アフィリエイト広告を利用しています

2018年02月27日

【ブルーレイ映画ソフトレビュー】アイ、ロボット / I, Robot (動画付)

記事一覧TOP > 映画ブルーレイリスト > 【ブルーレイ映画ソフトレビュー】アイ、ロボット / I, Robot (動画付)




DVD時代から高画質、高音質で知名度のあったブルーレイ初期発売の作品です。
初期リリースはDVDのみでした。
20世紀フォックスの最初のブルーレイは、2006年11月ですので、本作はそこから約1年半後にリリースされた作品です。
前年の2007年はまだHD-DVDも発売されていて、ちょうどブルーレイの過渡期になり、2008年2月になってようやくブルーレイに1本化されました。

新しいメディア(今回はブルーレイ)の初期に品位が高かったものでも、次のメディアが出るころには相対的に品位が落ちてしまうことがよくあります。
本作もそういう部類の作品ですが、それでもクオリティは高い部類です。
コンテンツ(話など)が良いかどうかは、視聴する人に寄りますのでここでは取り上げていません。


コピーライトマーク 2004 Twentieth Century Fox Film Corporation. All Rights Reserved.


ブルーレイ評価

映像83_1.jpg音質90.jpg





公式動画


アイ,ロボット - 予告編

(FOX)



ソフト情報



■リリース:
 バージョン:通常版
 発売:20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
 時間:115 min
 レーティング:PG-12(日本) / PG-13(米国)
 制作年:2004年
 発売日:2008年5月30日

■映像:
 コーデック: MPEG-4 AVC 23.976Hz
 解像度: 1080p
 アスペクト: 2.35:1(スコープサイズ)

■オーディオ:
 英語:DTS-HD Master Audio 5.1ch 48kHz 24bit(ロスレス)
 日本語:DTS 5.1ch 48kHz 24bit(ロッシー)

■字幕:
 日本語、英語

■ディスク:
 Blu-ray Disc 1枚
 片面2層 (BD-50GB)

■リージョン:
 Region A

■平均ビットレート(おおよそ)
(MPEG-4 H.264上限:54Mbps)
(MPEG-4 MVC上限:66Mbps)
:32Mbps前後

■撮影カメラ:
 アリカム LT, Cooke S4 and Zeiss Ultra Prime Lenses
 アリカム ST, Cooke S4 and Zeiss Ultra Prime Lenses
 アリフレックス 435ES, Cooke S4 and Zeiss Ultra Prime Lenses
 Photo-Sonics 4E, Cooke S4 and Zeiss Ultra Prime Lenses
 ※カメラは35mmフィルムカメラです。
 ※クック社のS4レンズは、焦点距離が複数ラインナップされた単焦点レンズです。

■映像マスタ:
 撮影マスタ・フォーマット:Super 35(フィルム)
 DI(Digital Intermediate):2K
 
■映像マスタリング(DI(Digital Intermediate)、マスタリング):
 DeLuxe(フィルム・プリント)
 20th Century Fox Studios(ポストプロダクション)
 Modern VideoFilm(DI)

■音響:
 DTS、Dolby Digital、SDDS

■音響スタジオ(Sound Mix / Re-recording)(サウンドトラック除く):
 20th Century Fox Studios(ポストプロダクション)

■制作背景
・制作予算:約120億円 /100円換算
・世界興行収入:347億円 /100円換算
・撮影:カナダ、アメリカ(イリノイ、カリフォルニア)

■賞:
アカデミー賞を含む14の賞にノミネート、1つの賞を受賞しています。





キャスト情報



■監督:
アレックス・プロヤス / Alex Proyas External_Link_15px.png


■出演者:
ウィル・スミス / Will Smith  External_Link_15px.png

ブリジット・モイナハン / Bridget Moynahan  External_Link_15px.png

アラン・テュディック / Alan Tudyk




映像クオリティ・レビュー総評



【画質】

2Kマスターの初期ブルーレイとして良好な画質






ブルーレイ映像マスタ



映画マスターは2004年作品ながら2KのDIが制作されており素養は良いです。
ブルーレイマスターはそれがベースとなったHDテープのマスターだと思われます。
日本版のマスターもHDテープで記録されたものと思われます。
テープの悪い要素がいくつかあります。
ハイライトは飛び気味で、色滲みが少しあります。
パナソニックハリウッドラボラトリー(PHL)がブルーレイのフィルタリングやオーサリングをしており、当時としてはかなり高画質だった作品です。
20世紀フォックスのブルーレイの第二期に相当すると思われる作品です。
それはつまり、DVDマスターをアップコンバートしていた第一期から脱して、ようやくアップコンバートなしの純正2Kマスターになった作品と言えそうです。



