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1. FXは上達するのか

小さなコツをいくつか覚えたって駄目です。勝てない原因をきちんと突き止めてからやり直しましょう。FXを楽しむためには「投資期間」が必要です。すぐに始めたって勝てないことは、FXに限らず、何事であれ同じなのです。だからこそ、その期間を短縮するための「方法論」が大切なのです。

 右矢印1 1-1. FXを楽しむために
   アマチュアらしく…
 右矢印1 1-2. いつか負けないはずがない!
   上手くなるまでは短期取引です
 右矢印1 1-3. 難しさの正体って何だ
   利確と損切の理解は大切です
 右矢印1 1-4. FXは上達するのか
   取引機会を絞り込むべきです
 右矢印1 1-5. 数字で掴もう
   その機会にどう臨むかです
2. 経済指標の楽しみ方

このブログで扱う取引の理想は、経済指標発表前後の反応を着実に刈り取り、ポジション保有時間を最短化してリスクを避けることです。でも、効率良く取引するにはそれなりに予備知識が必要です。大した話は紹介できませんが、基本だけは押さえておきましょう。

 右矢印1 2-1. 大きなゾウの隠れ方
   指標取引のための予備知識です
 右矢印1 2-2. ウソは嫌いだ!
   短期取引をやるときの指針です
 右矢印1 2-3. イグアナを見分ける前に
   このブログの指標取引での成績です
 右矢印1 2-4. 小ズルくいきましょう
   いわばジンクスで勝つ方法です

3. 指標取引分析手法

このブログでは経済指標への調査・分析を定型書式で行っています。定型書式を用いることで、反省を踏まえてやり方を進歩させたり、相場環境が変わったことを見つけやすくするため、です。

 右矢印1 3-1. 指標取引の予備知識
   指標発表前後の他の時間と違い
 右矢印1 3-2. ローソク足各部の名称
   全幅・値幅・跳幅とは?
 右矢印1 3-3. 4本足チャート
   このブログで使うチャート表記
 右矢印1 3-4. 反応方向の予備知識
   指標分類と反応方向の基本
 右矢印1 3-5. 取引通貨ペアの選択
   通貨ペアによる有利不利
 右矢印1 3-6. 指標分析の方法
   定量指標分析とは?
 右矢印1 3-7. 反応分析の方法
   定量反応分析とは?
 右矢印1 3-8. 分析の成績
   事前分析的中率
 右矢印1 3-9. ブレイク対応準備
   ついでに…
4. 経済指標DB

経済指標発表前後の短時間に分析期間を絞ることによって、指標への反応に一定の再現性(傾向)があることはわかりました。各国「政策決定指標」・「経済実態指標」の項に、主要な指標についての分析結果と分析事例を纏めてあります。

