2015 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. VILLAGE ROADHSOW FILMS (BVI) LIMITED AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC.
ソフト情報
■リリース:
発売:ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント
時間:114 min
レーティング:G(日本) / PG-13(米国)
制作年:2015年
発売日:2016年6月22日
■映像:
コーデック: MPEG-4 AVC 23.976Hz
解像度: 1080p
アスペクト: 2.35:1(シネマスコープ)
■オーディオ:
English:DTS-HD Master Audio 7.1ch 48khz
Japanese:Dolby Digital 5.1ch 48khz
■字幕:
日本語、英語、吹替用
■ディスク:
Blu-ray Disc
片面2層 (2 BD-50GB)
■リージョン:
Region Free
■最大ビットレート(おおよそ)(MPEG-4 H.264上限:54Mbps):
42Mbps
■平均ビットレート(おおよそ):
29Mbps
■映画映像マスタ:
素材:ARRIRAW (3.4K)
マスタ:Digital Intermediate (2K)
映像規格:Dolby Vision 、Panavision
■映画映像マスタリング(DI(Digital Intermediate)、マスタリング):
FotoKem Laboratory(米国)
■映画音響:
Dolby Digital、Datasat、Dolby Atmos
■映画音響スタジオ(Sound Mix / Re-recording)(サウンドトラック除く):
未表記
■制作背景
・制作予算:約110億円/100円換算
・世界興行収入:473億円/100円換算
・撮影:オーストラリア(クイーンズランド)、アメリカ(カリフォルニア)
★その他:
2つの賞を受賞し、10の賞にノミネート。
キャスト情報
■監督:ブラッド・ペイトン(キャッツ&ドッグス、センター・オブ・ジ・アース2 神秘の島など)
■出演者:
・ドウェイン・ジョンソン / Dwayne Johnson
※ブラッド・ペイトンとは3回の出演
・カーラ・グギーノ / Carla Gugino
※ドウェイン・ジョンソンとは3回の共演
・アレクサンドラ・ダダリオ / Alexandra Daddario
※ドウェイン・ジョンソンとは3回の共演
映像クオリティ・レビュー総評
【画質】 人物の解像感
■映像マスタ:
Digital Intermediate (2K)を使用していますが、元のRAWデータは3.4Kを使用しているため、2K以上のクオリティがそのまま感じられます。
フィルムで有名なFotoKem社のDIです。FotoKem社のマスタは作品により良し悪しが分かれるので、微妙な会社ですが、本作は高画質です。
■映像総評:
一見してわかる高画質HD映像です。
デジタル素材が2K以上だと2KのBDでも、たいてい高画質です。
55インチのTVではほぼ完ぺきな映像で、120インチスクリーンでも気になる点がない画質です。
劇画タッチの粗い撮影環境(日差しの強い撮影地が多い)のため、ギラギラした質感表現で精細感は控えめです。
・解像感:
120インチスクリーンを4m離れた位置から視聴していますが、クリアで解像感を伴う描写が良いです。
芝居部分の解像感がすごく、顔の毛穴や起伏がクッキリと映し出されます。
傷や流血もしっかり克明に描きますので、シーンの変化に伴い、傷や流血などがなくなってしまったりするところが判ってしまいます。
※撮影日などによってメイクが前のシーンと同じになっていない細かい要素の話です。
HD時代になり、そういう粗が判ってしまうのは制作側には酷ですね。
逆に、傷の血がなくなり(拭いて)、かさぶたと青あざに変化しているような細かい表現の発見もあったりします。
・ノイズ感:
フィルムグレインはありません。
デジタルノイズなのかちょっとわかりませんが、CG部分はちょっと暗部カラーにベタ塗り風の粗さが出ます。
一時停止をしてスクリーンに近づくと、1920×1080ピクセルの1つ程度の大きさ単位でジラジラはあります。
これは2Kの限界ですが、揺れの大きさで判断するようにしています。
本作は、あまりジラジラしない部類です。