解像感


一般的な映画用単焦点レンズで撮影された映像は、解像感よりも画面全体の描写力を訴求するタイプです。
極端な言い方をしますと、背景ボケを利用せずに、画面をクッキリ見せるレンズの絞りを絞った撮り方が多いため、人込みに主人公が埋もれているような表現です。
(被写体が近いシーンでは背景ボケはありますが・・・)
これは未来世界の雑然とした世界を表現する手法なのかと思われます。

単焦点レンズでの撮影のため、全編で解像感が強いわけではありませんが、アップでの解像感や描写力は良好です。
当然、単焦点レンズですので、人間の目と同じで被写体に近いほど解像感は上がります。
当時としてはロボットのCGで描かれた質感は精細で優秀でした。
DVDでも優秀でしたが、そこは2Kの解像感のほうが有利です。


ノイズ感


フィルムグレインはある意味普通ですが、悪い表現はしませんし、PHLによるオーサリングで質感を残しつつ画面の歪を排除しています。
この見晴らしの良さが、当時は高画質らしい感じではありました。
なお、フィルムグレインを消そうとフィルターを掛けてしまうケースも多いようですが、単にそうしてしまうとグレイン以外の情報量も減り、画面がひずむそうです。
管理人はあまりそういう歪が気になったことがないため、不明です。
ただ、フィルターを掛けてグレインを消して質感などが悪くなったソフトは結構知っています。
HDテープによる赤かぶり気味の色ノイズや、暗部の汚れた混濁感や色にじみがあります。
デジタルノイズは輪郭補正がちょっと目立ちます。
これはDVDでも同様でした。
一瞬、この輪郭補正を見て、DVDと同じマスターのアップコンバートか?と思ったほどです。


鮮度感


劇画調で鮮度感が高い映像ではありません。
映画的というか油絵の絵画的な表現に近いです。
これは撮影で陰影が強く出る配光をしていることと色が濃厚なためです。
洋服の革の質感などをしっかり描写する克明さがあり、古さは全く感じません。
一方でフィルム映像なので、既視感があるような表現でもないです。


階調性・コントラスト


陰影の強い配光もあり、コントラストはかなり高いです。
暗いシーンや暗部も結構ありますが、しっかりとした表現をします。
また暗部は良く伸びて最暗部の黒は艶もありますので、印象が良いと思います。
階調性は明るい部分から影になるところで色にじみのせいで混濁してちょっと気になります。


カラー


色調はカラーグレーディングによってずいぶん絵画調になっています。
Deluxe社の色らしく全体的には濃厚でずっしりした表現です。
ギラギラ、ピカピカした色調で、モヤがかかったような色はなく、画面のどこもクッキリしています。
ノイズのところで評価していますが、赤へのかぶりや、暗部での色滲みなどがあり、ちょっと気になります。
スキントーンは悪くなく、ちょっと艶々した感じではあります。




音声クオリティ・レビュー総評



【音質】

DVDとは系統が違う高音質音声






ブルーレイ音響マスタ



映画マスターは、当時としては標準的なDTS、Dolby、SDDSでちゃんと作り込んだ音響です。
ブルーレイ音声マスターは、DVDと同じだと思います。
ただし、圧縮方式やエンコードが違っているので、劣るという意味ではありません。

当時としてはロスレスの音声自体がブルーレイの売りで、新たにDTS-HDMAで圧縮されています。
ロスレスらしく、情報量は増え、マスタリングも違うのか、音が整理された感じです。
(悪い意味での整理ではなく・・・、整音されたというべきか、粗さがなくなっている印象)

ちなみに別途レビューしますが、DVDはDTS5.1chでした。
DVDのDTS音声は特徴があり、低音とダイナミックレンジがすごいのです。
台詞にボリュームを合わせていると、音のピークでは大音響になってしまうことがよくありました。
本作のDVDもそうで、台詞に合わせていると、中盤の、博士の屋敷でのロボット襲撃や、高速道路のトンネルでの襲撃などは文字通り地響きを伴います。
あわててボリュームを下げたことをよく覚えています。

本ブルーレイは、そういったDVD-DTSのマスタリングとは違い、ダイナミックレンジは整理されて飛び上がるほどの大音響には鳴りません。
一方で情報量は増え、低域には芯や量感を伴った伸びのある音になっています。
ちょっと低域寄りのバランスで高域は抑えめな印象です。
ダイナミックレンジを整音していますが、コントラストは維持しており、マイルドな音でもありません。


ダイナミックレンジ(音域バランス)


