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2018年07月12日
残業はなぜ減らない?|管理者の葛藤
「いつも残業して残業代を請求しているが、見合った成果を出しているのか?」
「自分の仕事が終わればそそくさと帰ってしまうが、やる気があるのか?」
なんか矛盾しているようなところもありますが、一人のマネジャーが一人の部下に抱いている両極端な気持ちだったりしますよね。
残業は少ないほうがいいですよね。でもなぜ、残業をなくせないのか?残業をなくすために有効な手段として「デッドライン」を設ける事です。
限られた時間内で仕事を済ませようとすると、集中力が生まれます。また、仕事に優先順位をつけて取り組もうとします。そうした訓練はやはり必要です。
しかし、デッドラインだけでは、残業をなくすには不十分。仕事量を減らす事が出来ないならば、社員を増やすや時間を増やすしかありません。どちらもコストはかかります。
仮に社員を増やす方を選択してしまえば、同じ質の仕事を社員の数で対応するわけですので進歩がありません。本当の改善策とはいえないと思います。
では、仕事量を減らす方向で考えてみましょう。
自社で取り組んでみたのは、とりあえず全部門からどうして残業になってしまうのか、どのようにしたらよいのかを提案してもらう事。さまざま出てくるものですね。たとえば、「今使っているデータは必要な情報が取れていないので、自分で加工して資料を作っています」という声がでれば、システム部に相談して、必要なデータがすべて出てくるように仕組みを変更するなど、現場の声を聞いて回り、とにかく機械で出来る仕事を人でやらないように変えていきました。
そうした積み重ねで、人時(作業量)は20%前後を減らす事が出来ました。目先のコストでなく、質(中身)を変化させるので、可能性が広がってきます。
しかし、残業を完全にゼロにするのは不可能でした。ですから、10%ルールをまねてみました。まねるとは、
無印良品は仕組みが9割
という本からまねてみたんです。
18:30以降に残っている人数は各部門で10%以下にする、というルールです。決算であるとか、展示会などどうしても残業しなければならない事はあるものです。こうした逃げ口を作りながら、それぞれの中身の改善を進めていくのです。
残業を減らせない原因として、個人の仕事の仕方だけではなく、会社の仕事の仕組みの関係している場合が多いです。
こんなのはどうでしょう。「夕方には新しい仕事を人に頼まない」。このルールが自社にあったとしたら今の時点でうまく仕事が進むでしょうか?作成に2.3時間はかかりそうな資料を部下に指示すれば、当然その時間分は残業となります。
ですから、他部署からの依頼も上司の依頼も、午前中の早めの時間に済ませるようにしてみたんです。この方が、指示を出す側もデッドラインから逆算して、仕事を割り切れるようになるので生産性が上がってきます。
No残業デーとして取り組む企業は多くありますが、たいてい週一回程度ではないでしょうか。毎日残業をなくそうと試みる企業はほとんど失敗しているそうです。
それは、仕事量を減らさず、人員を増やさず、時間を減らす・・・不可能なことではないでしょうか。デッドラインを設ける事で残業が減るのではなく、上司が仕事の頼み方を変えたり、常に業務改革改善を行って「人時」を削減(仕事を減らす、効率化)などの工夫をしていくところで残業が減るのです。
もし、残業を仕事に対する熱意の表れだととらえているマネジャーがいましたら、その考え方を改めるところがスタートなのかもしれません。仕事への貢献度は時間で測るものではなく、結果で測るべきではないでしょうか。
その結果の為にどうしてもかかってしまう時間。あれこれ時短の工夫をしているのか否か?このポイントはマネジャーだけが気付く事ができ、アドバイスをしてあげられる存在なのではないかと思います。
「自分の仕事が終わればそそくさと帰ってしまうが、やる気があるのか?」
なんか矛盾しているようなところもありますが、一人のマネジャーが一人の部下に抱いている両極端な気持ちだったりしますよね。
残業は少ないほうがいいですよね。でもなぜ、残業をなくせないのか?残業をなくすために有効な手段として「デッドライン」を設ける事です。