・鮮度感:
空気感や透明感は十分です。
被害を受けた暗めのビルの室内などは、実際の汚れとは違う暗部のつぶれがあります。
屋外シーンは、空撮を含め、大変良好でカラッとした画です。
・階調性:
撮影地のカリフォルニアやオーストラリアの強い日差しですが、ハイライトは飛ばないようにうまく調整しています。
その分、少しだけトーンが暗めになっているシーンもあります。
暗部に、擬似色のような色が付いていることがあります。
チラチラしたデジカメによくあるノイズではなく、つぶれ気味に色がベタ塗りしてある感じで、デジタル特有のものかと思います。
MPEG圧縮・伸張時に起きるタイプのものではないかと思います。
・カラー:
カリフォルニアやオーストラリアの強い日差しを抑えるため、映画の輝度トーンを抑えてあります。
そのため、ちょっと曇りのような輝度になっているシーンが目につきます。
カラーグレーディングで加工し、灰色をかぶせて表現し、廃墟や煙が意識される色調です。
色調加工している関係で、色の純度は抑えめです。
スキントーンまで抑えめなので、ちょっと残念です。
公式動画
ブルーレイ&DVD『カリフォルニア・ダウン』トレーラー
音声クオリティ・レビュー総評
【音質】 怒涛の重低音と普通の芝居音声
■音響マスタ:
米国版BDは、Dolby Atmosなのですが、日本版はDTS-HDMA 7.1chです。
DVD時代からそうですが、ワーナーの日本法人は、どうもソフトリリースに関してあまりうまい取り組みはしないですね。
例えば日本語字幕や吹き替えがある米国版BDが18ドル(1,800円程度)のTVドラマが、日本法人発売で17,000円くらいになったりします。
10倍近くですね。
音声仕様が米国版より劣る内容に変更され、値段は米国より高いというデメリットしかないソフトリリースは、企業姿勢を考えてもらいたいものです。
話がそれましたが、そのようなわけで劇場公開はDolby Digital、Dolby Atmosでしたが、日本のBDだけ、わざわざ新たにDTS-HDMA7.1chを制作したことになります。
どういう意味があるか分かりかねますが、Dolby Atmosのライセンス料が高くて、日本法人がコストカットしたとしか考えにくいです。
【Dolby Atmos採用Blu-Rayディスク一覧】
■音響総評:
起伏の激しい転送レートです。
転送レートと同様に、大音量部分と情報量の少ない芝居部分と両極端です。
7.1chの良さは、その情報量と、なにより「移動感」が出ることだと思います。
耳の位置から、左右〜背後の間で、音が移動したり、フロントとの移動など表現が多く出来ています。
オーソドックスですが、ヘリコプターや航空機の効果音SEは、やはり7.1chが有利です。
本作は、それに加え、ビル崩壊やボート移動など、マルチチャンネルの出番が全編含まれているため、聞きどころ満載です。
こういったマルチチャンネルの出番に、ちゃんとしたミックスが出来ていないとがっかりしますが、本作ではそこはご心配なく。
なお、Dolby Digital日本語音声は、全くダメです。
レンジ感が狭すぎて、迫力とは無縁です。
誇張して表現すると、普通の液晶TV風の音なので、いくらボリュームを上げても迫力はなく、そもそも低域が入ってません。
恐らくTV放送用にごっそりフィルタでカットして、フロント2chはそのまま放送用に使用していると思います。
・ダイナミックレンジ(広さと偏り):
中低域寄りのバランスで、重低音がレンジ感だけでなく音量も強烈です。
通常の映画のボリューム(AVアンプのマイナス25db程度で普通は聴きますが)では、重低音が大変です。
マイナス10dbくらい絞りたくなります。
ちなみにそうすると、芝居部分は全く面白くない音(音量)になります・・・。
高域は芯があって、ギラギラに鳴ります。
重低域のレンジ感では、本作はトップの部類です。
※管理人のBDソフトではダントツに一番です。
・バランス(チャンネルと音域):
要所の音圧は強烈です。
7.1chを活かしたチャンネル配置は優秀です。
ガラスが割れるようなシーンで高域の音数が少し不足気味ですが、ヘリのプロペラ音など必要な高域要素はちゃんとあります。
・情報量(台詞、SE音、音楽):
台詞:屋外同録がメインのため情報量は多い方ではありませんが、追加アフレコをしたシーンでは克明で起伏もあります。
SE音:スタイリッシュものの映画に多い擬似効果音はなく、あくまで自然なSE音です。
ディザスター映画の王道のサウンドメイクです。