ダイナミックレンジはちょっとピークを抑え気味にしていますが、それでも広いです。
バランスは少し低域寄りです。


瞬発力・量感(キレと強さ)


DVDのキレキレ高域とサブウーファーが飛んでしまうほどの重低音はちょっと整音されてキレイな音になっています。
これはブルーレイのマスター制作時に整音したのだと思います。
一方でDVDとは違い情報量が増えたためか、音に芯があります。
かなり太い芯で、ずっしりとした量感のある芯です。
銃撃音などは瞬発力もあり、量感もしっかりして重低域まであります。
基本的にはDVDのDTSと同じ傾向ではあります。


情報量(台詞、SE音、音楽)


台詞:
乾いた音色で描写力があります。
克明な描写で質感も良好です。

SE音:
未来世界のロボットをメインとした人工音はかなり強調されハリウッドらしい派手な作りです。
各スピーカーから聴こえてくる人工的なSE音が包囲します。
何度か挿入される水の中での回想シーンでは、グルグルに音が包囲し大ボリュームに鳴ります。
また芝居部分では、コーヒーに入れる砂糖をすくう音だったり、人工皮膚を触るようなシーンではここぞとばかりに細かく表現します。
そういう意味でかなり細かく作り込んでいます。

音楽:
サントラは低域をメインに置いた曲調で、サラウンドを含め包囲します。
芝居の邪魔をしませんが、アクションシーンはかなりボリュームが大きく、SE音をマスクしてしまうような作りでもあります。


サウンドデザイン(音像感と音場感含む)


未来世界の音響として人工音を良く作り込んでバランスの良い作りです。
CGが多用されていることもあり、人工的な音響の先駆け的な作りです。
移動音なども要所であります。
環境音(バーでの喧噪音など)や芝居音(衣ずれとか足音とか)はあまりありません。


サラウンド(移動感含む)


音楽がサラウンドで活用されています。
要所でのSE音や効果音などはサラウンドを活用しています。
芝居部分はあまり出番はありませんがほとんど全編アクションシーンで、音楽と共に常に鳴っています。



クオリティ・レビュー詳細



★総合クオリティ     :87点

(Blu-rayお勧めレベルは85点以上)
(1〜100点)


★映像クオリティ     :83点

(Blu-rayお勧めレベルは85点以上)
(1〜100点)



 解像感        :89点
 ノイズ感       :80点
 鮮度感        :82点
 階調性・コントラスト :87点
 カラー        :79点





★音声クオリティ     :90点

(Blu-rayお勧めレベルは85点以上)
(1〜100点)



 ダイナミックレンジ  :92点
 (音域バランス)
 瞬発力・量感     :87点
 (キレと強さ)
 情報量        :93点
 (台詞、SE音、音楽)
 サウンドデザイン   :86点
 (オリジナルとメディア化)
 サラウンド      :93点
 (移動感含む)





レビュー基準についてはこちらInternal_Link_15px.png




商品ソフト紹介


【ブルーレイ】
アイ,ロボット [Blu-ray]
by カエレバ

Bright_green_checkbox-checked_10px.png タワーレコードで調べる
Bright_green_checkbox-checked_10px.png eBEST(イーベスト)で調べる
Bright_green_checkbox-checked_10px.png ECカレントで調べる
Bright_green_checkbox-checked_10px.png ヤマダウェブコムで調べる
Bright_green_checkbox-checked_10px.png ヤマダモールで調べる
Bright_green_checkbox-checked_10px.pngノジマオンラインで調べる



【DVD】
アイ,ロボット [DVD]
by カエレバ

Bright_green_checkbox-checked_10px.png タワーレコードで調べる
Bright_green_checkbox-checked_10px.png eBEST(イーベスト)で調べる
Bright_green_checkbox-checked_10px.png ECカレントで調べる
Bright_green_checkbox-checked_10px.png ヤマダウェブコムで調べる
Bright_green_checkbox-checked_10px.png ヤマダモールで調べる
Bright_green_checkbox-checked_10px.pngノジマオンラインで調べる


【オンライン】
アイ,ロボット (字幕版)
by カエレバ




関連記事




armageddon_BD_100px.jpg【ブルーレイ映画ソフトレビュー】

アルマゲドン
ARMAGEDDON

【新マスターですが、普通の映像クオリティ】
【切れ味抜群の中高域で楽しいサウンド】
コピーライトマーク 1998 Buena Vista Home Entertainment,Inc. All Rights Reserved.


オブリビオン_100px.jpg【ブルーレイ映画ソフトレビュー】

オブリビオン
OBLIVION

・精細な高クオリティHD映像
・脳裏に焼き付くドローンの完璧なサウンド
コピーライトマーク 2014 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.