 右矢印1 4-0. 各国経済・通貨の特徴
 右矢印1 4-1. 日本経済
    4-1-1. 政策決定指標
    4-1-2. 経済実態指標
     (a) GDP速報値
     (e) 国際収支
 右矢印1 4-2. 米国経済
    4-2-1. 政策決定指標
     (a1) FOMC政策変更時
     (a2) FOMC政策変更直前
     (b1) UM消信指数速報
     (b2) CB消信指数
     (b3) ISM非製景指数
     (c1) NY連銀製景指数
     (c2) Phil連銀製景指数
     (c3) ISM製景指数
     (d1) 輸入物価指数
     (d2) 生産者物価指数
     (d3) 消費者物価指数
     (d4) PCEコアデフレータ
     (e1) ADP雇用統計
     (e2) 雇用統計
    4-2-2. 経済実態指標
     (a1) GDP速報値
     (a2) GDP改定値
     (a3) GDP確定値
     (b1) 小売売上高
     (b2) 個人消費・所得
     (c1) 設備稼働率
     (c2) 耐久財受注
     (d1) 中古住宅販売件数
     (d2) 新築住宅販売件数
    4-2-3. 収支関連指標
     (a) 貿易収支
 右矢印1 4-3. 欧州経済
    4-3-1. 政策決定指標
     (a) ECB金融政策
     (c1) 独国ZEW景況感調査
     (c2) 独国Ifo業況指数
     (c3) 独国PMI速報値
     (d) 欧州HICP速報値
    4-3-2. 経済実態指標
     (a1) 独国GDP速報値
 右矢印1 4-4. 英国経済
    4-4-0. 英国経済指標反応要点
    4-4-1. 政策決定指標
     (a) BOE金融政策
     (c1) 製造業PMI
     (c2) サービス業PMI
     (d) 物価統計
     (e) 雇用統計
    4-4-2. 経済実態指標
     (a1) GDP速報値
     (a2) GDP改定値
     (a3) GDP確定値
     (b) 小売売上高指数
     (c) 鉱工業生産指数
 右矢印1 4-5. 豪州・NZ経済
    4-5-1. 政策決定指標
     (a) RBA金融政策
     (b) RBNZ金融政策
     (c) WP消費者信頼感指数
     (d1) 四半期住宅価格指数
     (d2) 四半期消費者物価指数
     (e1) ANZ広告求人件数
     (e2) 雇用統計
    4-5-2. 経済実態指標
     (a) 四半期GDP
     (b) 貿易統計
     (c) 小売売上高
     (d) 住宅ローン件数

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【FX会社】
各社特徴があります。最初は資金にも限りがあるでしょうから1つの口座で、慣れたらいくつか口座を開いて自分が使いやすい会社を選ぶと良いでしょう。
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DMM.com証券

FX口座数国内第1位はTVCMで有名。主要通貨のスワップポイントが高く、ドル円スプレッドも原則0.3銭と安い。2万円のキャッシュバック条件は、10万円入金+PC・スマホで3か月各500枚(週毎に各約40枚)の取引と意外に簡単!


外為ジャパン

キャッシュバック条件はDMM.comと同じ。0.1枚単位から取引可能で、ドル円中心の取引ならばスプレッドも原則0.3銭と安い。最初に口座開設したり自分で手法研究するために良いと思います。


ヒロセ通商

他社乗換ほか、キャッシュバックプログラム多数。スプレッドは、クロス円でUSD・EUR・NZDが有利、ドルストレートでEUR・GBP・AUDが有利。最小取引は1000通貨単位で初心者に優しい。スワップが良い会社です。


マトリックストレーダー

キャッシュバック条件はヒロセ通商と同じようです。特長は、スキャルピングOK公言・1日の取引上限なし・1000通貨単位取引可、といった点。


OANDA Japan

MT4業者はスプレッドが狭くても約定力が低い業者が多いなか、約定拒否なしが魅力。またHPの各種分析図表が美しく、あちこちのブログで引用されています。本ブログでは他人の著作物転載はしていないので、お見せできません。一度ご覧ください。


ライブスター証券

特徴は、スワップポイントが業界最高水準、証券口座とFX口座との間でリアルタイム資金連携。株とFXと両方やる方にお薦めです。



外為ファイネスト証券

特徴は、MT4最狭水準のスプレッド、EA利用可、指値制限なし、MT4サーバ国内設定、1000通貨取引可、です。

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2018年10月15日

米国実態指標「小売売上高」発表前後のUSDJPY反応分析(3訂版)

米国実態指標「小売売上高」の指標発表前後の反応分析には、
@ 小売売上高前月比
A 輸送機器を除く小売売上高前月比
を用います。以下、「小売売上高前月比」を単に「前月比」、「コア小売売上高前月比」を「コア前月比」と略記します。

本稿は、過去の指標結果と反応方向の関係を分析することによって、本指標発表前後のUSDJPY取引に役立つ特徴を見出すことがテーマです。

なお、この分析の調査範囲は、2015年1月集計分〜2018年8月集計分(同年9月発表分)です。
本指標はCPIと同時発表されたことが2015年以降11回あります。本指標もCPIも反応が大きな指標のため、同時発表されたときは、反応が重畳や相殺されていると考えられます。
よって、以下の反応方向に関わる分析では、その11回を除いて行います。指標結果に関しては調査期間全ての44回のデータを用いて行います。

