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うつの嫁が「生きねば」

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何だか、映画『風立ちぬ』のキャッチコピーみたいな表題ですが。というより、以下に書く嫁の発言を聞いて、僕は同作品を思い出したというだけです。


うつ病の嫁が


ウチの嫁はそろそろうつ病(正確にはパニック障害の方が先ですが)10周年を迎えてしまっています。この間色々ありましたが、その中で嫁は何度「死にたい」と言ったことか。数えきれないほど・・・は大げさですが、何度となく聞かされたことは間違いありません。現に、過去自殺未遂も何度かやっていますし。

さあ、その嫁がらしからぬことを言いだしました。それが冒頭の「生きねば」。いや、正確には「私、『生きなくちゃ』と思った」というのが嫁の台詞ですが。これはいったいどうしたことでしょう。

いきなり言われてこちらが驚いたわけですが、僕は冒頭の通りに『風立ちぬ』を思い出しました。まさか嫁も観たのかな?と思ったのですが、そういうわけではありませんでした。


亡き母上からの、最後のプレゼント


嫁がそんなことを思ったのは、2月に母上を直接リアルタイムで看取ったときだったそうです。母上の命尽きる瞬間、嫁はずっとその手を握っていたそうですが、母上が天に召されたその瞬間に、ふとどこからともなく「生きねば」という感情が湧いてきたのだそうですよ。

嫁は僕にこれを説明するに、理由とかよくわからず、上手く説明できないと言いました。ですが、そういうものは理屈ではありません。説明できないのは当然です。とにかく驚きました。

これを主治医の先生に話したんだそうです。そうしたら言われたのが、この見出しのとおり。僕は自分の母親の臨終にもさして何も感じなかったところをみて、僕は何か人間として大事なものが欠落しているのではないかと不安になってしまったというオチもつきました。

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