2016年09月25日
列車見張員です!
鉄道業界特有のお仕事でしょう。列車見張員
その名の通り、列車を見張っているお仕事なんです。
が、見張ると言っても盗まれないように監視するとかじゃなくて、線路上で作業しているときに列車の接近を作業員に知らせ、必要なときには列車を止める役割の人です。
線路上で作業する上で、列車に轢かれないようにするために必ず置かなければならない重要なお仕事ではあるんですが、この必要性は鉄道のお仕事をしてない人には理解できないかもしれません。
私も初めは理解できませんでした。
だって、列車が来たらよければいいでしょう?
でも、そうではないんです!
列車に接触する、轢かれることを「触車(しょくしゃ)」と言います。
この業界に入って、まずはじめにとにかく何回も何回も「触車には十分注意する」ように言われました。
列車運行中に線路内に入ることは危険なので気をつけるようにと、それこそ何度も何度も言われます。
初めは理解ができません。列車が来たら避ければいいと思っていますから。
で、ここで延々と重要性を説いてもやっぱり理解できなそうな気がしますが、見張員のお仕事をもう少し詳しく。
こんな信号旗を持っています。
ところで長さや重量などの物理量は『目測』ができます。ある程度の練習、訓練をすれば見ることでそれなりの精度で測定ができます。
ですが『時間』は人間が五感を使って測るのが難しいものです。
同じ1時間でも「あっ」という間に過ぎたり、ものすごく長い時間に感じたり。
例えばダイヤを確認して「次の列車は30分後です。」と確認して作業に入っても、作業しながら30分を正確に把握して、次の列車が来る前に作業を一時中断して線路外に出るということは非常に難しいのです。
特に難しい作業に集中しているときには至難の業です。
そして、列車接近の時間を忘れて作業に没頭してしまうと、待っているのは触車という事になります。
自動車に轢かれるのとはわけが違います。重症で終わることは少ないでしょう。
そこで、作業には手を出さず、時計とにらめっこしながら次の列車が来る時間になったら作業員に知らせる専任の監視人が必要になります。
それが「列車見張員」ということになります。
次の列車が来るまでに作業できるほどの時間が確保できる、つまり運行本数が少ないことが前提になる作業体制ですから若干暇な任務ですが、責任は大きい任務です。
列車の接近が近づいたら作業責任者に連絡します。
作業責任者から作業中断が完了して作業員全員が線路外にでたという連絡をもらったら、列車見張員は黄色の信号旗を降り、列車にこの先にいる作業員は列車の接近を認識し、退避していることを知らせます。
また、もし万が一、予定の作業が完了せず、作業員が線路外に退避できない、機材が搬出できない場合は写真の赤旗を振って列車を止める役割もあります。
列車は非常ブレーキをかけてから停止するまで600〜800m走行してしまうので、作業現場から800m離れた場所で監視します。
暇です。集中してなくてはいけませんが、暇です。自分との戦いです。
それは大げさですが、ある程度の適正が必要でしょう。
列車見張員とは
作業現場への列車の接近をダイヤを見ながら監視し、作業責任者に連絡して作業員の退避を確認したら列車に退避完了の合図をします。
万が一、作業遅延などで列車の通過ができないときには停止合図を送って列車を止めます。
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