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 右矢印1 何でも食べるな!
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FX・オリジナル手法ランキング

1. FXは上達するのか

小さなコツをいくつか覚えたって駄目です。勝てない原因をきちんと突き止めてからやり直しましょう。FXを楽しむためには「投資期間」が必要です。すぐに始めたって勝てないことは、FXに限らず、何事であれ同じなのです。だからこそ、その期間を短縮するための「方法論」が大切なのです。

 右矢印1 1-1. FXを楽しむために
   アマチュアらしく…
 右矢印1 1-2. いつか負けないはずがない!
   上手くなるまでは短期取引です
 右矢印1 1-3. 難しさの正体って何だ
   利確と損切の理解は大切です
 右矢印1 1-4. FXは上達するのか
   取引機会を絞り込むべきです
 右矢印1 1-5. 数字で掴もう
   その機会にどう臨むかです
2. 経済指標の楽しみ方

このブログで扱う取引の理想は、経済指標発表前後の反応を着実に刈り取り、ポジション保有時間を最短化してリスクを避けることです。でも、効率良く取引するにはそれなりに予備知識が必要です。大した話は紹介できませんが、基本だけは押さえておきましょう。

 右矢印1 2-1. 大きなゾウの隠れ方
   指標取引のための予備知識です
 右矢印1 2-2. ウソは嫌いだ!
   短期取引をやるときの指針です
 右矢印1 2-3. イグアナを見分ける前に
   このブログの指標取引での成績です
 右矢印1 2-4. 小ズルくいきましょう
   いわばジンクスで勝つ方法です

3. 指標取引分析手法

このブログでは経済指標への調査・分析を定型書式で行っています。定型書式を用いることで、反省を踏まえてやり方を進歩させたり、相場環境が変わったことを見つけやすくするため、です。

 右矢印1 3-1. 指標取引の予備知識
   指標発表前後の他の時間と違い
 右矢印1 3-2. ローソク足各部の名称
   全幅・値幅・跳幅とは?
 右矢印1 3-3. 4本足チャート
   このブログで使うチャート表記
 右矢印1 3-4. 反応方向の予備知識
   指標分類と反応方向の基本
 右矢印1 3-5. 取引通貨ペアの選択
   通貨ペアによる有利不利
 右矢印1 3-6. 指標分析の方法
   定量指標分析とは?
 右矢印1 3-7. 反応分析の方法
   定量反応分析とは?
 右矢印1 3-8. 分析の成績
   事前分析的中率
 右矢印1 3-9. ブレイク対応準備
   ついでに…
4. 経済指標DB

経済指標発表前後の短時間に分析期間を絞ることによって、指標への反応に一定の再現性(傾向)があることはわかりました。各国「政策決定指標」・「経済実態指標」の項に、主要な指標についての分析結果と分析事例を纏めてあります。

 右矢印1 4-0. 各国経済・通貨の特徴
 右矢印1 4-1. 日本経済
    4-1-1. 政策決定指標
     (a) 日銀短観
     (b1) 東京都区部CPI
     (b2) 全国CPI
    4-1-2. 経済実態指標
     (c) GDP一次速報
     (d) 機械受注
     (e1) 通関貿易統計
     (e2) 国際収支
 右矢印1 4-2. 米国経済
    4-2-1. 政策決定指標
     (a) FOMC
     (b1) UM消信指数速報
     (b2) CB消信指数
     (b3) ISM非製景指数
     (c1) NY連銀製景指数
     (c2) Phil連銀製景指数
     (c3) ISM製景指数
     (d1) 輸出・入物価指数
     (d2) 生産者物価指数
     (d3) 消費者物価指数
     (d4) PCEコアデフレータ
     (e1) ADP雇用統計
     (e2) 雇用統計
    4-2-2. 経済実態指標
     (a1) GDP速報値
     (a2) GDP改定値
     (a3) GDP確定値
     (b1) 小売売上高
     (b2) 個人消費・所得
     (c1) 鉱工業生産
     (c2) 耐久財受注
     (d1) 中古住宅販売件数
     (d2) 新築住宅販売件数
    4-2-3. 収支関連指標
     (a) 貿易収支
 右矢印1 4-3. 欧州経済
    4-3-1. 政策決定指標
     (a) ECB金融政策
     (c1) ZEW企業景況感調査
     (c2) 独国Ifo企業景況指数
     (c3) 独国PMI速報値
     (c4) 欧州PMI速報値
     (d) 欧州HICP速報値
    4-3-2. 経済実態指標
     (a1) 独国GDP速報値
     (b) 独国貿易統計
     (c1) 独国製造業新規受注
     (c2) 独国鉱工業生産
 右矢印1 4-4. 英国経済
    4-4-0. 英国経済指標反応要点
    4-4-1. 政策決定指標
     (a) BOE金融政策
     (c1) PMI速報値
     (c2) 製造業PMI改定値
     (c3) サービス業PMI改定値
     (d) 物価統計
     (e) 雇用統計
    4-4-2. 経済実態指標
     (a1) 月次GDP
     (a2) 四半期GDP速報値
     (b) 小売売上高指数
     (c) 鉱工業生産指数
     (d) 貿易収支
 右矢印1 4-5. 豪州・NZ経済
    4-5-1. 政策決定指標
     (a) RBA金融政策
     (b) RBNZ金融政策
     (c1) NAB企業景況感指数
     (c2) WP消費者信頼感指数
     (d1) 四半期住宅価格指数
     (d2) 四半期生産者物価指数
     (d3) 四半期消費者物価指数
     (e1) 賃金指数
     (e2) ANZ求人広告件数
     (e3) 雇用統計
    4-5-2. 経済実態指標
     (a) 四半期GDP
     (b) 貿易収支
     (c) 小売売上高
     (d1) 住宅ローン件数
     (d2) 建設許可件数

ーーーーーーーー
【FX会社】
各社特徴があります。最初は資金にも限りがあるでしょうから1つの口座で、慣れたらいくつか口座を開いて自分が使いやすい会社を選ぶと良いでしょう。
ーーーーーーーー

DMM.com証券

FX口座数国内第1位はTVCMで有名。主要通貨のスワップポイントが高く、ドル円スプレッドも原則0.3銭と安い。2万円のキャッシュバック条件は、10万円入金+PC・スマホで3か月各500枚(週毎に各約40枚)の取引と意外に簡単!


ヒロセ通商

他社乗換ほか、キャッシュバックプログラム多数。スプレッドは、クロス円でUSD・EUR・NZDが有利、ドルストレートでEUR・GBP・AUDが有利。最小取引は1000通貨単位で初心者に優しい。スワップが良い会社です。


マトリックストレーダー

キャッシュバック条件はヒロセ通商と同じようです。特長は、スキャルピングOK公言・1日の取引上限なし・1000通貨単位取引可、といった点。


OANDA Japan

MT4業者はスプレッドが狭くても約定力が低い業者が多いなか、約定拒否なしが魅力。またHPの各種分析図表が美しく、あちこちのブログで引用されています。本ブログでは他人の著作物転載はしていないので、お見せできません。一度ご覧ください。


外為ファイネスト証券

特徴は、MT4最狭水準のスプレッド、EA利用可、指値制限なし、MT4サーバ国内設定、1000通貨取引可、です。

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ランキングサイトに登録すると、やっぱりランキングは気になります。でもせっかくだから、他の人の記事もご覧ください。



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2017年08月15日

イエティはいるのか(このブログの内容です)

我々世代が子供の頃は、カナダとネパールにはイエティ(雪男)がいる、と信じられていました(一部で)。そういう写真があったのです。
ところが、画像解析技術の進歩で、写真の雪男にチャックが付いていたことが判明したそうです。けれども、雪男が何か着ていた可能性は、まだ全く否定されていません。驚くべきことに、雪の日にTシャツに短パンで騒いでいた、という目撃談さえカナダではSNSで報告されているぐらいです(本当です)。

さて、そもそもトレンドなんて存在しないという学説が確かあったはずです。ですが、有用だからトレンドの存在は信じられています。
同様に、このブログで薦めている取引手法は、過去に現在と近い状況があれば、現在も過去と同じような現象が起きがちだ、という仮説に基づいています。ごく一部の例外的な経済指標を除けば、この再現性はアテにできます。雪男と同様、存在を信じてたら姿が見えるのかも知れませんね。
だから、もしこのブログのせいで「風説の流布」で捕まるようなことになったら、それはきっとここに挙げた雪男の話のせいでしょう。

でも、きっといます(雪男の話です)。
ネパールの寺院では、大事に保存されている頭の皮と手の骨を私は見たのです。何で頭の皮なのか不思議だったし、何でこんな暗い部屋で見せるのか不思議でした。でも、お布施を払うと「これだ」と見せてくれたのです。本当は「これだ」と言ったかどうかわからないけれど、もしも何か動物のモノで騙したのなら、わざわざ見に来たのにあいつだけは許せない。

ietie.png

で、経済指標発表前後のチャートは、個々に見ても特徴が良くわかりません。多くの指標解説記事やFX会社の経済指標カレンダーで、その指標の重要度や注目度がわかっていても、取引で勝てる訳じゃありません。
どっちにどれぐらい反応するのか(方向と程度と持続時間)と言った影響力や、今回の発表ではどうなのかと言った予想を知りたいのです。

影響力や予想を知るためには、
@ 市場予想と前回結果と発表結果の大小関係と、チャートの上下動の方向と程度と持続時間の関係、
A 指標発表前後のレートとレジスタンスやサポートの位置関係やその日のトレンド方向、
B 金利や株価なども含めた他の指標との関係、
を事前に押さえておく必要があります。

指標発表時刻を挟んだ短期間は@>A>Bの順、ある期間を超えると@<A<Bの順に影響します。時間を遡るにつれて、あるいは、時間が経つにつれて、チャートの変化は複雑化し、過去を調べても一貫した傾向が見出せなくなります。
ここで、@とAは経済や金融の専門家でなくFXを始めたばかりでも調べられる、ということは注目に値します。

チャートの変化が大きいこの時間帯の取引のコツを掴みましょう。
コツと言っても、
⑴ 予め過去の傾向を把握しておき、その通りの動きをしていたら取引し、
⑵ 指標の影響持続時間が限られているため深追いはせず、
⑶ きちんと取引記録をつけて、今後どうするかを決める(得意な指標で取引を続け、苦手な指標は克服するか取引を避けるかどうか決める)
しかありません。

⑴のために参考となるデータを纏める、というのがこのブログの内容です。
データが示す過去の傾向通りになることは、ざっくり60〜80%です。予めその点をご了承頂ければ、私のことを「こいつだけは許せない」ということにはならないはずです。
以上



「お通」を見送る顔(内容の補足です)

お通はいつも襖を閉めて一人で着物を織っていました。古い時代です。冬は家の中に居てもとても寒く、羽で織られた着物は温かいので、とても重宝されたことでしょう。

「わたしが着物を織っているときは」とお通は言っていました。「決して中を見ないでください」
それなのに、主人は好奇心のあまり、つい襖を少し開けて覗いてしまいました。すると、鶴が手を休め、こちらを見ていたのです。

「行かないでくれ」と主人は頼みました。でも、お通=鶴の意思は固く、飛んで行きました。鶴の表情なんてわからないけれど、主人には飛び立つ直前の鶴の顔がお通に見えました。でも、いつものお通の表情は知っていたのに、そのときのお通の表情はわからなかったのです。

でも何で、お通は正体がバレたら去っていったのでしょう。
きっと、鶴の姿を人間に見られてしまうと、もう人間に化けることができなくなるからです。
では何で、正体が鶴だとバレたら、もう人間に化けられなくなるのでしょう。
きっと、人間に化けて盗みをやって鶴に戻って飛んで逃げてくるように、人間に強要されてしまうかも知れないからです。

cranepark05.jpg

相場に参加することに決めたからには、最悪のことを想定しておきましょう。
最悪のことを想定していたのに、資金を一挙に失うなんてきっと想定が甘いに違いないのです。

数分で数10pipsもの急変が起きると、FX会社によってはレート配信が止まり、損切すらできなくなることがあります。
レートが配信されていても、スプレッドが日頃の10倍、ひどいFX会社は数10倍まで開くことさえあります。
ざっと挙げるだけでも、

  • 2015年1月15日、スイス中銀による対EUR防衛ライン撤廃発表時のEUR急落(スイスフランショック)
  • 2015年8月11日、中国中銀による人民元の対USD切り下げによる混乱(チャイナショック)
  • 2015年8月24日、南アZARJPYの週明け急落
  • 2016年6月23日、英国のEU離脱是非を問う国民投票結果発表時のGBP急落(ブリグジットショック)
  • 2016年11月9日、米大統領選でトランプ当選による混乱(トランプショック)
  • 2017年4月23日、仏大統領選極右候補善戦時の週明けEUR窓開け
  • 2018年8月10日、トルコリラショック時の流動性不足による窓開け暴落
  • 2019年1月3日、ミセスワタナベ狩りと見られるAUD急落
  • 2020年3月9日、コロナ禍による欧米都市のロックダウン発表等による混乱(コロナショック)

のように、そういうことが毎年起きているのです。

それらの相場急変が起きたときに、値動きと反対ポジションをもっていたアマチュアは、一撃でほぼ資金を失いました。
そんな事態を避けるためには、ポジション保有時間を短くするしかありません。

このブログで紹介する取引は次のように決めています。

  • 取引を行うのは、指標発表前に取引方針を示したとき、指標発表前後各10分程度(それ以外の取引を紹介したときは判定外取引の位置づけ)
  • レバレッジは25倍に固定
  • 準備資金は、毎年、年初GBPJPY1枚の10倍を用意
  • 原則、損切は狙っていた利確幅と同じにする
  • ポジション規模は、指標発表国との円クロス通貨ペア1枚(年初時点でのGBPJPY1枚は準備資金の1/10)
  • ポジション保有時間は、原則、指標発表前後各10分以下

たかだか指標発表前後各10分ぐらい(取引時間20分ぐらい)、チャートから目を離さずに済むでしょう。
もちろん、その前の20分は予習(時間軸の長いチャートでのトレンドやレジスタンス/サポートの確認)と、その後の20分は反省(上達には必須)です。
1指標当たり所要1時間、といったところです。

指標発表時は値動きがあるので、何もないときよりも短時間で稼げます(損します)。
こういう指標取引を1年に100回もやって、勝率が70%ぐらいになれば、それだけで十分な運用益は得られます。
一方、指標取引は危ない、という声なら、私も知っています。
でも私は、年に1・2度しか起きないことのため対処方法がないリスクより、発表日時が決まっており事前分析も容易で第三者による解説記事も多い指標取引の方を、初心者やアマチュアには勧めています。

ーーー$€¥£A$ーーー

このブログの読者の方々が、誰もお通を見送るような顔をしなくてすみますように!
以上

タグ:リスク回避

モストアンラッキー (このブログの謝罪です)

経済指標発表前後の取引では、過去の傾向通りになることが60〜80%という事象が多いものです。でも確率上の問題を扱う以上、続けざまに分析が外れる日だってあります。

syazaia.png

かつて若い頃、とある途上国に行ったときのことです。
日暮れ頃になると、ホテルなどない奥地だったので、民家に頼んで泊めてもらいました。そういう奥地では、そういうことがしょっちゅうあるらしく、来客用のベッドも用意されていました。
ワラのベッドでした。

