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2018年04月28日

[ゲームネタバレ]シェンムー 一章 横須賀:Shenmue〜SEGA発の未完の大作

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◆「シェンムー 一章 横須賀」・・・一行あらすじ

1986年横須賀、謎の拳法使いに父を殺された芭月涼(はづき りょう)は、敵討ちのために香港へと渡る。


リリース日/1999年12月29日発売
販売元/セガエンタープライゼス(現 セガゲームス)
プラットフォーム/ ドリームキャスト・PC


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◆「シェンムー 一章 横須賀」あらすじ

<ネタバレあり! 結末まで掲載しています!>

■横須賀

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1986年11月29日、横須賀。ドブ板通りと呼ばれる横須賀郊外の先にある柔術道場「芭月武館」で異変が起きていた。道場主の息子である芭月涼(はづき りょう)が自宅に戻ると、道場の看板は割られ、玄関先にはお手伝いさんの女性、稲さんが倒れていた。さらに、道場の扉を破る様に、門下生の福さんが弾き出される。

道場の中では師範である父の芭月巌(はづき いわお)と、中華服を着た謎の男、藍帝(らんてい)が一触即発の状態でにらみ合っていた。「鏡を渡せ」と詰め寄る藍帝の要求を頑なに拒否する巌だが、圧倒的実力差で倒され、助けに入ろうとした涼も簡単に押さえ込まれてしまう。涼を殺すと脅され、ついに鏡のありかを答える巌だが、「お前が殺した趙孫明(チョウ・ソンメイ)を覚えているな」と、そのままとどめを刺されてしまう。そして藍帝は龍の刻まれた「龍鏡」(りゅうきょう)を手に、その場を去る。

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復讐を誓った涼の元に、香港の朱元達(シュ・ゲンタツ)という人物より、父宛ての手紙が届く。「鏡を狙う者あり、緊急の時は陳大人(チン・タイジン)を頼れ」。藍帝に関する手がかりの一切を持たない涼は、陳大人を探し始める。

■ドブ板通りの人々

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道場を襲った者は見たこともない中国拳法を使っていた。横須賀のドブ板通りの住人に聞き込みを続け、中国人を探すなら三刀(サントウ)を尋ねると良いと聞く。三刀とは、暗殺の多かった時代に身近で皇帝を守る職に就いていた者の呼び名で、包丁を持った料理人、ハサミを持った仕立て人、カミソリを持った床屋の事だ。そして、香港や上海に出入りする船員なら、チャイニーズマフィアについて詳しいはずだと教えてもらい、涼は横須賀港に向かう。

■横須賀港

涼は港でフォークリフトでの荷運びの仕事を見つけ、毎日バイトをしながら情報収集に励むことにした。港で働く人々は、マッドエンジェルスと呼ばれる不良グループに悩まされていた。バイト中の涼も何度か絡まれてしまうが、そのたびに鍛えた技で返り討ちにしてやった。それは身を護るためだったが、あまりにケンカばかりしていると思われ、バイトはクビになった。

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手がかりを探す中、涼は道場の地下にあった隠し部屋から、藍帝に奪われた鏡の片割れ「鳳凰鏡」(ほうおうきょう)を見つけた。龍鏡と鳳凰鏡、この二枚の石鏡は何かの重要な意味があるようだ。そして涼は港の旧倉庫街で、かつての父を知る華僑の主導者、陳大人(チン・タイジン)に行き着く。「父の仇をとる」と息巻く涼に対し、一度は「命を粗末にするな」と止めた陳大人だったが、涼の固い決意を知ると、藍帝が属するのは中国を影から支配する裏組織「蚩尤門」(しゆうもん)であると告げる。

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■マッドエンジェルス

ある夕暮れ、涼の同級生で花屋の看板娘である原崎望(はらさき のぞみ)がマッドエンジェルスにさらわれてしまう。涼は大急ぎで深夜の港にバイクで向かうと、マッドエンジェルスのボスであるテリーは、原崎を返す条件として、「商売敵である陳大人の息子、陳貴章(チン・キショウ)を倒せ」と言うと、あっさり原崎を解放した。その条件を飲んだ涼は原崎をバイクに乗せ、家に送り届ける。

