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1. FXは上達するのか

小さなコツをいくつか覚えたって駄目です。勝てない原因をきちんと突き止めてからやり直しましょう。FXを楽しむためには「投資期間」が必要です。すぐに始めたって勝てないことは、FXに限らず、何事であれ同じなのです。だからこそ、その期間を短縮するための「方法論」が大切なのです。

 右矢印1 1-1. FXを楽しむために
   アマチュアらしく…
 右矢印1 1-2. いつか負けないはずがない!
   上手くなるまでは短期取引です
 右矢印1 1-3. 難しさの正体って何だ
   利確と損切の理解は大切です
 右矢印1 1-4. FXは上達するのか
   取引機会を絞り込むべきです
 右矢印1 1-5. 数字で掴もう
   その機会にどう臨むかです
2. 経済指標の楽しみ方

このブログで扱う取引の理想は、経済指標発表前後の反応を着実に刈り取り、ポジション保有時間を最短化してリスクを避けることです。でも、効率良く取引するにはそれなりに予備知識が必要です。大した話は紹介できませんが、基本だけは押さえておきましょう。

 右矢印1 2-1. 大きなゾウの隠れ方
   指標取引のための予備知識です
 右矢印1 2-2. ウソは嫌いだ!
   短期取引をやるときの指針です
 右矢印1 2-3. イグアナを見分ける前に
   このブログの指標取引での成績です
 右矢印1 2-4. 小ズルくいきましょう
   いわばジンクスで勝つ方法です

3. 指標取引分析手法

このブログでは経済指標への調査・分析を定型書式で行っています。定型書式を用いることで、反省を踏まえてやり方を進歩させたり、相場環境が変わったことを見つけやすくするため、です。

 右矢印1 3-1. 指標取引の予備知識
   指標発表前後の他の時間と違い
 右矢印1 3-2. ローソク足各部の名称
   全幅・値幅・跳幅とは?
 右矢印1 3-3. 4本足チャート
   このブログで使うチャート表記
 右矢印1 3-4. 反応方向の予備知識
   指標分類と反応方向の基本
 右矢印1 3-5. 取引通貨ペアの選択
   通貨ペアによる有利不利
 右矢印1 3-6. 指標分析の方法
   定量指標分析とは?
 右矢印1 3-7. 反応分析の方法
   定量反応分析とは?
 右矢印1 3-8. 分析の成績
   事前分析的中率
 右矢印1 3-9. ブレイク対応準備
   ついでに…
4. 経済指標DB

経済指標発表前後の短時間に分析期間を絞ることによって、指標への反応に一定の再現性(傾向)があることはわかりました。各国「政策決定指標」・「経済実態指標」の項に、主要な指標についての分析結果と分析事例を纏めてあります。

 右矢印1 4-0. 各国経済・通貨の特徴
 右矢印1 4-1. 日本経済
    4-1-1. 政策決定指標
     (a) 日銀短観
     (b1) 東京都区部CPI
     (b2) 全国CPI
    4-1-2. 経済実態指標
     (c) GDP一次速報
     (d) 機械受注
     (e1) 通関貿易統計
     (e2) 国際収支
 右矢印1 4-2. 米国経済
    4-2-1. 政策決定指標
     (a) FOMC
     (b1) UM消信指数速報
     (b2) CB消信指数
     (b3) ISM非製景指数
     (c1) NY連銀製景指数
     (c2) Phil連銀製景指数
     (c3) ISM製景指数
     (d1) 輸出・入物価指数
     (d2) 生産者物価指数
     (d3) 消費者物価指数
     (d4) PCEコアデフレータ
     (e1) ADP雇用統計
     (e2) 雇用統計
    4-2-2. 経済実態指標
     (a1) GDP速報値
     (a2) GDP改定値
     (a3) GDP確定値
     (b1) 小売売上高
     (b2) 個人消費・所得
     (c1) 鉱工業生産
     (c2) 耐久財受注
     (d1) 中古住宅販売件数
     (d2) 新築住宅販売件数
    4-2-3. 収支関連指標
     (a) 貿易収支
 右矢印1 4-3. 欧州経済
    4-3-1. 政策決定指標
     (a) ECB金融政策
     (c1) ZEW企業景況感調査
     (c2) 独国Ifo企業景況指数
     (c3) 独国PMI速報値
     (c4) 欧州PMI速報値
     (d) 欧州HICP速報値
    4-3-2. 経済実態指標
     (a1) 独国GDP速報値
     (b) 独国貿易統計
     (c1) 独国製造業新規受注
     (c2) 独国鉱工業生産
 右矢印1 4-4. 英国経済
    4-4-0. 英国経済指標反応要点
    4-4-1. 政策決定指標
     (a) BOE金融政策
     (c1) PMI速報値
     (c2) 製造業PMI改定値
     (c3) サービス業PMI改定値
     (d) 物価統計
     (e) 雇用統計
    4-4-2. 経済実態指標
     (a1) 月次GDP
     (a2) 四半期GDP速報値
     (b) 小売売上高指数
     (c) 鉱工業生産指数
     (d) 貿易収支
 右矢印1 4-5. 豪州・NZ経済
    4-5-1. 政策決定指標
     (a) RBA金融政策
     (b) RBNZ金融政策
     (c1) NAB企業景況感指数
     (c2) WP消費者信頼感指数
     (d1) 四半期住宅価格指数
     (d2) 四半期生産者物価指数
     (d3) 四半期消費者物価指数
     (e1) 賃金指数
     (e2) ANZ求人広告件数
     (e3) 雇用統計
    4-5-2. 経済実態指標
     (a) 四半期GDP
     (b) 貿易収支
     (c) 小売売上高
     (d1) 住宅ローン件数
     (d2) 建設許可件数

ーーーーーーーー
【FX会社】
各社特徴があります。最初は資金にも限りがあるでしょうから1つの口座で、慣れたらいくつか口座を開いて自分が使いやすい会社を選ぶと良いでしょう。
ーーーーーーーー

DMM.com証券

FX口座数国内第1位はTVCMで有名。主要通貨のスワップポイントが高く、ドル円スプレッドも原則0.3銭と安い。2万円のキャッシュバック条件は、10万円入金+PC・スマホで3か月各500枚(週毎に各約40枚)の取引と意外に簡単!


ヒロセ通商

他社乗換ほか、キャッシュバックプログラム多数。スプレッドは、クロス円でUSD・EUR・NZDが有利、ドルストレートでEUR・GBP・AUDが有利。最小取引は1000通貨単位で初心者に優しい。スワップが良い会社です。


マトリックストレーダー

キャッシュバック条件はヒロセ通商と同じようです。特長は、スキャルピングOK公言・1日の取引上限なし・1000通貨単位取引可、といった点。


OANDA Japan

MT4業者はスプレッドが狭くても約定力が低い業者が多いなか、約定拒否なしが魅力。またHPの各種分析図表が美しく、あちこちのブログで引用されています。本ブログでは他人の著作物転載はしていないので、お見せできません。一度ご覧ください。


外為ファイネスト証券

特徴は、MT4最狭水準のスプレッド、EA利用可、指値制限なし、MT4サーバ国内設定、1000通貨取引可、です。

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2017年05月17日

英国雇用指標「求職者給付受給者数・平均所得・失業率」発表前後のGBPJPY反応分析(2017年5月17日17:30発表結果検証済)

以下、「T.調査・分析」を事前投稿し、「U.結果・検証」を事後投稿しています。ブログの日付は事前投稿日となっています。指標発表後に事後投稿し、その日時は「U.結果・検証」のタイトル行付近に記載しています。

2017年5月17日17:30に英国雇用指標「求職者給付受給者数・平均所得・失業率」が発表されます。
今回発表は求職者給付受給者数と失業率(英国式)が4月分、平均所得と失業率(ILO方式)が3月分の発表となります。

本指標の要点は下表に整理しておきました。

1704英国雇用100.png

次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。

  • まず、本指標で取引する上での注意点です。

    (1) 直前10-1分足・直前1分足には、長いヒゲが目立ちます。発表前に10-20pips動くことが珍しくないので、注意が必要です。
    本ブログルールに依りポジションを取る予定はありませんが、直前10-1分足の陽線率・直前1分足の陰線率はともに69%です。

    (2) 最近は発表直後の反応がやや小さくなっていますが、過去の平均値では30-40pips動いています。
    怖いので、指標発表後の反応方向を見てから追撃しても良いでしょう。その場合、タイミングを計って短時間の取引を薦めます。
    反応性分析の結果、直後1分足跳幅を直後11分足跳幅が超えたことは60%と、やや心もとない数字となっています。本ブログ読者の方は既にご存知の通り、発表1分後、3-4分後に、高値・安値をつけたり、反応方向に変化が起きることが多いという印象があります。

    (3) そして、求職者給付受給者数と平均所得と失業率が発表されますが、本指標で反応に寄与するのは平均所得です。発表結果が市場予想より高いか低いかを事前分析するなら、平均所得増減について行うべきです。

  • とは言え、英国の雇用条件の変化を調べることは難しいと思います(日本のだって難しい)。
    でも安心です。

    指標一致性分析の結果、次のことがわかりました。
    事後差異(発表結果ー市場予想)は、直前1分足との方向一致率が80%あります。つまり、発表直前に発表結果が市場予想を上回るか下回るかは、過去の直前1分足の方向を見る限り、かなり高い確率で当たっています。

    そして、直前1分足の方向を、事後差異(発表結果が市場予想より高いか低いか)の予兆と捉えれば、事後差異と直後1分足・直後11分足との方向一致率は各83%・70%と高いことがわかりました。

    但し、段階的に個々の事象の確率を掛け合わせることになるで、一見、個別の確率が高くても一連まとめた視点での確認が必要です。
    反応一致性分析では、直前1分足と直後1分足・直後11分足との方向一致率は各65%・50%に過ぎません。
    これら数字を見て、どうポジションを取るかが大事です。指標の発表結果を当てるのは、取引の手段に過ぎませんからね。

  • シナリオは次の通りです。

    (1) 直後1分足は、直前1分足と同じ方向に反応すると見込みます。
    但し、反応一致性分析の結果、両者の方向一致率が65%しかないので、発表時に跳ねたらすぐ利確です。ぐいぐい伸びそうか、さっさと利確するかを決めるのは、発表後4-15秒後ぐらいです(損切は結果的に失敗だったことも多いものの、なるべく10秒以内に行っています)。
    自信がなければ欲張りませんし、早めの利確で逃すpipsがあってもタンタンとやるのです。

    (2) 直後11分足は、反応性分析の結果、直後1分足と直後11分足の方向一致率は77%で、方向一致時に直後11分足跳値が直後1分足跳値を超えて反応が伸びていたことが60%、直後11分足終値が直後1分足終値を超えて反応が伸びたことが70%です。
    発表直後の大きなヒゲはなかなか超えられないものの、直後1分足終値に対しては、直後11分足終値が直後1分足と同方向に伸びていく、といったイメージでしょうか。

    ここで、だから直後1分足終値でポジションを取ったら直後11分足終値まで利確を待つやり方と、この数字が表す姿は初期反応後に一旦反転するイメージを抱いて、追撃を複数間に分けるやり方があります。
    こんなときは、その日15:30頃からのトレンドを見て、その方向と一致しているときにはポジションを長めに持ち、逆方向のときには短めにする、というやり方が基本だと思います。
    既に指標発表結果は把握している時間にせよ、結果が市場予想との差が大きいか小さいかでは、反応の程度との相関が掴めていません。