ワラのベッドなんて「アルプスの少女ハイジ」ぐらいでしか見たことがありません。でも、そこに寝ると身体中が虫に刺されてしまいました。私はハイジみたいにぷっくりした体形になって医者に行きました。ハイジと違って、身体中が腫れ上がってもう血だらけでした。

医者のいる集落までは2日歩きました。
私の腫れを見た医者は「モスト・アンラッキー」と言いました。ついて来た友人が「さいてー」と呟いたのが聞こえました。そんなニュアンスじゃなかったはずです。私はそのとき病気だったから、とてもナーヴァスでした。もっとずっと遠くで悪く言われたって、きっと聞き取れたはずです。

けれども、その医者はちっともナーヴァスな治療をしてくれませんでした。虫に刺されたところを、片っ端から思い切りよくサクっと切って膿を出し始めたのです。思わず「あっ」って声を出しました。そのときです。「声を出したら日本男子の恥だろう」と友人が冷たく言ったのです。

医者は医者で馬鹿でした。半分ぐらい治療が進んだときに、痛い?って私に訊いたのです。でも彼は訊く相手を間違っていました。向こうに座っている友人に訊けよ。あんなことを言ったくせに治療を見ているだけで身もだえしていたのです。
お前は痛くないだろう。

だからあのとき、もし3つの願いを叶える天使が来てくれていたら、ワラを干さない民家のおやじと、無茶な治療をしながら馬鹿なことを聞く医者と、あっちで関係なく身もだえしているアホウとを、1発ずつ殴って来いと命じたことでしょう。うっかり自分の身体を治すのを忘れてしまって、大損するところでした。
もちろん、医者に来る前に現れなかった天使は、元気になってから私が殴っていたはずです。

ーーー$€¥£A$ーーー

それで何の話かと言うと、モスト・アンラッキーで片っ端から分析が外れることだってあります。それなのに偉そうな記事を書いていると、殴られそうな気がします。
だから、個別の分析記事を読み始める前に言い訳なしに予め謝っておきます。
身もだえするぐらい分析を外したときは、申し訳なくて身もだえてしているのです。
以上



2017年08月14日

英国物価指標発表前後のGBPJPY反応分析(2017年8月15日17:30発表結果検証済)

以下、「T.指標予想要点」「U.過去調査詳細」を事前投稿し、「V.発表結果検証」を事後投稿しています。ブログの日付は事前投稿日となっています。指標発表後に事後投稿し、その日時は「V.発表結果検証」のタイトル行付近に記載しています。

T.指標予想要点

2017年8月15日17:30に英国物価指標が発表されます。発表される物価指標は「CPI(消費者物価指数)」「RPI(小売物価指数)」「PPI(生産者物価指数)」です。いずれも今回発表は2017年7月分の集計結果です。

今回の市場予想と前回結果は次の通りです。市場予想は本記事作成時点の値です。

1707英国物価指標110.png


※ 本稿は8月14日に記しています。市場予想は発表直前に確認しておきましょう。
※ 黄色欄は、後述する事前差異判別式の変数と解です。
誤記がありました。事前差異判別結果は「-2.4」ではなく「−0.4」です。

本指標の特徴は以下の通りです。

  • 過去の傾向では、CPI>RPI>PPIの順に反応に影響しがちです。また、前年比>前月比、総合>コア、の順に影響しがちです。
  • 発表結果と市場予想との差異(事後差異)と指標発表直後1分足の反応方向への一致率は92%と高く、結果の良し悪しに素直に反応します。
    この事後差異判別式は、全項目の発表結果ー市場予想を単純に全て足し合わせて求めています。
  • がしかし、指標発表直後こそ素直にかなり大きく反応しがちなものの、発表から1分を経過すると直後1分足と同じ方向に反応を伸ばしたことが31%しかありません。あまり追撃には適していない指標だと言えます。


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今回発表に対する調査・分析結果を以下に一覧します。

  • 指標結果の予想は難しいものの、CPI前年比の結果によって以下の反応になると予想しています。
    (1) もしCPI前年比が3%を超えるなら、最初は陽線側に大きく跳ねても、その後は大きな上下動で反応する、と予想します。
    (2) もし2.7%以上3%未満なら平均より小さな陽線で反応する、と予想します。そしてどこかで陰線側に転じます。
    (3) もし2.6%以下2.3%以上ならば、平均より小さな陰線で反応する、と予想します。
    (4) もし2.2%以下ならば、平均より大きな陰線で反応する、と予想します。

  • 過去のローソク足の特徴は以下の通りです。
    (1) たまに(頻度17%)直前10-1分足跳幅が20pips以上となることがあります。過去の傾向では、このとき直後1分足は、同じ方向に反応する可能性があります(期待的中率80%)。但し、そうした場合に直後1分足が大きく反応することを示唆している訳ではありません。
    (2) しばしば(頻度27%)直前1分足の反応が10pips以上動くことがあります。普通、直前1分足が10pipsも動くと慌てるものです。がしかし、決してそうした動きに釣られてはいけません。こうした動きは指標発表直後1分足の反応程度や方向とは関係ありません。

  • 定型分析の結論は次の通りです。
    (1) 反応性分析の結論は以下の通りです。
    直後1分足と直後11分足との方向一致率は62%と、あまりアテに出来ない数字です。そして、指標発表から1分を経過すると、直後1分足終値を超えて直後11分足終値が伸びていたことは31%しかありません。
    この数字では、順張り追撃を勧められません。むしろ、直後1分足終値が付いた時点で逆張りした方が良さそうな数字です。もちろん、逆張りは勧められません。
    (2) 反応一致性分析の結論は、以下の通りです。
    直前10-1分足は陽線率が73%、直前1分足は陰線率が81%と、指標発表前のローソク足に偏りが目立ちます。
    先に形成されたローソク足が後で形成されるローソク足の方向を示唆している兆候は見受けられません。
    (3) 指標一致性分析の結論は以下の通りです。
    事前差異は、直後1分足との方向一致率が76%あります。今回の事前差異はマイナスなので、直後1分足が陰線となる期待的中率は76%です。
    事後差異と直後1分足・直後11分足との方向一致率は、それぞれ92%・77%となっています。発表結果の良し悪しには素直に反応しています。

  • 以上の調査・分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。
    (1) 直前10-1分足は陽線と見込みます。
    (2) 直前1分足は陰線と見込みます。
    (3) 発表時刻を跨いだポジションは持ちません。但し、直前10-1分足が20pips以上跳ねた場合にのみ、指標発表前に同じ方向にポジションを取って、発表直後の跳ねで利確・損切します。
    (4) もし初期反応が陰線なら、早期追撃参加し短期利確します。
    (5) もし直後1分足が陽線なら、売ポジション取得の狙います。陽線側への追撃は行いません。

以上の詳細ないしは論拠は、以下の「T.調査・分析」に記しています。


U.過去調査詳細

公開情報や既出情報に基づく調査を行い、過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。利確・損切の目安は、過去平均値を最近の反応の大小と見比べて感覚的に微修正しています。

【1. 指標概要】

他の主要国では、CPI・RPI・PPIは別々に発表されます。が、英国は一度に発表しています。

CPIは、消費者の製品・サービス購入価格を指数化した指標で、どの国でも最重視されています。英国は年2%のインフレ目標が設定されています。CPIコアは、CPIから価格変動の激しいエネルギー・食品・タバコ・アルコールを除いた数値を指しています。

RPIに含まれてCPIに含まれない対象に住宅費があります。RPIではCPIよりも数値が高くなります。RPIコアは、RPIから価格変動の激しいエネルギー・食品・タバコ・アルコールを除いた数値を指しています。英国では年金給付額が法律によってRPI規準で決定されています。

PPIはあまり大きな反応を生じないように見受けられます。

過去の傾向から言えば、CPI>RPI>PPIの順に反応に寄与し、前年比>前月比の順です。重視するCPI前年比は総合>コアと、コアが軽視(という訳じゃないでしょうけど)される点が特徴です。

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本指標に関する調査期間と、過去の反応程度・分布を下表に纏めておきます。

1707英国物価指標120.png

最も指標結果に素直に反応する直後1分足跳幅は、過去平均で30pipsです。平均の半分しか反応しなくても15pipsで、過去発表時の90%はこの15pipsを超えています。かなり大きく反応しがちなので、指標発表時刻を跨いでポジションを持つことは慎重でなければいけません。


【2. 既出情報
(2-1. 過去情報)

過去の発表結果と市場予想を下図に一覧します。
下図は発表結果と市場予想をプロットしています。市場予想は発表直前の値をプロットし、発表結果は後に修正値が発表されても定時発表値のままをプロットしています。

1707英国物価指標210.png

1707英国物価指標220.png

1707英国物価指標230.png

項目が多すぎて、ポイントを絞るのが面倒です。

注目すべき点は、どの項目にせよ前年比が右上がりで推移しており、そろそろその右上がりが頭打ちになっている、という点です。少し前までは、このグラフが右上がりだからこそ、BOEの利上げがそろそろと話題に挙がっていました。そして、直近ではその右上がりが頭打ちになって下降に転じた気配があるからこそ、利上げを急がなくても良いのではないか、という話が挙がっています。

ここからはCPIに限った話です。

もし今回「やはり利上げは早い」と思わせるためには、前回同値で構いません。4-6月期成長率速報値が1-3月期より鈍化しているので、同値ならば「それでも利上げを」という話になりません。現状認識の追認ですから、平均以下の陰線で反応する、と予想されます。
平均以上の陰線で反応するためには、もう利上げどころではない、というグラフになる必要があります。それには前回並みに低下すれば良いと考えられます。CPI前年比2.2以下なら、インフレ鈍化が加速したように見えるでしょう。

もし今回「やはり利上げが必要」と思わせるためには、上のグラフで前年比3%付近まで上昇すれば良い、と思われます。例え成長率が鈍化する兆しがあっても、利上げ以外の手段を検討してでもインフレを何とかすべき」という議論になるはずです。そう思わせる結果になれば、反応は平均より大きな陽線となるでしょう。方向性は読めても確証に欠ける話なので、やはり平均以下の陽線となるでしょう。
もし3%を超えるCPI前年比となれば、とにかくインフレを抑え込まないと、成長率鈍化がもっと加速する可能性を示唆します。例え、瞬間的に陽線側に跳ねても、この場合には解釈に迷うでしょう。激しい上下動で反応する、と推察します。

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以上の分析要点は以下の通りです。

(1) もしCPI前年比が3%を超えるなら、最初は陽線側に大きく跳ねても、その後は大きな上下動で反応する、と予想します。
(2) もし2.7%以上3%未満なら平均より小さな陽線で反応する、と予想します。
(3) もし2.6%以下2.3%以上ならば、平均より小さな陰線で反応する、と予想します。
(4) もし2.2%以下ならば、平均より大きな陰線で反応する、と予想します。


(2-2. 過去反応)

過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示します。

まず、直前10-1分足は、過去平均跳幅が14pipsです。跳幅が20pips以上だったことは過去5回(頻度17%)あります。この5回の直後1分足跳幅は25pipsで、これは直後1分足跳幅の過去全平均30pipsとほぼ同じです。そして、この5回の直前10-1分足と直後1分足の方向は4回(80%)一致しています。
つまり、直前10-1分足の反応が20pips以上のときは、直後1分足の反応方向を示唆している可能性があります。但し、そうした場合に直後1分足が大きく反応することを示唆している訳ではありません。

1707英国物価指標310.png

次に、直前1分足の過去平均跳幅は9pipsです。取引中にパッと計算しやすいように、跳幅が10pips以上だったことは過去8回(27%)あります。この8回の直後1分足跳幅の平均は29pipsで、これは過去全平均30pipsとほぼ同じです。そして、このとき直前1分足と直後1分足の方向は3回(38%)しか一致していません。
つまり、直前1分足の反応が10pips以上動いたからと言って、それが直後1分足の反応程度や方向を示唆しているとは言えません。

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直後1分足と直後11分足については、別の分析をアテにする方がよいので、詳細観察は割愛します。

1707英国物価指標330.png

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過去のローソク足の特徴を纏めると以下の通りです。

(1) たまに(頻度17%)直前10-1分足跳幅が20pips以上となることがあります。過去の傾向では、このとき直後1分足は、同じ方向に反応する可能性があります(期待的中率80%)。但し、そうした場合に直後1分足が大きく反応することを示唆している訳ではありません。

(2) しばしば(頻度27%)直前1分足の反応が10pips以上動くことがあります。普通、直前1分足が10pipsも動くと慌てるものです。がしかし、決してそうした動きに釣られてはいけません。こうした動きは指標発表直後1分足の反応程度や方向とは関係ありません。


【3. 定型分析】

反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。詳細は「反応性分析」をご参照願います。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。詳細は「反応一致性分析」をご参照願います。
指標一致性分析は、指標の前回結果と市場予想の差(事前差異)と、発表結果と市場予想の差(事後差異)と、発表結果と前回結果の差(実態差異)を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。詳細は「指標一致性分析」をご参照願います。

反応性分析の結果を下表に示します。

1707英国物価指標410.png

直後1分足と直後11分足との方向一致率は62%と、あまりアテに出来ない数字です。そして、指標発表から1分を経過すると、直後1分足終値を超えて直後11分足終値が伸びていたことは31%しかありません。
この数字では、順張り追撃を勧められません。むしろ、直後1分足終値が付いた時点で逆張りした方が良さそうな数字です。もちろん、逆張りは勧められません。

次に、反応一致性分析の結果を下表に示します。

1707英国物価指標420.png

直前10-1分足は陽線率が73%、直前1分足は陰線率が81%と、指標発表前のローソク足に偏りが目立ちます。
先に形成されたローソク足が後で形成されるローソク足の方向を示唆している兆候は見受けられません。

最後に、指標一致性分析の結果を下表に示します。

1707英国物価指標430.png

事前差異は、直後1分足との方向一致率が76%あります。今回の事前差異はマイナスなので、直後1分足が陰線となる期待的中率は76%です。
事後差異と直後1分足・直後11分足との方向一致率は、それぞれ92%・77%となっています。発表結果の良し悪しには素直に反応しています。

【4. シナリオ作成】

巻頭箇条書きのシナリオの項をご参照願います。
以上



2017年8月15日17:30発表

以下は2017年8月15日20:15頃に追記しています。
V.発表結果検証

【5. 発表結果】
(5-1. 指標結果)

本指標発表結果及び反応は次の通りでした。

1707英国物価指標510.png

注目のCPI前年比は市場予想を下回りました。とは言え、前月結果と同値です。コアCPI前年比も同様に予想を下回って前回同値で、CPI前月比は前回・予想を下回りました。
RPIは前月比・前年比・コア前年比とも予想を上回り、コアPPI前年比は前回・予想を下回りました。
発表全体としてはまちまちな結果となりましたが、重要項目のCPI前年比が予想を下回ったため、陰線で反応しました。

陰線の大きさは、直後1分足跳幅が45pips(過去平均31pips)となって、過去10%に入る大きさです。
結果は予想を下回ったとは言え、それほどの乖離でもありません。おそらく直前10-1分足が25pipsも跳ねる陽線となっていたので、今回の直後1分足跳幅45pipsは、差し引き20pips程度の陰線、といったところなのでしょう。

(5-2. 取引結果)

