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2018年12月25日
◆読書感想文の前に一応、夏目漱石「こころ」の作品概要
◆夏目漱石(1867年2月9日 - 1916年12月9日)の長編小説
◆漱石の代表作の一つ
◆1914年(大正3年)4月20日から8月11日まで、『朝日新聞』で「心 先生の遺書」として連載
◆1914年9月に岩波書店より漱石自身の装丁で刊行された。自費出版。
◆漱石の代表作の一つ
◆1914年(大正3年)4月20日から8月11日まで、『朝日新聞』で「心 先生の遺書」として連載
◆1914年9月に岩波書店より漱石自身の装丁で刊行された。自費出版。
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2018年12月24日
◆夏目漱石「こころ」の感想文(約800字版)
前回の感想文を見た妻から、「長すぎて読みたくない」との指摘をもらってしまった。普通の感想文は原稿用紙2枚の800文字程度だとのこと。ならば、ということで、あらすじ部分を削除したりして、感想部分をメインに800文字程度に収めてみた。これが感想文なのか、評論なのか、よくわからないが、もっと多くの作品を読んで、分かりやすい感想文をかけるようになりたいと思う。(以下が798文字)
私がこの物語を読んで強く感じたことは、自らの倫理感に反した行動により、「こころ」の平穏を失えば、例え自分の欲しいものを得たり、思いのままの結果を得たとしても、決して「幸福」を感じられない、という倫理観と、その倫理観への違和感だ。
主人公が先生と慕った男性は、自分が愛した女性を友人も愛していると知ったとき、友人Kの先手を打つ形でプロポーズすることで、Kを裏切った。その結果、Kが自殺するという衝撃的な結果を招く。自らの倫理観に反する裏切り行為によりKの自殺を招いたことで強い自責の念に駆られた先生は、愛する女性を妻にできたにも関わらず、長年この自責の念にとらわれ続けた結果、自分もまた自殺という選択をしてしまう。
作品の中では、仏教の強い倫理観という背景を持つKの純粋さと、それを半ば利用する形で裏切った先生が対比的に強い非倫理性をもって描かれている。しかし、この作品は、作者があたかも当然の前提として描いた倫理観と、これを読む側の倫理観(時代、性別、年齢により違うはず)の違いにより、感じ方が大きく違ってくるのだろうと思う。
私は、現実社会を見たとき、先生がそれほど悪いことをしたのか、日常茶飯事とはいえないまでも、許される恋の駆け引きをした結果、Kが弱さに負けたという評価があってもおかしくないのではないかと感じたので、先生が幸せになる機会を得たにも関わらず、自ら命を絶つという選択をしてしまったことに、なんとも言えない無常観を感じた。
そして、この作品を読み終わって振り返ると、先生は本当に亡くなったのか、主人公は危篤のお父さんの死に目には会えなかったのか、主人公は先生の望みどおり先生の奥さんに先生の自殺の理由を伝えないのか、など、知りたいことが残った。
全編を通じて美しいほどに簡潔、明瞭で、表現力に優れた文章で記されていて、読み終えてなお、もっと読みたいと思わせられる素晴らしい作品だと感じた。
私がこの物語を読んで強く感じたことは、自らの倫理感に反した行動により、「こころ」の平穏を失えば、例え自分の欲しいものを得たり、思いのままの結果を得たとしても、決して「幸福」を感じられない、という倫理観と、その倫理観への違和感だ。
主人公が先生と慕った男性は、自分が愛した女性を友人も愛していると知ったとき、友人Kの先手を打つ形でプロポーズすることで、Kを裏切った。その結果、Kが自殺するという衝撃的な結果を招く。自らの倫理観に反する裏切り行為によりKの自殺を招いたことで強い自責の念に駆られた先生は、愛する女性を妻にできたにも関わらず、長年この自責の念にとらわれ続けた結果、自分もまた自殺という選択をしてしまう。
作品の中では、仏教の強い倫理観という背景を持つKの純粋さと、それを半ば利用する形で裏切った先生が対比的に強い非倫理性をもって描かれている。しかし、この作品は、作者があたかも当然の前提として描いた倫理観と、これを読む側の倫理観(時代、性別、年齢により違うはず)の違いにより、感じ方が大きく違ってくるのだろうと思う。
私は、現実社会を見たとき、先生がそれほど悪いことをしたのか、日常茶飯事とはいえないまでも、許される恋の駆け引きをした結果、Kが弱さに負けたという評価があってもおかしくないのではないかと感じたので、先生が幸せになる機会を得たにも関わらず、自ら命を絶つという選択をしてしまったことに、なんとも言えない無常観を感じた。
そして、この作品を読み終わって振り返ると、先生は本当に亡くなったのか、主人公は危篤のお父さんの死に目には会えなかったのか、主人公は先生の望みどおり先生の奥さんに先生の自殺の理由を伝えないのか、など、知りたいことが残った。
全編を通じて美しいほどに簡潔、明瞭で、表現力に優れた文章で記されていて、読み終えてなお、もっと読みたいと思わせられる素晴らしい作品だと感じた。