涼は陳貴章と戦い、相打ちになったフリをしてマッドエンジェルスをおびきだし、たった2人で70人相手に戦い続けてマッドエンジェルスを壊滅させる。しかし、ボスのテリーを問い詰めた所、藍帝はすでに香港に戻った後だった。

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藍帝を追って香港に向かう決意をする涼に、陳貴章は「お前ひとりでは心配だ。俺がついて行く」と言う。陳大人も、マッドエンジェルスが壊滅したおかげで港に平穏が戻るだろうと感謝すると、涼の父に手紙を送った朱元達の居場所を知る香港の桃李少(トウ・リショウ)老師を訪ねるよう紹介状を書き、渡航する手はずを整えてくれた。

■旅立ちの日

香港への出発の日、涼は幼なじみの原崎のことを思い出していた。彼女は家庭の事情により、父親のいるカナダへ戻らなければならなくなってしまったのだが、涼と離れるのは寂しいと悩んでいた。しかし涼が香港へ旅立つと聞くと勇気をもらったのか、涼にお守りを手渡し「ふたりとも旅立つんだね」と言い、元気に立ち去った。2人は、ポラロイドカメラで撮った涼と原崎のツーショット写真を一枚ずつ持つことにした。

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香港行きの船に涼と陳貴章が乗り込もうとすると、藍帝の部下チャイが妨害に現れ、涼をかばって陳貴章が負傷してしまう。チャイは撃退したものの、ケガをした陳貴章は、一旦、日本に残って療養することになる。鳳凰鏡を持った涼は船に乗り込むと、陳大人と陳貴章に見送られて横須賀港を後にした。こうして涼の長い旅が始まったのだった。


<END>


思い出のゲーム、シェンムーです!

横須賀が舞台の、とある青年の旅立ちを描いた「元祖箱庭ゲーム」ですね。作り込みがハンパないです。発売当時、ここまで詳細に設定されていたゲームは他にありませんでした。「ふすまを開けられる」だけで感動したものです。まぁ、現代でもふすまを開けられるゲームはめったに見かけませんが・・・。

このゲームの特徴と言えば、町の人々の驚愕の作り込みですね。キャラクターの人物造形がかなりよく出来ていて、登場人物一人一人の顔が細かくモデリングされています。同じ顔は2つと無く、本物の人間のように左右非対称になっているのもリアル。さらに、町人には生活習慣がインプットされており、ちゃんとゲームの世界で、その日の時間に沿って生活をしているんです。「あの人はこの時間にはどこに行ってるんだろう」と気になって、朝から晩までストーキングしていたのも良い思い出ですね。朝9時オープンの店の前に陣取って店長の入店をひたすらジャマしてオープンさせないとか、全力で時間を無駄にしていました。

シェンムーはドリームキャストのキラータイトルとして鳴り物入りで登場したアクション・アドベンチャー。70億円という、とてつもない制作費の割には、販売本数は今ひとつだったという苦い歴史があり、セガがハード事業から撤退するきっかけになったとも言われていますね。テレビCMで大々的だったのが印象に残っています。それにしても、ドリームキャストはどんなゲームをプレイしていても本体がめちゃくちゃうるさかったなぁ・・・ブゥオオオオオン!!!!

一作目のこの「横須賀」のあと、二作目も出ましたが、しばらく音沙汰が無く・・・そして、とうとう三作目が2018年発売とアナウンスがありました。ここまで待ったんだから、いくらでも待てますよ!ドリームキャストを温めて待ってますね。

※本編の補足1
本作のヒロインである玲莎花(レイ・シェンファ)は、なんと、この1作目ではまだ出てきません。

※本編の補足2
涼が横須賀港で出会う中国人「陳大人(チン・タイジン)」は本名は陳躍文(チン・ヨウブン)」というそうです。ゲーム本編には名前出てこなかったと思います。


◆おまけ
最後にシェンムーIIに収録されていたダイジェストムービーを掲載します。




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サササッ 三|ノシ・з・|┐ それではまた!


