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2016年03月31日
モリー・マキタリック『TVレポーター殺人事件』第8回(1990年) サントリーミステリー大賞受賞
TVレポーター殺人事件
セントルイスのTV局で起った殺人事件に人気キャスターが挑んだ。
中継車の中で、女性TVレポーターが殺された。
人気キャスターの独自の調査が始まる。
大胆な構想力と皮肉なタッチが魅力の話題作。
2016年03月30日
ベゴーニャ・ロペス『死がお待ちかね』第7回(1989年) サントリーミステリー大賞受賞
死がお待ちかね
濃厚に交わされる愛と憎悪。
傑作推理にしてラテン文学の名篇。
第7回サントリーミステリー大賞受賞作。
著者 ベゴーニャ・ロペス
キューバの心理学者。女性。キューバの大学で心理学の教授を務めた。
日本の出版社・文藝春秋が主催する第7回サントリーミステリー大賞にスペイン語で執筆した『La muerte es la que espera』を応募。最終候補に残ったが、その知らせを受けた後、最終的な結果を知ることなく死去した。
『La muerta es la que espera』はその後、選考委員の開高健、田中小実昌、田辺聖子、都筑道夫、イーデス・ハンソンにより最上位の「大賞」に選出され、1989年7月、『死がお待ちかね』として文藝春秋より刊行された。この作品は、同年の推理小説を対象に行われた週刊文春ミステリーベスト10で第5位にランクインするなど高評価を得た。
2016年03月29日
笹倉明『漂流裁判』第6回(1988年) サントリーミステリー大賞受賞
漂流裁判
「強姦致傷および強姦罪──被告人を懲役三年六月に処する。」
喫茶店ウェイトレスの知子からレイプで訴えられ、一審で有罪判決をうけた紺野喜一。
真っ向から対立する二人の主張を、紺野の担当弁護士・深水耕介が丹念に確かめていくと、知子には他に男が、紺野には婦女暴行の前科が。
転々とくつがえる知子の証言、事件の背後にチラつく喫茶店のマスター、店の常連客、厳格な知子の母親。
男女の密室の“真実”に迫りきれるか!?
手に汗にぎる傑作法廷小説!
著者 笹倉明
兵庫県西脇市生まれの小説家。淳心学院高等学校、早稲田大学第一文学部文芸科卒業。広告代理店、フリーの雑誌記者等を経て、1980年、日本人青年の異国放浪を描いた『海を越えた者たち』(第4回すばる文学賞佳作入選)でデビュー。1988年、『漂流裁判』で第6回サントリーミステリー大賞受賞。翌1989年、ジャパゆきさんによる殺人事件をテーマにした長編小説『遠い国からの殺人者』で第101回直木賞を受賞。幅広いジャンルに多くの著作がある。
2016年03月28日
典厩五郎『土壇場でハリー・ライム』第5回(1987年) サントリーミステリー大賞受賞
土壇場でハリー・ライム
1967年、東京六本木に近い雑居ビルの屋上から、一人の男が飛び降り自殺した。
東都新聞文化部長の月田春之。
しかしその部下の真木光雄には、それが自殺とはとても思えない。
月田が死の直前、ゾルゲ関係史料を読み漁っていたのを知った真木は、和歌山県のアメリカ村に向かった。
予想もしない事実が待ちうけているとも知らずに。
第5回サントリーミステリー大賞、読者賞ダブル受賞。
著者 典厩五郎(てんきゅう ごろう)
1963年立命館大学文学部哲学科卒業後、関西新聞文化部記者を経て、脚本家池上金男に師事する。コピーライター、映画・テレビドラマ脚本家などを経験。その後、1987年「土壇場でハリー・ライム」で、第5回サントリーミステリー大賞と読者賞をダブル受賞して作家としての地位を確立した。2013年、『NAGASAKI 夢の王国』で第7回舟橋聖一文学賞を受賞。
2016年03月27日
黒川博行『キャッツアイころがった』第4回(1986年) サントリーミステリー大賞受賞
キャッツアイころがった
滋賀県北部の余呉湖で、身元不明の死体が発見された。
唯一の手がかりは、胃の中にあった宝石キャッツアイ。
続いて京都の美大生、大阪の日雇労働者が相次いで殺害され、ともにキャッツアイを口に含んでいた。
事件の鍵は殺された美大生が死の直前に旅行していたインドにあると、啓子と弘美は一路彼の地へ旅立つ…。
第4回サントリーミステリー大賞を受賞した、黒川博行の出世作。
著者 黒川博行
1949年愛媛県生まれ。京都市立芸術大学卒。84年、第1回サントリーミステリー大賞佳作に入選した『二度のお別れ』でデビュー。86年『キャッツアイころがった』で同賞大賞を受賞。96年「カウント・プラン」で日本推理作家協会賞を受賞する。
