど読み終わってみると面白かった本」になりました。
終盤の面白さの原因は他にもある気がしないでもないのですが、読み返すの嫌だからパスさせてください。
とりあえず作者さんが「よくある話で終わりたくない」とがんばっているのが感じられて好感が持てました。
なにより、反逆児が素敵。
自分が反逆体質だからか、こういう人がいると安心します。やはり独裁には反抗しないとね!
反逆児の相棒の茶色い獣がさらに素敵。
茶色い奴がもう、最後にやってくれましたよ。最高だよ。一途だよ。
つい泣いちゃったよ。
これだから獣は最高だ。
キャラクターも「勝手に動いている」と呼べるような、生き生きとしたエネルギーを感じました。
主人公もずーーっと存在感ゼロだったのに、ちゃんと主人公になりました。よかったよかった。
もう読みたくないけれど。
他のレビューさんで、低評価の人が見当たらないのが不思議だ。
ラノベ読者しか読んでいないのだろうか。
一般文芸読者は手にも取らない本なのかもしれない・・・最初の数ページでラノベラノベしているのが分かりますから。見る目のある人は本棚に戻すわ。
つっこみどころ その3
・中二病
困った。中二病って言葉は便利だ。
中二病と言うのは、なんといいますか
身の程を知らずに格好つけようとして、カッコイイ何かを真似したは良いけれど、身の程にあっていないので、服に着られている現象が起き、むしろダサい。
というようなのが中二病だと思います。
そんな感じで「ぎやあああ」と身もだえたくなるような、可哀想な恥ずかしいものがあります。
救いなのは、登場後しばらくは中二病としか思えない設定にもちゃんとした「理由」があるので、納得できることです。
これが、読み終わったら面白い、と呼べる理由の一つですね。
つっこみどころ その4
・地の文もまだまだライトノベル。
比喩とかないし
これ無くていいな、という文がちょくちょくあるし、美味しい文章とは呼べないなぁと思いました。
地震発生時の状況とか、もっとハラハラするように書いて欲しかった。
ていうかいっそのこと、最初の施設紹介をカットして、徐々に明らかにした方が面白かったんじゃないかなぁ。そうすれば地震発生時の文章も増やす余裕が出てくるだろうし。
他のレビューさんにいたっては、むしろ異世界ファンタジーにすればよかったじゃん、とまで言われるほどで
「日本」と「地震」が存在意義を失っています。
しかしこれはまぁ、先の3つに比べたら、どうでもいいっちゃどうでもいい。
作者の力不足だな、で片付けられる。
これでつっこみは終わりですかね。
3つのポイントが強烈すぎて、つっこみどころも数にしてみると少ないですね。
ではでは、良い所!
・先が気になる!
とさせるのが上手い。
謎なことが一つ出てきて、それが解決されて、そうかぁと納得したのに
気付いたら他にも気になる謎を抱えていて、読み進まずにはいられなくなります。
文章がつっこみどころ満載で、もう読みたくない! と思っているのに
「気になる! 気になるんだよ!」
とついつい読み進めてしまって、なかなか手を止めるチャンスを見つけられませんでした。
もう寝なきゃいけない時間になって、しぶしぶ読むのを止めるという具合。
だからストーリーテリング力というのかな、読者を話に引き込むという意味では、良い本だなぁと思います。
他のレビューさんでも、読む手を止められなかった、とあってそれが高評価の理由にされています。
この力は強力です。
・意外性がある
読者にとってはどうでもよいけど、言われてみると謎だよなぁ、知りたいよなぁ、ということが丁寧に物語られるので、意外な真相だという感慨深い気分を味わえます。
・・・・・良い所、そんなものかな。
数にすると少ないけれど、質にすると欠点を補って余りある長所です。
★が3,6評価なのも、これらのおかげ。
ちなみに3,5でなく中途半端な6なのは
3,5は、長所が強いけどまだ欠点が気になる、という感覚なんですが
この本は「技術がないけどこんな話を描きたいんだ!」という作者の熱意や勢いが感じられて、つい0,1を上乗せした感じ。
長所が量より質と感じられるのも、この熱意の為でしょうね。
「僕らの国」というタイトルの意味は、日本という国よりも、物語に出てくるキャラ達が暮らす地域のことを指して「僕らの」国としているのだと思います。
日本という国家の話題が主役になることはありません。
個人的な感想としては
この本は色々な教育方針についての実験小説で
読者に、あなたはどの教育方針が正しいと思いますか。と問いかけるような感じなんですが
私は今も昔も、一人一人の才能を伸ばし、一人一人の才能を認めあえる人間関係を学ぶことが最善と思うので、どれにもあてはまりませんでした。
自主性を育てるのも大事だけれど、先人が生きて学んだ技術を教えることも必要。
かといって指導するばかりで自主性を封じれば、新しい発見をするのは難しくなる。
勉強で知らないことを知ることは大事だけれど、何が起きるか分からない大自然の中で遊ばせて、予定外のことも受け入れられる慣れとかも必要で
どちらか一方ばかりの子供には、たまに別の環境に連れていくのも大人の役目だと思う。
つまるところ、大人は関わりすぎてもいけないし、関わらなすぎてもいけない。
教育においても、中庸を心がけることが大事なんじゃないでしょうか。
という、自分の考えは変わらず、それを補強した読書となりました。
それから、この教育ネタが、先に言ったメルマガさんでよく取り上げられるネタなので
作者さん影響受けすぎだろ、と思ったりなんだり。
というか出版当時の年齢が39歳と知って驚きました。
次にレビューする予定の「イラハイ」の作者さんは受賞当時33歳で、レベルが格段に上だから、人間って年齢じゃないんだなぁとつくづく思った。
しかもあのメルマガの関係者でこの内容ということは、39歳になるまで現代教育の悪影響を引きずっていたのだろうなと、色々思うところが・・・。
早稲田出身だから、今時の教育の不備を疑わずにいっぱい努力していたんだろうな・・・ああ、切ない。がんばれ。
まとめ
イタいけど読み終わると面白いサバイバル小説です。
完成度の高いライトノベルが読みたい方はぜひ。
[価格比較]
アマゾン
楽天
ない!
あなたの読書に、とめられない楽しさがありますように。
狐