2018年04月24日

[ネタバレあり]ソング・オブ・ザ・シー 海のうた (2016)〜ケルト神話を元にした兄妹の冒険

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『ソング・オブ・ザ・シー 海のうた』 Song of the Sea (2016・愛)

監督/トム・ムーア
脚本/ウィル・コリンズ
原案/トム・ムーア
出演/デビッド・ロウル、ブレンダン・グリーソン
   リサ・ハニガン、ルーシー・オコンネル
製作/カートゥーン・サルーン
配給/チャイルド・フィルム、ミラクルヴォイス



<ネタバレあり! 結末まで掲載しています!>

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静かな海辺にある孤島の灯台で、お父さんのコナー、お母さんのブロナー、愛犬のクーと幸せに暮らしていた男の子のベン。彼らは、新しい家族を迎えようとしていた。大好きなお母さんから、「あなたは世界で一番のお兄ちゃんになるのよ」と言われ、ベンも赤ちゃんが生まれてくる日を楽しみにしていた。

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優しくて物知りなお母さんは、ベンにたくさんのお話や歌を教えてくれた。巨人のマクリルと愛犬の物語や、アザラシの妖精セルキーが歌うと妖精が家に戻れる不思議な伝説、古い言葉で綴られる美しい歌など……。

ある晩、ベンはお母さんに海の歌が聞こえる貝の笛をもらう。うれしくて、笛を大事に抱いて眠りについたのだが、目を覚ますとお母さんの姿が見当たらない。 お母さんは赤ちゃんを残して、海へ消えてしまったのだ。

それから6年・・・今もベンとお父さんの心は傷ついたまま。ベンは、お母さんがいなくなったのは妹シアーシャのせいだと思いこみ、ついつい彼女に意地悪をしてしまう。お父さんもシアーシャにばかり甘くて、ベンのことなんか気にかけていない様子。しかもシアーシャは、まるで声を失ってしまったかのように、話すことができない。それもまた、ベンの苛立ちを増幅させてしまっていたのだった。

そして、お母さんがいなくなった日であり、シアーシャの誕生日でもある、家族にとって唯一の記念日がやってきた。それに合わせて、本島の町からおばあちゃんがやってくる。おばあちゃんは、いまだに喋らないシアーシャが心配でたまらない様子。誕生日ケーキが登場すると、ベンは意地悪をして、シアーシャの顔をケーキに叩きつけてしまう。

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その夜、シアーシャは不思議な光に導かれ、お父さんがこっそり隠していた不思議なコートを見つけ、海へ入ってしまう。するとシアーシャはアザラシの姿に変身し、待っていたアザラシたちと共に海の中を自由に泳ぎ始めた。そう、実はお母さんはアザラシの妖精セルキーであり、娘であるシアーシャもまた、その力を継いでいたのだ。

その後、海に打ち上げられているシアーシャをおばあちゃんが発見する。悲劇の再来を恐れたお父さんは、セルキーのコートを宝箱にしまいなおし、海へ投げ捨ててしまった。さらに、おばあちゃんは嫌がる兄妹を町へ連れて行くことにした。

町はハロウィンでお祭り騒ぎ。居心地の悪いおばあちゃんの家からすぐに抜け出した兄妹は、愛犬クーとお父さんが待つ家へ向かおうとする。ベンは家までの道のりをメモしており、それをたどりに歩を進める。

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そんなふたりの後を妖精ディーナシーの3人組が追いかける。彼らはシアーシャがセルキーだと気付き、フクロウの魔女マカとその手下のフクロウたちのせいで石にされた妖精を元通りにしてほしいと頼んできた。その時、4羽のフクロウがシアーシャに襲いかかり、それをかばったディーナシーたちの感情を吸い取って石に変えてしまった。

何とか逃げ切った兄妹だったが、ベンが目を離した隙にシアーシャがいなくなってしまった。妹を探すうちにベンは語り部の精霊シャナキーから、魔女マカの歪んだ愛情が妖精の国と妹の命を消しつつあると教えられる。マカの魔力に勝てるのはセルキーの歌だけ。それもハロウィンの夜が明けるまでに歌わないと、すべてが消えるという。