取引結果は次の通りでした。

1707英国物価指標520.png

分析が外れた発表時刻を跨いだポジションが大きな損切となりました。まぁ、こんなこともあります。

【6. 分析検証】
(6-1. 分析検証)

事前調査分析内容を以下に検証します。

  • 過去の傾向では、CPI>RPI>PPIの順に反応に影響しがちです。また、前年比>前月比、総合>コア、の順に影響しがちです。
    今回の結果を検証すると、CPI>RPIの関係のみ確認できました。

  • 過去の傾向では、発表結果と市場予想との差異(事後差異)と指標発表直後1分足の反応方向への一致率は92%と高く、結果の良し悪しに素直に反応します。
    この事後差異判別式は、全項目の発表結果ー市場予想を単純に全て足し合わせて求めています。
    今回の結果は事後差異判別式が0で、この関係が成立していません。

  • 過去の傾向では、指標発表直後こそ素直にかなり大きく反応しがちなものの、発表から1分を経過すると直後1分足と同じ方向に反応を伸ばしたことが31%しかありません。あまり追撃には適していない指標だと言えます。
    今回の結果は、直後11分足が直後1分足の値幅を削りました。

(6-2. シナリオ検証)

事前準備していたシナリオを検証しておきます。

  • 直前10-1分足は陽線と見込んでいました。結果は陽線でした。

  • 直前1分足は陰線と見込んでいました。結果は陰線でした。

  • 発表時刻を跨いだポジションは持たないつもりでした。但し、直前10-1分足が20pips以上跳ねた場合にのみ、指標発表前に同じ方向にポジションを取って、発表直後の跳ねで利確・損切することにしていました。
    結果は、直前10-1分足が20pips以上陽線側に跳ねたので、指標発表直前に買ポジションを取って、まぁ大きな損切になりました。

    (4) 初期反応が陰線なら、早期追撃参加し短期利確するつもりでした。直後1分足が陽線なら、売ポジション取得の狙うつもりでした。陽線側への追撃は行わないことにしていました。
    結果は初期反応が陰線で、陰線側への追撃を行いました。
    但し、発表直前が143付近で、直後に1時間足基準線142.55のサポートを一時的に下抜け、その下の転換線142.15(更に40pips下)までもうサポートはありません。指標結果は、全体として悪い訳でもなく、最注目のCPIが僅かに市場予想を下回っただけです。
    本来なら、繰り返し追撃を行いたかったものの、損切を挽回する追撃は1回しか行えませんでした。結果的には20:00頃には、142.15付近まで値を下げました。がしかし、これは結果論です。17:30頃のポジションを20:00まで引っ張る訳にもいきません。

下表に、本ブログを始めてからの本指標シナリオでの取引成績を纏めておきます。

1707英国物価指標530.png

以上



ーーー注記ーーー

本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。

ーーー注記ーーー

本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上

独国経済指標「四半期GDP速報値」発表前後のEURJPY反応分析(2017年8月15日15:00発表結果検証済)

以下、「T.指標予想要点」「U.過去調査詳細」を事前投稿し、「V.発表結果検証」を事後投稿しています。ブログの日付は事前投稿日となっています。指標発表後に事後投稿し、その日時は「V.発表結果検証」のタイトル行付近に記載しています。

T.指標予想要点

2017年8月15日15:00に独国「四半期GDP速報値」が発表されます。今回発表は2017年4-6月期分の集計結果です。

今回の市場予想と前回結果は次の通りです。市場予想は本記事作成時点の値です。

1708独国GDP速報110.png

※ 本稿は8月13日に記しています。市場予想は発表直前に確認しておきましょう。
※ 黄色欄は、後述する事前差異判別式の変数と解です。

本指標の特徴は以下の通りです。

  • 指標結果と反応方向の関係を表す判別式は、本指標の場合、あまり一致率が高い係数を見出せません。これはおそらく、指標結果よりもそのときどきのトレンドの影響が大きいことを示唆しています。
  • 今回の発表結果は、市場予想を上回るか下回るかわかりません。でも、大丈夫です。本発表前後のトレンドの影響が、ある種のパターン化をしています。
  • 初期反応方向は指標結果の良し悪しとの一致率が69%あるものの、初期反応程度は小さい傾向があります。追撃は、早期参加でも反応方向を見極めてから参加してもよく、利確はじっくりタイミングを計ることに適しています。


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今回発表に対する調査・分析結果を以下に一覧します。

  • 指標結果の予想分析は、わからない、が結論です。一部で市場予想を下回るという予想結論もあるものの、期待的中率が低くアテには出来ません。
    (1) 過去の平均的な反応は小さく、トレンドが発生していたら反応が埋もれかねない程度です。
    (2) 各差異に対する判別式は、高い一致率を示していません。
    (3) 直後1分足反応方向への影響は、前期比>前年比、です。その前期比は、弱い市場予想後追い型となっています。前回は発表結果と市場予想が同値なので、前々回を見ると市場予想を発表結果が下回っています。よって、今回発表が市場予想を下回る期待的中率は62%です。

  • 過去のローソク足の特徴は以下の通りです。
    まれに(頻度7%)直前10-1分足跳幅が過去平均の2倍にあたる16pips以上となったり、直前1分足跳幅が8pips以上となる場合があります。がしかし、こうした過去事例では、それが直後1分足の反応程度が大きくなったということはありません。ただ、直前1分足跳幅が8pips以上となったときには、その方向が直後1分足の方向を示唆している可能性があります。

  • 定型分析の結論は次の通りです。
    (1) 反応性分析の結論は以下の通りです。
    指標発表時点から見たその後の反応が伸びる確率が高く、直後11分足終値は直後1分足終値より伸びがちです。よって、追撃は早期参加し、じっくり利確のタイミングを計ることに適した指標です。
    (2) 反応一致性分析の結論は、以下の通りです。
    直前1分足は陰線率が83%、直後1分足は陽線率が77%と、偏りが目立ちます。
    そして、直前10-1分足が陽線のとき、直前1分足が陰線(82%)、直後1分足は陽線(64%)、直後11分足は陽線(75%)、です。
    (3) 指標一致性分析の結論は以下の通りです。
    実態差異は、直前10-1分足との方向一致率が73%となっています。
    これは、直前10-1分足の方向が前期改定値を今回発表が超えるか否かを73%の期待的中率で示唆していることになります。現時点で市場予想は、前期比・前年比ともに前期改定値を上回っています。もし、直前10-1分足が陰線ならば、それは発表結果が市場予想を下回ることを意味しています。

  • 以上の調査・分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。
    (1) 直前1分足は陰線と見込みます。
    (2) 直後1分足は、直前10-1分足と同じ方向に指標発表前にポジションを取得します。発表直後の跳ねで利確・損切します。
    (3) 追撃は早期参加し、直後1分足と同方向なら反応を伸ばすのを待って利確します。
    もし直後1分足と逆方向になってしまったら、一旦決済して、直後1分足と同方向に順張り追撃します。
    いずれも損切の目安は8pipsです。

以上の詳細ないしは論拠は、以下の「T.調査・分析」に記しています。


U.過去調査詳細

公開情報や既出情報に基づく調査を行い、過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。利確・損切の目安は、過去平均値を最近の反応の大小と見比べて感覚的に微修正しています。

【1. 指標概要】

GDPの意味についての説明は不要だと思います。
独国GDPはEUの2割弱を占め、英国のEU離脱後は2割強を占めるようになります。

今では盤石とも言える独経済も10年前までは、そんなことありませんでした。1990年台は東西統一によって、失業率が高止まりしていたため内需も振るわず、EUR高で輸出も不調でした(相対的に)。改善の兆しが見え始めたのは2010年頃からで、経済好調が明確になったのは2014年頃からではないでしょうか。
このタイミングは日本とほぼ同期しています。

独経済の強みは、財政黒字・経常黒字・貿易黒字が続く見通しと、移民流入が続いているのに失業率の継続的改善が長期に亘っていることと、輸出産業基盤である中小企業の技術優位性(人材育成制度)、がよく挙げられています。
がしかし、いずれも過去にEURが安くて輸出が好調なときしか、これら強みが発揮されていません。
優れた人材育成制度がもてはやされるのは、単に日独がそういう話が好きだからです。公平に見れば、英仏の職人が日独に職人に劣る訳ではないように見受けられます。

むしろ、統計データを見る限り、独経済の基盤的特徴は、移民の失業率が低い点にあります。高齢化が進んで景気が良いのだから、納得できる話です。
でも、「雨後の縦列行進」と言って、経済が好調である限り、最後尾もそれなりに踏み固めれた道を歩けます。がしかし、ひとたび経済が悪化すると、最後尾は泥濘に足を取られながら歩くことになってしまいます。これからEURが高くなっていけば、輸出に陰りが出始めるかも知れません。そのとき、労働人口に占める移民が多い国の内需は落ち込みが半端ではありません。

常に問題ある国を加盟国に含むEUの維持こそ、EUR安が必須の独経済にとって最大の財産ではないでしょうか。EU内の交易ルールによって域内貿易でも強い点が、もしEUR高になっても以前より独経済に有利に働きます。その一方、既に移民を多く引き受けてしまった点が、域外貿易で不調になったときの更なる重石となるでしょう。
いまはまだ関係ない話ですが。

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本指標に関する調査期間と、過去の反応程度・分布を下表に纏めておきます。

1708独国GDP速報120.png

最も指標結果に素直に反応する直後1分足跳幅は、過去平均で8pipsしかありません。指標発表直後にその半分の4pipsしか跳ねなかったことも30%弱あります。


【2. 既出情報
(2-1. 過去情報)

過去の発表結果と市場予想を下図に一覧します。
下図は発表結果と市場予想をプロットしています。市場予想は発表直前の値をプロットし、発表結果は後に修正値が発表されても定時発表値のままをプロットしています。

1708独国GDP速報210.png

前期比と前年比のどちらが反応方向にどの程度影響しているのかを下表に纏めておきました。

1708独国GDP速報220.png

上表の上2行は、GDP前期比とGDP前年比を、項目毎に反応方向との一致率を求めています。これは予備計算のようなもので、この予備計算は最も反応方向との一致率が高い項目に注目しています。

上から3行目は、事前差異(市場予想ー前回結果)と直前10-1分足の方向一致率が高くなるように、各項目の係数を求めています。
この事前差異判別式は、−1✕GDP前期比事前差異ー2✕前年比事前差異、と各係数を決めると、事前差異判別式の符号(プラスが陽線・マイナスが陰線)と直前10-1分足の方向の一致率が64%となりました。

上から4行目は、事後差異(発表結果ー市場予想)と直後1分足の方向一致率が高くなるように、各項目の係数を求めています。
この事後差異判別式は、2✕GDP前期比事後差異+1✕前年比事後差異、と各係数を決めると、事後差異判別式の符号と直後1分足の方向の一致率が69%となりました。

最下段5行目は、実体差異(前回改定値結果ー市場予想)と直後11分足の方向一致率が高くなるように、各項目の係数を求めています。
この実態差異判別式は、前年比実態差異だけを用いた方が、実態差異判別式の符号と直後11分足の方向の一致率が64%と高くなります。

いずれにせよ、本指標での判別式は高い一致率を示せないことがわかりました。

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事後差異判別式の係数に基づき、前期比の推移に注目します。
前期比のグラフ推移を見ると、発表結果と市場予想の大小関係が前回と今回とで入れ替わったことが6回(38%)です。市場予想後追い型ですが、あまりアテになる期待的中率(入れ替わらなかった62%)ではありません。

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以上の分析要点は以下の通りです。

(1) 過去の平均的な反応は小さく、トレンドが発生していたら反応が埋もれかねない程度です。

(2) 各差異に対する判別式は、高い一致率を示していません。

(3) 直後1分足反応方向への影響は、前期比>前年比、です。その前期比は、弱い市場予想後追い型となっています。前回は発表結果と市場予想が同値なので、前々回を見ると市場予想を発表結果が下回っています。よって、今回発表が市場予想を下回る期待的中率は62%です。


(2-2. 過去反応)

過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示します。
本指標に関しては、2014年1-3月・2015年1-3月・2016年1-3月の3回分のローソク足データがありません。

まず、直前10-1分足は、過去平均跳幅が8pipsです。跳幅がその2倍の16pips以上だったことは過去1回(頻度7%)あります。この1回の直後1分足跳幅は8pipsで、これは直後1分足跳幅の過去全平均8pipsと同じです。そして、この4回の直前10-1分足と直後1分足の方向は一致していません。
つまり、直前10-1分足の反応が平均より少し大きく動いたからと言って、それが直後1分足の反応程度や方向を示唆しているとは言えません。

1708独国GDP速報310.png

次に、直前1分足の過去平均跳幅は4pipsです。跳幅がその2倍の8pips以上だったことは過去1回(頻度7%)あります。この1回の直後1分足跳幅の平均は10pipsで、これは直後1分足跳幅の過去全平均8pipsとほぼ同じです。このとき直前1分足と直後1分足の方向は1回(33%)一致しています。
つまり、直前1分足の反応が平均より少し大きく動いたからと言って、それが直後1分足の反応が大きくなるとは言えません。ただ、過去事例は少ない者の方向を示唆している可能性はあります。

1708独国GDP速報320.png

そして、直後1分足の過去平均跳幅は8pipsです。直後11分足は、過去平均跳幅が15pips、過去平均値幅が11pipsです。
直後1分足と直後11分足については、他の分析結果を参考にします。

1708独国GDP速報330.png

1708独国GDP速報340.png

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過去のローソク足の特徴を纏めると以下の通りです。

まれに(頻度7%)直前10-1分足跳幅が過去平均の2倍にあたる16pips以上となったり、直前1分足跳幅が8pips以上となる場合があります。がしかし、こうした過去事例では、それが直後1分足の反応程度が大きくなったということはありません。ただ、直前1分足跳幅が8pips以上となったときには、その方向が直後1分足の方向を示唆している可能性があります。


【3. 定型分析】

反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。詳細は「反応性分析」をご参照願います。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。詳細は「反応一致性分析」をご参照願います。
指標一致性分析は、指標の前期改定値結果と市場予想の差(事前差異)と、発表結果と市場予想の差(事後差異)と、発表結果と前期改定値の差(実態差異)を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。詳細は「指標一致性分析」をご参照願います。

反応性分析の結果を下表に示します。

1708独国GDP速報410.png

直後1分足と直後11分足との方向一致率は92%です。そして、その92%の方向一致時だけに注目すれば、直後1分足跳幅を、直後11分足跳幅が超えて反応を伸ばしたことは92%です。
指標発表時点から見たその後の方向一致率が高く、且つ、反応を伸ばしているのだから、指標発表後に反応方向を確認したら早期追撃です。

そして、指標発表から1分を経過しても、直後1分足終値を超えて直後11分足終値が伸びていたことが69%となっています(3回に2回以上)。
よって早期追撃で得たポジションは焦らずに長持ちしても良いでしょう。

次に、反応一致性分析の結果を下表に示します。

1708独国GDP速報420.png

直前1分足は陰線率が83%、直後1分足は陽線率が77%と、偏りが目立ちます。
直前10-1分足と直前1分足との方向一致率が18%(不一致率92%)で、直前1分足と直後11分足との方向一致率が25%(不一致率72%)です。他の分析と矛盾しないためには、直前10-1分足が陽線なら、直前1分足が陰線、直後11分足は陽線、ということになります。