限られた時間内で仕事を済ませようとすると、集中力が生まれます。また、仕事に優先順位をつけて取り組もうとします。そうした訓練はやはり必要です。
しかし、デッドラインだけでは、残業をなくすには不十分。仕事量を減らす事が出来ないならば、社員を増やすや時間を増やすしかありません。どちらもコストはかかります。
仮に社員を増やす方を選択してしまえば、同じ質の仕事を社員の数で対応するわけですので進歩がありません。本当の改善策とはいえないと思います。
では、仕事量を減らす方向で考えてみましょう。
自社で取り組んでみたのは、とりあえず全部門からどうして残業になってしまうのか、どのようにしたらよいのかを提案してもらう事。さまざま出てくるものですね。たとえば、「今使っているデータは必要な情報が取れていないので、自分で加工して資料を作っています」という声がでれば、システム部に相談して、必要なデータがすべて出てくるように仕組みを変更するなど、現場の声を聞いて回り、とにかく機械で出来る仕事を人でやらないように変えていきました。
そうした積み重ねで、人時(作業量)は20%前後を減らす事が出来ました。目先のコストでなく、質(中身)を変化させるので、可能性が広がってきます。
しかし、残業を完全にゼロにするのは不可能でした。ですから、10%ルールをまねてみました。まねるとは、
無印良品は仕組みが9割
という本からまねてみたんです。
18:30以降に残っている人数は各部門で10%以下にする、というルールです。決算であるとか、展示会などどうしても残業しなければならない事はあるものです。こうした逃げ口を作りながら、それぞれの中身の改善を進めていくのです。
残業を減らせない原因として、個人の仕事の仕方だけではなく、会社の仕事の仕組みの関係している場合が多いです。
こんなのはどうでしょう。「夕方には新しい仕事を人に頼まない」。このルールが自社にあったとしたら今の時点でうまく仕事が進むでしょうか?作成に2.3時間はかかりそうな資料を部下に指示すれば、当然その時間分は残業となります。
ですから、他部署からの依頼も上司の依頼も、午前中の早めの時間に済ませるようにしてみたんです。この方が、指示を出す側もデッドラインから逆算して、仕事を割り切れるようになるので生産性が上がってきます。
No残業デーとして取り組む企業は多くありますが、たいてい週一回程度ではないでしょうか。毎日残業をなくそうと試みる企業はほとんど失敗しているそうです。
それは、仕事量を減らさず、人員を増やさず、時間を減らす・・・不可能なことではないでしょうか。デッドラインを設ける事で残業が減るのではなく、上司が仕事の頼み方を変えたり、常に業務改革改善を行って「人時」を削減(仕事を減らす、効率化)などの工夫をしていくところで残業が減るのです。
もし、残業を仕事に対する熱意の表れだととらえているマネジャーがいましたら、その考え方を改めるところがスタートなのかもしれません。仕事への貢献度は時間で測るものではなく、結果で測るべきではないでしょうか。
その結果の為にどうしてもかかってしまう時間。あれこれ時短の工夫をしているのか否か?このポイントはマネジャーだけが気付く事ができ、アドバイスをしてあげられる存在なのではないかと思います。
2018年01月16日
ロジックツリーのすすめ|3つのツリーと4つの身につく能力
マネジャーは上司から課せられる業務目標など、内容が抽象的である場合があります。それをどのように実現するかはマネジャーに託されていることが一般的です。ですから、マネジャーは抽象的な事象を論理展開して、具体的な事項に落とし込むことができなければなりません。その際に「抽象」から「具体」へと論理展開するためのツールが、ロジックツリーです。
ロジックツリーとは論理を樹形図で表します。
ひとつの上位概念(イシュー)を右にいくに従って個別・具体的に展開していきます。上位概念(イシュー)とは問題解決の場面においては、「問題」を置きます。
上位概念(イシュー)から展開された項目は「ボックス」と呼び、ツリーの同じレベルに位置するボックスは、相互にMECEとなるようにします。ロジックツリーは展開の仕方によって、次の3つに分類することができます。
原因の探求(WHYツリー)
方法の探究(HOWツリー)
