普通の人には、他人には踏み込んではいけない、自分が踏み込む権利はない領域があることが分かっていますが、自己愛性人格障害者にはそれが分かりません。
そして、自己愛性人格障害者のターゲット自身も、子供の頃から親に自分の領域を侵害されている人が多く、自分の領域が侵害される事は別に異常な事ではないと思い『ここまで自分の領域が侵害されるのは、自分に問題があるからだ。』と捉え、領域を侵害されるがままにしてしまう人も多いです。
しかし、ターゲットが自分の領域を自己愛性人格障害者に明け渡せば明け渡すほど、自己愛性人格障害者はどんどんターゲットの領域を侵害していき、ターゲットの人格は無視されていきます。
それが同一化と呼ばれる状態です。
どういう事か、分かりやすいのが2chの「
自己愛性人格障害 本人スレ part19」にあった以下の書き込みです。
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557: 優しい名無しさん[sage] 投稿日:2010/07/17(土) 19:12:54 ID:do/WmkqT [1/1回]
>それよりは、どこまでも自己満足で突き抜け飛び抜けちゃって、これに関しては優秀だ、異論は認めん!
>てやっちゃう方が楽しい人生になりそうな気がすると思った。
やめておけ…俺の知っている自己愛がそれをやって…たった四年で気違いになっていた
何でも言う事を聞くタゲと結婚してどんな我侭も許容されると今度は
どんな細かい事でも自己愛の思い通りに行かなくなると頭がおかしくなるらしい。
気に食わない事が起きては半狂乱で奇声を上げて…御近所から何回も警察や児童相談所を呼ばれるようになってしまっていた。
なんで世の中の全てが自分の思い通りにならないんだと叫んでいる姿は異常だった。
四年前も性格は悪かったがそれでもここまで悪くは無かった。
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これは、自己愛性人格障害者がターゲット(奥様)の領域を侵害し過ぎたために、自他の区別が付かなくなってしまい、
『なんで俺の考えている事が分からないんだ!』
となっている状態だと思われます。
同一化が進むと、こんな風に犯罪に近い行動にエスカレートする場合があります。(
この事件とかもそうですね。)
自己愛性人格障害者の頭の中ではターゲットは自分は自分の思い通りに動くべきなのだから、そうできない事が重罪という認識になっていますが、日本の刑法・民法上では別の人権を持った人間に対する暴力・虐待となるからです。
このような、自己愛性人格障害者からの危険な同一化を予防するために重要なのが、
自己愛性人格障害者の思っている事が分からないふりをする
自己愛性人格障害者の思い通りに動かない
という事なんです。
自己愛性人格障害者の言っている事を理解し、先回りして望むものを提供するような事は、自己愛性人格障害者に対して『私はあなたの気持ちを理解しあなたのために尽くします。どうか私の人格など無視してあなたの一部にして下さい』、と言っているようなものです。
これは、普通の人ではなく、自己愛が強い人だからこそ起こる現象です。
普通の人は、自分の心を汲んで行動してくれた人に対して感謝し、好意を抱いてくれますよね。
つまり、"誰かの心を汲み、行動し、感謝される"というのは、自分が生きやすくなるための生存戦略であるわけです。
特に力の弱い女性は、そのようにきめ細やかな労力を自分より強いものに提供し、自分に好意を抱いてもらう事で生き残ってきたという進化の歴史もあるでしょう。
女性が誰かに尽くす事で喜びを感じるのは、これが進化の過程で遺伝子に組み込まれた性質であるからかも知れません。
なので、自己愛性人格障害者から虐待を受けているターゲットも、今まで自分がとってきた戦略をそのまま自己愛性人格障害者に対して続けようとします。
つまり、尽くせば自分に好意を抱いてくれると信じて、より尽くしてしまうのです。
でも、さっきも書きましたがそれでは『私はあなたの気持ちを理解しあなたのために尽くします。どうか私の人格など無視してあなたの一部にして下さい 』と言っているような物なのです。
だから、自己愛性人格障害者から自分の領域を侵害されていると感じたら、あなたの思っていることは分かりません、あなたと私は別の人間なんです、という態度が有効になるのです。
例えば、自己愛性人格障害者が言った言葉に対して、
「へー、あなたはそう思うんですね」と言ったり、意味が分からないという感じでポカーン( ゚д゚)としてみたりするのが有効です。
今まで、"誰かの心を汲み、行動し、感謝される"ことで自分が生きやすい環境を作るという生存戦略をとってきた方。(※私もそうでした。)
別に、それを変える必要はないのです。今後もそれで自分の生きやすい環境を作っていけばいいと思います。
ただし、その戦略を誰にでも採るという事には危険がある事を理解し、自分の領域を侵害してこない人だけにその戦略を採る、というように変えていった方がより生きやすくなると思います。
私たちは大抵子供のときから、「人によって態度を変えてはいけません。」と教えられてきており、真面目にそれを守っている人や、人によって態度を変えることに罪悪感を覚える人もいるでしょう。
しかし、自己愛性人格障害者に対しては、歩み寄ろう歩み寄ろうとするほど、尽くそう尽くそうとするほど被害者が辛くなっていくシステムなんです。
そして歩み寄られる、尽くされる事は自己愛性人格障害者のためにもよくないのです。
自己愛性人格障害者のことを大事に思うのであれば、人間としてダメにならないうちにどうか適切な距離をとってあげてください。
そして、自己愛性人格障害からの虐待を逃れたい人も、彼らからは距離をとってください。
なぜなら、自己愛性人格障害者と言うのは、自分と他人との適切な距離を保てない障害なのです。
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