最後に、指標一致性分析の結果を下表に示します。

1708独国GDP速報430.png

事後差異と直後1分足の方向一致率が69%となっています。この数字は、市場予想に対する発表結果の良し悪しに素直に反応した比率です。

実態差異は、直前10-1分足・直後1分足との方向一致率がそれぞれ73%・77%となっています。
逆に、直前10-1分足の方向が前期改定値を今回発表が超えるか否かを73%の期待的中率で示唆していることになります。現時点で市場予想は、前期比・前年比ともに前期改定値を上回っています。もし、直前10-1分足が陰線ならば、それは発表結果が市場予想を下回ることを意味しています。

【4. シナリオ作成】

巻頭箇条書きのシナリオの項をご参照願います。
以上



2017年8月15日15:00発表

以下は2017年8月17日に追記しています。
V.発表結果検証

【5. 発表結果】
(5-1. 指標結果)

本指標発表結果及び反応は次の通りでした。

1708独国GDP速報510.png

結果は前期比が+0.6%・前年比が+0.8%で、反応は陽線から陰線に転じました。

前年比は前期改定値を大きく下回り、前期比・前年比ともに市場予想を下回りました。グラフ推移を見ると、前年比は2014年4-6月期以来の低い伸びで、直近2016年4-6月期が+3%を超えていたため、成長鈍化しつつあるように見えます。
独国景気指標や実態指標を見る限り、そんな兆しはないので、改定値で上方修正されるかも知れませんね。

(5-2. 取引結果)

取引結果は次の通りでした。

1708独国GDP速報520.png

3連敗取引で途中で止めました。
3回も続けて負けるときは何をやってもどうせ外れます。

【6. 分析検証】
(6-1. 分析検証)

事前調査分析内容を以下に検証します。

  • 判別式について次のように記していました。
    「指標結果と反応方向の関係を表す判別式は、本指標の場合、あまり一致率が高い係数を見出せません。これはおそらく、指標結果よりもそのときどきのトレンドの影響が大きいことを示唆しています。」
    トレンドという訳ではないにせよ、発表直後の動きはおかしな動きでした。こういうことが、一致率が高い係数を見つけられない原因かも知れません。

  • 指標結果については次のように記していました。
    「今回の発表結果は、市場予想を上回るか下回るかわかりません。でも、大丈夫です。本発表前後のトレンドの影響が、ある種のパターン化をしています。」
    まぁこれはコメントしようがありません。

  • 取引方法について次のように記していました。
    「初期反応方向は指標結果の良し悪しとの一致率が69%あるものの、初期反応程度は小さい傾向があります。追撃は、早期参加でも反応方向を見極めてから参加してもよく、利確はじっくりタイミングを計ることに適しています。」
    だいたいその通りでした。

(6-2. シナリオ検証)

事前準備していたシナリオを検証しておきます。

  • 直前1分足は陰線と見込んでいました。結果は同値で、判定無しです。

  • 直後1分足は、直前10-1分足と同じ方向に指標発表前にポジションを取得するつもりでした。そして、発表直後の跳ねで利確・損切するつもりでした。
    結果は、直前10-1分足と逆方向で、分析を外しました。言い訳しても仕方ありませんが、この発表結果で直後1分足陽線は驚きです。

  • 追撃は早期参加し、直後1分足と同方向なら反応を伸ばすのを待って利確するつもりでした。もし直後1分足と逆方向になってしまったら、一旦決済して、直後1分足と同方向に順張り追撃するつもりでした。いずれも損切の目安は8pipsとしていました。
    結果は、「仕方のない」負けでした。
    初期反応確認時点(発表から20秒後)では、指標結果をまだ確認できていません(スマホ取引でした)。そのため、釣られて陽線側に追撃ポジションを取りました。前述のように、この発表結果で陽線はおかしな動きです。当然、陰線側に転じて損切となりました。
    直後1分足が形成されてから逆方向に転じたら、もう一度追撃がシナリオでした。がしかし、ここまで3連敗しています。別の自分ルールに従って、もう取引を止めました。そしたら狙い通りです。でもまぁそんなもんです。

下表に、本ブログを始めてからの本指標シナリオでの取引成績を纏めておきます。

1708独国GDP速報530.png

以上



ーーー注記ーーー

本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。

ーーー注記ーーー

本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上

2017年08月13日

日本経済指標「四半期GDP速報値」発表前後のUSDJPY反応分析(2017年8月14日08:50発表結果検証済)

以下、「T.指標予想要点」「U.過去調査詳細」を事前投稿し、「V.発表結果検証」を事後投稿しています。ブログの日付は事前投稿日となっています。指標発表後に事後投稿し、その日時は「V.発表結果検証」のタイトル行付近に記載しています。

T.指標予想要点

2017年8月14日08:50に日本経済指標「四半期GDP速報値」が発表されます。今回発表は2017年4-6月期分の集計結果です。

今回の市場予想と前回結果は次の通りです。市場予想は本記事作成時点の値です。

1708日本GDP速報110.png

※ 本稿は8月13日に記しています。市場予想は発表直前に確認しておきましょう。
※ 黄色欄は、後述する事前差異判別式の変数と解です。

本指標の特徴は以下の通りです。

  • あまり取引きには適さない指標です。
  • 指標結果分析では、事前分析判別式の期待的中率が73%と高く、直後1分足は陰線と予想しています。
    但し、この分析結論は、7月20日に発表された日銀展望レポートによる実質GDPの見通しの上方改定や、7月24日に発表されたIMFがわずかに見通しを上方改定したことに反しかねません(それら見通しは2017年通年についてで、4-6月期についてではありません)。
    あまり自信がない分析結論なので、その点を申し添えておきます。
  • 過去の直後1分足の反応方向には偏りがなく、反応程度は小さい傾向があります。そして、発表後の追撃には適さない指標です。

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今回発表に対する調査・分析結果を以下に一覧します。

  • 指標結果の予想分析は、全体的に市場予想を下回る、が結論です。個別分析結論要点は以下の通りです。
    (1) 事前差異判別式は、−1✕GDP前期比事前差異ー1✕前年比事前差異ー2✕デフレータ事前差異、です。この式に依れば、直前10-1分足が陰線となる期待的中率は73%です。
    (2) 事後差異判別式は、8✕GDP前期比事前差異+1✕前年比事前差異+2✕デフレータ事前差異、と各係数を決めると、事後差異判別式の符号と直後1分足の方向の一致率が67%となりました。
    これは、発表各項目の影響度を適切に割り当てたとき、市場予想に対する発表結果の良し悪しと直後1分足の反応方向とは67%(3回に2回)が一致します。
    (3) 上記の事後差異判別式係数に基づき、直後1分足の反応方向にはGDP前月比の影響が大きいことがわかりました。そして、GDP前月比のグラフ推移を見ると、前回改定値結果と市場予想との大小関係が前月と今月とで入れ替わった頻度が69%でした。この頻度の高さをアテにするならば、今回発表値が市場予想を下回る期待的中率は69%です。

  • 過去のローソク足の特徴は以下の通りです。
    (1) ごくまれに(頻度6%)直前10-1分足跳幅が10pips以上となる場合があります。過去のこうした事例では、直後1分足が大きく跳ねる可能性が高いものの、跳ねる方向はわかりません。注意が必要です。
    (2) たまに(18%)直前1分足跳幅が6pips以上となる場合があります。がしかし、慌てて追撃したりしないようにしましょう。過去の傾向では、この動きが指標発表後の動きを示唆している兆候は全くありません。
    (3) たまに(頻度12%)直後1分足跳幅が20pips以上となる場合があります。過去の傾向から言えば、こうした場合には、直後11分足跳幅が直後1分足跳幅を超える傾向があります。
    (4) しばしば(頻度29%)直後11分足跳幅が20pips以上となることがあります。過去の傾向から言えば、こうした事例では、戻りも大きく直後11分足終値は同跳幅より14pips以上戻しています。

  • 定型分析の結論は次の通りです。
    (1) 反応性分析の結論は以下の通りです。
    直後1分足と直後11分足との方向一致率は60%と、追撃ポジションを取るにはやや頼りない数字です。
    そして、指標発表から1分経過すると、直後1分足終値を超えて直後11分足終値が伸びていたことは40%しかありません。つまり、本指標は発表後の追撃に適していません。
    (2) 反応一致性分析の結論は、以下の通りです。
    どのローソク足も陽線・陰線の一方への偏りがなく、先に形成されたローソク足が後で形成されるローソク足の方向を示唆している兆しもありません。
    (3) 指標一致性分析の結論は以下の通りです。
    事前差異は、直前10-1分足と直後1分足の方向と各73%・73%の方向一致率があります。今回の事前差異判別式結果は、現時点においてマイナスとなっています。つまり、今回の直前10-1分足と直後1分足は陰線となる可能性が高く、その期待的中率はともに73%です。
    事後差異は直後1分足との方向一致率が67%となっています。市場予想に対し発表結果の良し悪しに素直に反応することは3回に2回です。
    実態差異は直前1分足との方向一致率が69%あります。今回は市場予想が前回結果より高めです。つまり、もし直前1分足が陰線ならば、発表結果は前回結果・市場予想を下回ることと予想を期待的中率69%で特定できます。

  • 以上の調査・分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。
    (1) 直前1分足は陰線と見込みます。
    (2) 直後1分足は陰線と見込み、指標発表前にポジションを取得して早期利確します。
    (3) もし直後1分足跳幅が20pips以上となった場合のみ、戻りを狙って順張り追撃を行います。直後11分足終値は、直後1分足値幅を削る確率の方が高いので、利確は直後11分足跳幅で欲張らずに行います。

以上の詳細ないしは論拠は、以下の「T.調査・分析」に記しています。


U.過去調査詳細

公開情報や既出情報に基づく調査を行い、過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。利確・損切の目安は、過去平均値を最近の反応の大小と見比べて感覚的に微修正しています。

【1. 指標概要】

日本の経済指標は、日銀金融政策発表時以外にほとんど為替に影響がありません。多くの指標発表時刻は08:50で、09:00の東証寄付きで動きがあったときに為替への反応が限られています。反応が小さいことはGDP速報値ですら、です。

GDP関連でわかりにくい点は、GDPが名目と実質の二種類あることです。大雑把に言えば、名目GDPは付加価値の金額を合計したものです。実質GDPは、名目GDPから物価変動分を除いたものです。名目GDPを実質GDPで割ると、物価指標にあたる「GDPデフレータ」が算出されます。

つまり、名目GDP前年比が2%あっても、この1年間の物価上昇(GDPデフレータ前年比)が2%なら、実質GDP前年比は0%、ということになります。これは、金額(名目)こそ2%増えたものの、それは全部インフレ(デフレータ)のせいだから、この1年間で生み出された付加価値は去年と実質的に同じ、と言い換えられます。

GDP速報値は、内閣府が2月・5月・8月・11月に前四半期分を発表します。

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本指標に関する調査期間と、過去の反応程度・分布を下表に纏めておきます。

1708日本GDP速報120.png

最も指標結果に素直に反応する直後1分足跳幅は、過去平均で10pipsです。その分布は、65%が10pips以下しか反応していません。

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さて、2014年4月1日は消費税が5%から8%に増税されました。そのため、2014年1-3月期は、消費税増税前の駆け込み需要が多く、前年比速報値は+5.9%(予想+4.2%)という高い数字になりました。
そして翌4-6月期は、増税実施による反動需要減によって前年比△6.8%(予想△7.1%)となりました。
+5.9%から△7.1%という落ち込みは、あまりに激しく、アベノミクスの成長戦略への影響が甚大でした。結果、安倍首相は翌7-9月期のGDP速報値を見て、次の消費税10%への増税時期を2015年11月から2017年4月まで延期する見通し、との報道が行われていました。その7-9月期前年比速報値は△1.6%(予想+2.1%)となり、10%への消費税増税は延期、という見通し記事が出ました。

こうした経緯において、2014年1-3月期・同4-6月期・同7-9月期の直後1分足符号付跳幅は、各+5pips(事後差異+1.7)・△4pips(同+0.3)・+35pips(同△3.7)で反応しました。
指標結果の変化が大きな時期の反応が指標の特徴を示すとは言い切れないものの、この時期の結果は今後の参考になるでしょう。


【2. 既出情報
(2-1. 過去情報)

過去の発表結果と市場予想を下図に一覧します。
下図は発表結果と市場予想をプロットしています。市場予想は発表直前の値をプロットし、発表結果は後に修正値が発表されても定時発表値のままをプロットしています。

1708日本GDP速報210.png

1708日本GDP速報220.png

個別項目毎に細かくグラフを眺める前に、見るべきポイントを絞り込みましょう。そのために、各項目毎に反応方向にどの程度影響しているのかを下表に纏めておきました。

1708日本GDP速報250.png

上表の上3行は、GDP前月比とGDP前年比とデフレータの各項目を、ひとつずつ反応方向との一致率を求めています。これは予備計算のようなもので、この予備計算は最も反応方向との一致率が高い項目に注目しています。

上から4行目は、事前差異(市場予想ー前回結果)と直前10-1分足の方向一致率が高くなるように、各項目の係数を求めています。
この事前差異判別式は、−1✕GDP前期比事前差異ー1✕前年比事前差異ー2✕デフレータ事前差異、と各係数を決めると、事前差異判別式の符号(プラスが陽線・マイナスが陰線)と直前10-1分足の方向の一致率が73%となりました。

上から5行目は、事後差異(発表結果ー市場予想)と直後1分足の方向一致率が高くなるように、各項目の係数を求めています。
この事後差異判別式は、8✕GDP前期比事前差異+1✕前年比事前差異+2✕デフレータ事前差異、と各係数を決めると、事後差異判別式の符号と直後1分足の方向の一致率が67%となりました。
この結果は、判別式の係数から明らかなように、反応方向をGDP前期比の事後差異が決めている、ということです。

最下段6行目は、実体差異(前回改定値結果ー市場予想)と直後11分足の方向一致率が高くなるように、各項目の係数を求めています。
この事後差異判別式は、1✕GDP前期比事前差異+1✕前年比事前差異+1✕デフレータ事前差異、と各係数を決めると、実体差異判別式の符号と直後11分足の方向の一致率が60%となりました。60%という期待的中率は、取引の根拠として、アテになる数字ではありません。

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事後差異判別式の係数に基づき、GDP前月比の推移に注目します。

グラフ推移を見ると、前回改定値結果と市場予想との大小関係が調査期間において11回入れ替わっています。データ数17から1を引き、入れ替わり可能回数16回に占める入れ替わり回数は69%です。
この入れ替わり率の高さから言えば、前回改定値が前回市場予想を上回っているので、今回発表値は入れ替わって市場予想を下回る期待的中率が69%、ということになります。

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以上の分析要点は以下の通りです。

(1) 事前差異判別式は、−1✕GDP前期比事前差異ー1✕前年比事前差異ー2✕デフレータ事前差異、です。この式に依れば、直前10-1分足が陰線となる期待的中率は73%です。

(2) 事後差異判別式は、8✕GDP前期比事前差異+1✕前年比事前差異+2✕デフレータ事前差異、と各係数を決めると、事後差異判別式の符号と直後1分足の方向の一致率が67%となりました。
これは、発表各項目の影響度を適切に割り当てたとき、市場予想に対する発表結果の良し悪しと直後1分足の反応方向とは67%(3回に2回)が一致します。