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シャナキーの助けもあって、魔女マカのところへたどり着き、彼女を説得しようと試みるベン。しかしマカは、「私だってみんなが思うような悪人じゃないわ」と言う。彼女がみんなから感情を抜き取って石にしてしまうのは、みんなの悲しい心や辛い気持ちから解放してあげたい、という願いからだった。

ベンは歌い、母の形見の貝を吹くことにより、マカは正気を取り戻した。そして、ベンとシアーシャを生まれ育った孤島へ送り届ける。しかし、父がセルキーのコートを海に捨ててしまっていたと知ったベンは、勇気を出して夜の海に飛び込む。コートが入った宝箱は海底に沈んでおり、拾うのは無理かと思われたが、アザラシたちが手伝ってくれて無事コートを手に入れる。

ベンはコートをシアーシャに着せて、母から聞いていた歌を妹にも歌わせると、具合が悪くなっていたシアーシャは元気を取り戻した。さらに、石化されていた妖精たちは開放され、元の姿に戻り始める。ハロウィンの夜、すべての妖精たちが消え去る間際に、シアーシャの歌が間に合ったのだ。

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そして、ベンとシアーシャの母、ブロナーが海から現れた。母はセルキーとして海に戻らなければならないが、シアーシャは母についていくことより、陸で生きていく道を選ぶ。母は家族と最後の別れをする。

それから一年がたち、シアーシャの誕生日がやってきた。一年前のお返しとばかりに、シアーシャはベンの顔を誕生日ケーキに叩きつけると、家族は大声で笑いあった。

<END>

私の一番好きな映画が決まりました。これです!

「ソング・オブ・ザ・シー 海のうた」は、アイルランド神話をベースにして、主人公の男の子ベンが妹シアーシャと一緒に冒険したり、フクロウの魔女と戦ったりしながら、母親の真実にせまっていく、ファンタジー・アニメ映画ですね。アカデミー賞の長編アニメーション部門ノミネートということですが、日本での上映館数はかなり少なめでした。ジブリやディズニーアニメと比べてしまうと、中々の苦戦ぶりだったのではないかと思います。

絵柄が絵本みたいでかわいいんですよね。ストーリーは、「北欧のアイルランド神話(ケルト神話)には、アザラシの妖精セルキーの伝承がある」ということを知っている前提で進みますが、そんなの、日本では知らない人の方が多いと思います。「日本では川にカッパという生き物がおり、子供と相撲をとろうとする」とか、アイルランド人は知らないと思います。しかし、知っていないとちょっと話がわかりづらい。説明が少なく、場面がちょっと飛んだりしますし。

色々なレビューを見たんですが、この映画、あまり評判は良くないみたいですね。北欧好きな人なら、劇中の水や風の模様、そして音楽に北欧らしさを感じられるんじゃないでしょうか。私はかなり好きです。

まぁ、だまされたと思って、アイルランド出身の女性ユニット「ケルティックウーマン」の歌でも聞いてください。BGMは全編こんな感じです。wiiの「フォーエバーブルー 海の呼び声」でも使用された曲です。

Celtic Woman - A New Journey - Dulaman


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2018年04月04日

[ネタバレあり]ロング・トレイル!(2017)〜「さあ次は何をやろうか?」

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『ロング・トレイル!』 A Walk in the Woods (2015・米)

監督/ケン・クワピス
脚本/リック・カーブ、ビル・ホールダーマン
原作/ビル・ブライソン
   「ビル・ブライソンの究極のアウトドア体験
    北米アパラチア自然歩道を行く」
製作/ロバート・レッドフォード、ビル・ホールダーマン
出演/ロバート・レッドフォード、ニック・ノルティ
   エマ・トンプソン、メアリー・スティーンバージェン
音楽/ネイサン・ラーソン
製作/Route One Films Wildwood Enterprises



<ネタバレあり! 結末まで掲載しています!>

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人気紀行作家のビル・ブライソンは、ここ10年ほどイギリスに住んでいたが、故郷であるアメリカ、ニューハンプシャーに戻ってきた。愛する妻キャサリンと家族と、この地で暮らし始めるためだ。