要素の探求(WHATツリー)
それぞれの解説を記します。
WHYツリーは、問題の原因を検討する場合に用いることができます。すでに判明している問題と上位概念(イシュー)とし、「なぜ?」と自問しながらその原因に当たるものをボックス内に記述し、右側に展開していきます。
これは、私の会社では「なぜ5回」と呼んでいますが、トヨタ生産方式から得たものです。「なぜなぜ分析」の始まりはトヨタ自工の元副社長大野耐一さんが著書「トヨタ生産方式」の中でいった言葉「一つの事象に対して、五回の「なぜ」をぶつけてみたことはあるだろうか?」そして、「五回の『なぜ』を自問自答することによって、ものごとの因果関係とか、その裏にひそむ本当の原因を突きとめることができる」と言っています。トヨタ自工の現場で行われた問題の原因追究する方法なのです。
HOWツリーは、目標を上位の概念として、その手段・方法を探究するロジックツリーです。達成すべき目標を「○○を△△する」という表現で記入します。
そして、「どうやって?」という自問を繰り返しながら手段・方法を展開していきます。イシューの次工程ボックスでは経営資源ごとに4つのボックスなどの切り口を利用するとよいでしょう。4つの経営資源とは「ヒト、モノ、カネ、情報」です。
WHATツリーは、イシューを構成する要素ごとにボックスに展開するロジックツリーです。身近な例とすれば会社の組織図などがよいたとえといえるでしょう。WHATツリーは物事の全体を把握する際に利用することができます。
このロジックツリーは論理的思考を行うためのマストツールでもあります。コンサルティング会社に入って学べるものとしてもロジックツリー、構造化、問題解決手法といったロジカルシンキングの手順というように、思考方法が重要なのです。ロジックツリーを使いこなすことができれば、職種を問わず活躍の場を広げることができます。そこには4つの意義があるからです。
ロジックツリーや問題解決の手法は、時流に関係ないもっとも基礎的なスキルといえます。ですから、一度おぼえてしまえば一生使うことができ、繰り返し役立ち、応用もできるもの。ロジックツリーについて書かれている本は15年前に書かれたものであっても、本の内容は、今なお古くなっていないと実感します。基本的な方法論は変わっていないということです。
ロジックツリーが描けるようになると、真の問題だけでなく、問題の全体像が見えてきます。多くの人は話を構造化できず、思いつきでバラバラと議論しがちです。しかしロジックツリーを描くことができれば、それぞれの話を、全体のなかでどういう位置づけになるかを頭の中で整理することができます。結果、全体像からみて、「本当に重要な話はなんなのか?」という判断ができるようになってきます。その、重要度の判断ができるようになると、さらに次の2点ができるようになります。
重要度が判断できるようになれば、いらない部分を捨て、自信を持って重要な部分にだけをハイライトして時間を使うようになれます。よく、「捨てられない性格」などいいますが、捨てる勇気や、勿体無いという気持ちよりも、「なにを捨てていいのか?」という重要度がわからないのです。だからこそ、捨てるためにロジックツリーを使い、全体像を描き、幹の部分と枝葉の部分を区別できるようになることが必要ということです。
重要度の判断ができ、捨てることができれば、迷うことはなくなり、一瞬でものごとが判断できるようになります。意思決定のスピードが飛躍的にあがります。すると判断も的確なものになっていき、仕事全体の質も向上していくという仕掛けなのです。
ロジックツリーの基本・方法論は、なにかすごい裏ワザのようなテクニックとも思われますが、単に基礎的な方法論を応用しているにすぎないのです。基本の理解と、何度も繰り返しの訓練で誰でも体得できるスキルとして参考書等も多く出されています。
比較的わかりやすいと支持の高い参考書をご紹介いたします。
ロジックツリーとは論理を樹形図で表します。
ひとつの上位概念(イシュー)を右にいくに従って個別・具体的に展開していきます。上位概念(イシュー)とは問題解決の場面においては、「問題」を置きます。
上位概念(イシュー)から展開された項目は「ボックス」と呼び、ツリーの同じレベルに位置するボックスは、相互にMECEとなるようにします。ロジックツリーは展開の仕方によって、次の3つに分類することができます。