(3) 上記の事後差異判別式係数に基づき、直後1分足の反応方向にはGDP前月比の影響が大きいことがわかりました。そして、GDP前月比のグラフ推移を見ると、前回改定値結果と市場予想との大小関係が前月と今月とで入れ替わった頻度が69%でした。この頻度の高さをアテにするならば、今回発表値が市場予想を下回る期待的中率は69%です。


(2-2. 過去反応)

過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示します。

まず、直前10-1分足は、過去平均跳幅が5pipsです。跳幅がその2倍の10pips以上だったことは過去1回(頻度6%)あります。この1回の直後1分足跳幅は38pipsで、これは直後1分足跳幅の過去全平均10pipsを大きく上回っています。そして、この1回の直前10-1分足と直後1分足の方向は一致していません。
つまり、直前10-1分足の反応が過去平均の2倍10pipsも動いたら、それが直後1分足の反応程度が大きくなる可能性があります。但し、反応方向はわかりません。

1708日本GDP速報310.png

次に、直前1分足の過去平均跳幅が3pipsです。跳幅がその2倍の6pips以上だったことは過去3回(18%)あります。この3回の直後1分足跳幅の平均は13pipsで、これは過去全平均10pipsより大きいものの、ほぼ同じです。そして、このとき直前1分足と直後1分足の方向は1回も一致していません。
つまり、直前1分足の反応が平均より少し大きく動いたからと言って、それが直後1分足の反応方向程度や方向を示唆しているとは言えません。

1708日本GDP速報320.png

そして、直後1分足の過去平均跳幅は10pipsです。追撃判断の目安をパッと得るため、計算しやすい20pips以上だった事例について調べておきました。そうした事例は過去2回(頻度12%)あります。この2回について、直後1分足跳幅を直後11分足跳幅が超えて反応を伸ばしたことは2回(100%)です。この2回の直後11分足跳幅は44pipsです。
つまり、直後1分足跳幅が20pips以上となったときは、そのまま反応を大きく伸ばしていく可能性があります。

1708日本GDP速報330.png

直後11分足は、過去平均跳幅が14pips、過去平均値幅が8pipsで、その差が6pipsあります。直後11分足跳幅が20pips以上に達したことは5回(頻度29%)あります。このとき、直後11分足の跳幅と値幅の差は平均14pipsあります。
つまり、直後11分足が大きく伸びたときには、比率で言って戻りも大きくなっています。これは、直後11分足が大きく跳ねても、その後は反応を伸ばさない傾向がある、ということです。

1708日本GDP速報340.png

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過去のローソク足の特徴を纏めると以下の通りです。

(1) ごくまれに(頻度6%)直前10-1分足跳幅が10pips以上となる場合があります。過去のこうした事例では、直後1分足が大きく跳ねる可能性が高いものの、跳ねる方向はわかりません。注意が必要です。

(2) たまに(18%)直前1分足跳幅が6pips以上となる場合があります。がしかし、慌てて追撃したりしないようにしましょう。過去の傾向では、この動きが指標発表後の動きを示唆している兆候は全くありません。

(3) たまに(頻度12%)直後1分足跳幅が20pips以上となる場合があります。過去の傾向から言えば、こうした場合には、直後11分足跳幅が直後1分足跳幅を超える傾向があります。

(4) しばしば(頻度29%)直後11分足跳幅が20pips以上となることがあります。過去の傾向から言えば、こうした事例では、戻りも大きく直後11分足終値は同跳幅より14pips以上戻しています。


【3. 定型分析】

反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。詳細は「反応性分析」をご参照願います。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。詳細は「反応一致性分析」をご参照願います。
指標一致性分析は、指標の前期改定値結果と市場予想の差(事前差異)と、発表結果と市場予想の差(事後差異)と、発表結果と前回結果の差(実態差異)を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。詳細は「指標一致性分析」をご参照願います。

反応性分析の結果を下表に示します。

1708日本GDP速報410.png

直後1分足と直後11分足との方向一致率は60%と、追撃ポジションを取るにはやや頼りない数字です。
そして、指標発表から1分経過すると、直後1分足終値を超えて直後11分足終値が伸びていたことは40%しかありません。
つまり、本指標は発表後の追撃に適していません。

次に、反応一致性分析の結果を下表に示します。

1708日本GDP速報420.png

どのローソク足も陽線・陰線の一方への偏りがなく、先に形成されたローソク足が後で形成されるローソク足の方向を示唆している兆しもありません。

最後に、指標一致性分析の結果を下表に示します。

1708日本GDP速報430.png

事前差異は、直前10-1分足と直後1分足の方向と各73%・73%の方向一致率があります。今回の事前差異判別式結果は、現時点においてマイナスとなっています。つまり、今回の直前10-1分足と直後1分足は陰線となる可能性が高く、その期待的中率はともに73%です。

事後差異は直後1分足との方向一致率が67%となっています。市場予想に対し発表結果の良し悪しに素直に反応することは3回に2回です。

実態差異は直前1分足との方向一致率が69%あります。今回は市場予想が前回結果より高めです。つまり、もし直前1分足が陰線ならば、発表結果は前回結果・市場予想を下回ることと予想を期待的中率69%で特定できます。
【4. シナリオ作成】

巻頭箇条書きのシナリオの項をご参照願います。
以上



2017年8月14日08:50発表

以下は2017年8月16日に追記しています。
V.発表結果検証

【5. 発表結果】
(5-1. 指標結果)

本指標発表結果及び反応は次の通りでした。

1708日本GDP速報511.png

結果は、前期比+1.0%(前期+0.3%・予想+0.6%)、前年比+4.0%(前期+1.0%・予想+2.5%)、デフレータ△0.4%(前期改定値△0.8%・予想△0.5%)でした。
反応は、直後1分足が陰線、直後11分足が陽線でした。

2016年4ー6月期以降、前期比改定値はプラスが続いています。今回速報値がプラスだったことで、このまま4-6月期改定値もプラスなら、5四半期連続プラスが続くことになります。
前年比は+4.0%と、速報値としては2014年10-12月以来の高い伸び率となりました。
これほど大きい成長率を示しても、直後1分足が陰線なのだから、きちんと指標の反応傾向を把握していないと、初心者・アマチュアが勝てる訳ありません。

(5-2. 取引結果)

取引結果は次の通りでした。

1708日本GDP速報520.png

直前1分足は、単に過去の陰線率が高いから、ショートしただけのポジションです。確率上の問題ですから、連敗が続かない限り、反省しても仕方がありません。

【6. 分析検証】
(6-1. 分析検証)

事前調査分析内容を以下に検証します

  • 指標結果分析では、事前分析判別式の期待的中率が73%と高く、直後1分足は陰線と予想していました。
    結果は陰線でした。

  • 過去の直後1分足の反応方向には偏りがなく、反応程度は小さい傾向があり、発表後の追撃には適さない指標、と分析していました。
    まぁ、その通りでした。

(6-2. シナリオ検証)

事前準備していたシナリオを検証しておきます。

  • 直前1分足は陰線と見込みました。結果は陽線です。

  • 直後1分足は陰線と見込み、指標発表前にポジションを取得して早期利確するつもりでした。
    結果は陰線でした。

下表に、本ブログを始めてからの本指標シナリオでの取引成績を纏めておきます。

1708日本GDP速報530.png

以上



ーーー注記ーーー

本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。

ーーー注記ーーー

本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上

続・順張りだって難しい

下図(a)をご覧ください。この図はレンジ相場(ボックス相場)をイメージしています。100円と101円との間での上下動が繰り返されています。

順張り1.png



これなら100円で買ポジション(Long)を注文(Order)して、101円で売ポジション(Short)をあてて取引を終え(Exit)ればいいですね。
簡単でわかりやすいのですね。これは理想像だからです。

実際のチャートでは、多少レンジが傾いていたり(傾いた補助線の間を上下していたり)、先すぼみになっていたり(ペナント型にようになっていたり)することもあります。それらはレンジ相場とは言わないものの、考え方としては同じです。

理想的なレンジ相場はもとより、レンジ状のチャートパターンとして、水平だったり傾いていたり先すぼみになっている上下動は、いつでも見受けられます。だから、レンジ相場も含めたレンジ状のチャートパターンで実際にどう売買するかは、全ての取引の基本だと考えています

そして、この話にはもうひとつ重大なポイントがあります。「抜けたら追う」というセオリーを守っていない、ということです。この話は後でします。


さて、先にレンジ状のときの基本形の話です。
図(a)でもう少しスパン(期間)を広げてレンジ相場以前にまで注意を払いましょう。そうすると何が言いたいのかがわかりやすくなります。
下図(b)と(c)をご覧ください。

順張り2.png

まず先に、図(b)と図(c)には、先ほどの図(a)の大部分が含まれていることにご注意ください。

そして先に図(b)を見ると、レンジ相場というよりも下降トレンド途中にできた「棚」のようにも見えますね。もし図(a)の上下動がそうした棚に過ぎなければ、図(a)のようなLO・SEのやり方は逆張りだったということになります。
逆張りだと判っても、本当にこんなLO・SEできるでしょうか。まぁ、できるんでしょうけど、お勧めできません。面倒なのできちんと説明しませんが、危ないのです。それは、図(c)を見ると、図(b)と同じ棚で同じポイントでLOしたのに、安心感が図(b)とまるで違うから、そう言うのです。図(c)は順張りだからです。

さてここで、図(c)ではSEのポイントが図(a)(b)と違います。なぜなら、順張りだと何となく伸びることが期待できるからです。

「いや、伸びないことも多い」という方とは、話が合うかも知れません。
なぜなら実は、「伸びることを期待」していても、「伸びたこと」と「伸びなかったこと」のどちらが多いのか、よくわからないからです。そもそも「伸びたこと」と「伸びなかったこと」を厳密に定義して実際にカウントすることは結構むずかしいのです。
だから、図(c)のSEは、「伸びても」「伸びなくても」どっちでもいい位置に図示しました。「伸びても」「伸びなくても」どっちでも良いのなら(勝てるのなら)、それは必勝法ということになります。

結論を言えば、そんなものありません。だから、以下の話は「勝てそうな気がする話」です。



「伸びても」「伸びなくても」どっちでも良い必勝法はないにせよ、順張りは負けにくい気がする戦略が立てやすいのです。図(c)の順張りイメージをもっと膨らませてみましょう。図(d)をご覧ください。

順張り3.png

課題の本質は、どの時点で狙いが外れるかが予想できない点です。この図は、そのことを表しています。

まず、順張りでLOする時点が図(a)(b)(c)と異なります。だって、上昇トレンドだと思っていても、いつ反転するのかがわからないのです。だったら、それまでの動きを確認してからでないと、危なくて仕方ありません。
図(d)では、レンジが続くと仮定して、その上下動の25%(101.25)を上回ったらLOしています。
この25%は33%でも50%でも構いません。「順張り」をしているという基準を自分で決めれば良いのです。

がしかし、自分は「順張り」のつもりでも、LOと同時に反転することだってあります。でも「上昇トレンド」という判断に基づき順張りしたのだから、そんな動きをいちいち気にすべきではありません。多少の上下動なんて折込み済でなければいけません。
小さな損切を繰り返すことを止めるためには、何が小さいかの基準が必要なのです。10pipsの損切を10回やれば100pips負けるのと同じことです。

その基準には、もし上昇トレンド中の棚での順張りのつもりが、レンジ出発点の100を下回るなら、と考えたらいかがでしょう。トレンド反転のリスクが生じた訳ですから、LO時点での判断ミスの可能性が高まったのです。SE1で損切することが自分の判断ミスを認める、ということです。

でも、そんなに悲観的なことばかり考えるべきじゃないかも知れません。LOしたら、狙い通りに伸びることだって50%あるのです。
がしかし、一旦は伸びても、そのまま伸びずに途中で反転してくることもあるでしょう。このときもまだ「上昇トレンドで順張り」というLO時点での判断が間違っていたとは限りません。判断が間違っていたことがわかるまでなら、ほっとけば良いのです。
自分の判断が間違っていたら損切です。それがSE2です。

ではもし、レンジ的な上下動の上端付近まで到達してから反転してきたなら、どうすれば良いでしょう。これは必ずしもLO時点での判断ミスとは言えません。図(d)では100.5(50%の半値戻し)で微益でも確保しておくか、LOと同値決済(正確には同値よりやや上)で利確しておきましょう。それがSE3です。

そして、レンジを上抜けたらSE4で利確か、図(d)の緑のSEでの利確まで頑張りましょう。実は「順張り」というのは、たったのこれだけのケースで大きく稼げるのです。
SE4かSE以外の利確・損切は、初心者の場合、「とんとん」か「負け」になるのです。初心者が図(b)のように順張りでないときに取引したり、図(c)(d)のように順張りで取引きしても、SE1〜SE3の損切りが守れなければ負けるでしょう。
なお、SEのポイントとして示したチャートポイントというのは、ここでは上の方にあるレンジスタンスのことです。

ここまでの話は、レンジ相場を上昇トレンド途中の棚として扱いました。がしかし、棚じゃなくて全体が上昇トレンドでも話は同じです。
そのことを図(e)に示すので、先ほどの棚の話で用いた図(d)と見比べてみてください。

順張り4.png



さて、ここまでの話は重大なセオリーを無視していました。それは「抜けたら追う」というセオリーを守っていない、ということです。
「抜けたら追う」というのは、下図(f)のようなことです。

順張り5.png

多くの上手な人が書籍やHPに挙げている基本形はこちらです。最初に挙げた図(a)のLOが逆張りだから、図(a)やその応用形の図(d)は、多くの上手な人が基本形に挙げられないのでしょう。
それに、図(d)は聞けば(読めば)理解するのは簡単ですが、説明するのは骨が折れます。そもそもこの基本形を裏付ける論拠だって突き詰めれば、「トレンドは存在する」という仮説に過ぎません。実際に「抜ければ追えば」勝てるのか、確率を求めた人が居ません。

でも、そんな裏付けがない話でも、経験則は尊重します。
だから「買えば下がるし、売れば上がる」という運の悪さを克服する方法は、きっと心を鍛えることではありません。単純化・抽象化された基本の応用場面を、自分で具体的なイメージとして掴むことが解決策です。

そして同時に、単純化・抽象化された基本形を応用できるようになれば、無駄な「小さすぎる損切」を止めることができます。繰り返しになりますが、10pipsの無駄な損切を10回やることは100pipsの損切と同じです。
それを防ぐためには、無駄な損切をしないと「心に誓う」より、無駄な損切をしないために「レンジ状とトレンド状のチャートパターンのどこでポジションを取るのか決めておく」
ことの方が効果があります。

図(d)の説明では25%という数字を挙げました。もし25%で調子が悪ければ、次の週から2週間は20%か30%にルールを変えてみたらどうでしょう。そして、その新たなルールで様子を見ればいいのです。
以上



2017年08月12日

2017年8月第2週成績と、次週第3週主要指標反応pipsと、ワラの話

お手元のツールで、一目均衡表をご覧ください。

USDJPYの現在値は109.14付近です。
月足は、上から雲に入って2か月目です。遅行線は実体ローソク足を下抜け、基準線も僅かに下抜けています。下抜けがもっと明確になれば、月足雲中での下降追撃サイン点灯です。
週足では、CPI発表で一瞬、雲下端(108.86付近)を下抜けました。もし今回のCPIが市場予想だけでなく、前回結果をも下回っていたら、雲下抜けも起こり得たかも知れません。今週の週足は大きく下げていた(下跳幅200pips)ので、週末ポジションクローズに助けられた、といったところでしょうか。
USDJPYがこういう状況なので、次週第3週はGBPJPY・AUDJPY・NZDJPYも下降加速か反発かの判断に迷う位置となっています。