T.調査・分析

公開情報や既出情報に基づく調査を行い、過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。

【1. 指標概要】

日本を除く主要国では、雇用統計発表直後の反応が他の指標発表時よりも大きくなる傾向があります。これは、雇用統計がその国の景気を最もよく表している、と考えられているからです。

英国では日本よりもかなり早くから派遣雇用者が多いという特徴がありました。また、終身雇用という制度がない、という雇用環境も我々と異なります。そうした社会的背景を知らないと、英国雇用統計はよくわからないものです。
少し古い記事ですが、DIAMOND onlineの特別レポート記事で「日本で報じられない“派遣労働”大国イギリスの実情と教訓〜英ヘイズ・スペシャリスト・リクルートメント社の幹部に聞く」というのがありました。日英の雇用環境の違いがとてもわかりやすくまとまったインタビュー記事だと思います。宜しければご参考までに。

以前はかなり大きな反応をする指標でしたが、最近はなぜかあまり反応しません。とはいえ、直後1分足跳幅が20pips程度、直後11分足跳幅は40pipsも反応するので、日欧の雇用指標に比べると大きく反応します。指標発表を跨いでポジションを持たずに、指標発表への反応方向を見てからポジションを取っても、同じ方向に反応が伸び続ける傾向があります。

同時発表される平均所得は、我々の日頃の言葉で言えば平均給与といった方がイメージに合うと思います。少なくとも数年前までは参考程度の指標でしたが、最近は賃金上昇率の多寡に反応することも多いようです。
ざっくりとキリの良い数字で具体的にイメージするなら、年収1200万(600万)のとき1%(2%)の上昇が毎月の給与が1万円増えるということです。この水準がざっくり日本のバブル末期(1990年頃)の状態です。
反応は平均所得(含ボーナス)に対して生じます。

【2. 既出情報

以下の調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの27回分のデータに基づいています。

(2-1. 過去情報)

過去の市場予想と発表結果を示します。

まず、受給者数です。受給者数が増える(減る)と、GBPにとって売られる(買われる)材料となります。がしかし、前回は市場予想を上回って4か月ぶりのプラス転換したものの、直後1分足の反応は陽線でした。
同様に更に2回分遡ると、2月分データは市場予想>発表結果>前回結果の順、1月分データは市場予想>前回結果>発表結果の順で、それぞれ陰線・陰線です。

1704英国雇用210.png

次に、平均所得(含ボーナス)です。所得が増えると消費が増えると考えられます。前回は市場予想・前回結果ともに上回って陽線での反応したので、この項目が反応に寄与した可能性があります。
更に2回分遡ると、1月分データも2月分データも市場予想>前回結果>発表結果の順となっており、反応は陰線・陰線です。

1704英国雇用220.png

最後に失業率ですが、あまり変化がないこともあって反応に寄与していません。下図の傾向から明らかなように、全体的には調査期間中にほぼ単調に改善が続いているので、都度の発表時に陽線や陰線の反応が起きても失業率とは因果関係がないように見えて当然です。

1704英国雇用230.png

以上の点から、直近の反応に寄与するのは、平均所得>受給者数と考えられます。
前回までの本指標記事では、平均所得を踏まえた分析を行っていません。その結果「発表結果と反応との相関性が薄い指標」だと記していました。
不勉強をお詫びして訂正いたします(もしも、こんなHPを参考に取引している方が居られれば)。
この件の詳細は後記する指標一致性分析で定量的に補足します。

(2-2. 過去反応)

過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
直前10分足・直前1分足には、長いヒゲが目立ちます。直後1分足・直後11分足は、2016年以降がそれ以前に比べて反応が小さくなっています。

1704英国雇用310.png

1704英国雇用320.png

1704英国雇用330.png

1704英国雇用340.png

【3. 定型分析】

(3-1. 反応性分析)

反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。詳細は「反応性分析」をご参照願います。

1704英国雇用410.png

直後11分足は、直後1分足との方向一致率が77%です。方向一致時に、直後11分足跳値が直後1分足跳値を超えて反応が伸びていたことが60%、直後11分足終値が直後1分足終値を超えて反応が伸びたことが70%です。追撃は短時間に留めた方が良さそうです。

(3-2. 反応一致性分析)

反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。詳細は「反応一致性分析」をご参照願います。

1704英国雇用420.png

直後1分足と直後11分足を除けば、70%を超える偏りや方向一致は見出せません。

(3-3. 指標一致性分析)

指標一致性分析は、指標の前回結果と市場予想の差(事前差異)と、発表結果と市場予想の差(事後差異)を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。詳細は「指標一致性分析」をご参照願います。

前回までの記事では「本指標は発表結果がどうあれ反応方向との相関が見出せない」と記していました。
間違っていました。
下の3表をご覧ください。
上段の表は、受給者数の増減と平均所得の減増との和と、反応方向の一致率を求めたものです。同様に、受給者数の増減と反応方向の関係を中段表に、所得の増減と反応方向の関係を下段表に示しています。

1704英国雇用430.png

1704英国雇用431.png

1704英国雇用432.png

明らかに、平均所得の増減と反応方向との一致率には、他の2表と違いがあります。
直前1分足は、事後差異(発表結果ー市場予想)との方向一致率が80%あります。つまり、発表直前に発表結果が市場予想を上回るか下回るか、かなり正確に当てています。
直後1分足・直後11分足も、事後差異との方向一致率が各83%・70%と高いことがわかります。

【4. シナリオ作成】

巻頭箇条書きのシナリオの項をご参照願います。
以上




2017年5月17日発表

以下は2017年5月17日21:00頃に追記しています。
U. 結果・検証

【5. 発表結果】

(5-1. 指標結果)

本指標発表結果及び反応は次の通りでした。

1704英国雇用500.png

結果は平均所得が市場予想同値となり、求職者給付受給者数が市場予想を上回り(悪化)、失業率が英国方式で悪化・ILO方式が改善となりました。
反応は小さな陽線となり、発表から1分後には陰線側に転じ、その後しばらくもみ合ってから発表8分後には再び陽線側に伸びていきました。

(5-2. 取引結果)

取引できませんでした。割と細かな点まで分析が当たっていたのに残念です。

【6. 分析検証】

(6-1. 分析検証)

事前調査分析内容を、以下に検証します

  • 求職者給付受給者数と平均所得と失業率が発表されますが、本指標で反応に寄与するのは平均所得です。発表結果が市場予想より高いか低いかを事前分析するなら、平均所得増減について行うべきです。
    指標一致性分析の結果、次のことがわかりました。
    事後差異(発表結果ー市場予想)は、直前1分足との方向一致率が80%あります。つまり、発表直前に発表結果が市場予想を上回るか下回るかは、過去の直前1分足の方向を見る限り、かなり高い確率で当たっています。
    そして、直前1分足の方向を、事後差異(発表結果が市場予想より高いか低いか)の予兆と捉えれば、事後差異と直後1分足・直後11分足との方向一致率は各83%・70%と高いことがわかりました。
    但し、段階的に個々の事象の確率を掛け合わせることになるで、一見、個別の確率が高くても一連まとめた視点での確認が必要です。
    反応一致性分析では、直前1分足と直後1分足・直後11分足との方向一致率は各65%・50%に過ぎません。
    これら数字を見て、どうポジションを取るかが大事です。指標の発表結果を当てるのは、取引の手段に過ぎませんからね。

結果は、直前1分足と直後1分足・直後11分足の方向が一致し、直後11分足は直後1分足を跳値・終値ともに超えられませんでした。

(6-2. シナリオ検証)

取引は逃してしまいましたが、検証しておきます。
事前準備していたシナリオは次の通りです。

  • (1) 直後1分足は、直前1分足と同じ方向に反応すると見込みます。
    但し、反応一致性分析の結果、両者の方向一致率が65%しかないので、発表時に跳ねたらすぐ利確です。ぐいぐい伸びそうか、さっさと利確するかを決めるのは、発表後4-15秒後ぐらいです(損切は結果的に失敗だったことも多いものの、なるべく10秒以内に行っています)。
    自信がなければ欲張りませんし、早めの利確で逃すpipsがあってもタンタンとやるのです。

問題ありません。チャートの録画を見ましたが、跳ねてすぐに利確すると良かったようですね。15秒では遅すぎたかも知れません。

  • (2) 直後11分足は、反応性分析の結果、直後1分足と直後11分足の方向一致率は77%で、方向一致時に直後11分足跳値が直後1分足跳値を超えて反応が伸びていたことが60%、直後11分足終値が直後1分足終値を超えて反応が伸びたことが70%です。
    発表直後の大きなヒゲはなかなか超えられないものの、直後1分足終値に対しては、直後11分足終値が直後1分足と同方向に伸びていく、といったイメージでしょうか。
    ここで、だから直後1分足終値でポジションを取ったら直後11分足終値まで利確を待つやり方と、この数字が表す姿は初期反応後に一旦反転するイメージを抱いて、追撃を複数間に分けるやり方があります。
    こんなときは、その日15:30頃からのトレンドを見て、その方向と一致しているときにはポジションを長めに持ち、逆方向のときには短めにする、というやり方が基本だと思います。
    既に指標発表結果は把握している時間にせよ、結果が市場予想との差が大きいか小さいかでは、反応の程度との相関が掴めていません。

イメージ通りに動いたようです。

シナリオには問題なく、反応はイメージ通りでした。
ただ、もし実際に取引していたら、最初の跳ねで利確はさておき、追撃ポジションを細かく取って、どれだけ利確できたかはわかりませんが。
以上



ーーー注記ーーー

本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。

ーーー注記ーーー

本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上

2017年05月16日

米国実態指標「鉱工業生産・製造業生産・設備稼働率」発表前後のUSDJPY反応分析(2017年5月16日22:15発表結果検証済)

以下、「T.調査・分析」を事前投稿し、「U.結果・検証」を事後投稿しています。ブログの日付は事前投稿日となっています。指標発表後に事後投稿し、その日時は「U.結果・検証」のタイトル行付近に記載しています。

2017年5月16日22:15に米国実態指標「鉱工業生産(前月比)・製造業生産(前月比)・設備稼働率」が発表されます。今回発表は2017年4月分分の集計結果です。

本指標の要点は下表に整理しておきました。

1704米国鉱工業生産100.png

次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。

  • まず、本指標で取引する上での注意点です。
    反応一致性分析の結果、直後11分足は、直後1分足との方向一致率が81%です。そして方向一致時に、直後11分足跳幅が直後1分足跳幅を超えて反応を伸ばした事例が81%、直後11分足終値が直後1分足終値を超えて反応を伸ばした事例が62%です。終値が伸びた確率が70%を切っており、追撃ポジションを取得するなら短時間に区切って取引する方が良さそうです。

  • 指標については次の通りです。
    過去実績から反応が小さいことに加えて、指標一致性分析における事後差異と直後1分足との方向一致率が65%と、あまり高くありません。但し、事後差異と直後11分足との方向一致率は69%ですから、指標発表時の初期反応でpipsを稼ぐより、反応方向を見て追撃する方が良いと思われます。

