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2015年08月25日
『影の告発』 第16回 日本推理作家協会賞受賞(1963年)著者 土屋 隆夫(つちや たかお)
影の告発―千草検事シリーズ 土屋隆夫コレクション (光文社文庫)
「あの女が…いた…」そう言って、デパートのエレベーターの中で男が死んだ。
手がかりは、落ちていた名刺とこの言葉だけ。被害者の周辺から疑わしい人物の名前が挙がってくるが、決定的証拠が掴めない。
そして被害者の過去の鍵を握る少女の影。千草検事と刑事たちは真実を追いかける―。
満員のデパートのエレベーター内で中年男が毒殺された。名刺と古い写真だけを手がかりにすすめられる捜査。アリバイは完璧だが、東京地検の千草検事はひとりの容疑者にこだわりつづけた。あくまでもアリバイは偽り、と考える千草検事。そこに新たな殺人事件の第一報が…。鉄壁のアリバイをもつ容疑者を着実に追いつめていく千草検事。文学精神と謎の面白さの完全な合一を目指した作者が一つの頂点を極めた感動作。
著者 土屋隆夫
1917年長野県生まれ。’49年「『罪ふかき死』の構図」でデビュー。長編第一作は『天狗の面』(’58)。『危険な童話』など寡作ながら格調の高い文芸ミステリーを発表しつづけ、’63年、千草検事シリーズ第一作『影の告発』で第16回日本推理作家協会賞受賞。2002年には第5回日本ミステリー文学大賞を受賞している。