老齢になったことで半ば作家を引退状態にあったビルはある時、仲の良かった友人の葬儀に出かけた。こうして年を取り、友人の数も減り続け、穏やかではあるがどこか物足りない人生だとビルは思い始めていた。その後、ふと散歩に出たビルは、アバラチアン・トレイル(アパラチア自然遊歩道)という、標識を見かけた。

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その夜更け、アバラチアン・トレイルについて調べてみると、実に壮大な旅路だということが分かった。ジョージア州からメーン州にまたがる、全長、2,000マイル(3,200km)超の大パノラマであった。どれほど素晴らしい自然の風景があることだろう。想像すると、身が震える思いであった。

突如「旅に出たい」と言い出すビルに妻は否定的だった。道は長く険しく、若い登山者が順調に進んでも5ヶ月はかかると言う。ただ、独りで行くのではなく、誰かと一緒に行くのならいいと、条件付きで妻は許してくれた。

ビルはハイキングに同行してくれる仲間を探し始めた。片っ端から友人に電話をかけてみたが、いずれも手応えがない。諦めかけていたとき、ずっと音信不通だった友人スティーヴン・カッツから、ハイキングに行ってもよいという、連絡が入った。40年前にビルから金を借りたままで、しかも、女性トラブルが絶えず、素行が悪いと評判のスティーヴンに眉をひそめながらも、キャサリンはビルのハイキング計画に同意した。

ビルとキャサリンは、空港までスティーヴンを迎えに行った。ところが、スティーヴンは見る影もないほど太っていて、足を悪くしているのか、飛行機から降りるのにも苦労する始末だった。それでも、3人はそれぞれ、再会を喜んだ。

その晩、ビルの家に泊まったスティーヴンは、ビルが席を外している間に、キャサリンたち家族にビルの若い頃の女性遍歴を暴露し始めた。その様子に気づいたビルが慌てても、ビル自身も忘れていたような出来事に話はすっかり盛り上がってしまった。

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出発当日、キャサリンは不安な思いでいっぱいになりながらも涙目でビルを送り出した。そして、ビルとスティーヴンはついにハイキングの第一歩を踏み出した。テンポよく足を運ぶビルをよそ目に、太りすぎのスティーヴンは、かなりのスローペースだった。呆れながらも、ビルはスティーヴンに歩調を合わせた。ゆっくり進む彼らを他のハイカーやボーイスカウトの少年たちが次々と追い越していった。

少し進み、二人が休憩を取っていると、メアリーという女性登山者がやって来た。ハイキングのことなら何でも知っていると豪語する、傲慢さを絵に描いたようなメアリーはおしゃべりでやたらと声が大きい。ハイキングを熟知している自分には、同行者など必要ない、他人はバカばかりだといきまいていたが、なぜか二人の仲間に加わってきた。アウトドアショップで、ビルが高額な買い物をしてしまった話を聞くと、遠慮なく説教するような女性だった。

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その晩、メアリーに手を焼いた二人は、朝になったらメアリーより先にスタートして、彼女を置いていこうと相談する。朝になり、二人はメアリーを出し抜いて出発した。しかも、飲酒運転する若い男女にうまいこと拾ってもらい、一気に先へ進んだ。

ビルとスティーヴンは、次の町に入った。モーテルで休み、スーパーで食料や物資を補給し、ランドリーでたまったものを洗濯する。女癖の悪かったスティーヴンは、最近は女の好みがかわったこともあり、ランドリーで出会った太った女性と話が弾んでデートの約束をする。しかしその女性は既婚者で、妻にちょっかいを出された旦那は怒り狂い、二人が泊まっているモーテルを見つけ出すと、「出てこい!」と叫びながらバットでドアを殴り始めた。慌てて二人は荷物をまとめると窓から逃げ出した。