  • シナリオは次の通りです。
    (1) 直前1分足は陰線率が79%となっています。但し、過去平均跳幅が4pipsしかないので、利確の機会を逃さないように気を付けましょう。
    (2) 直後11分足は、上記注意点記載の通り反応性分析の結果、短時間追撃を繰り返した方が良さそうです。反応方向確認次第の追撃と、発表直後1分足終値がつく頃か発表から3-4分後を目安に追撃を行うつもりです。

T.調査・分析

公開情報や既出情報に基づく調査を行い、過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。

【1. 指標概要】

設備稼働率は、生産能力に対する実際の生産量の比率を表した指標です。基準年の平均稼働率を100として、製造業・鉱業・公共事業(電気・ガス)の生産能力に対する生産実績の比率から算出します。本指標は、設備投資とインフレの先行指標とされていて、80%を超えると投資が活発化する、と言われています。

がしかし、最近では設備稼働率が高くなっても、設備投資を行う経営者は少数派です。
以前ほどではないにせよ、米国では組合や地域のマスコミの力が強く、経営者が思い描くような自動化が設備投資でなかなか図れないのです。そんなところに投資する人は、米国人経営者でなくても少数派です。
だから、米国企業の設備投資判断は、PCやタブレット端末普及時の工程管理・サプライチェーン革新や、シェールガス採掘の技術革新があったときのように、圧倒的生産性向上が図れるときに・ところで行われます。
設備稼働率と設備投資の相関がなくなったとまでは言いませんが、以前よりも両者の相関は弱くなっています。但し、設備稼働率が高いときには受注量が多いという点では、先行指標としての意義があります。

【2. 既出情報

以下の調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの27回分のデータに基づいています。

(2-1. 過去情報)

過去の市場予想と発表結果を示します。
上図が鉱工業生産、下図が設備稼働率です。製造業生産の推移は図面をまだ準備できていいません。

1704米国鉱工業生産210.png

1704米国鉱工業生産220.png

今回の市場予想は前回結果に対し、製造業生産と設備稼働率が上昇、鉱工業生産が低下となっています。

確か、原油価格上昇に伴って3-4月頃からシェールガスの操業再開が始まっています。一方、NY連銀製造業景気指数は5月まで3か月連続低下しています。

調査・分析とも言えない雑な内容ですが、後記する指標一致性分析の結果、本指標で市場予想を上回っても下回っても、過去の反応方向との相関があまり高くありません(直後1分足の事後差異との方向一致率65%)。加えて、反応が小さい指標です。よって、苦労して指標定性分析を行う意義があまりないのです。

こういうときは、追撃に徹する方が良いでしょう。

(2-2. 過去反応)

過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。

1704米国鉱工業生産310.png

1704米国鉱工業生産320.png

1704米国鉱工業生産330.png

1704米国鉱工業生産340.png

【3. 定型分析】

(3-1. 反応性分析)

反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。詳細は「反応性分析」をご参照願います。

1704米国鉱工業生産410.png

直後11分足は、直後1分足との方向一致率が81%です。そして方向一致時に、直後11分足跳幅が直後1分足跳幅を超えて反応を伸ばした事例が81%、直後11分足終値が直後1分足終値を超えて反応を伸ばした事例が62%です。終値が伸びた確率がやや小さいため、追撃ポジションを取得しても短時間に区切って取引する方が良さそうです。

(3-2. 反応一致性分析)

反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。詳細は「反応一致性分析」をご参照願います。

1704米国鉱工業生産420.png

直前1分足は陰線率が79%となっています。但し、過去平均跳幅が4pipsしかないので、利確の機会を逃さないように気を付けましょう。

(3-3. 指標一致性分析)

指標一致性分析は、指標の前回結果と市場予想の差(事前差異)と、発表結果と市場予想の差(事後差異)と、発表結果と前回結果の差(実態差異)をそれぞれ求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。詳細は「指標一致性分析」をご参照願います。
本指標では、鉱工業生産と設備稼働率の各差異を足して求め、製造業生産の差異を考慮していません。

1704米国鉱工業生産430.png

今回の事前差異はプラスです。直前10-1分足の方向一致率は62%、直後1分足との方向一致率が31%(不一致率69%)で、今回のように事前差異がプラスだと直前10-1分足は陽線・直後1分足は陰線となったことが、やや多いようです。
ブログルールに従って、いずれも70%に達していないため、ポジションは持ちません。

事後差異は、直後11分足との方向一致率が69%となっています。今回もし方向一致すれば、来月からポジション取得の根拠になるでしょう。

実態差異はどれも50%近辺で、発表結果が前回結果を上回っても下回っても反応方向との相関が強くありません。

【4. シナリオ作成】

以上の調査・分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。

1704米国鉱工業生産500.png

以上




2017年5月16日22:15発表

以下は2017年5月16日23:30頃に追記しています。
U. 結果・検証

【5. 発表結果】

(5-1. 指標結果)

本指標発表結果及び反応は次の通りでした。

1704米国鉱工業生産510.png

結果はいずれも市場予想を上回りました。反応は陽線です。

21:30に「建設許可件数・住宅着工数」があり、いずれも市場予想を下回りました。その結果、113.65付近から113.35付近まで値を下げて、22:01頃に陽線側に反転しました。その上昇途中での本指標発表です。
おそらく、住宅関連で30pipsも値を下げたのは、製造業関連指標の悪化が続くなか、好調だった住宅関連の悪化が消費に波及するのを予感させて、大きく動いたのだと思います。
そして、本指標発表での上振れで陽線を伸ばしたものの、発表前後の113.5円付近は4時間足の雲上端です。113.5円付近の雲上端での跳ね返しに失敗して、日足では転換線の113.3円付近)のサポート下抜けを試すでしょう。

本指標とは関係ない理由で今夜は動いています。お手元のチャートで一目均衡表の4時間足と日足を確認しておくと良いでしょう。6月利上げ前に上げるにせよ、一旦、112円ちょい下の日足雲上端まで凹むやすいカタチだと思います。
指標での取引とは関係ありませんが、今夜はそっちで少し儲けました。

(5-2. 取引結果)

取引結果は次の通りでした。

1704米国鉱工業生産520.png

直前1分足はポジションが取れませんでした(反転上昇の勢いが強く)。
追撃は、シナリオ通り、様子を見ながら段階的にです。結果的にはもう1回追撃できたかもしれませんが、まぁそれは仕方ありません。

【6. 分析検証】

(6-1. 分析検証)

事前調査分析内容を、以下に検証します

  • 反応一致性分析の結果、直後11分足は、直後1分足との方向一致率が81%です。そして方向一致時に、直後11分足跳幅が直後1分足跳幅を超えて反応を伸ばした事例が81%、直後11分足終値が直後1分足終値を超えて反応を伸ばした事例が62%です。終値が伸びた確率が70%を切っており、追撃ポジションを取得するなら短時間に区切って取引する方が良さそうです。

  • 過去実績から反応が小さいことに加えて、指標一致性分析における事後差異と直後1分足との方向一致率が65%と、あまり高くありません。但し、事後差異と直後11分足との方向一致率は69%ですから、指標発表時の初期反応でpipsを稼ぐより、反応方向を見て追撃する方が良いと思われます。

まぁ問題ないでしょう。

(6-2. シナリオ検証)

事前準備していたシナリオは次の通りです。

  • シナリオは次の通りです。
    (1) 直前1分足は陰線率が79%となっています。但し、過去平均跳幅が4pipsしかないので、利確の機会を逃さないように気を付けましょう。
    (2) 直後11分足は、上記注意点記載の通り反応性分析の結果、短時間追撃を繰り返した方が良さそうです。反応方向確認次第の追撃と、発表直後1分足終値がつく頃か発表から3-4分後を目安に追撃を行うつもりです。

これも問題ありません。
ちなみに、発表から3-4分後は、反転したり、少し戻してからグイと値を伸ばしたり、なぜか変化の置きやすいタイミングという印象があります。

下表に、本ブログを始めてからの本指標シナリオでの取引成績を纏めておきます。

1704米国鉱工業生産530.png

以上



ーーー注記ーーー

本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。

ーーー注記ーーー

本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上

英国物価指標「CPI・RPI・PPI」発表前後のGBPJPY反応分析(2017年5月16日17:30発表結果検証済)

以下、「T.調査・分析」を事前投稿し、「U.結果・検証」を事後投稿しています。ブログの日付は事前投稿日となっています。指標発表後に事後投稿し、その日時は「U.結果・検証」のタイトル行付近に記載しています。

2017年5月16日17:30に英国物価指標「CPI・RPI・PPI」が発表されます。今回発表は2017年4月分の集計結果です。

本指標の要点は下表に整理しておきました。

1704英国物価指標100.png

次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。

  • まず、本指標で取引する上での注意点です。
    過去平均の反応は31pipsに達しており、大きな反応をする指標だと言えるでしょう。過去92%は15pips以上の反応となっています。直後1分足跳幅が過去最大のときは69pips(2015年7月分データ、同年8月18日発表)でした。

  • 指標については次の通りです。
    3月・4月は電力・ガスといった公共料金の値上げがありました(民営化した複数大手)。これがまず、全価格を押し上げる要因となります。そして、イースター休暇があり、動力費値上げが商品価格に転嫁される前の買い出しが多かったと思われます(4月BRC小売売上高が異常に上昇)。売り手にしてみれば、今は従来価格からそれほど値引きしなくても良い時期です。

  • シナリオは次の通りです。
    (1) 直前10-1分足は、反応一致性分析の結果、陽線率が74%となっています。
    (2) 直前1分足は、反応一致性分析の結果、陰線率が79%となっています。直前10-1分足と直前1分足との方向一致率は35%ですから矛盾はありません。
    (3) 直後1分足は、指標一致性分析の結果、事前差異との方向一致率が78%です。
    (4) 直後11分足は、反応性分析の結果、直後1分足との方向一致率が65%です。そして、方向一致時に直後11分足跳値が直後1分足跳終値を超えて伸びていたことが76%、直後11分足終値が直後1分足終値を超えて伸びていたことが47%です。指標一致性分析の結果、直後11分足での追撃は、実態差異が初期反応方向と同じならpipsが稼げそうなだけ付き合い、同じでないなら反応性分析の項に記した通り短時間とします。


T.調査・分析

公開情報や既出情報に基づく調査を行い、過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。

【1. 指標概要】

物価は、生産者→小売→消費者の順に波及すると考えられます。他の主要国ではこれら物価指数が別々に発表されますが、英国は一度に発表しています。

CPIは、消費者の製品・サービス購入価格を指数化した指標で、どの国でも最重視されています。英国は年2%のインフレ目標が設定されています。CPIコアは、CPIから価格変動の激しいエネルギー・食品・タバコ・アルコールを除いた数値を指しています。英国ではタバコ・アルコールの価格変動が大きいのでしょうか。不思議です。

RPIに含まれてCPIに含まれない対象に住宅費があります。RPIではCPIよりも数値が高くなります。RPIコアは、RPIから価格変動の激しいエネルギー・食品・タバコ・アルコールを除いた数値を指しています。英国では年金給付額が法律によってRPI規準で決定されています。

PPIはあまり大きな反応を生じないように見受けられます。

過去の傾向から言えば、CPI>RPI>PPIの順に反応に寄与し、前年比>前月比の順です。重視するCPI前年比は総合>コアと、コアが軽視(という訳じゃないでしょうけど)される珍しい指標です。

【2. 既出情報

以下の調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの27回分のデータに基づいています。

(2-1. 過去情報)

