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2017年01月05日

ディアボーイズの続きが見てみたい161話 〜藤原拓弥のスティール〜

試合の序盤、羽生で警戒させてから、哀川藤原のホットラインによって試合のイニシアチブをとった関学。


しかし、上本監督はまだ手ごたえを感じていなかった。


チーム内の練習試合では一年生同士の連携を見ていただけに、哀川藤原だけのコンビプレイに少し物足りなさを感じていた。


この二人のコンビプレイは既に大学界でも通用し、トップクラスである事は証明されつつあるが、何度もプレイを行う事で、相手チームも反応できるようになってくる。
そこが、高校生と大学生のレベルの差でもある。


また、相手も関西一部に属する、全国常連組。何度も何度も簡単にパスが通るわけではなかった。



パシッ!!パスカットに言った手がボールにかする


織田「ルーズだ!飛び込め!」

バシ!!ボールはパワーフォワードの岩田が体をはってとる。

岩田「ナイスカット。町田。」

町田「取れると思ったんけやどな」



藤原「戻れぇ〜〜」

第一クオーター終盤には少しずつ反応出来てきた。

上本(今のはマグレだろう。しかし、思ったより早く反応してきているな。第二クオーターは、ディフェンスから仕掛けるか・・)

藤原「ここで止めるぞ。簡単に主導権はわたさね〜ぞ」


上本「???」
(ほ〜う。攻守の切り替えを上手くしているな。「重要なポイントを読む力」だな)


矢井田がドリブルで中に切れ込む。

羽生(ちっ、中に突っ込むのか)


スパーン!!



羽生「え??」

矢井田(誰だ)





森安「ナイスカァ〜〜、藤原ぁ〜〜」


藤原が後ろからスティール、こぼれ球が森安の方向へ行ったため、森安がボールを取り、前線へ投げる。



町田「しまった」


哀川は一人フロントコートまで走っていた。誰も追いつけず、ワンマン速攻。



そして・・・

タン  タン



フワッ!! 滞空時間の長いジャンプ






織田「おいおい」

矢井田「今」

町田「そっから飛ぶんか」

岩田「それは届かんやろ」

高橋「フリースローラインだったんじゃ」







ド〜ン!!



し〜〜〜〜〜ん。




「うわ〜〜〜」
「そら、そら、空飛んだ」
「おいおいおい。今フリースローラインから飛んだよ」
「エアウォ〜クだ」
「マ、マイケルジョーダン・・・」




会場が盛り上がり、何度か見た羽生、森安、須藤までテンションが上がっている。

藤原だけは当然だ、と言わんばかりの様子であった。


藤原「うっし、次だ。次も止めっぞ」


上本(物足りないのは物足りないが、相変わらずすごい奴等だ・・・それにして、藤原拓弥。紅白戦でもそうだったが、爆発的な攻撃はいつもあいつのスティールから始まるな・・・1クオーターラスト2分弱。スキに暴れろ)



第一クオーターラスト2分、関大は得点を決める事が出来なかった。
関学のオセオセのムードが一気に爆発した。


関学 24対14 関大 


10点のリードをつけて、第1クオーターを終えた。


関大にとっては予想外の立ち上がりで、インターバルで対策を練る事となる。


一方関学は・・

上本「よくやった。藤原、残り1分50秒の時のスティール、あれはよかった。重要なポイントだったがよくとめた。哀川も一気に叩き込む為に派手なプレーにいったのだろう。あれで会場は盛り上がったな」


藤原・哀川「はい」


上本「後半はディフェンスをゾーンで組むぞ。3−2ゾーンだ。インサイドは二人で固めろ。今の相手なら、お前達二人で充分だ。この点数差だ、恐らく相手はカードを切ってくる。インサイドを二人で抑える事が、次のポイントだ」


須藤「ういっす。わかってますって」

森安「二人で充分っすわ」


上本「中は高橋が中心になるだろう。恐らく狙いは外。ミドルレンジで勝負してくる。関大は完全なインサイドの選手がいないから、どこからでもシュートを打ってくる。織田も矢井田も町田も、当たりだすと全員3点を打ってくるからな。3−2ゾーンでもチェックには必ず行くんだ」


藤原「はい」


上本「それから・・・・・・・・わかったな」


一同「ういっす!!」


ピーーーー。


第2クオーターが始まる



DEARBOYS NEXT







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