情報量はあまり多くはなく、ビルが壊れるシーンでも、多くの音が乗っている印象がないため、重低音以外はかなりあっさりしていて、冷静に聴くと物足りなさを感じます。
が、冷静に聴く前に重低音やヘリなどの音がすごいため、音数は気にならないと思います。
これはBDのせいではなく、元々映画として必要とせず、情報を入れていないためだと思われます。
音楽:ミックスがうまく、音楽が主張してきません。
帯域も広く、フロント2chを超えて表現します。
・サウンドデザイン(音像感と音場感含む):
元のデザインが、音数が少なめなのがちょっと残念。
音場感をメインに捉えたサウンドデザインです。
フロントスピーカーを超える広い音場感と前後左右にサラウンドする音響は、包囲感に包まれます。
キレキレの音像もありますので、決して音場寄りの古い映画館風の音というわけではありません。
・サラウンド(移動感含む):
チャンネルミックスは7.1chのサラウンドであるだけあって、一般的な5.1chよりは明らかにサラウンドの情報量があります。
SE音や環境音をマルチチャンネルに配置してあり音量は十分です。
移動感やキレもあり、包囲感を含め優秀なデザイン配置です。
制作側の意図としては、要所での迫力や移動感を狙っているので、芝居部分のSE音・環境音は普通です。
たいていの他BDのサラウンドと同じで環境音は少なめです。
例えば、たくさんの被災者が避難場所へ並んで移動しているようなシーンでは、がれきを踏む音や会話、誘導している人の声などがサラウンドしてほしいところですが、そういった部分はあまり作り込まれていません。
低音はかなり盛大に配置されていますので、サラウンドスピーカーがブーミーにならない解像感ある表現が出来るか、実力が求められます。
クオリティ・レビュー詳細
★総合クオリティ(1〜100点)(BDお勧めレベルは85点以上):93点
最新映画らしい解像感のあるHD映像です。
CG部分の暗部カラーに少し粗があります。
音声は、大重低音とぐるぐるのサラウンドで、マルチチャンネル堪能ソフトです。
元のミックスで、音数が配置されていれば完璧でした・・・。
(DBとしてはその素材を活かせてはいます)
★映像クオリティ(1〜100点)(BDお勧めレベルは85点以上):92点
解像感 :94点
ノイズ感 :90点
鮮度感 :90点
階調性 :96点
カラー :92点
★音声クオリティ(1〜100点)(BDお勧めレベルは85点以上):93点
ダイナミックレンジ(広さと偏り):95点
瞬発力・量感(キレと強さ) :87点
情報量(台詞、SE音、音楽) :90点
サウンドデザイン :92点
サラウンド(移動感含む) :99点
レビュー基準についてはこちら
商品ソフト紹介
カリフォルニア・ダウン [Blu-ray] | ||||
|
カリフォルニア・ダウン 3D&2D ブルーレイセット [Blu-ray] | ||||
|
【4Kのクオリティは評判が悪いですね・・・】
カリフォルニア・ダウン [4K ULTRA HD + Blu-ray] | ||||
|
関連記事
【ブルーレイ映画ソフトレビュー】 インポッシブル THE IMPOSSIBLE ・フィルムマスタの高品質版 ・とにかく痛い! |
【DVD映画ソフトレビュー】 インポッシブル The Impossible 【解像感の甘めな映像と要所の重低音サウンド】 ・痛い映像 ・痛いサウンド |
【ブルーレイ映画ソフトレビュー】 ダンテズ・ピーク Dante's Peak 【劣化したフィルムの2Kマスター映像】 【ダイナミックレンジの整理による粗い音声】 |
【DVD映画ソフトレビュー】 ダンテズ・ピーク Dante's Peak 【LDと同じマスターのビデオ映像】 【ダイナミックレンジの整理による少し浅い表現の音声】 |
ソフト・クオリティの法則? 今回は、映画関連ソフトのクオリティレビューをしていく中で気付いたことのお話しです。 |
【プロジェクター・レビュー】 プロジェクター SONY VPL-VW535 |
2015 Sony Corporation, Sony Marketing Inc. All rights reserved.
【ブルーレイプレーヤー・レビュー】 オッポ / OPPO BDP-105D JAPAN LIMITED |
【ご紹介】 4K Ultra HDプレーヤー Panasonic DP-UB9000 発表 |
【セカイモン:eBayの日本語仲介サイト】
【JBL公式通販サイト】
【AVアンプ】
【サウンドバー】
【ハイレゾ ヘッドホン】