下図に過去の市場予想と発表結果を示します。

1704英国物価指標200.png

1704英国物価指標210.png

1704英国物価指標230.png

前述の通り、CPI前年比>CPI前月比>コアCPI前年比>RPIの順に反応には寄与します。

今回は後記する指標一致性分析の結果、市場予想を上回ると予想しています。
5月15日に発表された4月BRC小売売上高調査前年比でも、市場予想+0.5%に対し結果+5.6%と大幅上昇しています。大きく増えた理由は、イースター休暇が4月にあったこともありますが、公共料金の値上げがあったことが原因ではないでしょうか。待てば動力費の値上がり分が商品転嫁されるためだと思います。

(2-2. 過去反応)

過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。

直前10-1分足には陽線、直前1分足には陰線が目立ちます。但し、直前1分足は最近、以前よりも陰線率が下がっているように見受けられます。後記する反応一致性分析で、数字を確認しておきましょう。

1704英国物価指標310.png

1704英国物価指標320.png

1704英国物価指標330.png

1704英国物価指標340.png

【3. 定型分析】

(3-1. 反応性分析)

反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。詳細は「反応性分析」をご参照願います。

1704英国物価指標410.png

直後11分足は、直後1分足との方向一致率が65%です。そして、方向一致時に直後11分足跳値が直後1分足跳終値を超えて伸びていたことが76%、直後11分足終値が直後1分足終値を超えて伸びていたことが47%です。追撃しても短時間にすべきです。

(3-2. 反応一致性分析)

反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。詳細は「反応一致性分析」をご参照願います。

1704英国物価指標420.png

直前10-1分足は、陽線率が74%となっています。
また、直前1分足は、陰線率が79%となっています。直前10-1分足と直前1分足との方向一致率は35%ですから矛盾はありません。

(3-3. 指標一致性分析)

指標一致性分析は、
指標の前回結果と市場予想の差(事前差異)と、
発表結果と市場予想の差(事後差異)と、
発表結果と前回結果の差(実態差異)と、
の求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。詳細は「指標一致性分析」をご参照願います。
本指標の事前差異は、全ての項目の(市場予想ー前回結果)を足し合わせて求めています。今回はプラスとなっています。事後差異は(CPI前年比の差✕3+CPI前月比の差✕2)で求め、実態差異は全ての項目の(発表結果ー前回結果)を加えてCPI前年比の差を3倍、CPI前月比の差を2倍として求めています。
複雑ですが、これで方向一致率が高くなります(相関が強くなります)。

1704英国物価指標430.png

まず、事前差異は、直後1分足との方向一致率が78%となっています。今回の事前差異はプラスですから、直後1分足は陽線ということになります。

次に、事後差異は、直後1分足との方向一致率が83%となっています。少なくとも発表直後に関しては、CPI前年比とCPI前月比が市場予想より大きいか小さいかで、陽線か陰線に素直に反応しています。

そして、実態差異は、直後1分足との方向一致率が96%、直後11分足との方向一致率が74%となっています。あまりに項目が多すぎて発表直後にとても瞬時に計算できませんが、96%の方向一致率は異常と言って良いほど高い数値です。

以上の結果、直後1分足は陽線と見込みます。
そして、直後11分足での追撃は、実態差異が初期反応方向と同じならpipsが稼げそうなだけ付き合い、同じでないなら反応性分析の項に記した通り短時間とします。

【4. シナリオ作成】

以上の調査・分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。

1704英国物価指標500.png

以上




2017年5月16日17:30発表

以下は2017年5月19日に追記しています。
U. 結果・検証

【5. 発表結果】

(5-1. 指標結果)

本指標発表結果及び反応は次の通りでした。

1704英国物価指標510.png

前年比で、CPIは+2.7%、コアCPIは+2.4%、RPIは+3.5%、コアRPIは+3.8の上昇です。
数字から具体的に様子を想像すると、小売物価上昇が激しい結果、消費者は高いものの購入を避けてるのが自然です。コアRPI>RPIに対し、CPI>コアCPIとなっているので、売れ残りが破棄となる食料品価格の上昇が抑えられているものの、それでも値上げが多く消費者は食料品以外の購入を節約しているのではないでしょうか。

反応は、直後1分足が陽線となったものの、あまりの物価高に消費低迷を想像したのか直後11分足は陰線に転じています。特に、EURGBPではGBP売りが強く、その点でも初期反応が伸びなかったことがわかります。
物価上昇によってGBPが売られ、その結果、輸入品が更に値上がりし、とても賃金上昇がそれに追いつかないというインフレ悪化状態と言える段階に達しつつあるのではないでしょうか。

(5-2. 取引結果)

取引結果は次の通りでした。

1704英国物価指標520.png

問題ありません。
直後11分足での追撃失敗は、どう反省すべきか少し考えます。指標数値が市場予想を上回りすぎて反応が反転したと捉えるべきか、次のEUR指標を備えて反転したのかは、すぐに結論が出せません。

【6. 分析検証】

(6-1. 分析検証)

事前調査・分析の内容は以下の通りです。

  • 過去平均の反応は31pipsに達しており、大きな反応をする指標だと言えるでしょう。過去92%は15pips以上の反応となっています。直後1分足跳幅が過去最大のときは69pips(2015年7月分データ、同年8月18日発表)でした。

  • 3月・4月は電力・ガスといった公共料金の値上げがありました(民営化した複数大手)。これがまず、全価格を押し上げる要因となります。そして、イースター休暇があり、動力費値上げが商品価格に転嫁される前の買い出しが多かったと思われます(4月BRC小売売上高が異常に上昇)。売り手にしてみれば、今は従来価格からそれほど値引きしなくても良い時期です。

内容的には当たったかどうか判断できないものの、結果はCPI・RPIともに市場予想を上回っており、初期反応も陽線でした。

(6-2. シナリオ検証)

事前準備していたシナリオは次の通りです。

  • (1) 直前10-1分足は、反応一致性分析の結果、陽線率が74%となっています。
    (2) 直前1分足は、反応一致性分析の結果、陰線率が79%となっています。直前10-1分足と直前1分足との方向一致率は35%ですから矛盾はありません。
    (3) 直後1分足は、指標一致性分析の結果、事前差異との方向一致率が78%です。
    (4) 直後11分足は、反応性分析の結果、直後1分足との方向一致率が65%です。そして、方向一致時に直後11分足跳値が直後1分足跳終値を超えて伸びていたことが76%、直後11分足終値が直後1分足終値を超えて伸びていたことが47%です。指標一致性分析の結果、直後11分足での追撃は、実態差異が初期反応方向と同じならpipsが稼げそうなだけ付き合い、同じでないなら反応性分析の項に記した通り短時間とします。

直前10-1分足は陽線、直前1分足は陰線、直後1分足は陽線、直前11分足は陰線でした。
問題ありません。直後11分足は反転したならしたで、更に追撃しても良かったかも知れません。

下表に、本ブログを始めてからの本指標シナリオでの取引成績を纏めておきます。

1704英国物価指標530.png

以上



ーーー注記ーーー

本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。

ーーー注記ーーー

本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上

2017年05月15日

豪州金融政策「RBA金融政策決定理事会議事録」公表前後のAUDJPY反応分析(2017年5月16日10:30発表結果検証済)

以下、「T.調査・分析」を事前投稿し、「U.結果・検証」を事後投稿しています。ブログの日付は事前投稿日となっています。指標発表後に事後投稿し、その日時は「U.結果・検証」のタイトル行付近に記載しています。

2017年5月16日10:30に豪州金融政策「RBA金融政策決定理事会議事録」が公表されます。今回の議事録は2017年5月2日の理事会議事録となります。
同時刻には、豪州4月新車販売台数 (前月比)が発表されます。がしかし、過去の実績から言えば、こちらへの反応は僅かなので無視しても問題ありません。

本指標の要点は下表に整理しておきました。

1705RBA議事録100.png

次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。

  • まず、本指標で取引する上での注意点です。
    あまり大きな反応をしません。
    たまに大きく反応することもあるように読み取れますが、これは市場予想ないしは発表結果が金利改定だったり、利上げ・利下げが近いときの発表時反応も含むためです。よって、今回のように理事会結論が「市場予想通りに現状維持」だった場合の議事録公表時は、上表平均値よりも更に小さな反応となります。
    本議事録の元となる前回理事会では「市場予想通りに現状維持」が結論です。前回理事会では、直後1分足・直後11分足ともに陰線での反応となっていました。

  • 指標については次の通りです。
    反応性分析の結果、直後1分足と直後11分足との方向一致率が48%です。また、反応一致性分析の結果、直後1分足の反応方向は陽線率・陰線率が50%です。そして、指標一致性分析の結果、この議事録の元となる金融政策決定理事会後の声明発表時との反応方向との方向一致率も高くありません。
    この指標は陽線・陰線どちらに反応するかが、過去のデータから読み取れない指標です。
    よって、今回の取引は見合わせます。


T.調査・分析

公開情報や既出情報に基づく調査を行い、過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。

【1. 指標概要】

RBA議事録の要点は「政策金利決定理由(方針)」「インフレ動向」「経済見通し」です。
がしかし、最も関心が高い政策金利決定方針については、しばしば市場予想を裏切ってサプライズを起こしています。つまり、結果から言えば(サプライズが生じる以上)最も関心がある「政策金利」が読み取れていない、ということになります。

それにも関わらず、公表された議事録から次回の理事会決定を予測せざるを得ないため、内容によってはAUDが大きく反応します。疑心暗鬼もあって、どの文言によって議事録公表時の反応方向が決まるのかはわからない、というのが本音です。

むしろ個人的には、すぐに役立つ情報だと言えないものの、公的機関によるインフレ動向や経済見通しを直近の経済指標の解釈を見直すことに使う方が役立つ、と考えています。そもそも豪州経済に関して入手できる情報は、米欧中に比べて少ないのですから。

【2. 既出情報

以下の調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの26回分のデータに基づいています。

(2-1. 過去情報)

下図に過去の市場予想と発表結果を示します。

1705RBA議事録210.png

前回5月2日の理事会決定は「市場予想通り現状維持」でした。金利据え置きは9か月連続となります。

政策現状維持の理由として、従来のAUD高懸念•住宅債務増•中国債務リスクに加えて「賃金の伸びが暫く鈍い状態が続くと予想」が追加されました。この結果を受けた先物市場では、年内の金利変更の可能性がほぼ無しと見なしたようです。

(2-2. 過去反応)

過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。

1705RBA議事録310.png

1705RBA議事録320.png

1705RBA議事録330.png

1705RBA議事録340.png

【3. 定型分析】

(3-1. 反応性分析)

反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。詳細は「反応性分析」をご参照願います。

1705RBA議事録410.png

直後11分足は、直後1分足との方向一致率が48%しかありません。

(3-2. 反応一致性分析)

反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。詳細は「反応一致性分析」をご参照願います。

1705RBA議事録420.png

特に目立った偏りや相関は見出せません。

(3-3. 指標一致性分析)

下表は、RBA政策金利発表時とその会合の議事録公表時の各ローソク足の方向一致率を求めています。
結果、両者のローソク足の反応方向にはあまり相関がないことが確認できました。

1705RBA議事録440.png

【4. シナリオ作成】

今回の取引は見合わせます。
以上




2017年5月16日10:30発表

以下は2017年5月19日に追記しています。
U. 結果・検証

【5. 発表結果】

(5-1. 指標結果)