ゼログラビティ_100px.jpg【ブルーレイ映画ソフトレビュー】

ゼロ・グラビティ
GRAVITY

・フィルムと2.8Kマスタ素材のはずが・・・画質はワーナー印???
・思ったほどの音が・・・
コピーライトマーク 2014 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.


トゥモローランド_100px.jpg【ブルーレイ映画ソフトレビュー】

トゥモローランド
TOMORROWLAND


【最高峰撮影機材による4Kマスターを使った高画質映像】
【高音質なアトラクション・マルチチャンネル音声】
コピーライトマーク Disney


ブレードランナー2049_100px.jpg【ブルーレイ映画ソフトレビュー】

ブレードランナー 2049
Blade Runner 2049

【精細なタッチで描く高画質な世界観】
【音楽が主役の音場デザイン】
コピーライトマーク 2017 Alcon Entertainment, LLC. All Rights Reserved.


ARRIVAL_100px.jpg【ブルーレイ映画ソフトレビュー】

メッセージ
Arrival

【日本に届いたマスターの出来が悪かったと思われる暗い画質】
【音楽と宇宙人の音が主役の高音質音声】
コピーライトマーク 2016 Xenolinguistics, LLC. All Rights Reserved.


VPL-VW535_100px.jpg【プロジェクター・レビュー】
プロジェクター
SONY
VPL-VW535
コピーライトマーク 2016 Sony Corporation, Sony Marketing Inc. All rights reserved.


VPL-VW515_100px.jpg【プロジェクター・レビュー】
4Kプロジェクター
SONY
VPL-VW515
コピーライトマーク 2015 Sony Corporation, Sony Marketing Inc. All rights reserved.


OPPO1_100px.jpg【ブルーレイプレーヤー・レビュー】

オッポ / OPPO

BDP-105D JAPAN LIMITED


コピーライトマーク OPPO Digital Japan株式会社 All Rights Reserved.


500_panasonicuhdblu-rayplayer-ub9000-left_100px.jpg【ご紹介】
4K Ultra HDプレーヤー 
Panasonic
DP-UB9000
 発表
コピーライトマーク 2018 Panasonic UK & Ireland


映画ブルーレイ・リスト

リストバー_400px.jpgInternal_Link_15px.png




映画ブルーレイ・ランキング

リストバー_400px.jpgInternal_Link_15px.png






【ハイレゾ音源を探すなら】

【ハイレゾ音源をレコード会社直営で探すなら】

【eBay:日本発送可能な安い輸入盤を探すなら】
BNNNTY_Multi_Cat_468x60.jpg
【セカイモン:eBayの日本語仲介サイト】

【JBL公式通販サイト】


【サウンドバー】



【USB-DAC】



【アクティブ・スピーカー】



2018年02月26日

【ブルーレイ映画ソフトレビュー】トゥモローランド / TOMORROWLAND (動画付)

記事一覧TOP > 映画ブルーレイリスト > 【ブルーレイ映画ソフトレビュー】トゥモローランド / TOMORROWLAND (動画付)


レーティングはGで、小学生の子供と観て楽しめるディズニー映画です。
興業成績は振るわず、ディズニー作品でも知名度がほぼないようです。
専門誌でもほぼ取り上げることのない影のハイクオリティ作品です。
コンテンツ(話など)が良いかどうかは、視聴する人に寄りますのでここでは取り上げていません。

ブルーレイのクオリティは高く、高画質かつ高音質です。
日本語音声もロスレス7.1chの数少ない作品です。



コピーライトマーク Disney


ブルーレイ評価

映像97.jpg音質98.jpg






公式動画


『トゥモローランド』MovieNEX予告編

(ディズニー公式)



ソフト情報



■リリース:
 バージョン:MovieNEX (ブルーレイ+DVD+デジタルコピー(クラウド対応)+MovieNEXワールド)
 発売:ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン
 時間:130 min
 レーティング:G(日本) / PG(米国)
 制作年:2015年
 発売日:2015年10月7日

■映像:
 コーデック: MPEG-4 AVC 23.976Hz
 解像度: 1080p
 アスペクト: 2.20:1(スコープサイズ)
 ※Web販売サイトの中に、1.78:1(ビスタ)表記があるところがありますが、実際はスコープサイズです。
 ※本作はちょっと変わった変形スコープサイズで制作者の意図でそうなっています。

■オーディオ:
 英語:DTS-HD Master Audio 7.1ch 48kHz 24bit
 日本語:DTS-HD Master Audio 7.1ch 48kHz 24bit