ビルとスティーヴンは町を出て山に入り、再び旅を続けた。おしゃべりをしながら歩いていると、急な崖にさしかかった。崖の向こうには息をのむような絶景が広がっていた。その素晴らしい眺めを楽しみながら、二人は座り込んだ。話はいつしか、スティーヴンの過去の告白へと向かった。スティーヴンは、アルコール中毒で苦しんでいたと言う。それが、ここ何年も飲まずに頑張っているらしい。スティーヴンは、バッグの中から酒の瓶を出して見せた。飲みたくなったら、それを見て、酒はやめたんだと自分に言い聞かせてきたのだと。スティーヴンはビルに酒を渡して封を開けてもらうと、香りを味わうように嗅いだ後、中身を全て捨ててしまった。

ビルとスティーヴンは、森の中にテントを張った。夜が更けてきたとき、ビルは何か物音を聞き、不審に思ってライトを森に向けて目を凝らした。すると、そこには2頭の巨大なクマがいた。あわてて2人はテントを持ち上げ、大声を上げ、クマを威嚇した。驚いた2頭のクマは森のなかに引き返して行った。

二人はまた遊歩道を歩きだした。「これより先、熟練ハイカーのみ」という標識のある、勾配のきつい山肌の道だ。しばらく崖沿いに歩いていたが、「気をつけろ」と言った次の瞬間、足が滑って転倒してしまい、そのまま二人とも崖下へと落ちてしまった。何とか、崖から突き出ていた、数メートル下の平らな場所で止まれたが、周囲には切り立った崖があるだけで、どこへも行けなかった。シャツとズボンをつないでロープを作ってみたが、長さが足りない。はるか下には川が流れ、二人は救助を呼ぶ手立てもなく、もう気力さえも失いかけた。やむなく、ビルとスティーヴンは、景色だけは素晴らしいその場所で一夜を明かした。

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幸運にも、朝になると若いハイカーがちょうど二人の真上にやって来た。声をかけるとビルとスティーヴンを発見し、引き上げてくれた。そしてビルとスティーヴンはまた、遊歩道を歩きだした。少し進むと、新たな標識が現れた。それはアバラチアン・トレイルの現在地を示していた。二人はそこで、衝撃的な事実を知る。なんと、まだ、全工程の三分の一しか歩いていなかったのだ。4月に出発して、もう6月。2か月以上も歩き続けてきたのに・・・もう、やめて引き返そうかとビルが言うと、スティーヴンも賛成した。

ビルはバス停までスティーヴンを送っていった。「借りている金はいずれ返す」と言うスティーヴンに、「わかってる」と返すビル。そしてビルもひとり、帰路についた。帰ってきた夫の無事な姿を見て、妻のキャサリンはビルを抱きしめる。

ビルは久しぶりに自分の書斎に入った。机の上に、留守中に届いた郵便物が大量に置いてあった。その中に、スティーヴンからの絵はがきがあった。何枚も…。彼はこっそり行く先々でビル宛てに絵はがきを出していたのだった。最後に届いた絵はがきにはこう書かれていた。「ビル!次は何をしようか?」

ビルはパソコンに向かい、原稿の執筆にとりかかる。新しい本のアイディアが溢れてきた。タイトルは………「A Walk in the Woods」


<END>


アメリカにあるとても長い登山道の「アバラチアン・トレイル」を老人二人がチャレンジするロードムービー風の映画です。見終わった後、「はぁ〜、見て良かったぁ〜」って思いました。年ですかね。

俳優はあのロバート・レッドフォード(80才)とニック・ノルティ。レッドフォードの奥さん役がエマ・トンプソン。中々なじみのある俳優さんです。

主人公と悪友である二人のいろんなやり取りは、かなり笑えて、面白かったです。最初から悪態をついてばかりだったくせに、「お前と最後の冒険をするために来たんだ」とか、響くことをいきなり言う。主人公にはたくさん友人はいたけど、こういう甘酸っぱいことを言ってくれるのは彼だけだったんでしょうね。こういう友達欲しいですね。40年前に金借りたまま、結局最後まで返しませんでしたが。

一番好きなシーンは、出発前にカフェでスティーヴンが「こんなうまいパンケーキ食ったことない!なあ、もう一泊していかないか?」とウェイトレスをナンパしていた所ですね。こんな生き方をしてみたいもんです。

もう少し年をとったら、もう一度見たい映画です。

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グーペ グーペ

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