2015年04月01日
私のサブカルチャー遍歴、あるいは批評の形成!(T) \(^0^)/
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私と出会った多くの若者はいつも普段の私が何をしているのか気になるみたいで、話をしている内に、映画や音楽に関しても、文学や哲学に関しても、どうやら私の関心は批評なんだという事に気が付くと、じゃあ、それに関心を持つ以前は何をしていたんだ? という趣旨の質問をしてくる人たちがいるわけです。
つまり、2000年に発行された文芸評論家・福田和也による『作家の値うち』で批評に開眼する以前のお前は、一体どんな本を読み、どんな映画を観て、どんなことに夢中になったのか? と。
私が福田和也の『作家の値うち』をリアルタイムで読んだのは、高校一年生の時です。で、私が本に親しんだのは小学生の時からなので、高校に進学する前までは、福田和也が『作家の値うち』で扱き下ろしているエンタメ小説もかなり読んでいたわけです(−−;
そうしたコテンパンに痛罵されている小説の中に、藤原伊織のハードボイルド小説『テロリストのパラソル』、『ひまわりの祝祭』があります。
私が『テロリストのパラソル』を読んだのは小学五年生の時で、当時はテレビドラマ『あぶない刑事』や『刑事貴族』のファンだったので、それらのハードボイルドドラマとイメージを重ね合わせるようにして、その小説を読んだ事を覚えています。
どんな物語だったか記憶が溶けている部分もあるのですが、
『テロリストのパラソル』作中の主人公は、アル中のバーテンダーです。年齢は50代を過ぎています。で、昔はプロのボクサーでした。毎朝目覚めるのも午前十時過ぎです(^^)
で、この主人公が経営するバーというのは風変わりで、店のメニューはホットドッグ一つしかない。
食べ物と云えば、ホットドッグしかメニューを出さないのです。
私は小学五年生でこの下りを読んだ時に「バーテンダーというのは何て楽な商売なんだ」と思い、日本に存在する全ての飲食店もこれくらい楽なのかな? などと本気で信じ込んだんです。
ところが、勿論、事実は逆です(^^)
成長して、最初の大学を中退した後(私は大学に二回入学し、二回目に通った大学は卒業している)に、チェーン店のカフェでアルバイトを始めたというのは先の記事にも書きましたが、
カフェというのはコーヒーを売るところですが、やはり、そのカフェでさえ、メニューは一つではないのです。
飲み物の種類やデザートの種類もさることながら、お菓子というかケーキみたいなものまで置いてあって、しかも、そのメニューは季節や時期によって頻繁に入れ替わり、新作も事ある毎に出品されます。
考えてみたら、カフェにしろ、レストランにしろ、飲食物のメニューが一つだけでは、抑々、飲食店の経営が成り立ちません。
ラーメン屋だって、店のメニューがラーメン一つしかなかったら、客足が遠のくでしょう。
私はグルメが趣味ではなく、飲食店に通っても、いつも同じメニューしか注文しない為、こんな簡単な事にも気付かなかったのです。
そうした事実に照らし合わせると、福田和也が、藤原伊織の『テロリストのパラソル』をケチョンケチョンに貶しているのは却って納得出来るわけで、当時、乱歩賞と直木賞をダブル受賞した藤原の作品も、実際は完璧ではなく、実は最も駄目な小説だったのです。
私が福田和也の『作家の値うち』を読んだのは、カフェでアルバイトを始めるずっと前ですが、こうした細部のリアリティも小説を読んだり書いたりする人の意識には深く関わって来るモノなんだと、今では改めて感じています。
それと、アレ以来、飲食店や食品メーカーの仕事にだけは関わりたくないと、今の私は痛切に感じています。
以後、もし機会があれば、批評に目覚める前の私は何に関心を持っていたのか、「私のサブカルチャー遍歴」と称してシリーズ記事にしていきたいと考えています。
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