2014年03月27日

今年の熊は目覚めが早いかも 

 今年も、冬眠から覚めた熊の目撃情報があちこちから上がってきている。3月23日に中頓別で、同じ日に厚沢部町や新ひだか町でも目撃されている。北海道の北と南、あるいは東というように地域は限定されていない。近いうちに札幌近郊でも目撃されるだろう。

 渓流釣りを行うものにとって、熊との遭遇割合は一般の人と比べて格段に高い。何しろ、「熊の巣」といわれる、営巣地の中で釣りを行っていることがしばしばある。幸いに、熊の遭遇体験はないが、これまで丸瀬布・武利上流での糞、漁川上流の獣臭、支笏湖奥譚の足跡、それに千歳・紋別川と苫小牧川での遠くで動く影など、自分では気がつかないところで遭遇していたのかも知れない。
 比較的大きな川や湖は仲間と入ることが多いが、ルアーをコントロールできない小河川は1人で釣行することがほとんど。その小河川も、人の立ち入らないところを目指して入渓している。そのため、危険を回避する手段として熊鈴はもちろん、爆竹とロケット花火、昨年からはホイッスルも用意した。現地に着いて初めに行う儀式が20連発の爆竹の点火。熊ばかりではなく、鳥や狐、鹿などほかの動物にとっていい迷惑かもしれないが、こればかりは法律のようなもので、お互いのために決して破ってはいけない掟だ。
熊出没注意の看板

 こういう経験がある。熊の出没が相次ぐ、人の余り入ることの無い山深い渓流で、川に立ちこんで岩魚を狙っていたときの事。すぐ後ろの藪の中から「ガサゴソ」と草木を踏みしめる大きな音がした。一瞬身構えて逃げる方向を探していると、出てきたのは山菜取りのお兄さん。熊鈴も持たず、山菜の入った買物袋を手に気軽な長靴姿で出てきた。
前提として「こうした場所まで来るのは熊対策も万全な釣り人」と決め付けていたこともあり、驚きとともに怒りが生じた。少なくても、熊鈴やラジオなど、音の出るものを身に着けているべきだ。
最近、山菜取りがブームとなり、熊と遭遇したり襲われたりする人が増えている。その原因のひとつが、こうした人達の存在だと思う。危険を避けることできるのに、何も考えず、対策もとらないで山に入る人たちの存在は、熊にとってもいい迷惑だろう。

苫小牧・小糸魚川の上流に設置されている看板。入渓する時はくれぐれも熊対策を忘れずに


ツインモーション・フライタックルセット#3/4ピース(リール、ライン各2セット内包)




2014年02月27日

苫前・三毛別の熊嵐 

 北海道で渓流つりを行うものにとって一番怖い存在は熊だ。年長者ならば、釣りをしている最中にその姿を見たり、足跡や糞、獣臭、威嚇する声などの経験が一度や二度はあるはず。 
北海道のヒグマは、成熊では本州にいる月の輪熊よりも一回りちかく大きく、体長が3メートルに及ぶものもいるという。最近は、山奥にまで分け入る山菜取りや、渓流の上流を目指す釣り師の増加で、目撃頻度が高まっている。また、離農などで山と街の緩衝地域となっていた里山が、人の手を離れ山に同化したことから、熊の出没範囲は人間の住居地区により近づいた。札幌でもマンションが立ち並び、交通量も半端ではない西区や南区の市街地にまで姿を現した。昨年、その出現した場所から我が家まで500m足らずと、とても人ごとではなくなった。

大正4年12月に、現在の苫前町三毛別地区で日本の獣害事件で最大規模の被害が発生した。これが後に「熊嵐」という名前で小説化され、北海道ではTVドラマも作られたので、覚えている人も多いと思う。
この三毛別の部落は、苫前町市街地から20kmほど奥に入った森林地帯の一角にある。当時この部落には15戸の開拓農民が住んでいた。そこに、12月9日に体長が2.7メートル、340kgの巨大なヒグマが突然現れ、9日から14日にかけて幾度も出没。その結果7人が食われたりして死亡、3人が重症を負った。
この事件の発生した場所に、当時開拓民が住んでいた家と、襲ったヒグマが再現されている。私は、2年前の10月に名寄から苫前町を経由して留萌に向かう途中で、「熊嵐の事件現場ここから00km」という看板を見つけた。多分一人だったら行かなかったが、興味に駆られ車を飛ばした。30分ほど走って“現場”に着いたのは午後4時ちかく。まだ、陽は残っているものの、今すぐ熊が出てもおかしくないほど鬱蒼とした森の中にあり、ここで被害のあったことが納得できた。もし、留萌や羽幌に行く機会があれば、一度寄ってみるといい。そこは、当時と変わらぬ恐怖と緊張感の満ちた空気が漂っているから。
写真は事件当時を再現した三毛別の開拓農民住居。苫前町が作成したパンフレットから掲載。茅葺家との対比で、ヒグマがどれだけ大きかったかが分かる


熊嵐1
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