用語（素材）: 防水リュックで安心快適！防水リュックのある生活。

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2023年01月09日

リュック生地の「PU」とは？　リュックに関する素朴な疑問。

生地の表面処理の説明で目にする「PU」。
生地のほかにも様々なジャンルで見受けるこのワードですが、「PU」とは？
材質・性能・特性などを見ていきましょう。

「PU」はポリウレタン

PUとは、ポリウレタン（polyurethane）の略です。

ウレタン結合を有する重合体の総称で、ウレタン樹脂（ウレタンじゅし）とも言います。
プラスチックの分類を表す略号として「PU」と表記されます。

PU（ポリウレタン）は、基本的には2種類の主原料を混合／反応させることによって生成されるポリマー（プラスチック）です。

配合処方および成形方法を変えることにより、非常に多様な性質の製品を作ることができます。

軽くてしなやか、比較的価格も高くないため、機動性と快適性を重視した手頃な価格の製品にも多く使用されています。

加工性に富んだ素材

「PU」（ポリウレタン）は加工によって様々な形態があります。

・発泡素材を加えて、スポンジや弾力性のある固形を形成する
・液状に加工し、生地表面に塗って撥水・防水性を発揮できる
・糸状に加工して生地に織り込んで、伸縮性を持たせることもできる

など非常に幅広く活用されています。

さまざまな製品に使われるPU

「PU」（ポリウレタン）は、加工性の高さとコストパフォーマンスの高さから、様々な製品に使われています。

＜製品＞
靴製品、靴底、スキーブーツ、鞄
フィルム、断熱パネル、ウレタンフォーム、防音材、防水材、スポンジ
人工皮革、疑似本革
自動車のシート、バンパー、アームレスト、ヘッドレスト
電気絶縁材料
テニスコートの舗装材、ゴルフボ－ル、スキー、ラケット

＜コーティング＞
テント・レインウェア・ソファー・バックなどの防水・耐水コーティング

＜繊維製品＞
弾性繊維、ストレッチ素材
ジャージ、水着、レオタード、洋服、下着

＜液体＞
接着剤、塗料
シーリング材、コーキング材、充填剤

このほか、輸送関係、土木建築、生活用品、産業機器、医療、ＩＴ分野など、多岐にわたります。
このように「PU」（ポリウレタン）は現代の生活において重要な役割を果たしています。

性能と特徴

「PU」（ポリウレタン）の主な性能・特徴は以下の通りです。

＜長所＞
・引張強度や耐摩耗性が高い
・弾力性、柔軟性が高い
・収縮性・衝撃吸収性が高い
・耐油性に優れる
・加工性が高く、様々な形態をとることができる
・撥水性・耐水性をもち、通気性を持たせることもできる
・リサイクル技術が確立されている
・環境負荷が低く、地球環境の保全に貢献できる

＜短所＞
・耐熱性や耐水性が、他の合成ゴムに比べやや低い
・環境により、劣化が早く進むことがある（湿度、塩分、紫外線、熱など）

リュック生地としての「PU」

posted by みっひー at 00:44 | Comment(0) | TrackBack(0) | 用語（素材）

2021年09月04日

「60/40クロス（ロクヨンクロス）」とは？リュックに関する素朴な疑問。

アウトドア関連でたまに目にする「60/40クロス（ロクヨンクロス）」。ウエアやリュックなどに利用されるこの生地、いったいどういうものなのか、具体的に見ていきましょう。

「60/40クロス（ロクヨンクロス）」はコットン60％ナイロン40％の混紡生地

「60/40クロス（ロクヨンクロス）」は、アウトドアメーカー「SIERRA DESIGNS（シェラデザイン）」が
1968年に発表したオリジナル素材。

　緯糸（よこいと・ぬきいと）にコットン（全体の60％）
　経糸（たていと）にナイロン（全体の40％）

を配し織り込まれた混紡生地です。

透湿性・耐久性・撥水性を有し、当時としては画期的な素材として、一躍注目を集めました。
この優れた素材は、現在もウエアやリュックなど、さまざまな製品に用いられています。

