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2014年03月01日

「蛇神」シリーズ著者の今邑彩さんを悼む

 推理小説で独自の世界を作り上げた今邑彩さんが、今年2月に孤独死したとのニュースが流れた。享年59歳。これからもまだまだ人の心を掴む作品が期待されていただけに残念でならない。今邑さんの小説に触れたのはそう遠い時期ではなかった。それまでも、推理小説で高い評価を集めていたが、信州の神社を舞台とした4作からなる「蛇神」シリーズから彼女のファンとなった。
「蛇神」シリーズに出てくる日の本神社は、飛鳥時代に勃発した仏教と神道、曽我氏と物部氏の崇仏派と排仏・神道派の国教主導権争いの結果、負けた排仏派の物部氏が信州に逃げて建立したという設定だ。これは、古事記に出てくる出雲の国譲りとかぶさる。大国主神の息子・建御名方神(タケミナカタノカミ)が高天原から送り込まれた建御雷(タケミカヅチ)に破れ、建御名方神は信州まで逃げた後、諏訪大社の祭神となった。
この国譲り伝説をモチーフとしたものと推測できるが、小説に出てくる人物がそれぞれ強い個性を発揮して、物語を盛り上げる。最後は出火により神社が燃え尽きるが、主人公の2人は輪廻して再び次の世で出会うことを匂わせた。日の本神社の行う神事が、祟り神の怒りを抑えるためではなく、逆に祟りを呼び込むための神事だとか、何代にもわたる輪廻転生など存分にホラーの要素も取り入れている。
また、大国主神が蛇神だったとの説や、謀神社では神事で子供を生贄として供えたことなども含めて描いたこの小説は、非常に奥の深く、ホラー好きな人間にとっても満足感がいっぱいの作品だった。

手元にある今邑彩さんの「蛇神」と推理小説の「赤いべべ着せよ」。信州・日の本神社のモデルがどこなのか、時間をかけて探したが結論はでなかった


今邑彩の文庫本


暗黒祭 (角川ホラー文庫)


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長い人生の中で、お金はなくても時間だけは贅沢に使える今しかできないこと、やりたいことが沢山ある。それを少しづつでも実現していきたい。
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