■字幕:
 日本語、英語、日本語吹替用

■ディスク:
 Blu-ray Disc 1枚
 片面2層 (BD-50GB)
 +DVD DISK 1枚

■リージョン:
 Region A

■平均ビットレート(おおよそ)
(MPEG-4 H.264上限:54Mbps)
(MPEG-4 MVC上限:66Mbps)
:41Mbps前後

■撮影カメラ:
 ソニー CineAlta F65, Zeiss Master Prime and Fujinon Premier Lenses
 ソニー CineAlta PMW-F55, Zeiss Master Prime and Fujinon Premier Lenses
 ※CineAltaは、総画素数2,000万画素の8K単板CMOSイメージセンサーを搭載したハイエンドカメラです。
 ※ツァイス マスタープライムレンズは、焦点距離が複数ラインナップされた絞り開放値T1.3の単焦点レンズの最高峰と言われるレンズです。

■映像マスタ:
 撮影マスタ・フォーマット:F55 RAW (4K) 、F65 RAW (4K)
 DI(Digital Intermediate):4K
 ※Dolby Vision対応
 映画マスター:AXSM 、SRMemory
 
■映像マスタリング(DI(Digital Intermediate)、マスタリング):
 Codex(撮影マスタ・レコーディング)
 ※Codexのマスタ保存はLTOテープですが高品位で知られています。
 Deluxe Digital Cinema(ポストプロダクション、デジタルシネマ・マスタリング)
 Company 3(DI)

■音響:
 Dolby Digital、Datasat、Dolby Atmos、IMAX 6-Track (IMAX version)、Dolby Surround 7.1、Sonics-DDP、12-Track Digital Sound、Auro 11.1

■音響スタジオ(Sound Mix / Re-recording)(サウンドトラック除く):
 Skywalker Sound(サウンド・ポストプロダクション)

■制作背景
・制作予算:約190億円 /100円換算
・世界興行収入:209億円 /100円換算
※一般的にアメリカ単独の興行収入が製作費を超えたかどうかが、成功か失敗か評価されるようで、アメリカでの興行成績は93億円 /100円換算で失敗作でした。
 2010〜15年のハリウッド映画赤字ランキングの8位です。
・撮影:スペイン、アメリカ(フロリダ、カリフォルニア、ニューヨーク)、カナダ、フランス、バハマ

■賞:
17の賞にノミネート、2つの賞を受賞しています。




公式動画


「トゥモローランド」MovieNEXボーナスコンテンツ映像:ブリット・ロバートソン 撮影の舞台裏

(ディズニー・スタジオ公式)


キャスト情報



■監督:
ブラッド・バード / Brad Bird


■出演者:
ジョージ・クルーニー / George Clooney

ブリット・ロバートソン / Britt Robertson External_Link_15px.png

ヒュー・ローリー / Hugh Laurie External_Link_15px.png



映像クオリティ・レビュー総評





【画質】

最高峰撮影機材による4Kマスターを使った高画質映像






ブルーレイ映像マスタ



映画マスターは4KのAXSM 、SRMemoryで、ブルーレイマスターはそこから2Kにダウンコンバートされたもの。
恐らく、日本版のマスターもメモリーに記録されたものと思われます。

撮影マスターは4KのF55 RAW 、F65 RAWで、DIも4Kです。
撮影からDIまで全て4Kで、品位が落ちる編集プロセスを経ていない上、丁寧に映画マスターを作ったものと思われます。
HDテープに見られる悪い要素が感じられないため、日本版のブルーレイマスターはメモリーカードだと思います。
さらに、日本でのエンコードも良いです。
意外と、この当たり前のような手順を踏んだ品位が落ちないマスター化は、希少です。


解像感


8KのCMOSイメージセンサーを搭載したハイエンドカメラCineAltaによる4K撮影と、絞り開放値T1.3の明るい最高峰単焦点レンズであるツァイス マスタープライムレンズで撮影された映像は、克明です。
解像感や描写力はどのシーンでも一定するものの、被写体との撮影距離によって解像感の描写が変わります。
当然、人間の目と同じで被写体に近いほど解像感は上がります。
こういった解像感はそのままソフトに反映されていて、通常のシーンでも克明に正確な表現をして、アップでの描写力はすごいです。
カメラとレンズのすごさが映像にそのまま表れている希少な映像です。
精細感ではなく、クッキリとした解像感で迫ってきます。
それが画面のどこでも同じで描写が甘いところはありません。


ノイズ感


デジタル撮影ですので、ほぼノイズはありません。
また当然ですが、テープによるノイズもありません。
エンコード圧縮に伴うデジタルノイズもないと言っても良いくらいです。
120インチスクリーンに近づくとピクセルレベルのざわつきはありますが、普通の視聴距離では暗部でも気になることはありません。