さて、トレンドが加速しかねないときや反発反転しかねないとき、微かなサインを捉えて浮かび上がれる人は、きっと本当に潮目を見る目があるのでしょう。でも、大多数の初心者・アマチュアは、きっとそのサインを読み間違えて、大けがをすることの方が多いのではないでしょうか。
というのも、「下降トレンド加速」&「(月足・週足の)トレンド転換の可能性のあるポイント」という組み合わせは、とても危ない組み合わせです。昔から、某掲示板を見ていると、そんなときに悲鳴のような投稿が増えるような気がします。
次週はそこそこ反応する指標が週中盤に続くので注意しましょう。

だから、溺れている人に言います。
微かな上昇転換サインなんて「ワラ」と同じです。トレンドに乗りたければ、「いつトレンドが発生するか」を見極めるより、トレンドが起きてから「いつまでトレンドが続くか」を考える方が簡単です(難しいけど、よりマシだという話です)。
勝ちやすく勝つやり方に徹するのがベストで、難しい局面で技巧的に勝つのは長い目で見れば決してベターとさえ言えません。だから、次週のようなときこそ、このブログのように経済指標発表前後に時間を限った取引が良いのです(宣伝です)。
もっともこのブログでは、ポジション保有時間が長くなりがちなトレンドフォローは、決して薦めていないのですが。


【1. 8月第2W主要指標結果】

下図は、8月第2週に発表された指標の直後1分足跳幅と直後11分足値幅について、今回の反応pipsと過去平均pipsを対比表示したものです。

201708W2反応結果.png

8月10日に発表された
RBNZ(NZ中銀)金融政策
発表は「市場予想通り現状維持」でした。政策金利と同時発表される声明は未確認ですが、RBNZ総裁の会見では「(現在の)政策を相当期間に亘って続ける」という方針を示しました。これは既に表明されていたことなので、新鮮さはありません。
ただ、いつも通り「NZDの下落を望む」という発言が、ロイターの解説に依れば「RBNZはは歴史的に外為市場への介入には極めて消極的な姿勢にも関わらず、介入能力がある」ことを強調したようです。そのためか、RBNZ総裁会見が行われた10:00頃から、NZDJPYは大きく下げました。

8月10日に発表された英国6月分鉱工業生産は前回を上回る結果となって、同時発表された貿易収支が赤字拡大にも関わらず、陽線で反応しました。

8月10日に発表された米国7月分PPIは前月より低下し、8月11日に発表された7月分CPIは前月より上昇しました。PPI発表結果への反応は普通の陰線でしたが、CPI発表結果への反応はかなり大きな陰線となりました。
指標への反応というのは、なかなか理屈通りにならないものです。PPIは前回結果も市場予想も下回ったのに過去平均並みの反応しかせず、CPIは市場予想こそ下回ったものの前回結果より上昇したのに大きく陰線での反応です。
ただ、分析対象外ですが、その後は一時的には指標発表前(109.15)の水準を上回って109.3まで反転し、最終的にはCPI発表前の水準で終値(109.14)をつけました。米国参加者も次週が読めないのです。


【2. 8月第2W成績】

本ブログ記載の取引方法を検証するため、週次・月次で取引成績を記録しています。人にやり方を薦める以上、(個別取引はさておき)全体として間違っていないことを検証しておきたいからです。

他人の取引成績なんて興味ありませんよね。ぱぱっと8月第2週の取引結果を纏めておきます。

201708W2取引結果.png

8月第2週は事前に注目していた6指標のうち、2指標で取引を行いました。
日本指標を除く4指標で事前分析を更新したものの、RBNZ金融政策は起きられずに取引できず、PPIはシナリオ条件を満たさなかったので取引を諦めました。

取引時間は14分14秒(1指標当たり7分7秒)で、損益はいつも1枚ずつの取引で+5,317円(1指標当たり+2,659円)でした。
勝率は、指標単位で100%(2勝)、シナリオ単位では50%(5勝5敗、見送り3)でした。

シナリオ勝率を指標勝率が上回っており、問題ありません。
本ブログで最も採用数が多いシナリオ「発表後に順張り追撃しやすい指標で順張り追撃」の勝率が高くて、稼げているのです。

次週も同じやり方で問題ありません。


【3. 8月第2W主要指標】

次週8月第3Wの主要指標の過去平均反応を示します。

201708W3過去平均.png

日本指標は4-6月期GDP速報値が発表されます。
残念ながら、嫌になるぐらい反応しません。

米国指標は、8月分の景気指標(Phil連銀製造業景気指数UM消費者信頼感指数速報値)と、7月分の実態指標(小売売上高鉱工業生産)が発表されます。
直近の全体的傾向を見ると、設備稼働率を見る限り実態が好調にも関わらず、なぜか製造関連の景況感が悪化しています。米国景気は個人消費中心とは言え、最近の傾向はPCE(個人消費)よりも小売売上高で大きく反応しがちです。小売売上高は、米国実態指標で平均的に最も大きく反応する指標です。
あと、NY連銀製造業景気指数輸入物価指数も発表され、これらはいずれも他の指標の取引で参考になります。がしかし、今月は同時発表される小売売上高よりも反応への影響力に劣るため、分析しても仕方ありません。

欧州指標では、独国4-6月期GDP速報値が発表されます。
残念ながら日欧のGDPは速報値でもせいぜい10pips程度しか反応しません。欧州4-6月期GDP改定値も発表されるものの、こちらはもっと反応しないので相手にしません。別に欧州経済自体に興味がある訳じゃありません。

英国指標は物価指標雇用指標が発表されます。
ここ最近、インフレ率と賃金上昇率との関係が金融政策絡みで関心が高かったため、非常に大きく反応していました。がしかし、先の4-6月期GDP速報値が成長率鈍化を示唆するような内容だったため、今回は過去平均以下しか反応しないかも知れません。経済成長あってこその利上げと考えられるからです。

豪州指標はRBA議事要旨雇用統計が発表されます。
RBAは当面の利上げ無しを表明しています。議事録では反応しないでしょう。
最近の雇用統計は興味を持って見ています。当面の利上げ無しでも、指標結果次第で大きな反応傾向がこれからも続くのかどうか、に興味があります。
以上


2017年08月10日

米国物価指標「CPI(消費者物価指数)」発表前後のUSDJPY反応分析(2017年8月11日21:30発表結果検証済)

以下、「T.調査・分析」を事前投稿し、「U.結果・検証」を事後投稿しています。ブログの日付は事前投稿日となっています。指標発表後に事後投稿し、その日時は「U.結果・検証」のタイトル行付近に記載しています。

2017年8月11日21:30に米国物価指標「CPI(Consumer Price Index、消費者物価指数)」が発表されます。今回発表は2017年7月分の集計結果です。

今回の市場予想と前回結果は次の通りです。市場予想は本記事作成時点の値です。

1707米国CPI110.png

※ 本稿は8月10日に記しています。市場予想は発表直前に確認しておきましょう。

本指標の特徴は以下の通りです。

  • 指標結果の分析には、同月集計のPPI実態差異結果(発表結果ー前回結果)の良し悪しが参考になります(期待的中率71%)。また、コアCPI前月比と前年比は、市場予想後追い型となっています。
  • 過去の直後1分足の反応方向は、
       判別式=ー1✕A+2✕B+4✕C+3✕D
    の符号(プラスが陽線、マイナスが陰線)と89%一致します。
    但しここで、AはCPI前月比の差異、BはCPI前年比の差異、CはコアCPI前月比の差異、DはコアCPI前年比の差異、です。
  • 初期反応は大きく、最初は指標結果の良し悪しに素直に反応しがちです。がしかし、発表から1分を過ぎると、反応を伸ばし続けるか値を戻すかがわかりません。追撃は早期参加・短期利確しか薦められません。


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今回発表に対する調査・分析結果を以下に一覧します。

  • 指標結果の予想分析は、市場予想を下回る、が結論です。個別分析結論要点は以下の通りです。
    (1) 2015年1月以降前回までの直後1分足の反応方向は、
       判別式=ー1✕A+2✕B+4✕C+3✕D
    の符号(プラスが陽線、マイナスが陰線)と89%一致します。
    但しここで、AはCPI前月比の差異、BはCPI前年比の差異、CはコアCPI前月比の差異、DはコアCPI前年比の差異、です。
    (2) 上式で反応方向への影響が大きいコアCPI前月比・前年比は市場予想後追い型です。市場予想後追い型としての今回発表結果の予想は、市場予想を下回る、です。予想の期待的中率は69〜79%です。
    (3) 7月分PPI実態差異結果はマイナスでした。よって、CPI実態差異結果もマイナスになると予想されます。一方、今回のCPI事前差異結果はプラスとなっています。よって、今回のCPIは実態差異も事後差異もマイナスとなり、発表結果が市場予想を下回る、と予想されます。予想の期待的中率は71%です。

  • 過去のローソク足の特徴は以下の通りです。
    (1) たまに(頻度10〜16%)直前10-1分足や直前1分足の跳幅が10pips近く動くことがあります。がしかし、過去の事例を見る限り、それらの場合のそうした動きが、指標発表直後1分足の反応程度や方向を示唆しているとは言えません。釣られて痛い目を見ないように気を付けましょう。
    (2) たまに(頻度17%)直後1分足跳幅が30pips以上となる場合があります。過去の事例を見る限り、こうした場合には、そのまま反応を大きく伸ばしていく可能性が高いようです。
    (3) たまに(頻度20%)直後11分足跳幅が40pips以上となる場合があります。過去の事例を見る限り、こうした場合には、そのまま反応を伸ばして戻りが小さい、という傾向があります。

  • 定型分析の結論は次の通りです。
    (1) 反応性分析の結論は以下の通りです。
    直後1分足と直後11分足との方向一致率が高く、暫く反応を伸ばしがちです。がしかし、発表から1分を過ぎると、反応を伸ばし続けたことと値を戻したこととが同じ確率になっています。追撃するなら早期参加・早期利確に留めた方が良いでしょう。
    (2) 反応一致性分析の結論は、以下の通りです。
    直前1分足は陰線率が96%、直後1分足は陽線率が71%と、偏りが目立ちます。そして、直後1分足と直後11分足の方向一致率が86%と高い点を除けば、先に形成されたローソク足が後で形成されるローソク足の方向を示唆している兆しはありません。
    (3) 指標一致性分析の結論は以下の通りです。
    事後差異と直後1分足・直後11分足の方向一致率がそれぞれ89%・80%となっています。本指標は、市場予想に対する発表結果の良し悪しに素直に反応します。

  • 以上の調査・分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。
    (1) 直前1分足は陰線と見込みます。
    (2) 直後1分足は陰線と見込みます。指標発表直前に売ポジションを取得し、指標発表直後の跳ねで利確・損切します。
    単純な過去の陽線率の高さよりも、因果関係がある指標分析の結論を優先しました。
    (3) 追撃は反応方向を確認したら、早期参加して短期利確します。
    但し、直後1分足跳幅が30pips以上となるか、直後11分足跳幅が40pips以上となった場合、順張り追撃を短期利確の繰り返しで再開します。

以上の詳細ないしは論拠は、以下の「T.調査・分析」に記しています。


T.調査・分析

公開情報や既出情報に基づく調査を行い、過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。利確・損切の目安は、過去平均値を最近の反応の大小と見比べて感覚的に微修正しています。

【1. 指標概要】

消費者物価指数(CPI)は、消費者が購入するモノやサービスなどの価格を指数化した指標です。対象は、全米87都市に住む一般消費者世帯(全人口の80%)が購入する「商品」と「サービス」となっています。コアCPIというのは、価格変動の大きいエネルギーと食品を除いた指数です。

FRBは「前年比2%」の物価上昇を目標としています。主な物価指標には輸入物価指数・生産者物価指数(PPI)・消費者物価指数(CPI)が挙げられますが、CPIはそれらの中で最重要指標とされています。原則は、CPIが低すぎれば購買意欲を刺激するために利下げを行う可能性があり、高すぎれば利上げを行う可能性があります。

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本指標に関する調査期間と、過去の反応程度・分布を下表に纏めておきます。

1707米国CPI120.png

最も指標結果に素直に反応する直後1分足跳幅は、過去平均で22pipsです。反応が大きいため、指標発表時刻を跨いでポジションを持つことは慎重でなければいけません。

また上表分布を別の言い方で説明すると、

  • 11pips以下だったことは13%
  • 12-22pipsが44%
  • 23-33pipsが30%
  • 34-44pipsが6%
  • 45pips以上は7%

です。


【2. 既出情報
(2-1. 過去情報)

過去の発表結果と市場予想を下図に一覧します。
下図は発表結果と市場予想をプロットしています。市場予想は発表直前の値をプロットし、発表結果は後に修正値が発表されても定時発表値のままをプロットしています。

1707米国CPI210.png

1707米国CPI220.png

項目が多いため、個別項目毎に細かくグラフを眺める前に、見るべきポイントを絞り込みましょう。

各項目毎に反応方向にどの程度影響しているのかを下表に纏めておきました。
また、指標結果への最も素直な反応は、直後1分足跳幅の向きに表れると仮定します。そして、その向きに最も影響を与えるのは、事後差異(発表結果ー市場予想)と仮定します。これら仮定に基づき、直後1分足の向きと事後差異の符号(プラスが陽線、マイナスが陰線)との一致率が高くなる係数を求めておきました(但し、この係数は「最も」高くなる係数とは限りません)。

1707米国CPI250.png

上表から、コアCPI前月比>コアCPI前年比>CPI前年比、の順に反応への影響が大きいと言えます。にわかに信じがたいことですが、CPI前月比の増減は反応方向と逆に作用しています(符号がマイナス)。
回帰計算をすると、こうした「あれ」っということがたまにあります。

ともあれ、直後1分足の方向(陽線か陰線か)は、

判別式=ー1✕A+2✕B+4✕C+3✕D

の符号(プラスが陽線、マイナスが陰線)と89%一致します。
但しここで、AはCPI前月比の差異、BはCPI前年比の差異、CはコアCPI前月比の差異、DはコアCPI前年比の差異、です。

もちろん、こんな複雑な式を指標発表直後にぱぱっと解くことなどできません。この判別式の意義は、一致率が高いほど、その指標がこの計算に用いた仮定に沿った素直な反応をしていることがわかる点にあります。仮定とは、事後差異と直後1分足の関係に相関がある、ということです。

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判別式の各項係数に基づき、コアCPIの推移に注目します。

コアCPI前月比のグラフ推移を見ると、市場予想は「やる気あるのか」という一定値が続いています。直近4回は、続けてこの一定値を下回っています。
意外なことに、このグラフ推移は市場予想後追い型のようです。確認しておきます。
2015年2月以降前回までの29回の発表で、市場予想と発表結果の大小関係が入れ替わったことは6回しかあります。入れ替わり率は21%となっており、市場予想が発表結果の推移を後追いしていると見なしたときの期待的中率は79%です。
現在、コアCPI前月比は市場予想を下回りがちのため、今回の発表結果が市場予想を下回る期待的中率が79%ということになります。