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結論から述べます。本指標の特徴は以下の通りです。
以下の特徴を踏まえた取引を行うか、その日の値動きが異常なら取引を止めるかがベターな選択と考えています。少なくとも過去の傾向に反した取引方法は、長い目で見ると勝率をさげてしまいがちです。

  • 2015年以降、本指標は単独で発表されることがなく、いつも別の指標と同時発表されています。
    CPIと同時発表されたときの影響力は(CPI>本指標)、NY連銀製造業景気指数と同時発表されたときの影響力は(本指標>NY連銀指数)、輸入物価指数と同時発表されたときの影響力は(本指標>輸入物価指数)です。PPI及びECB金融政策発表後の総裁会見と同時発表されたときの影響力の多寡は未検証です。
    本指標自体の影響力は(コア前月比>前月比)で、反応方向は指標結果の良し悪しに素直です。

  • 前月比が発表される指標でよく見かける傾向として「反動」という現象があります。当然、この反動現象には市場予想も影響を受けています。
    前月比が+1以上か△0.5以下だった翌月は、市場予想ほどの反動が起きなかったことが80%あります。そして、コア前月比が+0.7以上か△0.7以下だった翌月は、市場予想を超えて反動が起きたことが80%あります。
    翌月の反動が市場予想を超える過大反動は、コア前月比だけに起き、前月比には起きない訳です。

  • 指標発表後は一方向に反応を伸ばしがちですが、たまに直後11分足が初期反応方向に対し大きく反転します。これは注目度が高い指標のため、指標発表前に織り込みが行われがちだから、と解釈できます。
    大きく反転したことはたまにですが、落差が大きいだけに追撃や再追撃は慎重に行う必要があります。
    過去の傾向に基づく具体的な取引方針はV節末尾に記載しています。

本指標に関する説明と上記結論の論拠を以下に示します。




T.指標分析

以下、事前差異(=市場予想ー前回結果)と事後差異(=発表結果ー市場予想)と実態差異(発表結果ー前回結果)の関係を多用します。差異がプラスのとき陽線・マイナスのとき陰線と対応していれば、反応が素直だと言うことにします。

【1.1 指標概要】

米国個人消費はGDPの約70%を占めています。米国は世界一の消費大国であり、その米国の景気の良否を把握する上で本指標は重要視されています。米国商務省経済分析局(BEA)が、小売・サービス業等約5,000社の月間の売上高を集計した前月分を翌月に発表します。

発表内容は耐久財と非耐久財とに大別され、特に自動車販売・同部品の比重が大きいという特徴があります。
そのため、個人消費の動向を確認する上で自動車販売を除いた指標値も同時発表されます。項目別では、自動車や電気製品、建設資材、ガソリンスタンド、総合小売店などの前月比と実額を発表します。
結果は、GDP概算の資料や生産者物価指数(PPI)のデータにも利用されています。

反応は大きく、反応方向は(コア前月比>前月比)の傾向があります。
早い時刻から本指標を睨んだ動きがチャート上に現れることも多く、そのため指標発表前には一旦ポジション清算も多いようです。一方、指標発表直前にポジションを取る動きもあって、売買が交錯して指標発表前のローソク足にはヒゲが目立ちます。

【1.2 指標推移】

過去の市場予想と発表結果の推移を以下に示します。
市場予想は発表直前の値を用い、発表結果は後に修正値が発表されても定時発表値のままを用います。これは本指標の推移そのものより、指標発表直前直後の反応程度や反応方向との関係を重視しているためです。
本項は、本記事の更新と別に、適宜、最新に差し替えます。