鮮度感


既視感がありリアルです。
ただリアルというより、フレームレートをプログレッシブにしているため、映画的な見え方もします。
その場にいるようなリアルさではなく、映画的で動画写真(連続写真)を見ているようなピントがくっきりした克明さがあります。
解像感や精細感を押し出すような見え方はしないのですが、洋服のスウェード生地の質感までしっかりと描写する克明さは人間の目で見ているものと同等です。


階調性・コントラスト


コントラストも目で見たままの世界で、高いとか低いとかそういう感覚はありません。
まあ、配光やセットの照明などで少し暗いとか色温度が高いとか日常生活では感じないようなシーンはありますが、そこは意図された撮影であり、映画の世界です。
圧縮とかの関係ではありません。
階調性は明るい部分から影になるところで少し詰まる感じがあります。
単焦点レンズで人物をバストショットで捉えるシーンが多いため、背景ボケは多く、どことなくマイルドな世界観の表現です。
写真撮影が趣味の人はわかると思いますが、ポートレート撮影方法がメインだということです。


カラー


色調はカラーグレーディングによって使い分けられていますが、ちょっと色温度は高めで渋めです。
パリやバハマといった撮影地では、色温度は低く濃密です。
全体的なトーンはグレーがかった渋い色調ですが色滲みやかぶりはほぼありません。
後半の地球儀(らしきもの)を操作するシーンではCG全開のシーンで、ちょっと色が今一つですがそこくらいです。
よく暗部や顔の影部分に赤や緑の擬似色やにじみがあるものですが、本作は一切ありません。
ただスキントーンなどはほぼ完ぺきで不自然な色がないことがわかります。



公式動画


「トゥモローランド」MovieNEXボーナスコンテンツ映像:ラフィー・キャシディ 撮影の舞台裏

(ディズニー・スタジオ公式)





音声クオリティ・レビュー総評





【音質】

高音質なアトラクション・マルチチャンネル音声






ブルーレイ音響マスタ



映画マスターは、潤沢な制作予算を活かして、最新フォーマットを網羅しています。
実際、映画を観てから制作予算を知ったわけですが、予算に見合っているようには感じませんでしたが、映像と音声のクオリティが高い結果になっていて助かります。

スカイウォーカーサウンド謹製の手堅い高音質な作りです。
このスタジオ制作の音声が悪い場合は、よほどひどいマスター作りかエンコードをしたことになります。

ブルーレイの音声マスターは、英語も日本語でもロスレスのDTS-HD Master Audio 7.1chです。
7.1chらしいサラウンドが活躍する音響になります。
ディズニーランドに行ったことがある方はわかるかもしれませんが、アトラクションで「ミッキーのフィルハーマジック External_Link_15px.png」という3D映像とサラウンド音響を楽しむシアター形式のアトラクションがあります。
客席を360度包囲したサラウンドスピーカーがあり、天井にもかなりの数のスピーカーがあります。
スクリーンも180度弱の曲面スクリーンになっています。
画面外の音もぐるりと回ります。
またこれが高音質なので、どんなシステム構成なのか知りたくなります。
気になる方はぜひ一度体験されることをお勧めします。
かなりいい音ですよ。
そこら辺の劇場よりはるかに良い音がします。
本作はそういうアトラクション風のマルチ音声です。

映画音響をどういう好みで捉えるかによりますが、濃密な音場感というより、アトラクション音響というべきサラウンドのデモディスクにあるような作りです。
最初のスタジオオープニングの音から一聴して高音質と判ります。
チャンネルの繋がりや移動感はかなり強調されていて、サラウンドチェック用音声のようです。


ダイナミックレンジ(音域バランス)


ダイナミックレンジはちょっとピークを抑え気味にしているシーンもありますが、そこそこに広いです。
バランスは完璧で気になることはありません。


瞬発力・量感(キレと強さ)


若干マイルドな仕上げですが、これはブルーレイのマスター制作時に整音したのだと思います。
爆発音などの音声はちゃんと瞬発力もあり、量感もしっかりして重低域まであります。
芯がしっかりしていて強い音も繊細な音も良く表現します。

情報量(台詞、SE音、音楽)


台詞:
克明で描写力が良いです。
かなり実在感のあるリアル音声です。
粒々の細かい情報量がすごく、アフレコもあるでしょうが、声に引っかかりのある立体感のある音です。