撥水性

「60/40クロス（ロクヨンクロス）」は、水に濡れることによってはじめて撥水性が生じるという、面白い特徴があります。

生地が濡れると、緯糸（よこいと）のコットン（綿）が水を吸って膨張し、糸の間の目が詰まり、水を通しにくくなります。
それに経糸（たていと）のナイロン特有の撥水性能が合わさり、水をはじくことができるようになります。

完全防水とまではいかなくとも、多くの人を雨風から守ってきた実績を持っています。

透湿性

乾燥時は、緯糸（よこいと）のコットン（綿）の通気性が生きます。

発汗による湿気を外へ逃がし、快適な状態を保ちます。

コットンによる肌触りのよさと、シーンによって透湿性と撥水性が切り替わるというのが、「60/40クロス（ロクヨンクロス）」が今も支持される理由の一つでしょう。

耐久性

経糸（たていと）にナイロン糸が使われているので、

・引き裂き強度
・摩擦強度
・対引っかけ傷

などに優れています。

風合い

コットン（綿）60%・ナイロン40%の「60/40クロス（ロクヨンクロス）」は、独特の光沢と風合いがあります。

そして、使うほどに風合いが深まるので、経年変化も楽しめ、長年にわたり愛用することができます。

まとめ

posted by みっひー at 01:13 | Comment(0) | TrackBack(0) | 用語（素材）

2021年08月09日

リュック生地の「TPU」とは？　リュックに関する素朴な疑問。

リュックの素材・加工欄で目にする「TPU」。防水性とともに記載されていることが多いこのワードですが、
素材？それとも加工？性能も含め、気になるところです。

「TPU」は熱可塑性ポリウレタン

TPU（Thermoplastic Polyurethane）は、熱可塑性ポリウレタンの事です。
機械的強度・ゴム弾性・耐摩耗性・耐屈曲性・耐油性などに優れます。
熱可塑性（ねつかそせい：thermoplastic）は、高温にすると軟化および流動化し、冷めると硬化する性質です。

さまざまな用途に使われるTPU

「TPU」（熱可塑性ポリウレタン）は、生産性・加工性・リサイクル性の高さから、日常の様々な用途に使われています。

＜製品＞
代表的なものは、携帯電話・タブレットのケース、パソコンキーボード保護カバー。
そのほか、自動車部品、靴底部材、ホース・チューブ、機能性フィルム・シート、電線・ケーブル被覆材、パッキン材、キャスターホイール、搬送ベルト、グリップ部材、繊維塗層など。

＜添加剤としての用途＞
添加材として使用され、他のポリマー・樹脂を改質する機能があります。
特に、PVC樹脂へ添加すると、耐摩耗性・耐衝撃性・低温柔軟性が改良されることで知られます。
このPVC樹脂も、耐久性・耐候性・防水性に優れ、防水リュックによく使われる素材です。

性能と特徴

「TPU」（熱可塑性ポリウレタン）のおもな性能・特徴は以下の通りです。

＜長所＞
・耐摩耗性が非常に高い
・引張強度・引裂き強度・耐衝撃性が高い
・ゴム弾性・柔軟性に優れ、消音・防振効果が高い
・石油・グリース・一般薬品性への耐性が良好
・耐候性、耐オゾン性等も良好
・リサイクル性に優れ、低VOC（揮発性有機化合物）
・硬度が幅広い範囲で調整可能
・成形が容易で、汎用プラスチックと同様な成形が可能

＜短所＞
・耐熱性が少し劣る（約80℃）
・使用環境により、黄変することがある

などが挙げられます。

リュック生地としての「TPU」

posted by みっひー at 10:52 | Comment(0) | TrackBack(0) | 用語（素材）

2021年06月09日

リュック生地の「トラックタープ」とは？　リュックに関する素朴な疑問。

リュックの紹介で、「丈夫なトラックタープでつくられた」などの記載をたまに見かけます。
丈夫な生地であることはわかるのですが、リュック生地の「トラックタープ」とはどんなものでしょうか？
具体的に見ていきましょう。

