音楽と映像の日々

2015年7月放送のテレビアニメ『監獄学園』（プリズンスクール）全12話を今頃一気観した。つい最近のアニメ作品と思っていたらもう2年近く経とうとしていて驚いている。

脱走ドラマと犯罪ドラマ2本を1本で楽しめて面白く観終って爽快感があった。なにより起承転結が明確でドラマ作りのお手本となりうる物語展開に感心した。

【起】
今年度から共学となった全寮制高校に入学した男子5人は女風呂を覗こうとして裏生徒会に捕まり1か月の監獄生活を送るとこになる。5人は裏生徒会の女子高校生3人の厳しい仕打ちにも耐え刑期を終えることを望んでいた。

【承】
キヨシは彼女との学生相撲見学デートの約束を守るため、ガクトは4年ぶりに発売される限定版三国志フィギュアを手に入れるため脱獄を計画する。ガクトの綿密な計画でキヨシは無事脱獄してデートすることが出来たが、このことが裏生徒会長にバレ全体責任で刑期が1か月延びてしまい他の3人から無視されてしまう。

【転】
裏生徒会の3人は男子5人を退学させる為騒ぎを起こさせようと罠を仕掛ける。しかしキヨシの友達想いの行動が作戦を失敗させ5人の友情が復活する。裏生徒会はあと2回脱走の事実を作ろうと画策し、この計画にはまった男子2人が脱走したことになり5人は校則に従い退学させられることになる。

【結】
裏生徒会が男子生徒退学作戦を行ったという証拠を手に入れ退学処分を取り消そうと5人は計画を立てる。ガクトがパソコンから削除された作戦データを復活させようとするが時間切れで作戦失敗。このまま失望の中、退学の日を待つしかないのか…。だがキヨシの食事の中に彼女からの手紙が入っていたことが一筋の光明となり新たな作戦を実行する。


【起】ではシチュエーションコメディとして舞台設定が語られている。笑えるが下ネタや性的な表現が過剰な下らない話だと思っていて見ていた。

【承】では厳しい監視の中どうやって脱獄の準備を進めるのか、当日どうやって脱獄を誤魔化すのかその作戦から目が離せなくなる。それにしても勘違いでホモダチにされたり、ヒールで踏まれて痔になったりとボーイズラブネタが多く思わず笑ってしまった。

【転】では裏生徒会の卑怯な作戦に反発し何時の間にか5人を応援してしまう。5人の壊れた友情が復活していく過程はなかなか感動的なのに、どうしても性的なネタからは離れないので台無しだ。だが、これがこの作品の魅力でもある。(^_^;;

【結】は隙のない監視体制の中どうやって証拠のデータを手に入れるのか、その顛末から目が離せない。一度は絶望した5人が希望を取り戻して退学を1日延期させる為に校長の秘密という伏線を使うとは思わなかった。11,12話の緊張感溢れる演出と音楽は見事で見入ってしまった。

下品な下ネタや性的表現を抑えれば一般的にも評価される面白いドラマになるだろうと思ったら既にTBS系で『監獄学園-プリズンスクール-』として全9話の深夜テレビドラマ化されていた。まったく知らず見逃したことが残念だ。

アニメのラストは裏生徒会の女子生徒3人が監獄に収監されるシーンで終わる。続編が期待出来そうで今後の発表が楽しみだ。