アフィリエイト広告を利用しています
ディアボーイズを語る部屋(コメント待ってます)
過去リンク(カテゴリーの最初の一話)
最新記事
<< 2022年07月 >>
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            
スポンサーサイト
最新コメント
ファン
検索
カテゴリー
リンク集

広告

この広告は30日以上更新がないブログに表示されております。
新規記事の投稿を行うことで、非表示にすることが可能です。
posted by fanblog

2016年12月08日

ディアボーイズの続きが見てみたい147話 〜健二、こんな不味い寿司は食えね〜な〜

静かに寿司を握る健二。息子の寿司を握る姿を見ている大吉。



土橋「よっと。これでどうだい?親父」


大吉「おっ、出来たか。見よう見まねでやった割には綺麗な形してるじゃないか」


土橋「どうしたの?急に」


大吉「いや、別に。たまには人に作ってもらうのも悪くないかなって思ってな。これ、食べていいか?」


土橋「えっ、ああ。いいよ。食べてみてよ」


パクッ  モグモグモグモグモグ・・・


土橋「どうだい?」


大吉「ゴク・・・お茶をくれ」

土橋「あ、ああ。はい」





大吉「ゴクゴクゴク。ぷはぁ〜〜。健二・・・不味い・・・・」


土橋「え??」


大吉「こんな不味い寿司は食った事がねぇ〜な。これじゃお客さんに失礼で出せないぞ」


土橋「えっ。だって・・親父に教えてもらった通りに握ったぞ。分量だって間違ってないし、ネタは親父が切ったものを使っているんだ。シャリだって親父が作ったものなのに、味は同じはずじゃ」


大吉「でも、不味い。食えたもんじゃね〜な」


土橋「・・・」






大吉「健二、父さんは寿司職人になる為に、それこそ修行したもんだ。友達と遊びたいって気持ちも出てこないくらいにな。そんな事しているうちにやっと握らせて貰えるようになったんだ。自分でも自信が持てるようになった頃、お母さんと知り合ったんだよ。お母さんはお客さんだったんだ」


土橋「そうなんだ」


大吉「心を込めて、かぁ〜さんに寿司を握ったよ。そうしたら気持ちが伝わるもんだ。それで結婚まで出来ちまったからな」



土橋「・・・」





大吉「父さんはな、自分の作る寿司に自信を持っていた。それだけに打込んで、一生懸命やってきたのに誰にも負けるわけはない。ってな」


土橋「へぇ〜、知らなかったよ・・・」







大吉「お前は・・・今の状態でそれだけ真剣に寿司を握る事ができるのか?」


土橋「え・・・」





大吉「出来ないだろう。今のお前には」


土橋「お、おやじ」




大吉「寿司ってのはな、手で直接握るもんだ。それをお客さんが食べるんだ。言わば、裸と裸の付き合いなんだ。わかるか?迷った状態で握る寿司ってのは、裸同士で向き合うとバレちまうもんなんだよ」



土橋「おやじ、俺、俺、どうすれば・・・」



大吉「迷う事はねぇ〜。こっちは母さんと二人で店回す方が気が楽だ。まだ出来の悪い息子に教える時間を取るほど店も暇じゃね〜しな」



目に涙をためている土橋
「く・・・って客いないじゃね〜か」


大吉「今日はたまたま天気が悪いだけだ」


涙をこぼす土橋
「ふふっ。天気良いけどな」





大吉「で、どうするんだ?まだ迷いながら不味い寿司握るのか?」



涙で下を向いている土橋
「う、う、うう。いや・・・バスケ・・・まだバスケが・・・」


大吉「ああ、聞こえね〜なぁ〜」







大吉を見て話をする土橋
「親父、あと4年、4年だけバスケをやらせてくれ。俺大学に行きたい。まだバスケがしたい」



大吉「いつ俺が店を手伝ってくれって頼んだ?」



土橋「おやじ・・」



大吉「出来の悪い息子だ。大学くらい出てもらわね〜と。この厳しい世の中、寿司屋継いだ時に経理も出来ね〜ぞ」


土橋「・・・・・・」グズ
「あ、ありがとう・・・」グズ



店の前で扉を開けようとして、開けられなかったお客が一人いた。

グズングズン。
「良い息子持ったじゃね〜か。ダイキっツァンよぉ〜。う〜今日は涙で寿司が食えネ〜。帰ってうちのバカ息子と、久しぶりに飯でも食うかぁ〜」

偶然立ち聞きしてしまった、石井の父。自分の息子の成長には、良い友達がいた事を改めて知る事が出来た夜だった。


DEARBOYS NEXT





×

この広告は30日以上新しい記事の更新がないブログに表示されております。