SE音:
アトラクション風の作りです。
画面でしゃべっている人物はセンターchで、画面外の人物がサラウンド1ch(例えば右側サラウンドバック)でくっきりと鳴り、特定のスピーカー同士で会話しているような作りだったり、上階での足音が移動したりします。
そういう意味で高さ方向の表現もします。
オープニングのシンデレラ城のディスニーロゴから作り込んでいて、花火やロケットなどが画面から画面外に飛び抜け、サラウンドに飛んできて移動したりします。
その他、細かい音まで作り込んでいて、バッジを置く音や窓を開ける音から爆発音や飛行体の音までかなりの音を作り込んでいます。
ロケットや飛行体などの人工音もかなり強烈で、いかに音像感やリアルさ、移動感をキープして鳴らすかスピーカーだけでなく、セッティングも問われます。

音楽:
サントラは芝居の邪魔をしない作りで、音場は広く、音域も広めです。
またタイトさもあり、低域が弾みます。


サウンドデザイン(音像感と音場感含む)


よく考えられていて、こだわりが伝わってきます。
移動音などもかなり良く、サラウンド間だけの移動音など随所でアトラクション気分になります。
フロント2chもセンタースピーカーもサラウンドスピーカーも1つのスピーカーという捉え方で、フロント2chに縛られない作りです。
台詞もセンターchだけでなく、2人の人物が左右のスピーカーをつかってしゃべったり、右のスピーカーと左後方のサラウンドとしゃべったりします。
ダイポール型のサラウンドセッティングをしているとぼんやりするかもしれません。
逆に音像型のサラウンドセッティングをしていると、セリフや効果音が各スピーカーから克明に聞こえてきます。

環境音もしっかりとサラウンドを使っていて、その場にいるような感覚があります。
かといって音場感で迫ってくるわけでもありません。
銃声や物が壊れる音など芯を伴って克明に鳴ります。
音像感がかなり強い実在風のサウンドです。


サラウンド(移動感含む)


ほとんど全編で、フロント3chだけでなく、サラウンドも活躍します。
移動感が良く、画面外の音も良く描写します。
SE音や台詞がサラウンドがでこれだけ克明に鳴るソフトはかなり珍しいと思います。
スピーカーセッティングがちゃんとしていれば、サラウンドの不満はないと思います。



クオリティ・レビュー詳細



★総合クオリティ     :98点

(Blu-rayお勧めレベルは85点以上)
(1〜100点)


★映像クオリティ     :97点

(Blu-rayお勧めレベルは85点以上)
(1〜100点)



 解像感        :96点
 ノイズ感       :99点
 鮮度感        :96点
 階調性・コントラスト :97点
 カラー        :96点





★音声クオリティ     :98点

(Blu-rayお勧めレベルは85点以上)
(1〜100点)



 ダイナミックレンジ  :96点
 (音域バランス)
 瞬発力・量感     :95点
 (キレと強さ)
 情報量        :98点
 (台詞、SE音、音楽)
 サウンドデザイン   :99点
 (オリジナルとメディア化)
 サラウンド      :100点
 (移動感含む)





レビュー基準についてはこちらInternal_Link_15px.png




商品ソフト紹介


【ブルーレイ】
トゥモローランド MovieNEX [ブルーレイ+DVD+デジタルコピー(クラウド対応)+MovieNEXワールド] [Blu-ray]
by カエレバ

Bright_green_checkbox-checked_10px.png タワーレコードで調べる
Bright_green_checkbox-checked_10px.png eBEST(イーベスト)で調べる
Bright_green_checkbox-checked_10px.png ECカレントで調べる
Bright_green_checkbox-checked_10px.png U-NEXTで調べる

Bright_green_checkbox-checked_10px.pngノジマオンラインで調べる


【DVD】
DVD単独発売はありません。
時代を感じます。
※レンタルはあるようです。

【オンライン】
トゥモローランド (字幕版)
by カエレバ

Bright_green_checkbox-checked_10px.png U-NEXTで調べる





関連記事



armageddon_BD_100px.jpg【ブルーレイ映画ソフトレビュー】

アルマゲドン
ARMAGEDDON

【新マスターですが、普通の映像クオリティ】
【切れ味抜群の中高域で楽しいサウンド】
コピーライトマーク 1998 Buena Vista Home Entertainment,Inc. All Rights Reserved.


オブリビオン_100px.jpg【ブルーレイ映画ソフトレビュー】

オブリビオン
OBLIVION

・精細な高クオリティHD映像
・脳裏に焼き付くドローンの完璧なサウンド
コピーライトマーク 2014 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.


ゼログラビティ_100px.jpg【ブルーレイ映画ソフトレビュー】

ゼロ・グラビティ
GRAVITY

・フィルムと2.8Kマスタ素材のはずが・・・画質はワーナー印???
・思ったほどの音が・・・
コピーライトマーク 2014 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.