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先に前月比から見て行きます。

1809米国小売200.png

前月比が+1以上か△0.5以下だったことは過去5回あります(頻度11%)。この5回の翌月の4回は反動が起きています。
本指標前月比における反動とは、前月比が+1以上だったとき翌月にそれより0.8以上の減少が起きたか、前月比が△0.5以下だったとき翌月に0.8以上の改善が起きたか、をそう呼ぶことにします。
つまり、前月比が+1以上か△0.5以下だったとき、翌月に反動が起きる期待的中率は80%です。でも、この結果をアテにしてはいけません。理由は次の通りです。

前月比が発表される多くの指標では、こうした反動がよく起きます。こうした指標では、前月が反動を起こしがちな水準があるようです。でも、このままでは指標の推移を高い確率で的中させるヒントになっても、取引上の方針を決める決定打になりません
指標発表直後の反応方向は、発表結果の市場予想に対する多寡に応じがちだからです。その市場予想は、ここに述べた反動が起きることを想定しています。

前月比が+1以上だったことは過去3回あります。この3回の翌月の発表結果が市場予想を下回ったことは1回です。前月比が△0.5以下だったことは過去2回あります。この2回の翌月の発表結果が市場予想を上回ったことはありません。
つまり、前月比が+1以上か△0.5以下だった翌月は、市場予想ほどの反動が起きない期待的中率が80%です。

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次に、コア前月比を見てみましょう。

1809米国小売210.png

コア前月比が+0.7以上か△0.7以下だったことは過去9回あります(頻度20%)。この9回の翌月の7回は反動が起きています。
本指標コア前月比における反動とは、前月比が+0.7以上だったとき翌月にそれより0.6以上の減少が起きたか、前月比が△0.7以下だったとき翌月に0.6以上の改善が起きたか、をそう呼ぶことにします。
つまり、前月比が+0.7以上か△0.7以下だったとき、翌月に反動が起きる期待的中率は77%です。でも、この結果をアテにしてはいけません。

コア前月比が+0.7以上だったことは過去8回あります。この8回のうち、4回は翌月の発表結果と市場予想が一致しています。このブログでは同値の場合をカウントしません。よって、カウントに有効な回数は4回となり、この4回の翌月の発表結果が市場予想を下回っています。
また、コア前月比が△0.7以下だったことは過去1回あります。この1回の翌月は、発表結果が市場予想を下回っています。
つまり、コア前月比が+0.7以上か△0.7以下だった翌月は、市場予想を超えて反動が起きる期待的中率が80%です。

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利用できる頻度こそ少ないものの期待的中率の高さから、以上のようなことが本指標の反動が起きそうな月の特徴ということになります。
前月指標結果が大きすぎた翌月に市場予想を下回ったり、前月指標結果が小さ過ぎた翌月に市場予想を上回ることを、過大反動と呼びます。過大反動の有無傾向は、翌月の取引のヒントになります。
本指標は、前月比が過大反動を起こさず、コア前月比が過大反動を起こしがちです

【1.3 指標結果良否判定方法】

前掲ふたつのグラフを見比べると、特徴的なピーク・ボトムはだいたい時期が一致しています。そして、前月比とコア前月比の発表結果と市場予想の大小関係が一致しなかったことは8回(頻度18%)で、そのうち5回は一方の発表結果が市場予想と一致した事例です。つまり、食い違ったことは3回(頻度7%)しかありません。
大雑把に言えば、前月比であれコア前月比であれ好きな方だけ見ていても、取引上の実害はほとんどない訳です。

ただ、それでも細かく見れば、前月比とコア前月比の各差異は重み付けが同じではありません。細かく見てるだけなので、以下が面倒ならば全て、1✕前月比の各差異+1✕コア前月比の各差異、としても構いません。