原因の探求(WHYツリー)
方法の探究(HOWツリー)
要素の探求(WHATツリー)
それぞれの解説を記します。
原因の探求(WHYツリー)
WHYツリーは、問題の原因を検討する場合に用いることができます。すでに判明している問題と上位概念(イシュー)とし、「なぜ?」と自問しながらその原因に当たるものをボックス内に記述し、右側に展開していきます。
これは、私の会社では「なぜ5回」と呼んでいますが、トヨタ生産方式から得たものです。「なぜなぜ分析」の始まりはトヨタ自工の元副社長大野耐一さんが著書「トヨタ生産方式」の中でいった言葉「一つの事象に対して、五回の「なぜ」をぶつけてみたことはあるだろうか?」そして、「五回の『なぜ』を自問自答することによって、ものごとの因果関係とか、その裏にひそむ本当の原因を突きとめることができる」と言っています。トヨタ自工の現場で行われた問題の原因追究する方法なのです。
方法の探求(HOWツリー)
HOWツリーは、目標を上位の概念として、その手段・方法を探究するロジックツリーです。達成すべき目標を「○○を△△する」という表現で記入します。
そして、「どうやって?」という自問を繰り返しながら手段・方法を展開していきます。イシューの次工程ボックスでは経営資源ごとに4つのボックスなどの切り口を利用するとよいでしょう。4つの経営資源とは「ヒト、モノ、カネ、情報」です。
要素の探求(WHATツリー)
WHATツリーは、イシューを構成する要素ごとにボックスに展開するロジックツリーです。身近な例とすれば会社の組織図などがよいたとえといえるでしょう。WHATツリーは物事の全体を把握する際に利用することができます。
このロジックツリーは論理的思考を行うためのマストツールでもあります。コンサルティング会社に入って学べるものとしてもロジックツリー、構造化、問題解決手法といったロジカルシンキングの手順というように、思考方法が重要なのです。ロジックツリーを使いこなすことができれば、職種を問わず活躍の場を広げることができます。そこには4つの意義があるからです。
1.生涯を通して使える
ロジックツリーや問題解決の手法は、時流に関係ないもっとも基礎的なスキルといえます。ですから、一度おぼえてしまえば一生使うことができ、繰り返し役立ち、応用もできるもの。ロジックツリーについて書かれている本は15年前に書かれたものであっても、本の内容は、今なお古くなっていないと実感します。基本的な方法論は変わっていないということです。
2.全体が見渡せるようになる
ロジックツリーが描けるようになると、真の問題だけでなく、問題の全体像が見えてきます。多くの人は話を構造化できず、思いつきでバラバラと議論しがちです。しかしロジックツリーを描くことができれば、それぞれの話を、全体のなかでどういう位置づけになるかを頭の中で整理することができます。結果、全体像からみて、「本当に重要な話はなんなのか?」という判断ができるようになってきます。その、重要度の判断ができるようになると、さらに次の2点ができるようになります。
3.捨てる能力
重要度が判断できるようになれば、いらない部分を捨て、自信を持って重要な部分にだけをハイライトして時間を使うようになれます。よく、「捨てられない性格」などいいますが、捨てる勇気や、勿体無いという気持ちよりも、「なにを捨てていいのか?」という重要度がわからないのです。だからこそ、捨てるためにロジックツリーを使い、全体像を描き、幹の部分と枝葉の部分を区別できるようになることが必要ということです。
4.意思決定のスピード
重要度の判断ができ、捨てることができれば、迷うことはなくなり、一瞬でものごとが判断できるようになります。意思決定のスピードが飛躍的にあがります。すると判断も的確なものになっていき、仕事全体の質も向上していくという仕掛けなのです。
ロジックツリーの基本・方法論は、なにかすごい裏ワザのようなテクニックとも思われますが、単に基礎的な方法論を応用しているにすぎないのです。基本の理解と、何度も繰り返しの訓練で誰でも体得できるスキルとして参考書等も多く出されています。
比較的わかりやすいと支持の高い参考書をご紹介いたします。