ブレードランナー2049_100px.jpg【ブルーレイ映画ソフトレビュー】

ブレードランナー 2049
Blade Runner 2049

【精細なタッチで描く高画質な世界観】
【音楽が主役の音場デザイン】
コピーライトマーク 2017 Alcon Entertainment, LLC. All Rights Reserved.


ARRIVAL_100px.jpg【ブルーレイ映画ソフトレビュー】

メッセージ
Arrival

【日本に届いたマスターの出来が悪かったと思われる暗い画質】
【音楽と宇宙人の音が主役の高音質音声】
コピーライトマーク 2016 Xenolinguistics, LLC. All Rights Reserved.


VPL-VW535_100px.jpg【プロジェクター・レビュー】
プロジェクター
SONY
VPL-VW535
コピーライトマーク 2016 Sony Corporation, Sony Marketing Inc. All rights reserved.


VPL-VW515_100px.jpg【プロジェクター・レビュー】
4Kプロジェクター
SONY
VPL-VW515
コピーライトマーク 2015 Sony Corporation, Sony Marketing Inc. All rights reserved.


OPPO1_100px.jpg【ブルーレイプレーヤー・レビュー】

オッポ / OPPO

BDP-105D JAPAN LIMITED


コピーライトマーク OPPO Digital Japan株式会社 All Rights Reserved.


500_panasonicuhdblu-rayplayer-ub9000-left_100px.jpg【ご紹介】
4K Ultra HDプレーヤー 
Panasonic
DP-UB9000
 発表
コピーライトマーク 2018 Panasonic UK & Ireland


映画ブルーレイ・リスト

リストバー_400px.jpgInternal_Link_15px.png




映画ブルーレイ・ランキング

リストバー_400px.jpgInternal_Link_15px.png






【ハイレゾ音源を探すなら】

【ハイレゾ音源をレコード会社直営で探すなら】

【eBay:日本発送可能な安い輸入盤を探すなら】
BNNNTY_Multi_Cat_468x60.jpg
【セカイモン:eBayの日本語仲介サイト】

【JBL公式通販サイト】


【AVアンプ】



【サウンドバー】


検索
最新記事
カテゴリー / サイトマップ
記事ランキング(2018年7月版)
「7月もサウンドバーとスピーカーが人気でした。最近、記事の更新ができていませんが、近いうちに再開できるよう考えています。」
  1. 1. 【スピーカー・レビュー】サウンドバー JBL BAR STUDIO
  2. 2. 【スピーカー・レビュー】スピーカー JBL 4312M II BK
  3. 3. 【ホームシアター】イマーシブオーディオについて考える
  4. 4. 【オーディオ・アクセサリー】USBメモリとハイレゾとオーディオの関係について考える
  5. 5. 【スピーカー・レビュー】スピーカー JBL 4429
  6. 6. 【スピーカー・レビュー】サウンドバー JBL CINEMA SB450
  7. 7. 【スピーカー・レビュー】サウンドバー SONY HT-ST5000
  8. 8. 【スピーカー・レビュー】スピーカー JBL STUDIO 220 BRN
  9. 9. 【アンプレビュー】ROTEL RB-1582 MK2
  10. 10. 【スピーカー・レビュー】スピーカー JBL Project K2 S9900
  11. 11. 【ご紹介】4K Ultra HDプレーヤー Panasonic DP-UB9000 発表
  12. 12. 【プロジェクター・レビュー】プロジェクター SONY VPL-VW245
  13. 13. 【スピーカー・レビュー】スピーカー JBL S4700BG / S4700
  14. 14. 【オーディオ・アクセサリー・レビュー】スピーカーケーブル ゾノトーン / Zonotone:6NSP-Granster 5500α
プロフィール
オーディオとシアターの管理人さんの画像
オーディオとシアターの管理人
オーディオとホームシアターが三度の飯より好きなアラフィフ管理人です。どちらかと言えばホームシアターのほうがオーディオより好きです。映画ソフトはかなりたくさん観てきましたので、機器だけではなくソフトのクオリティ・レビューも気ままにしていきたいと考えてます。機材検討やソフト購入検討のお役に立てれば幸いです。
プロフィール
日別アーカイブ
にほんブログ村 にほんブログ村 PC家電ブログ オーディオへ
にほんブログ村 にほんブログ村 音楽ブログ 音響へ
にほんブログ村 にほんブログ村 音楽ブログ CDレビューへ

人気ブログランキング
人気ブログランキング
FC2ブログランキング
【他のサイトのブログを見るなら】
QRコード
RSS取得
プライバシーポリシー