事前差異は、

  • 1✕前月比の事前差異−1✕コア前月比の事前差異

という判別式の解の符号と、直前10-1分足の方向一致率が63%となります。コア前月比の係数がマイナスになっていることにご注意ください。

事後差異は、

  • 1✕前月比の事後差異+3✕コア前月比の事後差異

という判別式の解の符号と、直後1分足の方向一致率が76%となります。市場予想に対する発表結果の良し悪しには素直に反応しています。

実態差異は、

  • 1✕前月比の実態差異+5✕コア前月比の実態差異

という判別式の解の符号と、直後11分足の方向一致率は61%となります。

【1.4 指標間一致性分析】

CPIとの関係について単月毎の改善/悪化を調べておきます。

モノが売れるときしか値上げなんてできません。この単純な話が経済指標に現れるのかを検証しておきます。但し、その検証は毎月の取引に役立たないと意味がありません。そこで、単月毎の本指標とCPIの発表結果が前月結果よりそれぞれ改善(数値増)したか悪化(数値減)を比較します。
下図をご覧ください。

1809米国小売230.png

横軸は、CPI実態差異の増減が本指標実態差異の増減より〇か月先行/遅行、と読みます。縦軸は、両指標の実態差異の増減の方向一致率を示しています。

全体的には常識に適って右上がりで、モノが売れれば値上げ・売れなければ値下げ、というCPI変化の遅行が起きているように見えます。けれども数値を見ると、両者の方向一致率は36〜62%と、取引上のアテにするにはやや心細い値です。
両指標の改善や悪化を単月毎に比較しても、指標発表直前にポジションをオーダーする根拠としては弱いことがわかりました

なお、この比較においてCPIは、

  • ー1✕CPI前月比の実態差異+2✕CPI前年比の実態差異+4✕コアCPI前月比の実態差異+3✕コアCPI前年比の実態差異

という判別式の解の符号を用いています。

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過去44回の本指標発表時に、CPIとの同時発表は11回ありました。その11回の指標結果(事後差異)と反応方向(直後1分足)の関係は次の通りです。表中数値はその回数を示しています。指標結果は、それぞれの指標の事後差異判別式の解の符号を用いています。

1806米国小売160.png

本指標とCPIが同時発表されたときは、本指標よりもCPIの良し悪しに素直に反応することがわかりました。




U.反応分析

分析は、反応程度の大きさだけを取り上げる方法と、反応方向だけを取り上げる方法と、それらを事前に示唆する予兆がないか、について行います。

【2.1 反応概要】

過去の4本足チャートの各ローソク足平均値と、最も指標結果に素直に反応する直後1分足跳幅の分布を下表に纏めておきます。

1809米国小売110.png

指標結果に最も素直に反応しがちな直後1分足跳幅は、過去平均で21pipsです。この平均を超えて跳ねたことが41%で、10pips以下しか跳ねなかったことが45%を占めています。
CPIと同時発表されないときは、大きく跳ねたことより、大して跳ねないことの方が多いのです。

平均値が高いのに平均値未満の反応をしたことが多い指標では、例え反応方向を当てても利確の機会を逸しがちです。本指標がそういう指標です。また、過去に本指標はCPIと同時発表されたことが多く(頻度25%)、その結果、資料によっては過去の反応程度を高めの数字となっていることが散見されます。
気を付けましょう。

【2.2 期間推移】

下図は、1年毎に区切った直前10-1分足と直後1分足と直後11分足の反応程度の平均値推移です。この図では、反応の方向を無視して大きさだけを比べるため、データは絶対値の平均値を用いています。絶対値というのは、例えば−1も1も大きさを1と見なすことです。

1809米国小売160.png

この図にCPIと同時発表があったときは含まれていません。その結果、この図における分析母数は、2015年発表分が11回、2016年発表分が11回、2017年発表分が4回、2018年発表分が現時点で7回です。
2018年に入ってからは、それ以前より極端に反応が小さくなっています。

次に、1年毎に区切った事前差異と事後差異と実態差異の平均値推移です。

1809米国小売170.png

2018年の事後差異と実態差異は、それ以前より小さくなっています。

2018年に入ってからの米国指標は、本指標に限らず以前よりも反応が小さくなっています。本指標の場合は、それに加えて指標差異が小さくなっていることが、以前よりも反応を小さくしている原因と考えられます。