コアCPI前年比のグラフ推移を見ると、市場予想後追い型の可能性があります。確かめておきましょう。
2015年2月以降前回までの29回の発表で、市場予想と発表結果の大小関係が入れ替わったことは9回あります。入れ替わり率は31%となっており、市場予想が発表結果の推移を後追いしていると見なしたときの期待的中率は69%です。
現在、コアCPIは下降基調のため、今回の発表結果が市場予想を下回る期待的中率は69%ということです。

もし、プロの市場予想がずっと一定のルールに基づくか、実際の変化よりも控え目に予想しがちと言った癖があるのだとしたら、この偏りには意味があるかも知れません。

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次に、関連指標であるPPIとの相関有無について調べておきます。

相関の有無は、それぞれの指標の実態差異(発表結果ー前回結果)を用いて調べます。事前差異・事後差異・実態差異のうち、市場予想が含まれないのは実態差異だけだからです。
この実態差異は、それぞれの指標の判別式に実態差異を代入した結果を比較します。コアPPI前年比とコアCPI前年比のように、対応する個別項目毎では行わずに、判別式を用いて総合的に行います。これを、「PPI実態差異の総合的な結果」という具合に記すのは面倒なので、以下、単に「PPI実態指標結果」と記すことにします。

結果を下図に示します。

1707米国CPI260.png

以前から指摘しているように、少なくとも最近は2015年以降は、物価は上流と下流で同時進行で変化しがちです。

7月分CPI実態差異結果は、7月分PPI実態差異結果と同じに符号となる期待的中率が71%です。

7月分PPI実態差異結果はマイナスでした。よって、CPI実態差異結果もマイナスになると予想されます。一方、今回のCPI事前差異結果はプラスとなっています。よって、今後のCPI事後差異結果はマイナス、発表結果が市場予想を下回る、と予想されます。

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同様に、関連指標であるISM非製造業景況指数の価格指数との相関有無について調べておきます。
結果を下図に示します。

1707米国CPI270.png

7月分CPI実態差異結果は、8月分ISM価格指数と同じに符号となる期待的中率が71%でした。
ISM非製造業景況指数はまだ7月分までしか発表されていません。
よって、今回の予想には役立てることができません。来月のISM非製造業景況指数の価格指数の予想に、今回のCPI発表結果なら役立てられますけど。

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以上の分析要点は以下の通りです。

(1) 2015年1月以降前回までの直後1分足の反応方向は、

判別式=ー1✕A+2✕B+4✕C++3✕D

の符号(プラスが陽線、マイナスが陰線)と89%一致します。
但しここで、AはCPI前月比の差異、BはCPI前年比の差異、CはコアCPI前月比の差異、DはコアCPI前年比の差異、です。

(2) 上式で反応方向への影響が大きいコアCPI前月比・前年比は市場予想後追い型です。市場予想後追い型としての今回発表結果の予想は、市場予想を下回る、です。予想の期待的中率は69〜79%です。

(3) 7月分PPI実態差異結果はマイナスでした。よって、CPI実態差異結果もマイナスになると予想されます。一方、今回のCPI事前差異結果はプラスとなっています。よって、今後のCPI事後差異結果はマイナス、発表結果が市場予想を下回る、と予想されます。


(2-2. 過去反応)

過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示します。

まず、直前10-1分足は、過去平均跳幅が6pipsです。跳幅がその1.5倍の9pips以上だったことは過去4回(頻度13%)あります。この4回の直後1分足跳幅は21pipsで、これは直後1分足跳幅の過去全平均22pipsとほぼ同じです。そして、この4回の直前10-1分足と直後1分足の方向は2回(50%)一致しています。
つまり、直前10-1分足の反応が平均より少し大きく動いたからと言って、それが直後1分足の反応程度や方向を示唆しているとは言えません。

1707米国CPI310.png

次に、直前1分足の過去平均跳幅が6pipsです。跳幅がその1.5倍の9pips以上だったことは過去3回(10%)あります。この3回の直後1分足跳幅の平均は18pipsで、これは過去全平均22pipsよりやや小さいものの、ほぼ同じです。そして、このとき直前1分足と直後1分足の方向は1回(33%)一致しています。
つまり、直前1分足の反応が平均より少し大きく動いたからと言って、それが直後1分足の反応方向程度や方向を示唆しているとは言えません。

1707米国CPI320.png

そして、直後1分足の過去平均跳幅は22pipsです。追撃判断の目安をパッと得るため、計算しやすい30pips以上だった事例について調べておきました。そうした事例は過去5回(頻度17%)あります。この5回について、直後1分足跳幅を直後11分足跳幅が超えて反応を伸ばしたことは5回(100%)です。この5回の直後11分足跳幅は58pipsです。
つまり、直後1分足跳幅が30pips以上となったときは、そのまま反応を大きく伸ばしていく可能性があります。

1707米国CPI330.png

直後11分足は、過去平均跳幅が30pips、過去平均値幅が21pipsで、その差が9pipsあります。直後11分足跳幅が40pips以上に達したことは6回(頻度20%)あります。このとき、直後11分足の跳幅と値幅の差は平均5pipsしかありません。
つまり、直後11分足が大きく伸びたときには、比率で言って戻りが小さくなっています。これは戻りが小さいというよりも、反応を伸ばし続ける可能性が高い、ということです。

1707米国CPI340.png

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過去のローソク足の特徴を纏めると以下の通りです。

(1) たまに(頻度10〜16%)直前10-1分足や直前1分足の跳幅が10pips近く動くことがあります。がしかし、過去の事例を見る限り、それらの場合のそうした動きが、指標発表直後1分足の反応程度や方向を示唆しているとは言えません。釣られて痛い目を見ないように気を付けましょう。

(2) たまに(頻度17%)直後1分足跳幅が30pips以上となる場合があります。過去の事例を見る限り、こうした場合には、そのまま反応を大きく伸ばしていく可能性が高いようです。

(3) たまに(頻度20%)直後11分足跳幅が40pips以上となる場合があります。過去の事例を見る限り、こうした場合には、そのまま反応を伸ばして戻りが小さい、という傾向があります。


【3. 定型分析】

反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。詳細は「反応性分析」をご参照願います。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。詳細は「反応一致性分析」をご参照願います。
指標一致性分析は、指標の前回結果と市場予想の差(事前差異)と、発表結果と市場予想の差(事後差異)と、発表結果と前回結果の差(実態差異)を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。詳細は「指標一致性分析」をご参照願います。

反応性分析の結果を下表に示します。

1707米国CPI410.png

直後1分足と直後11分足との方向一致率は86%です。そして、その86%の方向一致時だけを取り上げて直後1分足跳幅を、直後11分足跳幅が超えて反応を伸ばしたことが75%です。
指標発表時点から見たその後の方向一致率が高く、且つ、反応を伸ばしているのだから、指標発表後に反応方向を確認したら早期追撃です。

がしかし、指標発表から1分を経過すると、直後1分足終値を超えて直後11分足終値が伸びていたことは43%しかありません。直後1分足と直後11分足とが反転したことは14%しかないものの、直後11分足は直後1分足の値幅を削ったことが43%もあります。
早期追撃で得たポジションは早期利確すべきであり、そしてその後の追撃にはあまり適していません。

次に、反応一致性分析の結果を下表に示します。

1707米国CPI420.png

直前1分足は陰線率が96%、直後1分足は陽線率が71%と、偏りが目立ちます。
直後1分足と直後11分足の方向一致率が86%と高い点を除けば、先に形成されたローソク足が後で形成されるローソク足の方向を示唆している兆しはありません。

最後に、指標一致性分析の結果を下表に示します。

1707米国CPI430.png

事後差異と直後1分足・直後11分足の方向一致率がそれぞれ89%・80%となっています。市場予想に対する発表結果の良し悪しに、素直に反応する指標です。

【4. シナリオ作成】

巻頭箇条書きのシナリオの項をご参照願います。
以上



2017年8月11日21:30発表

以下は2017年8月11日23:00頃に追記しています。
V.発表結果検証

【5. 発表結果】
(5-1. 指標結果)

本指標発表結果及び反応は次の通りでした。

1707米国CPI510.png

結果はコアCPI前年比を除き市場予想を下回り、反応は陰線でした。

さて、発表直後に瞬間的に108.7付近まで跳んだものの、その後は108.8付近で跳ね返されています。108.8付近には、6月13日安値というサポートの他、週足での雲の下端です。ここを下抜ける勢いはありませんでした。
勢い不足の解釈としては、発表結果が全体的に市場予想を下回ったものの、前回結果を上回っていたため、と推察されます。とするならば、今回の陰線の大きさ自体が過剰な反応だったのかも知れません。

この結果を受けて、CPIのグラフ推移は2017年2月以降の下降基調を脱したようにも見受けられます。まだ上向いたとは言えないものの、「どこまで(いつまで)下がるのか」という不安には一服つけます。

(5-2. 取引結果)

取引結果は次の通りでした。

1707米国CPI520.png

追撃失敗は、前述のサポートを下抜けたと読み誤ったため、損切となりました。

【6. 分析検証】
(6-1. 分析検証)

事前調査分析内容を以下に検証しておきます。

  • 指標結果の分析には、同月集計のPPI実態差異結果(発表結果ー前回結果)の良し悪しを参考にしていました(期待的中率71%)。また、コアCPI前月比と前年比は、市場予想後追い型となっていました。
    結果は、市場予想後追い型としての特徴を今回も満たしました。がしかし、PPI実態差異がマイナスだったものの、今回CPIは同プラスとなっています。市場予想が高めだったことで、結果的に救われました。

  • 過去の直後1分足の反応方向は、
       判別式=ー1✕A+2✕B+4✕C+3✕D
    の符号(プラスが陽線、マイナスが陰線)と89%一致します。
    但しここで、AはCPI前月比の差異、BはCPI前年比の差異、CはコアCPI前月比の差異、DはコアCPI前年比の差異、です。
    今回の結果を判別式に当てはめると、事前差異がプラス、事後差異がマイナス、実態差異がプラスです。事後差異と直後1分足の方向は一致しました。

  • 過去の傾向から言えば、初期反応は大きく、最初は指標結果の良し悪しに素直に反応しがちです。がしかし、発表から1分を過ぎると、反応を伸ばし続けるか値を戻すかがわかりません。よって、追撃は早期参加・短期利確しか薦めませんでした。
    結果は、おおむね分析通りと言えます。

(6-2. シナリオ検証)

事前準備していたシナリオを検証しておきます。

  • 直前1分足は陰線と見込みました。問題ありません。

  • 直後1分足は陰線と見込みました。指標発表直前に売ポジションを取得し、指標発表直後の跳ねで利確・損切しました。これも問題ありません。

  • 追撃は反応方向を確認したら、早期参加して短期利確するつもりでした。但し、直後1分足跳幅が30pips以上となるか、直後11分足跳幅が40pips以上となった場合、順張り追撃を短期利確の繰り返しで再開することにしました。これも問題ありません。

下表に、本ブログを始めてからの本指標シナリオでの取引成績を纏めておきます。

1707米国CPI530.png

以上



ーーー注記ーーー

本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。

ーーー注記ーーー

本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上

2017年08月09日

米国物価指標「PPI(生産者物価指数)」発表前後のUSDJPY反応分析(2017年8月10日21:30発表結果検証済)

以下、「T.調査・分析」を事前投稿し、「U.結果・検証」を事後投稿しています。ブログの日付は事前投稿日となっています。指標発表後に事後投稿し、その日時は「U.結果・検証」のタイトル行付近に記載しています。

2017年8月10日21:30に米国物価指標「PPI(生産者物価指数)」が発表されます。今回発表は2017年7月分の集計結果です。

同時刻に、前週分週次新規失業保険申請件数が発表されます。これまでの傾向では、初期の反応方向への影響は本指標の方が大きく、徐々に週次新規失業保険申請件数の結果が反応に影響することが多いようです。
これは、定量データに基づかない感触について述べています。主観に基づく選別で恐縮ながら、以下の分析は本指標についてのみ行っています。

今回の市場予想と前回結果は次の通りです。市場予想は本記事作成時点の値です。

1707米国PPI110.png

※ 本稿は8月9日に記しています。市場予想は発表直前に確認しておきましょう。

本指標の特徴は以下の通りです。

  • 過去の傾向では、指標発表直後跳幅が9-16pipsの範囲に50%が収まっています。反応方向は最初だけ発表結果の良し悪しに素直です。
  • 過去の傾向では、本指標は追撃に向いていません。指標発表から1分を経過すると、直後1分足終値を超えて直後11分足終値が伸びていたことが52%で、両者が反転していたことが41%にもなります。
  • 本指標は取引に向いていません。
    いつも使える癖のようなものがなく、反応方向を示唆する条件はたまにしか成立しません。

定型分析の結果は以下の通りです。

1707米国PPI410.png

1707米国PPI420.png

1707米国PPI430.png

調査・分析結果は以下の通りです。

  • 指標結果の予想分析は、市場予想を下回る、が結論です。但し、この予想の期待的中率は62%以上、とあまり高くありません。
    個別分析結論要点は以下の通りです。
    (1) 過去の傾向から言えば、PPI前月比:PPI前年比:コアPPI前月比:コアPPI前年比の発表結果は、それぞれの市場予想との差異に対し、2:1:2:1の比率で直後1分足の反応方向と80%以上の確率で一致します。
    (2) 最も反応方向に影響するPPI前月比とコアPPI前月比は、毎月の上下動が大きく、過去の傾向に基づく予想に向いていません。
    (3) 輸入物価指数とPPIとの実態差異方向一致率は、多少、時期をずらしても高くありません。
    (4) 前月集計分のISM製造業景況指数の価格指数実態差異とPPIの実態差異判別式結果とは、期待的中率が62%あります。
    6月分ISM製造業価格指数の実態差異はマイナスでした。一方、PPI事前差異判別式結果はプラス(市場予想が高め)となっています。よって、今回のPPI実態差異判別式結果は市場予想を62%以上の期待的中率で下回ります。

  • 過去のローソク足の特徴は以下の通りです。
    (1) まれに(頻度10%)直前1分足の過去平均跳幅の2倍の8pips以上動くことがあります。過去事例では、こうした場合の直後1分足跳幅はいつもよりやや大きくなり、反応方向は直前1分足と一致する可能性があります。
    (2) 直前1分足は、陽線側に1-3pipsのヒゲを残して陰線に転じたことが目立ちます。
    (3) しばしば(頻度33%)直後1分足の過去平均跳幅が20pips以上動くことがあります。過去のこうした事例では、直後1分足跳幅を直後11分足跳幅が超えて反応を伸ばしたことが80%にも達しています。
    (4) ときどき(頻度25%)直後11分足跳幅が30pips以上動く場合があります。過去のこうした事例では、直後11分足終値までに平均11pips戻しています。大きく反応を伸ばしたときには、戻りもその分だけ大きくなる可能性があるので気を付けましょう。