「トラックタープ」は「エステル帆布（はんぷ）」

" タープ "とは、日差し・雨を防ぐための広い布で、キャンプなどでも使われる用語です。

「トラックタープ」とはトラックの「タープ」、つまり「幌（ほろ）」（荷台を覆うための布）です。

現在トラックの幌（ほろ）のほとんどは、「エステル帆布（はんぷ）」という素材が使われているため、

　　　「トラックタープ」は「エステル帆布（はんぷ）」

と解釈してよいかと思います。

「エステル帆布（はんぷ）」は「ターポリン」の進化形

「エステル帆布（はんぷ）」と似た素材で、「ターポリン」があります。

材質はともに、ポリエステル繊維にPVC（ポリ塩化ビニル）を加工したものですが、違いはその加工の仕方にあります。

「ターポリン」は、ポリエステル繊維の両面を、PVC（ポリ塩化ビニル）でラミネート加工してあるのに対
し、

「エステル帆布（はんぷ）」は、ポリエステル繊維を、PVC（ポリ塩化ビニル）でディップコート(漬ける)してあります。

もともと、幌（ほろ）などの防水布（タープ）は、布にタールをしみこませていたので、昔の作り方に近いのですが、その性能はターポリンの特性をより発展させた形になっています。

「エステル帆布（はんぷ）」の特徴

「トラックタープ」として表現される「エステル帆布（はんぷ）」ですが、ターポリンと比較して、

　　　・継続的に加わる力に対して耐久性がある（風などを受けた場合のバタつきに強い）
　　　・ターポリンよりも耐用年数が長い

などの長所があります。

反面、ターポリン同様、単位面積当たりの重量は大きいのも特徴です。

「エステル帆布（はんぷ）」の主な特徴を上げておきます。

＜長所＞

・強度、耐久性に優れている
・耐水性に優れている
・耐薬品性に優れている
・電気絶縁性に優れ電気を通さない
・難燃性である
・加工性に優れている
・継続的に加わる力に対して耐久性がある
・ターポリンよりも耐用年数が長い

＜短所＞

・有機溶剤に弱い
・耐熱性に弱く、65℃～85℃で軟化
・低温時の衝撃強度が低い
・応力集中による強度低下が起こる（穴・キズ等が割れや破損の原因となる）
・単位面積当たりの重量が大きい

などが挙げられます。

まとめ

posted by みっひー at 06:53 | Comment(0) | TrackBack(0) | 用語（素材）

2021年05月27日

リュック生地の「ターポリン」とは？　リュックに関する素朴な疑問。

リュックの素材欄で目にする「ターポリン」。防水性と共に記載されていることが多いこの素材ですが、材料は？性能は？用途を含め、見ていきましょう。

「ターポリン」はPVC系の複層素材

「ターポリン」は、ポリエステル繊維の生地の両面を、PVC（ポリ塩化ビニル）でラミネートしたものです。

つまり、

　　塩ビ（PVC）+　ポリエステル繊維　+　塩ビ（PVC）　の3層構造素材

が「ターポリン」と呼ばれています。

英語の< tarpaulin >(防水布）が語源とされます。昔は、帆布生地にタールを塗布して、船の上や馬車を覆う防水布として使われていたようです。

特徴

「ターポリン」は、PVC（ポリ塩化ビニル）で両面をラミネート加工してあるので、PVCの特性である耐久性の良さなどから、屋外や建築現場などのいろいろな材料に使われています。

具体的には、

　・横断幕、懸垂幕、店舗ののぼり
　・イベントのテント、ロールスクリーン
　・建築現場の養生シート・足場シート
　・腕章、防水性のバッグ

など、日常でよく見かけるものばかりです。

性能と特徴

「ターポリン」は、PVC（ポリ塩化ビニル）の主な特性が反映されています。それに加え、繊維を挟んだ3層構造のため、強度と耐久性はPVC単体よりアップしています。その反面、面積当たりの重量は大きくなります。

＜長所＞

・強度、耐久性に優れている
・耐水性に優れている
・耐薬品性に優れている
・電気絶縁性に優れ電気を通さない
・難燃性である
・加工性に優れている

＜短所＞

・有機溶剤に弱い
・耐熱性に弱く、65℃～85℃で軟化
・低温時の衝撃強度が低い
・応力集中による強度低下が起こる（穴・キズ等が割れや破損の原因となる）
・単位面積当たりの重量が大きい

などが挙げられます。

リュック生地としての「ターポリン」