【2.3 個別反応分析】

個別反応分析は、勝率よりも期待値を重視して取引するための分析です。合理的とは言えるものの、例え連敗が続いてもずっと同じやり方で取引を続ける不屈さが必須です。

多くの指標では、事後差異と直後1分足の方向一致率が高くなりがちなことがわかっています。けれども、事後差異の大きさと直後1分足値幅が比例的になる指標は少ないこともわかっています。
事後差異判別式の解(横軸)と直後1分足終値(縦軸)の関係を下図に示します。

1809米国小売130.png

相関係数R^2値があまり高くありません。また、事後差異が0〜△1.1だったときは、直後1分足が事後差異に素直な反応をしているとは言えません。

次に、直後1分足(横軸)と直後11分足(縦軸)の関係を見ておきます。

1809米国小売140.png

図の左半分を見て下さい。対角線(黒斜線)より下のドット分布より上のドット分布の方が対角線から遠く離れています。次に図の右半分を見ても同様に、対角線(黒斜線)より上のドット分布より下のドット分布の方が対角線から遠く離れています。
このことは、調子に乗ってだらだら追撃する危うさを示しています。本指標での追撃はさっと行い、さっと終える方が安心です。

【2.4 回数反応分析】

回数反応分析は、何よりも勝率を重視するための分析です。程度を問題にせず、比較対象同士の大小関係や方向一致した回数だけに注目します。けれども、利確や損切のタイミングを見切れないと、分析結果を活かせないという欠点があります。

指標一致性分析は、各差異と反応方向の一致率を調べています。反応一致性分析は、先に形成されたローソク足と後で形成されるローソク足の方向一致率を調べています。

1809米国小売310.png

1809米国小売320.png

直前1分足は過去陰線率が75%偏りがあります。
指標一致性分析では、事後差異と直後1分足の方向一致率が76%で、本指標が結果の良し悪しに素直に反応していることしかわかりません。
反応一致性分析では、直前1分足は、直前10-1分足との方向一致率が29%(不一致率71%)となっています。

次に、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅をそれぞれ分析します。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。詳細は「反応性分析」をご参照願います。

1809米国小売330.png

直後1分足と直後11分足との方向一致率は76%です。その76%の方向一致時だけに注目したとき、直後1分足跳幅を直後11分足跳幅が超えて反応を伸ばしたことは100%です。終値同士を比べても、72%が反応を伸ばしています。
指標発表後の反応が暫く伸び続けるのだから、指標発表後に反応方向を確認したら早期追撃開始です。

そして、指標発表から1分を経過すると、直後1分足終値を超えて直後11分足終値が伸びていたことは55%です。この数字から、早期追撃開始で得たポジションは、指標発表から1分を過ぎたら利確の機会を窺った方が良いでしょう。




V.取引方針

以下に過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示し、それぞれの期間の取引方針を纏めておきます。図で歯抜けしている箇所は、CPIと同時発表だった月です。

【3.1 直前10-1分足】

下図は直前10-1分足の始値基準ローソク足です。

1809米国小売410.png

直前10-1分足の過去平均跳幅は5pips、過去平均値幅は3pipsです。そして、事前差異との方向一致率は63%です。ヒゲが目立つので、もし取引するにせよ短時間しかポジションを持てません。
この期間の取引は見合わせます

【3.2 直前1分足】

次に、直前1分足の始値基準ローソク足です。

1809米国小売420.png

直前1分足は、過去平均跳幅が4pips、過去平均値幅が3pipsです。陰線率は75%、直前10-1分足との方向一致率は29%(不一致率71%)となっています。
この期間は、直前10-1分足が陽線ならばショートをオーダーし、利確・損切りの目安は2pips程度です。反応が小さいので、あまり取引を薦められません。