2016年03月26日
土井行夫『名なし鳥飛んだ』第3回(1985年) サントリーミステリー大賞受賞
名なし鳥飛んだ
新制高校の新任教師、小谷真紀(オタヤン)が日直の日、校長(ホトケ)が青酸カリで毒殺される。
数日後、書道教師(ラッコ)が水死体で発見され、続いて社会科教師(マムシ)が絞殺された。
戦後間もない学園を舞台に起こる連続殺人事件をユーモア・タッチで描く第3回サントリーミステリー大賞受賞作。
著者 土井行夫
受賞前日に急逝したらしい。
2016年03月25日
由良三郎『運命交響曲殺人事件』第2回(1984年) サントリーミステリー大賞受賞
運命交響曲殺人事件
その高名な指揮者の右手が力強く振りおろされて、“運命”の冒頭が会場に鳴り響いた。
ダ、ダ、ダ、ダン!瞬間、指揮台が爆発し、指揮者の身体がふっ飛んだ…。
事件を追う白河警視と甥の鉄平の前で、謎は思わぬ展開を始める。
作者が元東大教授で話題を呼んだ第2回サントリーミステリー大賞受賞の本格推理。
著者 由良三郎
横浜市立大学医学部教授、東京大学医科学研究所教授を歴任。1982年定年退職。1984年『運命交響曲殺人事件』でサントリーミステリー大賞を受賞して推理作家デビューした。高木彬光と同じ世代でありながら、62歳でデビュー後10年間ほど活躍した。若干古めかしいタイプの探偵小説の作家であった。
2016年03月24日
鷹羽十九哉『虹へ、アヴァンチュール』第1回(1983年) サントリーミステリー大賞受賞
虹へ、アヴァンチュール
青年カメラマンと熟年教師の探偵コンビが挑む数々の謎。
フリーカメラマン・松平菊太郎は、熊本の天草五橋を取材中、謎めいた美女と知り合った。
だが、その美女が何者かに殺され、死の直前、菊太郎に「コマンド」といい残した。
はたして「コマンド」とは何なのか?。
第1回サントリーミステリー大賞に輝いた話題作!
著者 鷹羽十九哉(たかは とくや)
1928年生まれ。55歳の時「虹へ、アバンチュール」で第1回サントリーミステリー大賞を受賞。デビューの遅い作家。
サントリーミステリー大賞はサントリー、文藝春秋、朝日放送が主催した公募のミステリーの新人賞で、1983年から2003年の休止まで、全20回実施された。大賞受賞者には正賞としてサントリー特製ウイスキー、副賞として1200万円が贈呈された。
2016年03月23日
ピエール・ルメートル『悲しみのイレーヌ』2015年「週刊文春ミステリーベスト10」海外部門1位受賞
悲しみのイレーヌ
『その女アレックス』の刑事たちのデビュー作
連続殺人の捜査に駆り出されたヴェルーヴェン警部。
事件は異様な見立て殺人だと判明する…掟破りの大逆転が待つ鬼才のデビュー作。
著者 ピエール・ルメートル
1951年、パリに生まれる。教職を経て、2006年、カミーユ・ヴェルーヴェン警部シリーズ第1作Travail soign´eでデビュー、同作でコニャック・ミステリ大賞ほか4つのミステリ賞を受賞した。『その女アレックス』はヴェルーヴェン・シリーズ第2作で、イギリスで話題となり、イギリス推理作家協会インターナショナル・ダガー賞の受賞作となった。2013年、はじめて発表した文学作品Au revoir l`a‐hautで、フランスを代表する文学賞ゴンクール賞を受賞する 。
2016年03月22日
米澤穂信『王とサーカス』2015年「週刊文春ミステリーベスト10」国内部門1位受賞
王とサーカス
2001年、新聞社を辞めたばかりの太刀洗万智は、知人の雑誌編集者から海外旅行特集の仕事を受け、事前取材のためネパールに向かった。
現地で知り合った少年にガイドを頼み、穏やかな時間を過ごそうとしていた矢先、王宮で国王をはじめとする王族殺害事件が勃発する。
太刀洗はジャーナリストとして早速取材を開始したが、そんな彼女を嘲笑うかのように、彼女の前にはひとつの死体が転がり……。
「この男は、わたしのために殺されたのか?あるいは――」疑問と苦悩の果てに、太刀洗が辿り着いた痛切な真実とは?
著者 米澤穂信
1978年岐阜県生まれ。2001年、『氷菓』で第5回角川学園小説大賞奨励賞(ヤングミステー&ホラー部門)を受賞してデビュー。青春小説としての魅力と謎解きの面白さを兼ね備えた作風で注目され、『春期限定いちごタルト事件』などの作品で人気作家としての地位を確立する。11年に『折れた竜骨』で第64回日本推理作家協会賞、14年には『満願』で第27回山本周五郎賞を受賞。『満願』は三つの年末ミステリ・ランキングで1位となり、また直木賞、本屋大賞の候補にもなるなど、2014年最大の話題作となった。