課長の資格「ビジネスマネジャー検定」その学習ブログ

マネジャーは上司や部下、あるいは他部署のマネジャー、取引先などで適切なコミュニケーションを取る事が求められます。「適切」とは、同じチームで仕事をしているメンバー同士であっても、認識や理解度など、必ずしも一致していない事を前提にしなければならないからです。


このことは、チーム内だけではなく、マネジャーとなると自分が部下だった頃に比べてコミュニケーションを取る相手が格段に増えてきますから、その出逢う相手すべてに当てはまります。コミュニケーションの重要な役割のひとつとして、お互いを理解して、共通の認識にいたることもあげられます。




コミュニケーションとは、一般に、人が社会生活を営む上で、相互に知覚・感情・思考などを伝達しあう事をいいます。もっとも、人と人との間にコミュニケーションが成立したといえる為には、知覚・感情・思考などを伝達しあうだけでなく、お互いにそれぞれの気持ちや考えを理解し共有する事が必要です。言い換えると「意思の疎通を図ること」が必要ともいえます。


心理学的には、コミュニケーション行動は、情報の伝達のみならず、共感という情動的側面や、それによる行動制御など幅広い意味を持ちます。『マネジメント』の著者であるピーター・ドラッカーはコミュニケーションの基本として次の4つをあげています。



上記の基本から具体例を考えて見ます。

チームのコミュニケーションは、マネジャーから部下への指示といった一方的な投げかけでは成立しません。なぜなら、一方的な投げかけは、情報を発する側の役割を偏重し情報を受け取る側の役割を軽視しているからです。




コミュニケーションには、言葉だけではなく、「表情」「動作」といった言葉以外の要素によるコミュニケーションがあります。言葉以外の要素が与える影響の大きさを考え、「聴覚」「視覚」といった、相手の五感に訴えるコミュニケーションの大切さを説明します。


◆バーバルコミュニケーションとノンバーバルコミュニケーション

コミュニケーションには次の２種類があります。

「バーバルコミュニケーション」とは言葉を使って意思や感情、又は文字を使って情報を伝える事を指します。一般にコミュニケーションというとバーバルコミュニケーションを思い浮かべる事が多いでしょう。


一方、「ノンバーバルコミュニケーション」とは、言語以外の方法で図るコミュニケーションを指します。「態度」「表情」「目の動き」「声色」「動作」といったものでのコミュニケーションで、人間だけでなく多くの動物の行なうコミュニケーション方法です。これは、直接的な表現ではありませんが、情報の発信者の表情や動作が、情報の受け手感性に大きな影響を与えるという特徴があります。

◆メラビアンの法則

アメリカの心理学者、アルバート・メラビアンは、人が相手からの情報として読み取る要素を「言語」と「聴覚」、「視覚」の3種類に分類し、その割合を実験したところ、次のような結果が得られました。


情報の受け手が判断する基準として、発信者の言葉の内容は７％にすぎず、９３％は声の大きさや話し方、身だしなみや表情・動作といった感覚的要素であったという結果です。この実験結果から、メラビアンは、コミュニケーションには、言語情報だけでなく、聴覚情報および視覚情報が重要であるという「メラビアンの法則」を発表し、今に至っても、多くの人々からコミュニケーションの基本姿勢として理解されています。