【3.3 直後1分足】

そして、直後1分足の始値基準ローソク足を下図に示します。

1809米国小売430.png

直後1分足は、過去平均跳幅が21pips、過去平均値幅が15pipsです。但し、最近の反応は極端に小さくなっています。指標結果の良し悪しには素直に反応(事後差異との方向一致率76%)しています。

直後1分足の方向を事前示唆する可能性がある現象は次の3点です。

  • 前月比が+1以上か△0.5以下だった翌月は、市場予想ほどの反動が起きなかったことが80%あります。そして、コア前月比が+0.7以上か△0.7以下だった翌月は、市場予想を超えて反動が起きたことが80%あります。
  • 直前10-1分足の跳幅が過去平均の2倍の10pips以上だったことは過去2回あります(頻度7%)。この2回の直後1分足の方向は、直前10-1分足の値幅方向と一致しています。
  • 直前1分足の跳幅が10pipsに達したことは過去1回しかありません(頻度3%)。この1回の直後1分足の方向は、直前1分足の値幅方向と一致しています。

これらの現象が起きている場合、指標発表直前にポジションをオーダーし、発表直後の跳ねで利確・損切です。
これらの場合、指標発表直前にポジションをオーダーし、発表直後の跳ねで利確/損切です。

指標発表後の初期反応を確認後は早期追撃開始です。
直後1分足と直後11分足との方向一致率は76%です。その76%の方向一致時だけに注目したとき、直後1分足跳幅を直後11分足跳幅が超えて反応を伸ばしたことは100%です。

再追撃も、発表から数分以内なら3pipsを狙って繰り返しますが、事後差異が0〜△1.1の範囲内だったときは行いません
平均的には直後11分足終値は直後1分足終値より反応を伸ばしているものの、たまに反転したときに大きく反転するので、再追撃は利確/損切の目安を小さくして繰り返す方が無難です。

【3.4 直後11分足】

最後に直後11分足です。

1809米国小売440.png

抜けたら追うべき閾値があるのか確認しておきます。

直後1分足跳幅が30pips以上に達したことは過去9回あります(頻度27%)。但し、直後1分足跳幅が30pips以上に達したのは2016年12月集計分(翌1月発表)が最後です。その後、本指標がCPIと別の日に発表されたときに30pips以上に達したことがありません。

この9回のうち6回は初期反応方向にその後も伸びて、1回は直後1分足の値幅を削り、2回は直後1分足と反転しています。そこで機械的な取引で、

  • 直後1分足跳幅先端で追撃ポジションをオーダーし、直後11分足跳幅先端で利確/損切すると、9回で△16pipsの負け
  • 直後1分足終値で追撃ポジションをオーダーし、直後11分足跳幅先端で利確/損切すると、9回で+51pipsの勝ち
  • 直後1分足終値で追撃ポジションをオーダーし、直後11分足終値で利確/損切すると、9回で+4pipsの勝ち

です。この結果は、反転が2回もあった以上、予想できたことです。
そこで、利確/損切を20pipsで行うことにします。すると、

  • 直後1分足終値で追撃ポジションをオーダーし、利確/損切を20pipsで行うと、9回で+66pipsの勝ち

です。

但し、前述の通り、2016年12月集計分(翌1月発表)が最後に、本指標がCPIと別の日に発表されたとき直後1分足が30pips以上に達したことがありません。もし久しぶりに直後1分足が30pips以上に達しても、この試算通りにやっても、収益最大化が図れるかはちょっと自信ありません。