本指標発表結果及び反応は次の通りでした。

1705豪州RBA600.png





(5-2. 取引結果)

今回は取引を見合わせました。

【6. 分析検証】

(6-1. 分析検証)

事前調査分析内容を、以下に検証します。

  • 事前分析通り、小さな反応でした。
  • 本議事録の元となる前回理事会では「市場予想通りに現状維持」が結論で、直後1分足・直後11分足ともに陰線での反応となっていました。今回は陽線での反応でした。
    この結果は、本公表議事録の元となる金融政策決定理事会後の声明発表時との反応方向との方向一致率が高くないという指標一致性分析の結果に合致しました。
  • 直後11分足は、直後1分足と反応方向が一致しました。直後11分足跳幅は直後1分足跳幅を超えたものの、終値同士を比べると同値終了でした。


(6-2. シナリオ検証)

取引を見合わせることにしていたので、事前準備していたシナリオはありません。
以上



ーーー注記ーーー

本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。

ーーー注記ーーー

本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上

2017年05月14日

米国景気指標「NY連銀製造業景気指数」発表前後のUSDJPY反応分析(2017年5月15日21:30発表結果検証済)

以下、「T.調査・分析」を事前投稿し、「U.結果・検証」を事後投稿しています。ブログの日付は事前投稿日となっています。指標発表後に事後投稿し、その日時は「U.結果・検証」のタイトル行付近に記載しています。

2017年5月15日21:30に米国景気指標「NY連銀製造業景気指数」が発表されます。今回発表は2017年4月分の集計結果です。

本発表後23:00には米国住宅指標「NAHB住宅市場指数」が発表されます。こちらもあまり大きな反応をする指標ではないため、本発表への影響はないと考えています

本指標の要点を下表に整理しておきました。

1705米国NY景況感100.png

次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。

  • まず、本指標で取引する上での注意点です。
    指標一致性分析の結果、事後差異(=発表結果ー市場予想)と直後1分足の方向一致率が70%あります。それにも関わらず、事後差異と直後11分足との方向一致率は57%しかありません。その代わり、実態差異(発表結果ー前回結果)は、直後1分足・直後11分足との方向一致率が各67%・68%です。
    今回の発表結果が市場予想を上回れば前回結果も上回ることになり、逆に前回結果を下回れば市場予想も下回ることになります。それらの場合には、かなり安心して追撃ポジションを取ることができます。その一方、発表結果が前回結果と市場予想の間だった場合、直後1分足跳値こそ素直に反応するものの、その後に反応が大きく伸びることは期待できないので、追撃を行うなら短時間にしましょう。

  • 指標発表結果については今回予想できません。

  • シナリオは次の通りです。
    (1) 直前1分足は陰線率が88%となっています。
    (2) 直後11分足は、直後1分足との方向一致率が78%で、方向一致時に直後1分足終値よりも直後11分足跳値の反応が伸びたことが76%、直後11分足終値の反応が伸びていたことが71%です。この数字なら安心して追撃ポジションが取れます。

T.調査・分析

公開情報や既出情報に基づく調査を行い、過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。

【1. 指標概要】

NY連銀管轄のNY州製造業約200社の経営者の景況感と現状を指数化した指標です。
具体的内容は、仕入価格・販売価格・新規受注・出荷・入荷遅延・在庫水準・受注残・雇用者数・週平均就業時間などの11項目を、1ヶ月前と比較した現状と6ヶ月後の期待を、「良い」「同じ」「悪い」から選択して指数化したものです。
数値は0を分岐点に景気改善(+)・悪化(−)と読みます。

製造業景気指数は、NY連銀製造業景気指数→Phil連銀製造業景気指数→リッチモンド連銀製造業景気指数→シカゴ購買部協会景気指数→ISM製造業景気指数があります。ISM製造業景気指数の先行指標がPhil連銀製造業景気指数で、Phil連銀製造業景気指数の先行指標がNY連銀製造業景気指数、という見方があります。

発表は毎月15日(夏時間:日本時間21:30、冬時間:日本時間22:30)に行われます。

【2. 既出情報

以下の調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの28回分のデータに基づいています。

(2-1. 過去情報)

下図に過去の市場予想と発表結果を示します。

1705米国NY景況感210.png

今回の市場予想は7.5で、前回結果5.2を上回っています。直近の数値は、2月発表18.7、3月発表16.4、4月発表5.2と、2回続けて数値が低下して今回は少し戻すという予想になっています。

(2-2. 過去反応)

過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。

1705米国NY景況感310.png

1705米国NY景況感320.png

1705米国NY景況感330.png

1705米国NY景況感340.png

【3. 定型分析】

(3-1. 反応性分析)

反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。詳細は「反応性分析」をご参照願います。

1705米国NY景況感410.png

直後11分足は、直後1分足との方向一致率が78%で、方向一致時に直後1分足終値よりも直後11分足跳値の反応が伸びたことが76%、直後11分足終値の反応が伸びていたことが71%です。この数字なら安心して追撃ポジションが取れます。

(3-2. 反応一致性分析)

反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。詳細は「反応一致性分析」をご参照願います。

1705米国NY景況感420.png

直前1分足は陰線率が88%となっています。
また、直後11分足は、直前1分足との方向一致率が29%(不一致率が71%)となっています。

(3-3. 指標一致性分析)

指標一致性分析は、
指標の前回結果と市場予想の差(事前差異)と、
発表結果と市場予想の差(事後差異)と、
発表結果と前回結果の差(実態差異)と、
を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。詳細は「指標一致性分析」をご参照願います。

1705米国NY景況感430.png

事前差異はプラスへの偏りが大きいようです。調査期間における市場予想が前回結果より80%弱もプラスに偏っている指標は本指標だけです。
また、事前差異は直前10-1分足・直前1分足との方向一致率が各32%・33%となっています。市場予想が今回のようにプラスの場合、指標発表前にはやや陰線となる場合が多いようです。

事後差異は、直後1分足との方向一致率が70%あるにも関わらず、直後11分足との方向一致率が57%しかありません。発表結果が市場予想を上回っても(下回っても)、直後1分足こそ素直に陽線(陰線)で反応するものの、直後11分足でそのまま同じ方向に反応し続ける確率がやや下がってしまいます。

実態差異は、直後1分足・直後11分足との方向一致率が各67%・68%と、前回結果との大小関係に応じて反応が決まりがちなことを示唆しています。

【4. シナリオ作成】

以上の調査・分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。

1705米国NY景況感500.png

以上




2017年5月15日21:30発表

以下は2017年5月15日22:20頃に追記しています。
U. 結果・検証

【5. 発表結果】

(5-1. 指標結果)

本指標発表結果及び反応は次の通りでした。

1705米国NY景況感510.png

指標は△1.00で、市場予想(+7.50)・前回結果(+5.20)を大きく下回りました。本指標はこれで3か月連続前月割れが続き、マイナスとなるのも7か月ぶりです。
反応は陰線で、初期反応から4本目分足がどんと落ち、7本目に安値を付けました。

(5-2. 取引結果)

取引結果は次の通りでした。

1705米国NY景況感520.png

問題ありません。
むしろ追撃ポジションは、これ以上にないベストなタイミングでの利確となりました。

【6. 分析検証】

(6-1. 分析検証)

事前調査分析内容を、以下に検証します

  • 指標一致性分析の結果、事後差異(=発表結果ー市場予想)と直後1分足の方向一致率が70%あります。それにも関わらず、事後差異と直後11分足との方向一致率は57%しかありません。その代わり、実態差異(発表結果ー前回結果)は、直後1分足・直後11分足との方向一致率が各67%・68%です。
    今回の発表結果が市場予想を上回れば前回結果も上回ることになり、逆に前回結果を下回れば市場予想も下回ることになります。それらの場合には、かなり安心して追撃ポジションを取ることができます。その一方、発表結果が前回結果と市場予想の間だった場合、直後1分足跳値こそ素直に反応するものの、その後に反応が大きく伸びることは期待できないので、追撃を行うなら短時間にしましょう。

  • 指標発表結果については今回予想できません。

  • 追撃の条件を定めたことは良かったものの、マイナスまで低下するとは意外でした。
    そもそも今回の予想を難しくしていたのは、前回結果が5.20と悪かったため、下げ余地が少ないと思えた点にあります。市場予想が7.50と改善となっていたこともあります。

    (6-2. シナリオ検証)

    事前準備していたシナリオは次の通りです。

  • (1) 直前1分足は陰線率が88%となっています。
    (2) 直後11分足は、直後1分足との方向一致率が78%で、方向一致時に直後1分足終値よりも直後11分足跳値の反応が伸びたことが76%、直後11分足終値の反応が伸びていたことが71%です。この数字なら安心して追撃ポジションが取れます。

  • 問題ありません。
    NY連銀の追撃で18pips弱も取れたことは、このブログ以前も含めてあまり記憶ありません。

    下表に、本ブログを始めてからの本指標シナリオでの取引成績を纏めておきます。

    1705米国NY景況感530.png

    以上



    ーーー注記ーーー

    本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
    そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
    ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。

    ーーー注記ーーー

    本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
    以上

    4-6. NZ経済指標DB(2017年5月版、5月14日改訂)

    NZの経済指標発表前後の取引はNZDJPYで行っています。
    NZ経済に関する情報は国内でほぼ見受けられません。NZと米中豪各国との二国間関係に至っては、情報が皆無と言ってもいいぐらいです。そもそも、昨年就任したイングリッシュ首相という名前からして、どこの国の誰なんだかよくわかりません。
    よって、NZDの取引はRBNZ政策金利発表時だけにしています。

    ーーー$€¥ーーー

    週足チャートは上昇チャネルを形成しています。上昇チャネルを表す青線は各線間3円となっており、以前の下降チャネルに平行線を引いた赤線は各線間2.5円です。今週、上昇チャネルを通る場合には76.5-79.5円に達し、下降チャネルを通る場合は75.0-77.5円に達します。

    SMA(21日)線は上昇転換したものの、SMA(1日)がSMA(5日)を下回り、RSI(14日)も70%に達せず5週ぶりの減少に転じました。SMA(1日)は先週末終値77.7円から、77.2円のSMA(21日)の下抜けを試します。

    170515NZDJPY C.png

    RBNZは5月11日に政策金利発表で、過去最低の1.75%に相当な期間維持する方針を示しました。ウィーラー総裁は会見で「中立スタンスの維持は、インフレ圧力が欠如していることが理由」と説明しています。
    下図に、始値基準週足と日NZ金利差と日NZ株価比差の関係を示します。

    170515NZDJPY T.png

    【4-6-1. 政策決定指標】

    市場予想がほぼ的中し、且つ、それにも関わらず反応が大きい政策金利にだけ注目しておけば十分です。

    RBNZ政策金利の発表では市場予想がほぼ的中します。そして、他の中銀の政策金利発表時と比較して、「現状維持」のときに発表後の反応が一方向に続く傾向があります。反応方向を確認してから追いかけてポジションが取ってもpipsが稼ぎやすい、という特徴があります。

