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一級建築士の勉強(製図編)5

今日で一級建築士の勉強編は終わりである。全10回の長編となってしまったが、少しは参考になっただろうか。


先日書いた噂の話であるが、噂通り作図量の多い課題であり、所要室はご丁寧にトイレまで記載してあったので、余分な思考をめぐらす必要も無くすんなりとプランがまとまる、作図勝負の年であったといえる。

一応、考察を載せておくと、

まず、パントリーの記載がないため「食堂は調理室とセット」と考えれば、必然的に1階南東に配置され、隣にレクリエーションルームが並ぶ形となる。残りの面積はピロティ形式の車寄せと、事務室、施設長室が1階に要求されていることから機械室及び管理用部門が収まり、入所及びデイケア部門は2階に配置されることとなる。

ここで気になる点としてはデイケアの動線が上下に分断される事だが、レクリエーションルームが既に1階に計画されていることからも部門が各階に分断されることは致し方ないことと割り切る必要があると考える。
また、搬入を考慮すれば調理室、機械室は1階に計画すべきであり、この点からも上記の配置が適正であると言えるだろう。

基準階は非難計画を考えれば回廊式で、各療養室の配置は日照条件を均等にするために東西に整列させるか、条件のよい南側から順番に配置していくかのどちらかである。

これらを総合し、あとは駐車場を東西の通り抜けで行くか西のみで行くかの選択を行えば、短時間でエスキスが終わり作図に入れる課題であったと思う。

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以下は私の体験記である。

 私は、「明るく開放的な」という文面が出たら「必ず中庭を作れ」という講師の教えに従い、中庭を作って回廊型にしてみた。と、いっても1グリッドだけなので中庭と言うより光庭と言うべきだろうか。採光、排煙をとるためだけの空間である。
 グリッド割に関しては療養室が20〜40平米ということで6×7グリッドで決まり・・・と思ったのだが、バルコニーを入れると道路との距離が0.5〜1.5m。良いのか?と悩んだのだが、バルコニー無しは厳しいのでつけておいた。
 今思えば無くても良かったかとも思う。主な用途は設備スペースであり、マンション等と違ってバルコニーに出ると隣の部屋が丸見えであり、プライバシー及び安全を考慮するとたびたび外に出るような物では無いからだ。

作図はかなり手間取った。

と、いうのも条件文を何度読み返しても「要求室には面積を記入する。」としか書いていないので、療養室から倉庫まで全ての面積を計算しなくてはならなかったからである。やってられないと投げ出したい衝動を押さえ、電卓を叩きまくった。本当に何度も投げ出したくなった。汚物処理室(9u)トイレに(4u)とか書いていると課題文を破り捨てたくなってくる。このような小さなスペースにどうやって書けというのか。何度か消しては書き直した。消しゴムなんて10分に1回つかうかどうかという頻度だったのに本試験では大活躍である。

私も試験の空気に飲まれ作図をのんびりと行ったものの、時間内にチェックも終わったので周囲を観察してみると間違った図面を書いている者が居た。要求室の一つ、食堂がどこにもないのである。(※製図の試験は他人の答案が見えてしまうので許していただきたい。)

熱心に製図板をガムテープで貼っているな・・・と感心していた女の子だったのだが、残念で仕方ない。来年、出会わないことを祈りたい。

(別に貼らなくてもよほど変な角度にしない限り枕木を使えば落っこちることは無い。私は普段から製図板をテープで貼ったりはしないので使わなかった。普段どおりに製図することがトラブルを防ぐためには大事なのではないだろうか。そもそも道具を愛すると言う美学に・・・ まあ、人それぞれという事か。)

と、いった具合で6時間30分が過ぎていった。

もう鉛筆を置いてください!と言われてからのボーナスステージも含めれば6時間32分ぐらいだろうか。

実に体力の要る試験であった。また、試験官もよく6時間30分もだらだら歩き回っていられたな。と、感心させられた。

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 私は学校の課題ではA評価をもらったことはほとんどないので確実に合格しているのかは分からない。だが、やるべきことはやったのだと後悔はせずに発表日を迎えたいと思う。

私は学校でA評価を受けている薄い線ばかりで書かれた図面には負けたくないと、魂を込めて作図した。そのまま青図が焼けるぐらいにメリハリをつけた。 少し反省しているのはEVから降りて吹き抜けの前に談話スペースを置いてしまった所か。(吹き抜けの意義を主張したくて南に配置すべき部屋を中に持ってきてしまった。)


製図の試験を受けたのなら、誰にでも受かる可能性があり、落ちる可能性がある。


もしかすると紙飛行機にして良く飛ぶほうを選んでいるのかもしれない。学校の書初めのように字の美しさで選んでいるのかもしれない。


製図試験の判断基準なんてものは不明確で真実は誰も知らない。


 完 (費用等、総額は後日記載予定)

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・バックナンバーは以下のリンクから。

一級建築士の勉強(学科編)1
一級建築士の勉強(学科編)2
一級建築士の勉強(学科編)3
一級建築士の勉強(学科編)4
一級建築士の勉強(学科編)5

学科編 後記(考察)

一級建築士の勉強(製図編)1
一級建築士の勉強(製図編)2
一級建築士の勉強(製図編)3
一級建築士の勉強(製図編)4

製図編 後記(試験結果および考察)





一級建築士の勉強(製図編)4

更新間隔が開いてしまった・・・仕方ないね。



今日は1級建築士の製図試験1日前である。

 学科試験に合格し製図を今年初受験される方は、さぞかし胃の痛い思いをして勉強をしている事だろう。私も初受験であり、しかも製図試験の準備を怠っていたためそれはそれは胃が痛くて困っている。

しかも、学科に合格してから9月まで「製図試験なんて運次第さ・・・」と思っていたら「今年は作図勝負」という噂が流れ出しており、さらに困惑している。

真面目に作図練習をやった人間が受かるようになったと言うことか。(果たして作図の技量が建築士の資質にどれぐらい関係しているのかは分からない。 私は可笑しいと思うが試験元がそのように判断したのなら仕方ないのである。)

噂によると、

・今年は士会に届いた解答用紙の缶が大きいらしい
・2ユニットらしい
・中庭が出るらしい

との事だ。簡単に言うと面積が広いので作図量が多いと言うこと。

一応、個人的考察を述べておくと、

・中庭について
東京の夏至の太陽高度が78度程度であり、最高高さ20m、7mスパンで中庭を取ったとすると地上まで日光が届くのは夏至の時期のみである。1グリッドのみでは夏以外の季節では光合成の不可能な厳しい環境となってしまうのだ。よって縦長の建物になることが明白であり、中庭は少なくとも南北方向2スパンは必要であると考えられる。

・2ユニットについて
左右対称という構成は基準階の決め方が単純となり、プランの自由度が低い。上記の中庭を考慮に入れると、試験問題を見なくても形が想像できてしまいそうであるが、果たしてA2サイズ1枚に納まるのだろうか。

まあ、楽しみに明日を待つとしよう。

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一級建築士の勉強(学科編)1
一級建築士の勉強(学科編)2
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一級建築士の勉強(学科編)4
一級建築士の勉強(学科編)5

学科編 後記(考察)

一級建築士の勉強(製図編)1
一級建築士の勉強(製図編)2
一級建築士の勉強(製図編)3
一級建築士の勉強(製図編)5

製図編 後記(試験結果および考察)