ーーー$€¥£A$ーーー

取引方針を整理しておきます。

  • 直前1分足は、直前10-1分足が陽線ならばショートをオーダーし、利確・損切りの目安は2pips程度です。
  • コア前月比に過大反動が期待できるとき、指標発表直前に反動方向にポジションをオーダーし、発表直後の跳ねで利確/損切です。
  • 直前10-1分足か直前1分足の跳幅が10pips以上に達したら、指標発表直前にそれら値幅方向にポジションをオーダーし、発表直後の跳ねで利確/損切です。これらが矛盾する場合、直前10-1分足の跳ねを優先します。
  • 指標発表後の初期反応を確認後は早期追撃開始です。発表から数分以内の利確を狙います。3pipsも取れたら、すぐに利確でも構いません。
  • 再追撃も、発表から数分以内なら3pipsを狙って繰り返しますが、事後差異が0〜△1.1の範囲内だったときは行いません。
    平均的には直後11分足終値は直後1分足終値より反応を伸ばしているものの、たまに反転したときに大きく反転するので、再追撃は利確/損切の目安を小さくして繰り返す方が無難です。




W.分析結論

本指標の特徴は以下の通りです。
以下の特徴を踏まえた取引を行うか、その日の値動きが異常なら取引を止めるかがベターな選択と考えています。少なくとも過去の傾向に反した取引方法は、長い目で見ると勝率をさげてしまいがちです。

  • 2015年以降、本指標は単独で発表されることがなく、いつも別の指標と同時発表されています。
    CPIと同時発表されたときの影響力は(CPI>本指標)、NY連銀製造業景気指数と同時発表されたときの影響力は(本指標>NY連銀指数)、輸入物価指数と同時発表されたときの影響力は(本指標>輸入物価指数)です。PPI及びECB金融政策発表後の総裁会見と同時発表されたときの影響力の多寡は未検証です。
    本指標自体の影響力は(コア前月比>前月比)で、反応方向は指標結果の良し悪しに素直です。

  • 前月比が発表される指標でよく見かける傾向として「反動」という現象があります。当然、この反動現象には市場予想も影響を受けています。
    前月比が+1以上か△0.5以下だった翌月は、市場予想ほどの反動が起きなかったことが80%あります。そして、コア前月比が+0.7以上か△0.7以下だった翌月は、市場予想を超えて反動が起きたことが80%あります。
    翌月の反動が市場予想を超える過大反動は、コア前月比だけに起き、前月比には起きない訳です。

  • 指標発表後は一方向に反応を伸ばしがちですが、たまに直後11分足が初期反応方向に対し大きく反転します。これは注目度が高い指標のため、指標発表前に織り込みが行われがちだから、と解釈できます。
    大きく反転したことはたまにですが、落差が大きいだけに追撃や再追撃は慎重に行う必要があります。

X.取引成績

下表は、2018年10月の本指標発表以降、適宜、最新のものに差替えを行っていきます。以下は、2018年10月16日に差し替えています。

取引成績は、この分析に記載方針に沿って実際に取引を行った結果だけを纏めています。実際に取引した結果以外は、例え事前方針が妥当だったとしてもここには含みません。また、事前方針に挙げていない取引(方針外取引)の成績は、この表には含めていません。

実際の取引は、例え結果的に陽線だったとしても終値1秒前まで長い陰線側へのヒゲをずっと形成していたりします。そういった場合、事前のその期間の取引方針がロングが正解かショートが正解か、わかりません。実際の取引で利確できたか損切せざるを得なかったかだけが公平な判定基準だと言えます。そして、方針外取引をここに含めると、事前分析の有効性が後日検証できなくなってしまいます。

取引方針の記述を、勝ちやすく・分析結果を誤解しにくく・自己裁量部分がわかるように、進歩・改善していくしかありません。記述はがんじがらめ過ぎても取引がうまくいきません。その兼ね合いが難しいので、試行錯誤しています。

1809米国小売900.png

以上

ーーー注記ーーー

本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。

ーーー注記ーーー

本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
注記以上




OANDA社には「FX会社を選ぶ基準はスプレッドとキャッシュバックキャンペーンだけではない」と公言するだけの特徴があります。

まず「OANDA FX ラボ」の分析画面です。個人ブログでその分析画面をコピー・ペーストして用いている事例はよく見受けられます。これは無許諾転載なら著作権法に触れますが、そういう事例でよく転載されているのが、同社の分析画面です。それぐらい同社は綺麗でわかりやすい分析画面となっています。

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