    5月RBNZ政策金利発表時の声明における現状及び見通しについて、

    • 為替について、最近のNZD下落は好ましく、その基調維持が成長見通し改善に繋がること
    • 物価について、変動の激しいガソリンや食品等の一時的要因で1-3月期CPIに前年比+2.2%に達したものの(中銀見通しは+1.5%)、中期的には1-3%の中間値となると見なしていること
    • 住宅価格の上昇ペースは鈍化、賃金上昇加速も見られないこと
    • よって、経済が想定通りに推移すれば、予見可能な将来にわたって政策金利を変更する必要はない

    でした。
    どう読んみてもNZDを買う理由にはなりません。

     (1) RBNZ政策金利(2017年5月11日発表結果検証済)
    以上

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    2017年05月13日

    2017年5月第2週成績と、5月第3週主要指標の過去反応pips

    2017年5月第2週成績と、5月第3週主要指標の過去反応pips

    【1. 今週成績及び所感】

    2017年年初からの成績と、今週の成績を一覧集計しておきます。

    20170512週成績.png

    今週は7指標で取引を行い、取引時間は35分59秒、損益は+5,197円で、5勝2敗でした。シナリオ単位では13勝4敗で、シナリオの実施見送り2、シナリオ外取引3(2勝1敗)でした。

    ただ、内容が非常に良くありません。
    最近になく続けざまに分析を外し続けた週でした。
    英国鉱工業生産・BOE政策金利・米国小売売上高の発表を跨いだポジションが損切となりました。いずれも指標定性分析で、発表結果と市場予想の大小関係を外したり、反応方向を読み間違いました。RBNZ政策金利では、幸い、発表時刻06:00前にFX会社都合でポジションが取れなかったから良かったようなものの、これも分析を外していました。
    7指標中3指標で直後1分足の取引が損切となって、週次成績がプラス化できたのが不思議です。

    原因はいくつか考えられます。
    (1) 単に運が悪かっただけかもしれない。
    (2) もともと下手だったのに、ここ数年は運が良かっただけだったのかもしれない。
    (3) ブログを始めて成績が良くなっていたので、調子に乗って下手になったのかもしれない。
    (4) 米景況感の悪化が象徴しているように潮目が変わり始めているのに、それに追従した分析が出来ていないのかもしれない。

    データを見る限りでは、過去の確率に基づく取引の勝率が悪化した訳ではありません。もともと、相場観に自信がないから、定量分析に力を注いでいたのです。下手だと認めたくない訳じゃないのですが、(4)が怪しいというのが結論です。

    次週は、なるべく指標定性分析に頼らずに、過去のデータによる確率に頼った取引に戻りたいと思います。

    ただ、こうした状況でも週次で挽回できていることには少し自信を付けました。
    今週の状況は、指標発表前後も含めてポジションを取るタイミングを間違えなければ、最も反応が大きい発表直後を外しても、挽回できることを現しています。
    焦るし、取引時間が長くなるし、利益率が悪い取引になってしまいますが。

    【2. 次週主要指標の過去反応】

    次週、5月第3週で関心を持っている指標を下表に纏めておきます。

    20170515週予定.png

    この表の右3列の数字は、過去の直後1分足跳幅・値幅・直後11分足値幅の平均pipsです。データはまだ、各指標の前回記事で用いた値ですから、最新の値にはなっていません(誤差が1-3pips程度あると思われます)。そのつもりでご覧ください。
    以上






    2017年05月12日

    米国実態指標「小売売上高」・物価指標「CPI」発表前後のUSDJPY反応分析(2017年5月12日21:30発表結果検証済)

    以下、「T.調査・分析」を事前投稿し、「U.結果・検証」を事後投稿しています。ブログの日付は事前投稿日となっています。指標発表後に事後投稿し、その日時は「U.結果・検証」のタイトル行付近に記載しています。

    2017年5月12日21:30に米国実態指標「小売売上高(前月比・除自動車時前月比)」・物価指標「CPI(前月比・前年比)」「コアCPI(前月比・前年比)」が発表されます。今回発表はいずれも2017年4月分の集計結果です。

    本指標の要点を下表に整理しておきます。

    1704米国小売100.png

    上表において、過去の平均的な反応程度と反応分布は、小売売上高での値を用いています。

    次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。

    • まず、本指標で取引する上での注意点です。
      小売売上高の指標一致性分析の結果、事前差異は直前10-1分足との方向一致率が63%となっています。直前10-1分足の方向は、市場予想と前回結果の差にやや影響を受けているように見受けられます。また、事後差異は、直後1分足・直後11分足との方向一致率が各83%・75%と高く、素直に反応する指標だと言えます。

    • 指標については次の通りです。
      CPIは同月発表PPIとの相関が強いことがわかっています。そして、当月PPIは前回結果・市場予想を上回りました。よって、今回は市場予想を上回るのではないでしょうか。
      次に、小売売上高とCPIとは、なぜか前回結果と発表結果の差の方向が一致する傾向があります。また、今年の4月はイースター休暇による連休がったことも、今月の小売売上高に有利に働きます。

    • シナリオは次の通りです。
      (1) 直前1分足は、反応一致性分析の結果、陰線率が92%となっています。但し、過去平均では跳幅が5pips・値幅が3pipsしかないので、タイミングを逃さないように気を付けましょう。
      (2) 直後1分足は、上記指標定性分析結論に依り、陽線と見込みます。
      (3) 直後11分足は、直後1分足との方向一致率が81%、方向一致時に跳値が直後1分足終値を超えて反応が伸びていたことが81%、終値同士を比べて反応を伸びていたことが59%です。追撃は短時間の方が良さそうです。

    T.調査・分析

    公開情報や既出情報に基づく調査を行い、過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。

    【1. 指標概要】

    米国個人消費はGDPの約70%を占めています。米国は世界一の消費大国であり、その米国の景気の良否を把握する上で小売売上高やCPIは重要視されています。

    小売売上高は、米国商務省経済分析局(BEA)が、小売・サービス業等約5,000社の月間の売上高を集計して毎月第2週に前月分を発表します。
    耐久財と非耐久財とに大別され、特に自動車販売・同部品の比重が大きいという特徴があります。そのため、個人消費の動向を確認する上で自動車販売を除いた指標値も同時発表されます。項目別では、自動車や電気製品、建設資材、ガソリンスタンド、総合小売店などの前月比と実額を発表します。
    結果は、米国商務省経済分析局(BEA)によるGDP概算の資料や、米労働省労働統計局による生産者物価指数(PPI)のデータにも利用されています。
    反応との関係は、除自動車前月比>前月比、です。

    CPI(消費者物価指数)は、消費者が購入するモノやサービスなどの価格を指数化した指標です。対象は、全米87都市に住む一般消費者世帯(全人口の80%)が購入する「商品」と「サービス」となっています。コアCPIというのは、価格変動の大きいエネルギーと食品を除いた指数です。
    FRBは「前年比2%」の物価上昇を目標としています。主な物価指標には輸入物価指数・PPI(生産者物価指数)・CPI(消費者物価指数)が挙げられますが、CPIはそれらの中で最重要指標とされています。原則は、CPIが低すぎれば購買意欲を刺激するために利下げを行う可能性があり、高すぎれば利上げを行う可能性があります。
    物価が下流に波及(輸入物価指数→PPI→CPI)という話において、アテになるのは同月のPPIとCPIが同じ方向になる確率が高い、という点です。2015年1月分(同2月発表)から2017年2月分までで、PPIの上昇/下降がCPIのそれと一致したことは74%です。詳細はこちらをご参照願います。

    【2. 既出情報

    以下の調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの27回分の小売売上高発表時のデータに基づいています。

    (2-1. 過去情報)

    下図に過去の市場予想と発表結果を示します。
    図は上から順に「小売売上高前月比」「小売売上高除自動車前月比」「CPI」「コアCPI」です。

    1704米国小売210.png

    1704米国小売220.png

    1704米国小売230.png

    1704米国小売240.png

    2015年1月分(同年2月発表)以降、小売売上高とCPIの発表が重なったことは4回あります。
    下表に、その4回の反応と指標結果を纏めておきます。反応の単位はpipsです。そして、指標結果は、例えば「Δ小売売上高前月比」が事後差異(=発表結果ー市場予想)を示しています。
    表からは、ほぼ全ての項目で増減傾向が似通っていることがわかります。僅かな差を挙げれば、小売売上高の方がCPI・コアCPIよりも反応方向についての相関が強いと言えます。
    よって、以下の説明は、特に断らない限り小売売上高発表時のデータを用いて行います。

    1704米国小売110.png

    CPIは同月発表PPIとの相関が強いことがわかっています。そして、当月PPIは前回結果・市場予想を上回りました。よって、今回は市場予想を上回るのではないでしょうか。
    次に、小売売上高とCPIとは、なぜか前回結果と発表結果の差の方向が一致する傾向があります(本来、必ずしも売上と物価が連動する必然はないように思いますが)。また、今年の4月はイースター休暇による連休がったことも、今月の小売売上高に有利に働きます。

    (2-2. 過去反応)

    過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。

    1704米国小売310.png

    1704米国小売320.png

    1704米国小売330.png

    1704米国小売340.png

    【3. 定型分析】

    (3-1. 反応性分析)

    反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。詳細は「反応性分析」をご参照願います。

    1704米国小売410.png

    直後11分足は、直後1分足との方向一致率が81%、方向一致時に跳値が直後1分足終値を超えて反応が伸びていたことが81%、終値同士を比べて反応を伸びていたことが59%です。追撃は短時間の方が良さそうです。

    (3-2. 反応一致性分析)

    反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。詳細は「反応一致性分析」をご参照願います。

    1704米国小売420.png

    直前1分足は陰線率が92%となっています。但し、過去平均では跳幅が5pips・値幅が3pipsしかないので、タイミングを逃さないように気を付けましょう。

    (3-3. 指標一致性分析)

    指標一致性分析は、指標の前回結果と市場予想の差(事前差異)と、発表結果と市場予想の差(事後差異)を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。詳細は「指標一致性分析」をご参照願います。

    1704米国小売430.png

    事前差異は直前10-1分足との方向一致率が63%となっています。直前10-1分足の方向は、市場予想と前回結果の差にやや影響を受けているように見受けられます。
    事後差異は、直後1分足・直後11分足との方向一致率が各83%・75%と高く、素直に反応する指標だと確認できました。

    【4. シナリオ作成】

    以上の調査・分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。

    1704米国小売500.png

    以上




    2017年5月12日21:30発表

    以下は2017年5月12日23:45頃に追記しています。
    U. 結果・検証

    【5. 発表結果】

    (5-1. 指標結果)

    本指標発表結果及び反応は次の通りでした。

    1704米国小売510.png

    結果は全体的に市場予想を下回り、反応は陰線でした。

    (5-2. 取引結果)

    取引結果は次の通りでした。

    1704米国小売520.png

    前回結果に対し市場予想が高すぎる、と分析すべきところを、その市場予想を上回ると予想し、直後1分足での取引が損切となりました。

    【6. 分析検証】

    (6-1. 分析検証)

    事前調査分析内容を、以下に検証します

    • 小売売上高の指標一致性分析の結果、事前差異は直前10-1分足との方向一致率が63%となっています。直前10-1分足の方向は、市場予想と前回結果の差にやや影響を受けているように見受けられます。また、事後差異は、直後1分足・直後11分足との方向一致率が各83%・75%と高く、素直に反応する指標だと言えます。