  • 定型分析の結論は次の通りです。
    (1) 反応性分析の結論は以下の通りです。
    直後1分足と直後11分足との方向一致率は59%しかありません。これでは、初期の反応方向を確認したとしても、安心して追撃ポジションが取れません。そして、指標発表から1分を経過すると、直後1分足終値を超えて直後11分足終値が伸びていたことが52%で、両者反転していたことが41%にもなります。
    つまり、本指標は追撃に向いていません。
    (2) 反応一致性分析の結論は以下の通りです。
    直前1分足には陰線率88%という偏りが見られます。
    先に形成されたローソク足が後で形成されるローソク足の方向を示唆している兆しはありません。
    (3) 指標一致性分析の結論は以下の通りです。
    事後差異・実態差異と直後1分足の方向一致率がそれぞれ80%・70%となっています。発表結果の良し悪しに対しては素直に反応しています。

  • 以上の調査・分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。
    (1) 直前1分足は陰線と見込みます。但し、過去平均pipsが4pipsしかありません。指標発表1分前に直前1分足が1-3pips陽線側に動いたら、次は陰線側に戻すと見込んで取引します。
    (2) もし直前1分足が8pips以上の跳幅を一方に残したら(残しそうなら)、指標発表前に直前1分足と同方向にポジションを取り、指標発表直後の跳ねで利確・損切を行います。
    (3) もし、直後1分足が20pips以上の跳幅を形成したら、順張り短期追撃を行います。反転リスクが高いので、数pipsで短期利確です。

以上の詳細ないしは論拠は、以下の「T.調査・分析」に記しています。


T.調査・分析

公開情報や既出情報に基づく調査を行い、過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。利確・損切の目安は、過去平均値を最近の反応の大小と見比べて感覚的に微修正しています。

【1. 指標概要】

本指標の意義は、同月集計のCPI(消費者物価指数)との方向一致率が65%前後あることです。

PPI(生産者物価指数、Producer Price Index)は約10,000品目の販売価格(出荷時点価格)を調査・算出した物価指標です。1982年の平均物価を100として算出されています。PPIから、価格変動が大きい食糧・エネルギーを除いた指標がコアPPIです。

内訳には「品目別」「産業別」「製造段階別(原材料・中間財・完成財)」があり、「品目別」「産業別」を見て、結果(「コア指数」「総合指数」)の解釈を行います。

イメージ的には鉱工業・製造業企業の物価指数ですが、実際には輸送業・公益事業・金融業なども含まれています。CPIとの違いは、輸送費・税・補助金・小売業者粗利等が含まれていない点です。

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本指標に関する調査期間と、過去の反応程度・分布を下表に纏めておきます。

1707米国PPI120.png

最も指標結果に素直に反応する直後1分足跳幅は、過去平均で16pipsです。本指標は平均的な反応程度です。
また上表分布を別の言い方で説明すると、

  • 8pips以下だったことは17%
  • 9-16pipsが50%
  • 17-23pipsが16%
  • 24-32pipsが4%
  • 33pips以上は13%

です。

9-16pipsの範囲に初期反応が収まったことが半分を占めています。
たまに平均の2倍以上(33pips以上)反応していることが気になります。時期は2016年4・7・8月分の発表時で、7月分のみは市場予想が大きく外れたときですが、他の2回は原因がわかりません。


【2. 既出情報
(2-1. 過去情報)

過去の発表結果と市場予想を下図に一覧します。
下図は発表結果と市場予想をプロットしています。市場予想は発表直前の値をプロットし、発表結果は後に修正値が発表されても定時発表値のままをプロットしています。

1707米国PPI210.png

1707米国PPI220.png

項目が多いため、個別項目毎にグラフを眺めるより先に、ポイントを絞っています。
以下は、2017年7月13日発表時の事前分析で調べた結果です。
毎月調べる必要はないので、四半期に1度程度見直しを行っておきます。

各項目毎に反応方向にどの程度影響しているのかを下表に纏めておきました。
指標結果への最も素直な反応は、事後差異(発表結果ー市場予想)に対して直後1分足跳幅となって表れます。よって、事後差異と直後1分足との方向一致率が高い項目が、反応への影響が大きいと見なせます。

1707米国PPI250.png

上表から、反応への影響は、コアPPI>PPI、前年比>前月比、の関係があります。

では次に、もしコアPPI前年比の事後差異が+0.1で、PPI前月比が△0.5だったとき、プラスとマイナスのどちらの影響が反応方向に影響するのか、といったことが重要です。そこで、事後差異と直後1分足との方向一致率は、次の式のように重み付けすると、過去の反応方向をよりうまく説明できることがわかりました。これを判別式と呼び、

2✕PPI前月比の差異
+1✕PPI前年比の差異
+2✕コアPPI前月比の差異
+1✕コア前年比の差異

で、符号を判別します。符号がプラスなら陽線、マイナスなら陰線です。
直後1分足の場合、各項目の事後差異を判別式に代入すると、過去事例の方向のうち83%が、本判別式の解の符号と一致します。

直観的には、個別項目毎の反応への影響が、コアPPI>PPI、前年比>前月比、の関係があるため、この判別式係数に「おや」っと思ってしまいます。がしかし、統計は神様の学問なので計り知れないことも起きるのでしょう。

もちろん、こんな複雑な式を指標発表直後にぱぱっと求めることなどできません。この判別式の意義は、一致率が高いほど、過去の傾向と同様の反応(素直な反応)をすることがわかる点にあります。

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判別式の各項係数に基づき、PPIとコアPPIの前月比の推移に着目します。

PPIとコアPPIの前月比の推移を見る限り、上下動が大きく、過去のグラフ推移を今回予想に役立てることには無理があります。
それぞれ、市場予想と発表結果の大小関係が前月結果と入れ替わったことは、13回(45%)・14回(48%)です。この確率では今回の予想に役立てることが出来ません。

これは市場予想が適切に予想されている、ということです。プロの予想はこうでなくっちゃ。

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さて、物価は上流から下流へと波及すると、かつてよく解説されていました。がしかし、これは供給側の論理が消費側の論理よりも強く、企業購買部門や海外販売部門の力量が足りずに貿易を商社に頼っていた時代の話です。

この件も、2017年7月13日発表時の事前分析で確かめています。
これも、見直しは四半期に1回やれば十分でしょう。

PPIに先行するのは輸入物価指数です。もし輸入物価指数が前月より上昇したらPPIも前月より上昇するのなら、輸入物価は生産者物価を先行示唆することになります。
下図は、輸入物価指数とPPIの増減方向が一致した率をプロットしています。横軸でPPIと比較する輸入物価指数を時期ずれさせています。

1707米国PPI260.png

結果は、PPI集計月よりも1・2か月前の輸入物価指数が、PPI(の総合的な判別式の増減符号)と一致傾向が高いようです。
但し、その一致率は1か月前が58%、2か月前と56%です。単月毎の一致率をアテにして取引できるほど、確率が高くありません。

そこで、1か月前と2か月前との不一致率が続く確率を求めてみます。不一致率はそれぞれ42%・44%なので、不一致が続く確率は18%です。2か月続けて不一致が続かない確率が82%なので、これなら頼りになる数字です。

今回のPPI発表は7月集計分です。まずPPI6月集計分の実態差異はマイナスでした。その1か月前の輸入物価指数の5月集計分の実態差異もマイナスです。
残念ながら今回は「期待的中率82%の予想は適用できない」ということになります。

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次に、本指標に先立って6月集計結果が発表されているISM製造業景況指数の価格指数(以下、ISM製造業価格指数と略記)との対比を行います。対比は、それぞれ実態差異(発表結果ー前回結果)を用いて行います。そして、PPIの実態差異は、先述の判別式で求めています。

結果、下図の通り、ISM製造業価格指数結果を前月結果を比べた良し悪しが、同月集計の本指標の前月結果との良し悪しと、方向一致率が40%となっています。
がしかし、集計月が同じでも調査時期が同じかがわかりません。そこで、ISM製造業価格指数の翌月集計分や前月集計分との対比も行いました。結果、PPIはISMの前月集計分との一致率だけ明らかに高くなっていました。

1707米国PPI270.png

PPI(関連の判別式結果)は、前月集計のISM製造業価格指数との相関がある可能性があります(仮説)。
もし、この仮説が正しいならば、6月分ISM製造業価格指数の実態差異はマイナスです。よって、今回のPPI(関連の判別式結果)は、前回結果を下回る可能性があります。

今回のPPI(関連の判別式結果)の市場予想は前回結果より全体にプラスとなっています。よって、上記仮説に基づけば、今回のPPI(関連の判別式結果)は市場予想を62%以上の期待的中率で下回ります。

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以上の分析要点は以下の通りです。

(1) 過去の傾向から言えば、PPI前月比:PPI前年比:コアPPI前月比:コアPPI前年比の発表結果は、それぞれの市場予想との差異に対し、2:1:2:1の比率で直後1分足の反応方向と80%以上の確率で一致します。

(2) 最も反応方向に影響するPPI前月比とコアPPI前月比は、毎月の上下動が大きく、過去の傾向に基づく予想に向いていません。

(3) 輸入物価指数とPPIとの実態差異方向一致率は、多少、時期をずらしても高くありません。

(4) 前月集計分のISM製造業景況指数の価格指数実態差異とPPIの実態差異判別式結果とは、期待的中率が62%あります。
6月分ISM製造業価格指数の実態差異はマイナスでした。一方、PPI事前差異判別式結果はプラス(市場予想が高め)となっています。よって、今回のPPI実態差異判別式結果は市場予想を62%以上の期待的中率で下回ります。

すなわち、今回の発表結果は62%以上の期待的中率で市場予想を下回る、と予想します。


(2-2. 過去反応)

過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示します。

まず、直前10-1分足は、過去平均跳幅が6pipsです。跳幅がその2倍の12pips以上だったことは過去一度もありません。もし直前10-1分足の反応が12pips以上に達したら、過去にない異常なことが起きている可能性があります。

1707米国PPI310.png

次に、直前1分足の過去平均跳幅は4pipsです。この跳幅がその2倍の8pips以上だったことは過去3回(10%)です。
この3回の直後1分足跳幅の平均は21pipsで、これは過去全平均16pipsより5pips大きく反応しています。直前1分足がいつもより大きく動いたときには、直後1分足もやや大きく反応している可能性があります。そして、このとき直前1分足と直後1分足の方向は3回(100%)一致しています。

1707米国PPI320.png

そして、直後1分足の過去平均跳幅は16pipsです。
追撃判断の目安をパッと得るため、計算しやすい20pips以上だった事例について調べておきました。そうした事例は過去10回(頻度33%)あります。この10回について、直後1分足跳幅を直後11分足跳幅が超えて反応を伸ばしたことは8回(80%)あります。

1707米国PPI330.png

直前1分足は、陽線側に1-3pipsのヒゲを残して陰線に転じたことが目立ちます。

直後11分足は、過去平均跳幅が23pips、過去平均値幅が15pipsで、その差が8pipsあります。
直後11分足跳幅が30pips以上に達したことは7回(頻度23%)あります。このとき、直後11分足の跳幅と値幅の差は平均11pipsとなっています。
つまり、直後11分足が大きく伸びたときには、戻りもその分だけ大きくなる可能性があります。

1707米国PPI340.png

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過去のローソク足の特徴を纏めると以下の通りです。

(1) まれに(頻度10%)直前1分足の過去平均跳幅の2倍の8pips以上動くことがあります。過去事例では、こうした場合の直後1分足跳幅はいつもよりやや大きくなり、反応方向は直前1分足と一致する可能性があります。

(2) しばしば(頻度33%)直後1分足の過去平均跳幅が20pips以上動くことがあります。過去のこうした事例では、直後1分足跳幅を直後11分足跳幅が超えて反応を伸ばしたことが80%にも達しています。

(3) ときどき(頻度25%)直後11分足跳幅が30pips以上動く場合があります。過去のこうした事例では、直後11分足終値までに平均11pips戻しています。大きく反応を伸ばしたときには、戻りもその分だけ大きくなる可能性があるので気を付けましょう。


【3. 定型分析】

反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。詳細は「反応性分析」をご参照願います。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。詳細は「反応一致性分析」をご参照願います。
指標一致性分析は、指標の前回結果と市場予想の差(事前差異)と、発表結果と市場予想の差(事後差異)と、発表結果と前回結果の差(実態差異)を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。詳細は「指標一致性分析」をご参照願います。

反応性分析の結果を下表に示します。

1707米国PPI410.png

直後1分足と直後11分足との方向一致率は59%しかありません。これでは、初期の反応方向を確認したとしても、安心して追撃ポジションが取れません。そして、指標発表から1分を経過すると、直後1分足終値を超えて直後11分足終値が伸びていたことが52%で、両者反転していたことが41%にもなります。
つまり、本指標は追撃に向いていません。

次に、反応一致性分析の結果を下表に示します。

1707米国PPI420.png

直前1分足には陰線率88%という偏りが見られます。
先に形成されたローソク足が後で形成されるローソク足の方向を示唆している兆しはありません。

最後に、指標一致性分析の結果を下表に示します。

1707米国PPI430.png

事後差異・実態差異と直後1分足の方向一致率がそれぞれ80%・70%となっています。発表結果の良し悪しに対しては素直に反応しています。

【4. シナリオ作成】

巻頭箇条書きのシナリオの項をご参照願います。
以上



2017年8月10日発表

以下は2017年8月11日に追記しています。
V.発表結果検証

【5. 発表結果】
(5-1. 指標結果)

本指標発表結果及び反応は次の通りでした。

1707米国PPI440.png

結果は全ての項目で前回・予想を下回り、反応は陰線でした。
反応の程度は平均値(直後1分足跳幅)で、直後11分足は跳幅・値幅ともに直後1分足よりも反応を伸ばしました。

(5-2. 取引結果)

シナリオに従って取引は止めました。

【6. 分析検証】
(6-1. 分析検証)

事前調査分析内容を検証しておきます。

  • 過去の傾向では、指標発表直後跳幅が9-16pipsの範囲に50%が収まっていました。反応方向は最初だけ発表結果の良し悪しに素直と言えます。
    今回の結果は16pipsなので、予想範囲に収まっています。がしかし、今回の反応は最初だけでなく、どんどん反応を伸ばしていきました。

  • 過去の傾向では、本指標は追撃に向いていません。指標発表から1分を経過すると、直後1分足終値を超えて直後11分足終値が伸びていたことが52%で、両者が反転していたことが41%にもなっています。
    今回の結果はどんどん一方向に反応を伸ばしていったので、上記事前分析は外れました。

  • 本指標は取引に向いていません。いつも使える癖のようなものがなく、反応方向を示唆する条件はたまにしか成立しません。
    今回の発表結果と反応で、多少は確率が変化したと思われますが、まだ十分な偏りには達しないと思います。

(6-2. シナリオ検証)

事前準備していたシナリオを検証しておきます。

  • 直前1分足は陰線と見込んでいました。但し、過去平均pipsが4pipsしかありません。指標発表1分前に直前1分足が1-3pips陽線側に動いたら、次は陰線側に戻すと見込んで取引するつもりでした。
    このシナリオは、タイミングを逸したため、取引できませんでした。

  • もし直前1分足が8pips以上の跳幅を一方に残したら(残しそうなら)、指標発表前に直前1分足と同方向にポジションを取り、指標発表直後の跳ねで利確・損切を行うつもりでした。
    直前1分足は長跳幅が2pipsしかありませんでした。取引中止です。

  • もし、直後1分足が20pips以上の跳幅を形成したら、順張り短期追撃を行うつもりでした。
    直後1分足の跳幅は16pipsでした。

以上



ーーー注記ーーー

本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。

ーーー注記ーーー

本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上
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