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2016年11月08日
エドガー・アラン・ポー 「アモンティラードの樽」
アモンティラードの樽 (地球人ライブラリー)
本書の表題になっている「アモンティラードの樽」は、屈辱のゆえに復讐を誓った男の物語である。時はカーニバルの夜。主人公は、ある恐ろしい計画を思いついた。彼が憎しむべき相手はワインに目のない男である。アモンティラードとは、シェリー酒の一種だ。主人公はこのアモンティラードの大樽がある地下蔵に相手をおびきよせ、そして世にもおぞましい方法で復讐を遂げたのだった。 このほか、フランスの片田舎にある精神病院を舞台にした「タール博士とフェザー教授の治療法」では、正常であることとそうでないこととの境界線がいかに曖昧であるか、また正常である必要がはたしてあるのかどうか、を問いかけてくる作品である。 「ミイラとの対話」は、現代に復活したエジプトのミイラと学者たちとの論争だ。そこから伺えるのは、痛烈なアメリカ文明批判である。 一般にあまり知られていないこの3編にくわえ、「黄金虫」「アシャー家の崩壊」「黒猫」など名著8編も収録した。