    • CPIは同月発表PPIとの相関が強いことがわかっています。そして、当月PPIは前回結果・市場予想を上回りました。よって、今回は市場予想を上回るのではないでしょうか。
      次に、小売売上高とCPIとは、なぜか前回結果と発表結果の差の方向が一致する傾向があります。また、今年の4月はイースター休暇による連休がったことも、今月の小売売上高に有利に働きます。

    小売売上高・CPI・コアCPIともに思ったほど改善されず、その結果、ほぼ全ての項目で市場予想を下回りました。

    (6-2. シナリオ検証)

    事前準備していたシナリオは次の通りです。

    • シナリオは次の通りです。
      (1) 直前1分足は、反応一致性分析の結果、陰線率が92%となっています。但し、過去平均では跳幅が5pips・値幅が3pipsしかないので、タイミングを逃さないように気を付けましょう。
      (2) 直後1分足は、上記指標定性分析結論に依り、陽線と見込みます。
      (3) 直後11分足は、直後1分足との方向一致率が81%、方向一致時に跳値が直後1分足終値を超えて反応が伸びていたことが81%、終値同士を比べて反応を伸びていたことが59%です。追撃は短時間の方が良さそうです。

    発表を跨いだ直後1分足での取引が損切となったのは、分析を誤ったことが原因です。

    下表に、本ブログを始めてからの本指標シナリオでの取引成績を纏めておきます。

    1704米国小売530.png
    以上



    ーーー注記ーーー

    本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
    そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
    ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。

    ーーー注記ーーー

    本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
    以上

    2017年05月10日

    米国物価指標「PPI・コアPPI(前月比・前年比)」発表前後のUSDJPY反応分析(2017年5月11日21:30発表結果検証済)

    以下、「T.調査・分析」を事前投稿し、「U.結果・検証」を事後投稿しています。ブログの日付は事前投稿日となっています。指標発表後に事後投稿し、その日時は「U.結果・検証」のタイトル行付近に記載しています。

    2017年5月11日21:30に米国物価指標「PPI・コアPPI(生産者物価指数)」が発表されます。今回発表は2017年4月分の集計結果です。
    同時刻に、雇用指標「週次新規失業保険申請件数」が発表されます。発表値によっては、反応への影響も無視できません。

    本指標の要点は下表に整理しておきました。

    1704米国PPI100.png

    次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。

    • まず、本指標で取引する上での注意点です。
      (1) 指標一致性分析の結果、事後差異と直後1分足との方向一致率が84%と高い指標です。発表結果が市場予想より良ければ陽線、悪ければ陰線と、素直に反応します。がしかし、方向一致時に終値が直後1分足終値を超えて伸びていたことは52%しかありません。追撃するなら高値掴み(安値掴み)に気を付けましょう。
      (2) 直前1分足にローソク足実体部と逆側にヒゲが目立つ点に注意が必要です。
      (3) 直後11分足跳幅が40pips以上あったことは6回です。この6回のうち4回にヒゲがないか小さくなっています。このことは、反応が大きいときに同じ方向に長時間続くことを示唆しています。

    • 指標については次の通りです。
      PPI前月比はCPI前月比との相関が高く、そのために注目しています。ただ注目するのも暇なので、無理のないポジションが取れるなら取り、わからない動きをしているときは取引を諦めましょう。
      直後1分足跳幅が9pips以下だったことが89%という反応が小さな指標です。ただ、過去には直後11分足跳幅が40pipsを超えたことも22%(27回のうち6回)あります。おそらく、本指標の発表結果に対する反応ではないので、暇つぶしでケガをしないように気を付けましょう。

    • シナリオは次の通りです。
      (1) 直前1分足の陰線率が91%です。
      (2) 直後11分足は、直後1分足との方向一致率が81%で、方向一致時に終値が直後1分足終値を超えて伸びていたことが52%です。直後1分足の初期反応が平均値より小さければ追撃、そうでなければ取引を見合わせた方が良いでしょう。

    T.調査・分析

    公開情報や既出情報に基づく調査を行い、過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。

    【1. 指標概要】

    PPI(生産者物価指数)は約10,000品目の販売価格(出荷時点価格)を調査・算出した物価指標です。1982年の平均物価を100として算出されています。PPIから、価格変動が大きい食糧・エネルギーを除いた指標がコアPPIです。
    内訳には「品目別」「産業別」「製造段階別(原材料・中間財・完成財)」があり、「品目別」「産業別」を見て、結果(「コア指数」「総合指数」)の解釈を行います。
    反応は、コアPPIがPPIよりも、前月比が前年比よりも重視されがちです。

    さて、物価は上流から下流へと波及し、PPI(生産者物価指数)が変化すればCPI(消費者物価指数)に影響する、と考えられています。そのCPIはFRBの利上げ判断に影響するため、本指標が注目される訳です。
    実際、PPI前月比とCPI前月比の増減は、かなり相関が強いことが確認できます。

    2015年1月分(2月発表)から2017年2月分(3月発表)までのデータで、PPI前月比がプラスだったかマイナスだったかを、CPI前月比のそれと比較してみました。結果、同月データ同士だと方向一致率が74%、PPIを1か月後のCPIと比べると73%、2か月後だと71%、3か月後だと70%です。

    逆に言えば、前月比がプラスかマイナスかしか問題にしていないのに、やっと70%強しか方向一致率がないのです。方向一致の上、PPIのプラスが伸びたときにCPIのプラスも伸びるか否かと言った点では、はっきり言って、それだけの根拠ではアテにできません。

    また、PPIの先行指標に挙げられる輸入物価指数の増減は、実際のところPPI前月比とほぼ無関係です。詳細はこちらの「1. 指標概要」に記載済です。

    【2. 既出情報

    以下の調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの27回分のデータに基づいています。

    (2-1. 過去情報)

    下図に過去の市場予想と発表結果を示します。

    1704米国PPI210.png

    1704米国PPI220.png

    (2-2. 過去反応)

    過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。

    1704米国PPI310.png

    1704米国PPI320.png

    1704米国PPI330.png

    1704米国PPI340.png

    【3. 定型分析】

    (3-1. 反応性分析)

    反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。詳細は「反応性分析」をご参照願います。

    1704米国PPI410.png

    直後11分足は、直後1分足との方向一致率が81%で、方向一致時に終値が直後1分足終値を超えて伸びていたことが52%です。直後1分足の初期反応が平均値より小さければ追撃、そうでなければ取引を見合わせた方が良いでしょう。
    現在の市況では、追撃するなら陽線を狙った方が良いでしょう。初期反応が陰線だった場合、反転のタイミングを待つことになります。タイミングがなければ諦めましょう。無理して取引するほどの指標ではありません。

    (3-2. 反応一致性分析)

    反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。詳細は「反応一致性分析」をご参照願います。

    1704米国PPI420.png

    直前1分足の陰線率が91%です。

    (3-3. 指標一致性分析)

    指標一致性分析は、指標の前回結果と市場予想の差(事前差異)と、発表結果と市場予想の差(事後差異)を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。詳細は「指標一致性分析」をご参照願います。

    1704米国PPI430.png

    見るべき点は、事後差異と直後1分足との方向一致率が84%と高い点です。発表結果が市場予想より良ければ陽線、悪ければ陰線と、素直に反応します。

    【4. シナリオ作成】

    巻頭箇条書きのシナリオの項をご参照願います。
    以上




    2017年5月11日21:30発表

    以下は2017年5月12日23:30頃に追記しています。
    U. 結果・検証

    【5. 発表結果】

    (5-1. 指標結果)

    本指標発表結果及び反応は次の通りでした。

    1704米国PPI510.png

    結果は市場予想を上回り、反応は陽線でした。

    (5-2. 取引結果)

    取引結果は次の通りでした。

    1704米国PPI520.png

    【6. 分析検証】

    (6-1. 分析検証)

    事前調査分析内容を、以下に検証します

    • (1) 指標一致性分析の結果、事後差異と直後1分足との方向一致率が84%と高い指標です。発表結果が市場予想より良ければ陽線、悪ければ陰線と、素直に反応します。がしかし、方向一致時に終値が直後1分足終値を超えて伸びていたことは52%しかありません。追撃するなら高値掴み(安値掴み)に気を付けましょう。
      (2) 直前1分足にローソク足実体部と逆側にヒゲが目立つ点に注意が必要です。
      (3) 直後11分足跳幅が40pips以上あったことは6回です。この6回のうち4回にヒゲがないか小さくなっています。このことは、反応が大きいときに同じ方向に長時間続くことを示唆しています。
    • PPI前月比はCPI前月比との相関が高く、そのために注目しています。ただ注目するのも暇なので、無理のないポジションが取れるなら取り、わからない動きをしているときは取引を諦めましょう。
      直後1分足跳幅が9pips以下だったことが89%という反応が小さな指標です。ただ、過去には直後11分足跳幅が40pipsを超えたことも22%(27回のうち6回)あります。おそらく、本指標の発表結果に対する反応ではないので、暇つぶしでケガをしないように気を付けましょう。

    今回は分析というより一般論みたいなものでしたから、特にコメントはありません。


    (6-2. シナリオ検証)

    事前準備していたシナリオは次の通りです。

    • (1) 直前1分足の陰線率が91%です。
      (2) 直後11分足は、直後1分足との方向一致率が81%で、方向一致時に終値が直後1分足終値を超えて伸びていたことが52%です。直後1分足の初期反応が平均値より小さければ追撃、そうでなければ取引を見合わせた方が良いでしょう。

    まぁだいたい良いでしょう。

    下表に、本ブログを始めてからの本指標シナリオでの取引成績を纏めておきます。

    1704米国PPI530.png
    以上



    ーーー注記ーーー

    本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
    そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
    ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。

    ーーー注記ーーー

    本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
    以上

    英国金融政策「BOE政策金利」発表前後のGBPJPY反応分析(2017年5月11日20:00発表結果検証済)

    以下、「T.調査・分析」を事前投稿し、「U.結果・検証」を事後投稿しています。ブログの日付は事前投稿日となっています。指標発表後に事後投稿し、その日時は「U.結果・検証」のタイトル行付近に記載しています。

    2017年5月11日20:00に英国金融政策「BOE政策金利」が発表されます。今回は同時に、四半期インフレ報告も今回は公表されます。

    本指標の要点は下表に整理しておきました。

    1705英国金融政策100.png

    本発表時には、FOMCなんかよりもずっと大きく動きます。調査期間内の過去最高は「市場予想に反して現状維持」のとき286pipsです。あっという間に跳ねて、おそらく近くの逆指値損切注文は、かなりスリップしてしまったことでしょう(あるいは、逆指値注文が通らなかったでしょう)。
    もしGBPのポジションを持って本発表を迎える場合、余裕資金を十分に持っておくべきです。「市場予想に反して金利改定」という事例は直近にありませんが、その場合どんなことになるか。「確実な予想」なんて、確実にありません。

    次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。

    • まず、本指標で取引する上での注意点です。
      今回の市場予想は現状維持となっています。がしかし、2015年8月・2016年4月も「市場予想通り現状維持」でした。これらの月は、それぞれ直前1分足跳幅が48pips(陰線側)・29pips(陰線側)も跳ねています。そして、発表直後(現状維持)はそれぞれ62pips(陰線側)・48pips(陽線側)に跳ねています。
      発表直前にどかんと動くことがあり、しかもそれが発表後の反応方向と必ずしも一致しません。このことを知っておかないと、ものすごく慌ててしまうこともあり得るのでご注意まで(知っていても慌てますけど)。
      直前はポジションを持たない、少なくとも直前1分ぐらいは買ポジションを持たない、という選択はアリです。

    • 指標については次の通りです。
      市場予想が現状維持のため、ポイントは、現状維持への反対委員が何名いるかと、インフレ報告での数字が見直されるか、です。
      政策金利の現状維持に反対して利上げを主張する委員がいる、と市場予想されており、発表前にGBPは買われる可能性が高い、と考えています。
      そしてもし、市場予想通りに現状維持の委員が7名以下となった場合は、発表後も暫く陽線と見込みます。
      但し、2月に引き上げられたインフレ見通しやGDP見通しがそのままか更に引上げられた場合、更に反応が伸びると見込まれます。一転、それらが下方修正されていた場合は、陽線側への反応がどこかで反転する可能性が高い、と考えています。

    • シナリオは次の通りです。
      (1) 直前10-1分足は、上記指標定性分析結論に依り、陽線と見込みます。但し、発表時刻が近づくと大きく陰線側に跳ねる可能性があるので、利確にせよ損切にせよ早めを目指します。
      (2) 直前1分足の陰線率が84%となっています。また、直前10-1分足との方向一致率が8%となっているので、直前10-1分足が陽線ならポジション取得、陰線ならポジション取得を諦めます。
      (3) 直後1分足は、上記指標定性分析結論に依り、陽線と見込みます。
      (4) 直後11分足は、直後1分足との方向一致率が72%で、方向一致時に終値が直後1分足終値を超えて伸びていたことが52%です。途中反転するか否かは、先述の通り、インフレ報告の内容次第という気もします。
      反転する場合、発表後3-5分後が危ないので、追撃をその前に行い3-5分後までに利確するか、3-5分後に追撃を開始するかは実際のチャートを見てから決めます。


    T.調査・分析

    公開情報や既出情報に基づく調査を行い、過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。

    【1. 指標概要】

    英国の政策金利は、英中銀(BOE)の金融政策委員会(MPC)に決定権限があります。同委員会は、総裁1人・副総裁2人・行内委員2人・外部委員2人の合計9人で構成されています。
    MPCは原則毎月第1水・木曜日の2日間開催され、2日目の正午に政策金利が発表されます。その2週間後に議事録を公表し、2月・5月・8月・11月には四半期インフレ報告書を発表しています。

    MPCは、9人の意見が強く反映されるため、他の主要国(日米欧)と違って市場予想がアテにならないと言われています。この話をどこで見かけて覚えているのかは忘れました。がしかし、市場予想が当たらないのは、事前に内容が漏れないからではないでしょうか。

    現在の政策は次の通りです。
    政策金利について、直近の改定は2016年7月に0.5%から0.25%に下れました。その前は2009年3月でした。このように、BOEはあまり頻繁に金利改定をしない、というイメージがあります。
    量的緩和(QE)について、少なくとも2009年以降は規模を徐々に拡大し、直近では2016年8月に現在の4350億GBPに増やしました(いつQEを開始したのかは調べていません)。

    がしかし、金融政策を頻繁に変更しないにも関わらず、本発表前後のGBPは大きく反応します。

    過去のデータを見ると、利下げ予想が外れた2016年7月を除く前回まで過去24回の直後1分足跳幅だけでも、平均値は30pipsを超えています(2016年7月のデータも含めた平均値は43pips)。
    ちなみに、利下げ予想が外れた2016年7月の直後1分足跳幅は286pipsにも達していました。利下げ予想が外れたときの方が、実際に利下げされたときよりも反応が大きかったことはおもしろいですね。

    政策金利に関して、市場予想通りに現状維持だった場合、声明における今後政策の文言で反応します。また、MPCメンバーのうち現状維持が何名いたかによって反応します。
    四半期インフレ報告が公表されるときは、今後2年間のインフレ見通しと、今後3年間のGDP見通しが示されます。そのため、前回までの見通しからの変化に応じてGBPは反応します。

    【2. 既出情報

    以下の調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの25回分のデータに基づいています。

    (2-1. 過去情報)

    下図に過去の市場予想と発表結果を示します。

    1705英国金融政策200.png

    BOEは頻繁に金利改定を行いません。この期間以前の金利改定は2009年3月でした。もし次に改定するなら、EU離脱前後に経済指標が極端に一方向に向かう事態になった場合でしょう。そう考えてか、市場予想は現状維持となっています。

    なお、前回利下げの2016年8月は、2016年6月がEU離脱国民投票があって、GBPがボロボロに落下し、景気指標(景況感)もボロボロに下がったときです。現在、GBPUSDはかなり落下していますが、景気指標(例えばPMI)はまだ高い水準です。

    直近の経緯を見てみましょう。

    前回のMPC議事録によると、政策金利現状維持は8対1で議決され、資産購入規模現状維持は全員一致で議決されています。政策金利の0.5%への引き上げを主張したのはフォーブス委員です。理由は、政策目標であるインフレ率2%を上回る状況に対する懸念、とのことです。

    3月24日・4月5日-6日に、ブリハMPC委員は「GBP安が輸出にプラスの影響を及ぼしているものの、低失業率が賃金を押し上げる兆候も見られず、現在の消費減速を相殺できるほどではない」旨を述べた上で、「慎重な金利策定が現時点では適切と考える」と発言しました。てっきり「だから慎重に利上げすべき」なのかと思ったら、この話の結論は「インフレ(の加速?)が利上げを意味する訳ではない」です。
    何なんだ、こいつは。

    そして、4月21日、サンダースMPC委員は「CPIは見通しより速く上昇する見通しで、雇用のたるみも限定的なので、段階的な利上げ後も緩和は維持される見通し」である旨、発言しています。
    サンダースさんは好きです。

    以上のことから利上げが見送られても、政策金利の現状維持に反対して利上げを主張する委員がいる、と見られており、発表前にGBPは買われる可能性が高い、と考えています。
    そしてもし、市場予想通りに現状維持の委員が7名以下となった場合は、発表後も暫く陽線と見込みます。
    但し、2月に引き上げられたインフレ見通しやGDP見通しがそのままか更に引上げられた場合、更に反応が伸びると見込まれます。一転、それらが下方修正されていた場合は、陽線側への反応がどこかで反転する可能性が高い、と考えています。

    (2-2. 過去反応)

    過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。

    1705英国金融政策310.png

    1705英国金融政策320.png

    1705英国金融政策330.png

    1705英国金融政策340.png

    直前10-1分足や直前1分足の動きが大きいのでご注意ください。
    こういう動きが大きく、明らかにプロフェッショナルが多く参加しているときには、利確できるときにさっさと利確しておいた方が良いでしょう。続けざまに読みを当てたり、次の展開を予想することを、プロとは決して競わないことです。
    便乗できそうな癖を探す、何度も便乗しようとしない、駄目ならすぐ逃げる、がアマチュアの基本です。

    なお、損切の目安はいつもより大きく25〜30pipsとしておきます。
    直近の高値・安値を参考にするのではありません。それはトレンドフォロー手法で取引する場合のやり方です。指標発表前後だけ取引する場合、指標発表時の過去の反応の大きさだけから損切も利確も決めるのです。利益は勝率で確保しましょう。

    【3. 定型分析】

    (3-1. 反応性分析)

    反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。詳細は「反応性分析」をご参照願います。

    1705英国金融政策410.png

    直後11分足は、直後1分足との方向一致率が72%で、方向一致時に終値が直後1分足終値を超えて伸びていたことが52%です。途中反転するか否かは、先述の通り、インフレ報告の内容次第という気もします。
    反転する場合、発表後3-5分後が危ないのでご注意ください。3-5分後が危ういという定量データは示せませんが、気になる方は過去のチャートをご覧ください。3-5分後は(発表直後の跳ねを除くと)頂や谷が形成されやすい傾向があるようです。印象的な話ですみません。

    (3-2. 反応一致性分析)

    反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。詳細は「反応一致性分析」をご参照願います。

    1705英国金融政策420.png

    直前1分足の陰線率が84%となっています。また、直前10-1分足との方向一致率が8%となっているので、直前10-1分足が陽線ならポジション取得、陰線ならポジション取得を諦めます。

    (3-3. 指標一致性分析)

    政策金利発表時の市場予想が現状維持の場合、指標一致性分析は行いません。

    【4. シナリオ作成】

    巻頭箇条書きのシナリオの項をご参照願います。
    以上




    2017年5月11日20:00発表

    以下は2017年5月12日23:00頃に追記しています。
    U. 結果・検証

    【5. 発表結果】

    (5-1. 指標結果)

    本指標発表結果及び反応は次の通りでした。

    1705英国金融政策510.png

    結果は市場予想通り現状維持で、反応は陰線でした。

    (5-2. 取引結果)

    取引結果は次の通りでした。

    1705英国金融政策520.png

    直後1分足は損切となりましたが、直前10-1分足と直後11分足での追撃で何とか取り返せました。

    【6. 分析検証】

    (6-1. 分析検証)

    事前調査分析内容を、以下に検証します

    • 市場予想が現状維持のため、ポイントは、現状維持への反対委員が何名いるかと、インフレ報告での数字が見直されるか、です。
      政策金利の現状維持に反対して利上げを主張する委員がいる、と市場予想されており、発表前にGBPは買われる可能性が高い、と考えています。
      そしてもし、市場予想通りに現状維持の委員が7名以下となった場合は、発表後も暫く陽線と見込みます。
      但し、2月に引き上げられたインフレ見通しやGDP見通しがそのままか更に引上げられた場合、更に反応が伸びると見込まれます。一転、それらが下方修正されていた場合は、陽線側への反応がどこかで反転する可能性が高い、と考えています。。

    発表前にGBPが買われるのは良しとして、発表結果に対し陽線と見込んでいた分析は完全に外していました。
    陰線に反応した理由は、(1) 利上げ主張委員が出ることは折込み済で事実売り、(2) インフレ報告は2017年のインフレが上方修正されたものの成長率が下方修正されたので悪いインフレ、ということでしょうか。

    (6-2. シナリオ検証)

    事前準備していたシナリオは次の通りです。

    • (1) 直前10-1分足は、上記指標定性分析結論に依り、陽線と見込みます。但し、発表時刻が近づくと大きく陰線側に跳ねる可能性があるので、利確にせよ損切にせよ早めを目指します。
      (2) 直前1分足の陰線率が84%となっています。また、直前10-1分足との方向一致率が8%となっているので、直前10-1分足が陽線ならポジション取得、陰線ならポジション取得を諦めます。
      (3) 直後1分足は、上記指標定性分析結論に依り、陽線と見込みます。
      (4) 直後11分足は、直後1分足との方向一致率が72%で、方向一致時に終値が直後1分足終値を超えて伸びていたことが52%です。途中反転するか否かは、先述の通り、インフレ報告の内容次第という気もします。
      反転する場合、発表後3-5分後が危ないので、追撃をその前に行い3-5分後までに利確するか、3-5分後に追撃を開始するかは実際のチャートを見てから決めます。

    発表時刻を跨いだ直後1分足の損切は、分析を間違っていたことが原因ですから、仕方ありません。

    下表に、本ブログを始めてからの本指標シナリオでの取引成績を纏めておきます。

    1705英国金融政策530.png

    以上



    ーーー注記ーーー

    本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
    そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
    ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。

    ーーー注記ーーー

    本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
    以上

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